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2018.01.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<138号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回は、最近FDA(米国食品医薬品局)から出たウォーニングレター4件について取り上げ、
FDAがGMP上のどのような点について指摘をしているのかを確認していきたいと思います。


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最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
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■WL:320-18-12 ドイツの製薬会社のインドの製造所の査察(2017/5/15~2017/5/24)でみつかった
原薬製造における重大なCGMP違反に関する2017/12/4付ウォーニングレターには、下記の指摘事項が
あげられています。
1.OOS(out-of-specification)の結果について、適切に調査し記録することを怠った。
貴社のOOSの調査に関する我々のレビュで、貴社は、適切なOOSの手順を使用せず、最初のOOSの結果を
無効にする科学的正当性に欠けていたことを発見した。例えば:
a.物質試験の最初のOOSの結果に関し、調査報告OOS/2015/098は、過度の超音波処理が水槽の温度を
  上げ、サンプルの溶液を分解したかもしれないと結論づけた。
  しかし貴社の調査は、考えられたこの根本原因を裏付けるエビデンスに欠けていた。
  貴社の調査は結論に達していなかったが、貴社は第二段階の調査に進まず、不完全な製造や不完全
  な製品品質につながるOOSを引き起こす可能性のある原因の調査をしなかった。
b.調査報告OOS 50989は不特定の不純物に関するOOSの結果の調査において最も可能性のあるOOSの
  原因は汚染であると結論づけた。しかし、仮設検証において、汚染の原因は特定も確認もされなか
  った。貴社は、OOSの結果を無効にし(第二の分析者による新しいサンプルの再試験の不合格も同様)、
  6回の再試験の平均を報告した。貴社は、不完全な製造や不完全な製品品質につながるOOSを引き
  起こす可能性のある原因を再考察するための調査を拡大することを怠った。
c.貴社のOOS調査手順036/-/QS/QAは、もし、全てのサンプルの分析を完了する前に明らかなOOSが
  見つかったら、分析者がクロマトグラフの実行を打ち切ることを認めている。貴社の品質管理マネー
  ジャは、究明可能な原因により後で無効にする予定の分析であれば、分析者がHPLCの分析を打ち切る
  ことを承認した。たとえば、クロマトグラフの実行中に未知の不純物がみつかってHPLCの分析を打ち
  切ったが、自動分析を打ち切ることを正当化するような機械の故障はなかった
我々の査察官は、打ち切られた248の事例を記録した。
貴社のSOPは不適切である。もし、サンプルの準備を行う時のミスであれば、ミスをした時点で明らかな
手作業のエラーを特定することは可能だろう。そのような場合は、サンプルの準備を中止し、すぐに逸脱
を記録して、新しいサンプルの準備をすることを正当化することは妥当だろう。しかし、前の作業のエラ
ーがOOSの原因になっていると決めてかかって、実行中の自動分析を止めるのは適切でない。予期しな
い結果を得ることは、突き止められる原因によるものではなく、そのような原因の思い込みは、分析を中
断する正当な理由にならない。自動分析は、コンピュータの画面に望ましくない分析結果が表れたとして
も、完了するまで続行することを許可されるべきである。
我々は、貴社が不完全なSOPを修正するという約束を受け入れるが、貴社の修正はOOSの結果を得た後す
ぐにラボの調査が開始されることを保証していないので、貴社の回答は不十分である。貴社は、査察官に
よって引き合いに出された例のうちの約9件は、サンプルの溶液安定性の理由で、オリジナルのサンプル
が再注入されなかったことを認めた。バリデーションデータは、これらのサンプルの溶液のいくつかは室
温で安定することを示している。機械的なエラーが起きたのか、準備でエラーが起きたのかを特定するた
めには、実際の在庫の速やかな再試験、操作、HPLCのバイアルの溶解が不可欠である。ラボのエラーと
する仮説に関する明確なエビデンスと信ぴょう性を提供するために、可能性のあるオリジナルのサンプル
のタイムリーな調査が絶対に必要である。
貴社のOOSの手順は、ラボのエラーだとする決定的なエビデンスが欠けている時でも第二段階の調査に進
むことを確実にするのを怠っているので、貴社の回答自体も不十分である。ラボのエラーの可能性だけ
で、第一段階で調査を終えるのは不十分である。さらに、貴社の手順は、第二の分析者が最初のOOSを確
認した場合は、第二段階にいくことなく調査を終えられると述べている。調査を終える前に、全ての不備
な結果が、製造の原因によるものなのか調査されるかどうかが不明確なままである。さらに、OOSの結果
が第二の分析者によって確認されなかった場合でも、最初のOOSの試験結果は分析エラーのせいであると
推測されるべきではない。ラボのエラーであるという決定的なエビデンスに欠ける時はいつでも、製造の
原因の可能性について徹底的な調査が行われるべきである。
この文書への回答で、
・アメリカ市場向け製品で無効とされたOOS(工程試験及び最終製品試験)の結果の回顧的レビュを提出せ
 よ。科学的正当性とエビデンスが決定的であるかを評価せよ。ラボが根本原因であると決定された調査
 につき、是正処置・予防処置(CAPA)が適切であるか判断せよ。また、改善のために、同じ根本原因に
 対して脆弱である他のラボの手順を確実に特定せよ。ラボで、原因が決定的でない、または、根本原因
 が特定されていないOOSについて、製造の徹底的なレビュ(例:バッチの製造記録、製造段階の妥当
 性、原材料、工程の性能、逸脱の履歴、バッチの不具合)を盛り込みなさい。そのような調査につい
 て、潜在的な製造の根本原因を特定するCAPAの計画と、適切な工程の改善のCAPAの計画を含めよ。
・OOSの結果の調査に関し、システム全体の評価を提出せよ。製造所全体のOOS調査の品質を向上させ
 るためのCAPAを提出せよ。CAPAの要素には、これらに限定されないが、個々のラボの調査において、
 改善された品質保証部門の参加、特定された品質管理における好ましくない傾向、第二段階の製造品質
 調査ステージの適切な開始を含めるべきである。改善されたラボの分析者の管理も盛り込みなさい。
クロマトグラフの実行が中断もしくは打ち切られた全ての事例について評価せよ。販売用に出荷許可され
 た原薬の品質への影響の可能性を判断せよ。終わったら貴社の評価と、完全に修正されたSOPを提出せよ。
・改訂されたラボの調査手順を提出せよ。改訂された手順が、いかに、全てのOOSの調査が、ラボで最終的
 に原因がみつからない時はいつでも、製造の履歴や可能性のある根本原因のレビュまで展開することを
 保証するかを述べよ。また、ラボの調査の逸脱がいかに改善されるかを述べよ。
2.原材料、中間品及び原薬が、制定された品質と純度の基準に従うことを確実にするために、全ての試験
の手順が科学的に合理的で適切であると保証することを怠った。
査察では、貴社の試験方法が確実でないことを記録した。例えば:
a.中間体のOOSの分析結果に関する調査報告OOS/2015/037は、HPLCの自動サンプル採取機の温度がXX℃
  だったので、基準の準備サンプルの品質が低下したと結論づけた。貴社の回答によると、貴社の方法は、
  以前は必要とされる特異性が欠けていたため、自動サンプル採取機のXXを取り入れるために試験方法が
  改訂された。貴社のCAPAは、パラメータが十分であることを保証するためにラボのその他の試験方法に
  までは展開しなかった。
b.原薬XXの安定性試験のバッチの分析のOOSに関する調査報告OOS/2015/124は、これらのバイアルはOOSの
  結果の出る前に少なくとも6ヶ月間ラボで使用されていたのだが、特定のブランドのバイアルがサンプル
  と分析の相互作用を起こしていたと結論づけた。原薬XXの貴社の分析方法は、特定のブランドのバイアル
  の使用を指定していなかった。貴社は、OOSの結果を受けて、Watersのバイアルの使用をやめるよう方法
  を変えた。我々は、他の製品のOOSも同様に特定のブランドのバイアルのせいにしていたことに気づいて
  いる。
特定のバイアル(例:Waters)により、安定性が悪影響を受けているかどうかを判断するために他の分析
方法を評価することを義務付けていないので、貴社のCAPAは不十分である。
貴社の回答は、査察で挙げられた特定の例についてのみ対応し、同じ不備により影響を受けたかもしれな
い他の方法やラボの装置のレビュを含めていないので貴社の回答は不十分である。さらに、貴社は、文書
化されたラボの手順の不具合が是正されることを保証するための貴社の品質システムの改善に十分に取り
組んでいない。
この文書への回答の中で、貴社の試験方法の過去の実績の評価を提出せよ。それぞれの方法の指示の適切
性、ラボの装置の適切性、分析者の能力を評価せよ。その方法の履歴の中で何度も発生しているエラーを
見つけ出し、安定性を高めるために必要とされる更なるCAPAの方法を特定せよ。
●製造所における逸脱の繰り返し
FDAは先のウォーニングレター(L:320-13-20)で、同様のCGMPの逸脱を挙げていた。貴社は、回答の中で
これらの逸脱に関し、具体的な改善を提案した。
これらの繰り返される不備は、貴社の医薬品製造の監督や管理が不適切であることを示す。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタ
ントを雇うことを強く勧める。
貴社の全ての製造所において、システムと工程と、最終的には製造された製品が、FDAの要件に従うこと
を保証するために、貴社のグローバルな製造のオペレーションの即刻かつ包括的な評価を開始することが
不可欠である。
特に、コンサルタントは、貴社のラボと製造システムを包括的に評価し、全てのOOSの調査を回顧的にレビュ
し、貴社の品質の見落としを修正する手助けをするべきである。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを
順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的な
CGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm589941.htm

■WL:320-18-13 韓国の製造所の査察(2017/5/25~2017/5/26)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/12/5付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、契約のもと他社により製造、加工、
  包装、保管された医薬品を含む医薬品を承認したり不合格と判定したりする責任と権威を持った品質管理
  部門と、品質管理部門に適用する手順を制定することを怠った。
貴社には適切な品質部門が欠けている。
貴社は、アメリカに販売するOTC薬品を製造するための契約製造業者を利用している。貴社は、我々の査
察官に、試験結果が事前に制定した規格に合致するかどうかに基づき、契約製造業者と電話で最終製品の
出荷判定をすると説明した。貴社はバッチの出荷判定作業を対象とする手順を持っていない。そして、貴
社の品質部門は、製造されたバッチや製品品質の合否を示す文書に欠けている。
査察中、貴社は貴社の契約製造業者が医薬品のCGMPに従ってOTC医薬品を作っていないことを認めた。
例えば、貴社も貴社の契約製造業者も、有効成分の同一性と含量に関する判定試験をしていないいくつか
の医薬品を出荷した。その結果、貴社のいくつかの医薬品は、その有効成分の同一性と含量が規格に合致
しているという確認もなしに販売された。
この文書への回答の中で、責任を実行するための権威を持った適切な品質管理部門について定め、少なく
とも以下のことを含む文書化された手順を提出せよ
・バッチのレビュと出荷判定作業を定めた文書化された手順
・製造、加工、包装、保管の全ての段階で医薬品のCGMPに従うことを保守するための手順を含む、貴社
 の供給者及び契約者の適格性、選択、監督プログラムを定めた文書化された手順
●契約製造業者の使用
OTC医薬品を含む全ての医薬品は、医薬品のCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医
薬品製造業者が、製造設備、試験ラボ、包装業者、ラベル業者などの独立した請負業者を使用しているこ
とを知っている。FDAは、請負業者を製造業者の延長とみなしている。
貴社は、契約設備との契約に関わらず、貴社が製造した医薬品の品質に責任がある。貴社は、安全性、同
一性、含量、品質、純度を確保するために医薬品が連邦食品・医薬品・化粧品法に従って作られているこ
とを保証する必要がある。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタ
ントを雇うことを強く勧める。
特に、コンサルタントは、貴社のラボと製造システムを包括的に評価し、全てのOOSの調査を回顧的にレビュ
し、貴社の品質の見落としを修正する手助けをするべきである。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを
順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的な
CGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm588215.htm

■WL:320-18-17 カナダの製造所の査察(2017/7/10~2017/7/14)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/12/18付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、無菌をうたう医薬品の微生物学的汚染を防ぐために、全ての無菌及び滅菌工程のバリデーション
  を含む、適切な文書化された手順に従うことを怠った。
貴社は無菌をうたうホメオパシー医薬品Symbio Muc Eye Drops 5Xの無菌性を保証できる適切な製造作業
の実施を怠った。
貴社の工程は、汚染を再現性よく防ぎ、無菌製品を製造する能力がなかった。
貴社は回答の中で、貴社は無菌工程装置を適格化している過程であると述べた。
貴社は、アメリカに販売されたSymbio Muc Eye Drops 5Xが無菌性の要件を満たすエビデンスを提供して
いないので、貴社の回答は全く評価できない。貴社の回答は、患者のリスクの可能性に対処せず、アメリ
カに販売された無菌医薬品の全てのバッチのリスクアセスメントを実施しようとしていない。
この文書への回答の中で、我々は貴社が以下のことを提出することを求める。
貴社が無菌をうたう製品が適切な無菌工程の条件下で製造されることを保証するために、貴社の設備と
 工程に行っている改善に関する詳細
・全ての製品に関する精製水の使用を含む、微生物学及び化学的品質の適切なリミット試験を明記した是
 正処置計画
2.貴社は、全ての成分、容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、医薬品を承認したり、不合格と判定
  したりする責任と権威を持った品質管理部門と、品質管理部門に適用する手順を制定することを怠った。
貴社は無菌性ホメオパシー医薬品Symbio Muc Eye Drops 5Xを含む、貴社の設備で製造された最終製品の
品質の管理が欠けている。
貴社は、多くの機能に関する文書化された手順の制定を怠った。例えば、品質管理部門、逸脱、調査、安
定性の研究、入荷した原料の品質レビュ、最終製品のバッチの出荷判定、さまざまな塩基性薬物の製造作
業に対応した手順がなかった。
さらに、貴社の品質管理部門には、製造したバッチの合否と品質を示した文書がなかった。例えば、貴社
には以下の記録が欠けていた:
・年次製品レビュ
・指図が守られているかを評価し、いかなるエラーや異常も完全に調査されていることを保証する全て
 バッチの記録のレビュ
・貴社の製品の合否
査察中、我々の査察官は、貴社の製造責任者が、品質管理部門の責任である最終バッチのレビュと最終製
品の出荷判定を実施していると判断した。
貴社は回答の中で、品質管理部門の役割と責任を定義した標準操作手順書を書面で作っている最中である
と述べた。
貴社の回答は、それを裏付ける文書に欠けているので、不十分で、まったく評価できなかった。貴社は、
適切な運転機能、システム、プログラム、製品の品質を保証するための関連する手順を定めていることを
裏付けるための、文書、十分な詳細情報、科学的な正当性の根拠を提出することを怠った。貴社はまた、
そのように管理もなしに製造され、かつ、使用期限内の全ての医薬品の品質の管理不足による影響の可能
性に対処することを怠った。例えば、貴社はペニシリンの汚染が生じる可能性のある製品を製造したが、
販売された製品へのリスクや、他の製品で交差汚染が起きているかどうかのリスクについて対処しなかっ
た。
この文書への回答の中で、貴社の適切な品質管理部門の制定に関する計画を提出することを求める。貴社
が実施してきた品質管理部門の責任と機能にあたる手順を含めよ。
また、ペニシリンを含む可能性のある市場の製品のリスクに迅速に対処する行動計画を提出し、今後の製
造において、完全に分離された設備を使用する予定でいるかどうかを明確にせよ
3.貴社は、医薬品の各成分の同一性の検証のための少なくとも1つの試験を怠った。また貴社は、各成分
  が純度、含量、品質に関する文書化された規格に一致することを試験することを怠った。
貴社は、貴社の医薬品の製造で、成分の使用を許可する前に、同一性に関する各原料の試験をしなかっ
た。例えば、貴社は、最終製品に使用される、少なくとも、グリセリン、サリチル酸、ぺニシリウムの同
一性試験を怠った。
さらに、貴社は、各成分のロットが、使用前に、純度、含量、品質が文書化された規格に従うかどうか判
定しなかった。
貴社は回答の中で、アメリカに販売するOTC医薬品とホメオパシー医薬品を製造するために使用される全
ての原料の供給者の適格性を評価中であると回答した。しかし、貴社は、全ての成分の同一性に関する試
験を怠ったという重大な不具合に対処せず、これがアメリカに出荷された使用期限内の全ての製品の品質
や安全性にいかに影響するかということに向き合わなかった。
この文書への回答の中で、貴社が適切に試験され管理されなかった成分を使用して製造された全ての製品
のリスクアセスメントを提出することを求める。それには、アメリカに出荷された使用期限内の全ての製
品を含めよ。
4.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷判定前に、各有効成分の同一性と含量を含む最終製品の規格
  に十分一致するというラボの判断の実施を怠った。また、好ましくない微生物が混ざっていないことが
  求められる医薬品の各バッチについて、ラボの試験を行うことを怠った。
貴社は、試験をせずに最終製品を出荷した。例えば、赤ん坊専用のクリームを含む最終製品について、ラ
ベルに書かれた同一性と含量に従っているかどうかを判断するための試験を怠った。さらに、貴社は、各
バッチが好ましくない微生物の総数や存在しないことに関する規格に従うことを保証するために、微生
物の特性を含む品質特性の試験をしなかった。
この文書への回答の中で、貴社が出荷判定をする前に、製品のバッチを完全に試験することを保証するた
めの是正処置の計画を述べよ。また、バリデートされた試験方法と適切な合否基準はもちろん、各製品の
試験の必須要件を述べた出荷判定試験の手順を含めよ。
さらに、使用期限内のアメリカに出荷された製品について、有効成分、保存料の同一性と含量の判断と微
生物学上の品質に関する保管サンプルの試験の実施について、行動計画とタイムラインを含めよ。もし、
それらの試験が基準以下の品質を示した場合は、顧客への通知と、製品の回収の必要性の検討を含む是正
処置を提出せよ。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタ
ントを雇うことを強く勧める。システムと工程と、最終的には製造された製品が、FDAの要件に従うことを
保証するために、貴社の製造作業の包括的な評価を開始することが不可欠である。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●回収と製造中止
我々は、2017年9月に、無菌性保証の欠如により、貴社がホメオパシー医薬品Symbio Muc Eye Drops 5X
の回収に同意したと認識している。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm589455.htm

■WL:320-18-18 メキシコの製造所の査察(2017/3/6~2017/3/9)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/12/18付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷判定前に、各有効成分の同一性と含量を含む最終製品の規格
  に十分一致するというラボの判断の実施を怠った。
貴社は、サードパーティの試験ラボXXから最終製品の試験結果の分析証明書(COA)を受け取る前に、
Bicaruvasの2バッチを出荷した。貴社の責任者は、BicaruvasのバッチEBU02とEBU03のCOAを見つけることが
出来ず、査察中にサードパーティの試験ラボからCOAを取り寄せた。貴社は、バッチEBU02とEBU03を既に
アメリカに出荷していた。
医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、製造設備、試験
ラボ、包装業者、ラベル業者などの独立した請負業者を使用していることを知っている。FDAは、請負業
者を製造業者の延長とみなしている。
貴社は、契約試験ラボとの契約に関わらず、貴社が製造した医薬品の品質に責任がある。貴社は、安全
性、同一性、含量、品質、純度を確保するために医薬品が連邦食品・医薬品・化粧品法に従って作られて
いることを保証する必要がある。
2.貴社は、医薬品の各成分の同一性の検証のための少なくとも1つの試験を怠った。また貴社は、適切な
  間隔で供給者の試験結果をバリデーションして、成分の供給者の分析の信頼性を確認することを怠った。
貴社は、入荷した医薬品の有効成分やOTC医薬品の製造に使用されるその他の成分の試験をしなかった。
貴社は、全ての供給者の分析の信頼性を確認することや、各成分が、純度、含量、品質に関する文書化さ
れた全ての規格に一致することを試験することも怠った。貴社は、適格性が評価されていない分析者の
COAに頼った。いくつかの例では、貴社は、COAなしに原材料を受け入れた。
3.貴社は、適切な加工段階の実際収量と理論収量のパーセンテージの提示を含む、製造、加工、包装、保管
  の重要な段階の完了の文書等の製品の各バッチの製造及び管理の記録を作成することを怠った。
査察中、貴社の管理者は、ラベルの照合と同様、オペレータが、秤量、XX、充填、などの加工段階のバッ
チの記録において、生産量を“作り上げた”と述べた。管理者は我々の査察官に、収量を判断するために
定めれられた計算がないので、オペレータはバッチの記録を変造したと告げた。
4.貴社は、貴社が製造した医薬品が、持つとうたわれた、または、持つと示された同一性、含量、品質、
  純度を持つことを保証するための製造及び工程管理の文書化された手順を制定することを怠った。
貴社は、貴社の医薬品を製造するために使用した工程をバリデートしていなかった。貴社は、工程の性能
適格性評価を実施せず、安定した製造作業と一貫性のある医薬品の品質を保証するための工程管理のモニ
タリングに関する継続したプログラムもなかった。
また、貴社には、制定された工程管理のもとでのBicaruvasに関する適切な製造及び管理の記録がなかっ
た。例えば、貴社が製造した各バッチのマスタの記録がなかった。我々の査察官は、貴社が、製品のラベ
ルに5倍の炭酸カルシウムの量が記載されたBicaruvas のバッチEBU01,EBU02,EBU03を製造したことに
気づいた。管理者は、職員が顧客の注文のためにその場で計算をし、これらの3バッチに間違った調合を
したと述べた。
●不適切な回答
貴社の2017年3月29日のFDAの査察見解への回答は不適切であり、貴社の作業がCGMPに従うようにす
るための是正処置の十分なエビデンスが提出されなかった。たとえば、貴社は次のものを提出しなかっ
た:
・品質管理試験の方法と、出荷判定前に行う、化学及び微生物の品質特性を含む各製品のバッチの分析に
 使用する規格。
・バッチの出荷判定プログラムに関する詳細な手順と、品質部門の責任
アメリカに出荷され使用期限内のBicaruvasの全てのバッチの、出荷判定前に規格に合致したことを保
 証する評価結果。
 もし、評価が、品質が基準以下であると示した場合は、顧客への通知や回収など、貴社の提案する是正
 処置を提出せよ。
・貴社の各製品の工程の性能適格性評価の明確なタイムラインと、バッチ内とバッチ間の定期的なモニタ
 リングの概要。
・定められたプロセスパラメータも添えたバッチの記録。
・供給者のCOAの正当性を評価するため、入荷した各成分の全ての試験から得られた試験結果のサマリ。
 各成分に関する貴社の現在の入荷原材料のバッチの合否規格を提出せよ。
・データの記録や報告が不正確な部分まで広げた包括的な調査。
 データの省略、修正、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。
 発見したデータインテグリティが損なわれている製造所の作業の全てを記載し、データインテグリティの
 不備の性質を評価せよ。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタ
ントを雇うことを強く勧める。システムと工程と、最終的には製造された製品が、FDAの要件に従うこと
を保証するために、貴社の製造作業の包括的な評価を開始することが不可欠である。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm590494.htm


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まとめ
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2018年1月1日にメキシコがPIC/Sに加盟したため、今回のウォーニングレターは(出された時は
加盟前ですが)全てPIC/S加盟国の製薬会社に対して出されたものとなります。が、内容としては、
使用前/出荷前に、受入試験/出荷判定が正しく行われいるのかが疑わしい事例への指摘も含まれていて
少々驚きました。
それはさておき、委託先の管理を指摘する内容もかなりあったように思います。委託先、特に、国外の
委託先や供給者の管理は、決して他人事とはいえません。今一度、管理状況を見直してみるのもよいかも
しれません。

<情報>
2018年1月1日から、イラン、メキシコ、トルコがPIC/Sに加盟しました。

☆次回は、2/1(木)に配信させていただきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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は前日)に配信いたしております。
今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールを
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hashimoto@e-pros.co.jp

【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2018.01.05

【医薬品の連続生産について】ASTROM通信<137号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

明けましておめでとうございます。
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年最初のメールマガジンは、医薬品の連続生産について取り上げたいと思います。

この「連続生産」については、2017年10月13日付ASTROM通信132号でも取り上げたことがあるのですが、
昨今非常に注目されてきていて、今後ますます研究が進み実用化が検討化されていくと思われるため
2018年最初のテーマとしました。

最後までお読みいただければ幸いです。


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1.連続生産とは
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連続生産(CM:Continuous Manufacturing)とは、原材料を連続的に製造工程内に投入し、製造後の
生産物を連続的に取り出す生産方法をさします。

連続生産と対局にあるのが、既存のバッチ製造(またはセミバッチ製造)で、全量(または分割)の
原材料を、非連続的に工程に投入し、操作が完了後に生産物を取り出す生産方法となります。

連続生産は、石油化学や金属、鉄鋼、食料品分野では一般的な生産方法なのですが、医薬品分野では
新しい技術であり、日本国内で連続生産が承認された医薬品はまだありません。
しかし、FDA(米国食品医薬品局)は積極的に連続生産を推奨し、既に、2015年7月にはVertex社の新薬
である嚢胞性線維症治療薬Orkambi(ルマカフトール/アイバカフトール)の連続生産を承認、
2016年4月にはJanssen Product社のHIV-1感染症治療薬Prezista(ダルナビル)のバッチ製造から連続生産
への変更を承認しています。


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2.連続生産への期待
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FDAはなぜ連続生産を推奨するのでしょうか。
それは、連続生産に以下のことが期待されているためです。

・工程が連結されることにより、作業者が介入する機会が減る
→人的ミスを減らすことができる

製造時間を減らすことができる
・設備の省スペース化が実現できる
 →小規模な施設で医薬品が製造できる
 →製造所の変更や移動が容易になるため、事業継続性の点でもメリットがある

・PAT(Process Analytical Technology)等のオンラインのモニタリング技術により、品質不良を早い
 段階で防げる
 →薬の不足の予防につながる
  安定した高品質な医薬品製造が可能となる
  リアルタイムリリース(最終製品試験の代わりに中間品または最終製品の製造データに基づいて
  品質を評価・保証する)が可能となる

・少量多品種の製造に適している
 →個別化医療に適用できる

・需要に応じた製造のスケールアップ、スケールダウンが可能
 →製造・保管等のコスト軽減ができる

これらが実現できれば、患者さんのベッドサイドで、患者さん一人一人に適した医薬品を低コストで製造
できるのではないかという夢のような話もあります。
もしそうなれば、高齢化社会による医療費の上昇、労働力人口の減少による製薬企業の人手不足といった
社会的問題を解決できるのではないでしょうか。


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3.日本の連続生産の現状
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国内の製薬会社でも連続生産の研究が進められていますが、全工程を連結した連続生産には課題が多く、
当面は、連続生産に適した一部の製造工程に限って連結して製造する方法が検討されているようです。

先日(2017年12月19日)参加した静岡化学工学懇話会・化学工学会東海支部主催の “医薬品市連続生産に
求められている化学工学”というセミナの中でも、連続生産に取り組んでいる研究者から、下記の課題が
挙げられていました。
・立上げ時にロスが出るため、原薬の値段が高く需要の少ない医薬品は連続生産に適さないのではないか?
・品質不良を早い段階で防げるとは言っても、設備がつながっているため、不良が出た場合は設備全体を
 洗浄しないといけない

このような技術的な課題に加えて、下記のような薬事的な課題もあります。
・今後ロット、バッチの定義をどうするか?
・それと絡んで安定性試験はどう行うべきか?
・連続生産を行う場合、洗浄のタイミング・頻度はどうするか?
・プロセスバリデーションは何をどの規模で行えばいいか?
薬事的課題ついては、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)は、既に“革新的製造技術ワーキング
グループ”を立ち上げて、検討を開始しているようです。


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4.来るべき連続生産時代への準備
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連結された工程を全て通過し出来上がったものをテストしてはじめて不良とわかったのでは、
連続生産への期待として挙げられている、品質不良の早期の防止、コスト軽減は実現できません。
これらを実現するためには、Quality by Design (QbD)によるアプローチが必要となってくると
考えられます。

<参考>
QbD(Quality by Design:クオリティ・バイ・デザイン):
 事前の目標設定に始まり、製品及び工程の理解並びに工程管理に重点をおいた、立証された科学及び
 品質リスクマネジメントに基づく体系的な開発手法。”設計による品質の作り込み”とも言われる。
QbDによるアプローチ:
 ①予め製品の目標品質を設定する
 ②科学的知見やリスクアセスメントに基づいて、目標品質を担保するために管理すべきデザインスペース
  (工程パラメータと品質特性の範囲)を定める
 ③デザインスペース内で運用することで一定品質を維持していく

連続生産のメリットを出すためには、随所でリアルタイムにモニタリングを行ったうえで、QbDに則り、
製造中のものがデザインスペース内に収まっていることを確認しなければいけません。
デザインスペースに入っていれば、目標として設定した製品品質が得られると予測できますので、そのまま
生産を続ければいいですが、デザインスペースに入っていなければ、連結した後続の設備を汚染しないため
にも早急に生産をストップさせなければいけないのです。

つまり、連続生産へ移行するためにはデザインスペースの設定が求められます。

しかし、デザインスペースの設定は、簡単にはできません。
どんな工程パラメータや品質特性がどの範囲にあれば、目標とする品質を実現できるという根拠となるデータ
の蓄積が必要です。
データはあっても紙の記録しか残っていないとすると、残念ながらすぐに統計的に解析して活用することは
難しいと思われます。
今後は紙ではなく電子データを残すことを検討されるべきでしょう

となると、来るべき連続生産時代への準備として、設備・品質・環境等、製品の品質に影響を与えるであろう
データを、機器やセンサにつないでリアルタイムに受け取り蓄積する仕組みづくり(IoTの活用)が必要不可欠と
なります。


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5.IoTの活用
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IoT(Internet of Things)と聞いて、またかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、IoTという言葉を聞く機会が昨今非常に多いと思います。

IoTは、「モノのインターネット」と言われ、様々なモノ(物)がインターネットに接続され、情報交換する
ことにより相互に制御する仕組みと言われています。

製薬会社様がIoTを活用する場面というと、一般的には下記のようなことを考えられるケースが多いかと思います。
・倉庫内の温度のモニタリングと、異常発生時の通報や制御
・工程内の温度、湿度等のモニタリングと制御
・設備の稼働状況の確認
・設備データのモニタリングによる、設備の故障の予測
・特定エリアのへの人の立ち入りの検知
・現品やパレットにつけた電子タグの読取による物の移動の検知

しかし、IoTは、こういったモノの監視・制御だけではなく、デザインスペースを設定するための電子データの
蓄積にも有効なのです。

モノから直接送られてきた電子データは、人が記録するのと異なり、記録ミスも改ざんもなく、リアルタイム性も
あるため、データインテグリティの観点からも信頼性が保証されます。
また、データは、年次照査や安定性の検討にも利用できるので、“うちは、連続生産に切り替えるなんて無理だ”
と思われる製薬会社様も、まずは、IoT化を進めることをお勧めします。

参考資料
 https://www.fda.gov/downloads/AboutFDA/CentersOffices/OfficeofMedicalProductsandTobacco/CDER/UCM341197.pdf
 https://www.pmda.go.jp/files/000216656.pdf
 薬食審査発第0628第1号 「製剤開発に関するガイドラインの改定について」(平成22年6月28日発出)
 https://ja.wikipedia.org/wiki/モノのインターネット


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まとめ
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連続生産、いかがでしたでしょうか。
技術的に本当に実現できるのだろうか?と思われた方もいらっしゃったと思います。
また、バッチ生産から連続生産に移行できる製薬会社が一体どれだけあるのかと思われた方もいらっしゃった
と思います。連続生産によって製造・保管等のコスト軽減につながると言われてはいるものの、現実的に
今の生産方法から連続生産に切り替える検討ができるのは、研究開発費が潤沢にある大手製薬会社に限定
されることになるでしょう。
いろいろ考えるべきことは多いのですが、日本が抱える高齢化社会・労働力人口の減少といった問題の
一つの解決策になりうる興味深い話題でもあります。

今年のASTROM通信は、規制動向に加え、業界の新しい技術についても積極的に取り上げていきたいと思いま
ので、今後とも是非よろしくお願いいたします。

☆次回は、1/15(月)に配信させていただきます。


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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2017.12.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<136号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

いよいよ2017年も残すところあとわずかとなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

さて今回も前回に引き続き、最近FDAから出たウォーニングレター3件について取り上げ、
FDAがGMP上のどのような点について指摘をしているのかを確認していきたいと思います。


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最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
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■WL:320-18-06 インドの製造所の査察(Goa:2017/3/27~2017/4/7、Indore:2017/5/8~2017/5/19)
でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する2017/11/6付ウォーニングレターには、
下記の指摘事項があげられています。
●Goa製造所
1.貴社は、バッチが既に販売されたかどうかにかかわらず、説明のつかない不一致、バッチや
  成分の規格への不適合について、徹底的な調査を怠った。
貴社は頻繁に潜在的な製造の原因に注意を向けた適切な調査をせず、初期の規格外の試験結果(OOS)を
無効にした。
A.分析の不具合
有効成分XXバッチXXのリリース試験中、貴社は、XX%の不合格の分析結果を得た。(規格はXX%からXX%)
調査から得られたデータは、多数の再試験の結果は初期のOOSの結果と同等であることを示した。
第二の分析者は新しいサンプルを使ったテストで同様の結果を得た。貴社は、再度テストを実施し、
最後のサンプルのみ、かなり異なる分析結果が出た。
多数の値がもともとのOOSの値に近いという結果だったにもかかわらず、貴社は、最初の結果は異常値
と考えられ、再試験の結果が最終結果として報告されたものであるとして、最初の不合格の分析結果を
無効にした。調査は、根本的な原因を特定できなかったが、貴社は供給者の評価を実施せず、バッチの
リリースのために平均値を報告した。
原薬の分析結果を無効にするために“棄却検定”を使うのは不適切である。そのような統計的な処理は
極端な試験結果の原因を明らかにしないし、化学的試験の調査における情報の利用にすぎない。
我々の査察官は、他にも棄却試験の不適切な使用を明らかにした。貴社は、再試験を行い、オリジナル
のOOSの結果は異常値とすることで、原材料や医薬品のバッチをリリースした。
我々は、貴社の2017年1月18日の変更管理で、規格外試験結果の取り扱いのSOPにおいて、棄却試験を
廃止することを確認した。貴社は、XXのバッチXXの最初のリリース判定を無効にし、不合格とした。
しかし、貴社は、悪い分析結果をもたらした原因かもしれない原薬の品質問題に対処していないし、
棄却検定によりリリースした他のバッチの適切な再評価に欠けている。
B.含量均一性の不具合
XX㎎錠剤のバッチXXの含量均一性のOOSの結果に関する貴社の調査は不十分だった。XXに保管された
証拠のバッチに関し、2つの個体とその合格判定値がOOSだった。
OOSの結果の初期の分析では、分析者による試験ミスの証拠はなかった。貯蔵液の再試験と超音波に
より再切断したサンプルから得られた結果は、オリジナルのOOSと一致した結果になり、根本原因と
して不適切な超音波処理と希釈ミスを除外した。調査は、最終的な突き止められる原因を明示しな
かったが、貴社は“可能性の高い試験ミス”は、分析者によるXXのシャフトの不十分な洗浄だった
と推測した。それから、貴社は最初のOOSの結果を無効にし、規格に合格した新しいXXの試験結果を
報告した。貴社の調査結果では、試験ミスがあったと“確認した”と述べた。
調査で試験ミスの決定的なエビデンスが不足していた場合、可能性のある製造の原因の調査を徹底的
に実施しなければならない。XXの含量均一性の試験は、バッチの一部に不均一性があるかを見つける
のを助けることを意図している。証明されていな仮説に基づいた新しいXXの試験から得られた結果
よる合格の判断は調査の結論を下すのには不適切である。貴社はさらなる試験の調査で、可能性の
ある製造の原因を確認し、より大々的にバッチの均一性を明らかにするべきだった。
XXのシャフトの不十分な洗浄は、XXmg錠剤のバッチXXの含量均一性のOOSの考えられる根本的原因と
して前の調査でも挙がっていた。異なる分析者がテストを行い、是正処置・予防処置(CAPA)計画
は、職員の再教育を必要としていた。
貴社は回答の中で、“もしXX回ミスがくりかえされたら、分析者は特別な分析技術の再資格取得が
さればければならない”と記述をするために“SOP CQA-063 分析者の適格性”を改訂したと述べた。
しかし、貴社の回答は、貴社の品質システムが実験室の手順と分析装置の不備が是正されることを
保証する改善に十分に取り組んでいなかった。
この文書における回答の中で、下記の内容を含むGoaの独立した評価結果を提出せよ。
・アメリカ市場向け製品に関する、無効にされた全ての(工程及び最終製品の試験の)OOSの結果
 科学的根拠とエビデンスが決定的なものかを評価せよ。最終的に試験ミスを根本原因として定めた
調査に関し、CAPAの妥当性を判断し、同じ原因により脆弱と判断された他の試験手順の改善を保証
せよ。原因が最終的でないか根本原因でないと確認されたOOSに関し、製造(例:バッチの製造記録、
 製造手順の適切性、工程の能力、逸脱の履歴、バッチの不合格の履歴)の徹底的なレビュを含めよ。
 それらの各調査に関する製造の根本原因を特定するCAPAの計画と、適切な工程の改善を含めよ。
・全ての試験方法に関する過去の実績
 各方法の指図の適格性、実験装置の適合性、分析者の能力を評価せよ。履歴を通じて、さまざまな
 場面で発生したミスを判断し、ロバスト性を向上させるために必要とされる更なるCAPAの方法
 割り出せ。
・OOSの結果を調査する全体的なシステム
 貴社の全ての製造所におけるOOS調査の質を向上させるためのCAPAを提出せよ。CAPAでは、実験室
の調査に改善された品質保証部門を参加させ、それに反する実験室の管理の傾向の特定を含めよ。
改良された実験室の調査の手順を提供せよ。貴社の改訂された手順が全てのOOSの調査でたとえ原因が
最終的に実験室で見つからなかった場合も、いかにOOSの調査を可能性のある製造の根本原因の完全な
レビュに広げることを保証するかを述べよ。
2.貴社は医薬品の品質を保証するために、製造の各フェーズの完了に関する適切なタイムリミット
  を制定することを怠った。
固形剤XXの製剤製造で使用されたバルクXXは、適切な保持時間の研究や科学的根拠のないまま、
商用のバッチ製造において過度の期間保持された。たとえば、たくさんの例において、多数の製品に
使用されるバルクXXはXX以上保持された。これらの過度の保持時間にもかかわらず、貴社はXX用の
XXをリリースし、その最終製品をまれにしか安定性プログラムの対象としなかった。
これらの過度の保持時間が問題ないと立証するための研究は、保持条件が実際の作業を代表して
いないので、不十分である。
XX工程はXX固形剤の製剤製造における重要なステップである。長期の保持時間は、水分量、粒の
凝集の原因を増し、流量特性の不均一性につながり、XXまたはXX中の分離を促進する。
貴社の回答は、研究は商用バッチの作業を代表する量を使って実施されるべきだったと認めた。
しかし貴社は、XXの過度の保持時間の影響や製品の安定性の回顧的評価を実施していないので、
貴社の回答は不適切である。また、貴社は、適切な最大保持時間を立証する研究を実施する一方で、
保持時間が製品の品質特性に影響を与えないことを保証するための改良された管理や暫定的な義務を
述べていない。
この文書への回答の中で:
アメリカ市場に出荷された全てのバッチの回顧的レビュを実施せよ。XXのXX以上保持された
 バッチを安定性プログラムに含めよ。この文書の受領から45日以内に、それらのバッチの初回の
 テスト結果(溶解、含量均一性、分析)を提供せよ。
・2014年以降の、OOSの結果の各バッチ(後で無効とされたかどうかに関わらず)について、
 重要な製造工程に関連する保持時間を提出せよ。
・各製品ついて、全ての重要な製造工程における適切なタイムリミットを制定するための代表的で
 ロバストな研究を実施せよ。
・今後の無用に長い保持時間の発生を防ぐ、改良された製造手順を作成せよ。
・工程の保持時間の制限を定める暫定手順を提出せよ。
●Indore製造所
1.貴社は医薬品の品質を保証するために、製造の各フェーズの完了に関する適切なタイムリミット
  を制定することを怠った。
XXの保持時間が問題ないと立証するための研究は、その保持条件が実際の作業を代表していない
ので、不十分である。
貴社は回答の中で、貴社が“ハイリスク”とみなすXX工程で、完全な保持時間の研究をすると
約束した。しかし、XXの長い保持時間の影響と安定性の回顧的評価を実施していないので、貴社の
回答は不十分である。また、貴社は、より適切な最大保持時間を設ける一方で、保持時間が製品の
品質特性に影響を与えないことを保証するための暫定的な方法や義務を述べていない。
この文書への回答の中で、
アメリカ市場に出荷された全てのバッチの回顧的レビュを実施せよ。XXのXX以上保持されたバッチ
 を安定性プログラムに含めよ。この文書の受領から45日以内に、それらのバッチの初回のテスト結果
 (溶解、含量均一性、分析)を提供せよ。
・2014年以降の、OOSの結果の各バッチ(後で無効とされたかどうかに関わらず)について、重要な
 製造工程の保持時間を提出せよ。
・各製品ついて、全ての重要な製造工程における適切なタイムリミットを制定するための代表的で
 ロバストな研究を実施せよ。
・今後の無用に長い保持時間の発生を防ぐ、改良された製造手順を作成せよ。
・工程の保持時間の制限を定める暫定手順を提出せよ。
2.貴社は、バッチが既に販売されたかどうかにかかわらず、説明のつかない不一致、バッチの
  不具合、成分の規格への適合について、徹底的な調査を怠った。
貴社は、初回のOOSの結果を適切な調査をせず無効にした。2015年1月1日から2016年12月31日まで、
貴社は、ほぼ全て(139件のうち134件)の初回のOOSの結果を無効にし、試験ミスのせいにした。
いくつかの調査は、試験ミスの発生を明確に立証しなかったが、貴社は、可能性のある製造の
原因を徹底的にレビュし、高度のばらつきやOOSの結果に同様の事象を確認し履歴を評価す
ために、完全な調査を実施しなかった。
例えば、貴社は、最終製品の分析結果でOOSの結果を得た後、実験室の調査を開始した。貴社は
OOSとなったオリジナルのバイアルを廃棄した。貴社は、三重の再試験に基づき、可能性のある
製造の根本原因の調査をせずに、初回の不合格の結果を無効にした。
また貴社は、バッチXXについて、低い分析結果を得たが、OOSの分析結果について可能性のある
製造の根本原因の調査をせずに再試験の合格結果を報告した。
貴社のCAPAは、しばしば貴社の分析者の訓練に限定されていた。ロバスト性を高めミスを防止
するために、分析方法や装置の改善は一般的には実施されなかった。
貴社は回答の中で、根本原因を作った試験と分析者を特定するために、OOSの結果をたどり、
傾向を見せると約束した。さらに、貴社は、OOSの結果を無効にし、再試験の結果を採用する
手順をもっと厳格にすると述べた。
我々は、貴社のヒューマンエラーのリスクの軽減と、より継続できる解決策をみつけるための
OOSの傾向の追跡を認める。また、我々は、貴社がOOSの手順の改善のために努めていることに
気づいている。しかし、貴社の調査手順が十分に修正されたようにみえないので、貴社の回答
は不十分である。また、貴社は、科学的な強い根拠や明確なエビデンスもなしに無効とされた
全てのOOSの結果を確認するための回顧的評価を行なわなかった。さらに、貴社は、OOSの結果が、
仮定された試験の問題よりもむしろ潜在的な製造の問題(例:工程の保持時間)によるもの
なのかどうかを判断するために製造のレビュをしなかった。
この文書への回答の中で、下記の内容を含むIndoreの独立した評価結果を提出せよ。
・アメリカ市場向け製品に関する、無効にされた全ての(工程及び最終製品の試験の)OOSの結果
 科学的根拠とエビデンスが決定的なものかを評価せよ。最終的に試験を根本原因として定めた
 調査に関し、CAPAの妥当性を判断し、同じ原因により脆弱と判断された他の試験手順の改善
 を保証せよ。原因が最終的でないか根本原因でないと確認されたOOSに関し、
 製造(例:バッチの製造記録、製造手順の適切性、工程の能力、逸脱の履歴、バッチの不合格
 の履歴)の徹底的なレビュを含めよ。それらの各調査に関する製造の根本原因を特定するCAPA
 の計画と、適切な工程の改善を含めよ。
・全ての試験方法に関する過去の実績
 各方法の指図の適格性、実験装置の適合性、分析者の能力を評価せよ。履歴を通じて、
 さまざまな場面で発生したミスを判断し、ロバスト性を向上させるために必要とされる更なる
 CAPAの方法を割り出せ。
・OOSの結果を調査する全体的なシステム
貴社の全ての製造所におけるOOS調査の質を向上させるためのCAPAを提出せよ。CAPAでは、
実験室の調査に改善された品質保証部門を参加させ、それに反する実験室の管理の傾向の特定を
含めよ。
改良された実験室の調査の手順を提供せよ。貴社の改訂された手順が全てのOOSの調査が、たとえ
原因が最終的に実験室で見つからなかった場合も、いかにOOSの調査を可能性のある製造の
根本原因の完全なレビュに広げることを保証するかを述べよ。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。特に、コンサルタントは、貴社の製造工程と試験システムを包括的
に評価し、全てのOOSの調査を回顧的にレビュするべきである。貴社のコンサルタントの使用は、
CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、
継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●多数製造所における逸脱の繰り返し
FDAは貴社のネットワーク内の他の製造所での同様のCGMPの逸脱を挙げている。
多数の製造所におけるこれらの繰り返される不備は、貴社の医薬品製造の監督や管理が不適切である
ことを示す。貴社は、すぐに、そして包括的に、システム、工程、最終的に製品がFDAの要件に従う
ことを保証するために、貴社全体の製造作業を評価するべきである。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm584699.htm

■WL:320-18-07 中国の製造所の査察(2017/7/31~2017/8/4)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反に関する2017/11/6付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社の製造工程が、あらかじめ定めた品質特性を満たす原薬を再現性よく製造できることを示すこと
  の不履行
貴社は、販売前に、XX原薬の多数のバッチを製造するのに用いられる工程をバリデートしなかった。
貴社は、工程の適格性評価を実施せず、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための
工程管理のモニタリングに関する継続的なプログラムが欠如していた。貴社は、我々が貴社の製造所
を査察する直前の2017年5月22日に承認されたバリデーション手順を査察官に提出し、2017年7月25日
にそれに続くバリデーション報告を提出した。
貴社のバッチ記録は、XXとXXの混合のようなXX原薬の製造に関して重要と認定したプロセスパラメータ
の定義が不足していた。
2.貴社の品質部門の、原薬の品質に影響がある可能性のある変更の承認の不履行
貴社は、貴社の変更管理プログラムに従うことを怠った。我々の査察官は、適切に文書化されず、
貴社の”変更管理“手順による品質部門の評価や承認もなく実施されている多数の変更を発見した。
これらの変更は、XX原薬の製造に関する、製品規格、試験方法、分析装置、洗浄手順を含んでいた。
効果的な変更管理プログラムは、適切な品質部門がXX原薬の品質に影響を与えるかもしれない変更
管理を保証するために絶対不可欠である。
3.全ての試験手順が、貴社の原薬が制定した品質及び純度の基準に従うことを確実にするために、
  科学的に理にかない適切であることを保証することの不履行
貴社は、適切な試験手順を制定することを怠った。例えば、貴社の分析者は、ピークの分析が不足して
いるにも関わらずXX原薬の高速液体クロマトグフラフィー試験をマニュアルで実施した。貴社は、
マニュアルの実施に関する手順や、手順の品質の管理が不足したいた。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任
が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm585015.htm

■WL:320-18-10 韓国の製造所の査察(2017/3/13~2017/3/17)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/11/20付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●CGMP違反
1.貴社は、受取の際と合格判定前に、成分の各容器に、内容物について適切なラベルが貼ってあること
  を視覚的に調査することを怠った。
貴社は、少なくとも1つの医薬品成分の積荷について、適切にラベルが貼られていることを保証せず
に合格判定をした。例えば、多数の有効成分を含む中間品XX、ロット#XXのドラムのラベルは、XXのみ
を表示していたが、成分の中に含まれる有効成分を確認することや、それらの濃度の一覧を作ることを
怠った。さらに、ドラムのバッチ数は、この成分の使用を裏付けるために貴社が提供した文書にあった
バッチ数と一致しなかった。
この中間品XXは、ストリキニーネを含むホミカのような潜在的な毒性作用をもたらす成分から製造された
ものである。非常に有毒で、よく研究された毒であるストリキニーネは、殺鼠剤としても使われる。貴社
は適切なラベルかを調べずに合格にした成分の一部を使ってホメオパシー医薬品XXを製造した。
貴社は、内容について適切にラベルが貼られていなければ、医薬品の成分を合格とすることはできない。
この文書に対する回答の中で、貴社の供給者から入荷した医薬品の成分の内容について、例えば全ての
成分の同一性と濃度がラベルに貼られているように、適切にラベルが貼られていることを保証するために
詳細の計画を提出せよ。
2.貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するための試験を少なくとも1回実施することを怠った。
  貴社は、各成分が純度、濃度、品質に関する適切な文書化された規格に一致することを試験する
  ことも怠った。
貴社は、入荷した医薬品の成分でXXから受け取った中間品を、XX製造工程で使用するのに先立ち、
同一性や品質基準に関して試験することを怠った。これらの中間品XXの同一性、純度、濃度、品質に
関する適切でない分析により、貴社は製造用に入荷した原材料の適合性を保証することを怠った。
貴社は中間品XXの供給者の分析証明書の信頼性を立証しなかった
供給者の試験結果の適切なバリデーションなしに供給者の質問表を使用することは、貴社の医薬品の
成分の品質属性に関して試験の代わりに受け取った分析証明書が使えることを保証するのには不十分
である。
貴社は回答の中で、XXの存在に関し、入荷した中間品XXのテストを始めるだろうと述べたが、XXは
このXXの有効成分ではない。貴社が使用すると主張する有効成分は潜在的に有毒で、ラベルに表示
された含有量より多く存在していれば、著しい安全上の問題をもたらし得る。
この文書に対する回答の中で、潜在的に毒性作用をもたらす成分を含む全ての成分が、製造で使用
される前に適切な規格を満たしていることを保証する方法に関する貴社の科学的正当性を提供せよ。
また、貴社の供給者の適格性評価の手順を、明確に事前に規格を定義した段階や、供給者の試験結果
の定期的な再バリデーションの段階等でいかに正すかを述べよ。
また、適切に試験されず適格とされた成分を使って製造された製品の全てのロットについてのリスク
アセスメントを提供せよ。貴社のリスクアセスメントは、使用期限内で、かつ、アメリカ市場内に
販売された全ての製品について実施すべきである。
3.貴社は、全ての成分、容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、医薬品を承認したり、不合格と
  判定したりする責任と権威を持った品質管理部門と、品質管理部門に適用する手順を制定する
  ことを怠った。
貴社には、適切な品質管理部門が欠けている。
貴社は、多数の機能に関し、文書化された手順の制定を怠った。例えば、品質管理部門、苦情、
逸脱、調査、さまざまな基本的な医薬品製造作業に関する手順がなかった。
さらに、貴社の品質部門には、バッチの製造や品質の許容限度を示す文書がなかった。例えば、
下記に関する記録がなかった:
・変更管理
・年次製品照査
発見された誤りが完全に調査されたことを保証するためのバッチ記録のレビュ
・貴社の医薬品の合格または不合格の判定
査察中、貴社の従業員の一人は、貴社の品質部門は出荷前に最終製品の完成したバッチ記録を
レビュしないことを認めた。この文書に対する回答の中で、下記のことを保証するための是正処置を
提出せよ。
・その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するために、適切な権限と十分な要員を備えた
 適切な品質管理部門を制定する
・全ての作業の許容限度を示す完全な文書を作成し保持する
●医薬品の不正商標表示の責任
貴社の製品は、診断、治療、緩和、手当、病気の予防、及び/または、体の組織や機能に作用する
ことを意図しているので、医薬品である。連邦食品・医薬品・化粧品法のもとで、医薬品は、ラベル
に誤りがあったり、判断を誤らせたりする場合、不正商標表示となる。
貴社のバッチの記録によれは、製品には多数の成分が含まれているが、最終製品のラベルにはXXや
XXが示されていなかった。さらに、最終製品のラベルに表示されていてバッチの記録にない成分が
あった。ラベル上の成分の表示の誤りや、製品に含まれていない成分のラベルへの記載は、虚偽
または欺きであり、そのような製品は、不正商標表示である。
●受託業者としての責任
医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、たくさんの医薬品製造業者が製造工場、
試験研究所、包装業者、ラベル貼付業者のような独立した受託業者を使用することを知っている。
FDAは受託業者は、製造業者の拡張と捉える。
貴社と貴社の顧客XXは、XXの製造に関し品質協定を結んでいる。品質協定が適切かどうかに関わらず、
貴社は、受託製造所として貴社が製造した医薬品の品質に関して責任がある。貴社は、医薬品が、
連邦食品・医薬品・化粧品法に従って製造されていることを保証する責任がある。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm586501.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
OOSの原因の調査不足は、ウォーニングレターでもよく取り上げられる指摘です。
原因の特定が難しいために、安易に試験担当者のミスとして片づけてしまって、裏にある根本原因の
発見が遅れてしまうというような事態は避けなければいけません。ただ、OOSの原因は“試験担当者の
ミスが原因です”と言えてしまうのは、実際に試験に人的ミスが発生しやすいからなのだと思います。
試験手順の明確化、教育訓練の徹底も必要だと思いますが、試験ミスの起きないしくみ作り(たとえば、
試験の自動化)も必要なのではないでしょうか。

最後になりましたが、今年も1年間メールマガジンをお読み頂き、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

☆次回は、1/5(金)に配信させていただきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2017.12.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<135号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

今日からいよいよ12月。今年も残すところあとわずかになりましたが、いかがお過ごしで
いらっしゃいますか。

さて今回も、前回に引き続き、最近FDA(米国医薬品食品局)から出たウォーニングレター4件
について取り上げ、FDAがGMP上のどのような点について指摘をしているのかを確認していき
たいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
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■WL:320-18-01 インドの製造所の査察(2017/4/3~2017/4/6)でみつかった原薬製造における
重大なCGMP違反に関する2017/10/10付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.全ての製品の逸脱が報告され、評価され、重大な逸脱については調査され、その結果が記録され
  ることを保証することの不履行
貴社は、製造に関する文書化された手順に従い、製造の手順で発生した逸脱を報告・評価・調査する
ことを怠った。例えば、貴社のXXのバッチの記録は、XXに関する工程内の定量試験を指定している。
貴社は、2016年に少なくとも5バッチについて、これらの工程内の定量試験を実施しなかったが、
これらの試験を実施しなかったことについて説明がなかった。さらに、XXのバッチの記録は、XXに
対する収量の照合の方式を指定していたが、2016年に少なくとも3バッチについて、正当な理由もなく
指定された方式を使用することを怠った。
貴社は回答の中で、XXに関する工程内の定量試験は、他でも同様の情報が提供されるので、論理的
根拠はなしに単なる情報として時々実施されていたが、それらのバッチは規格の中だったと述べた。
また、貴社は、生産記録のマスタを改訂し、工程内の定量試験の要件をなくしたと述べ、XXが規格外
の値の時だけ試験を行うようにした。さらに、貴社は、生産記録のマスタ内のXXの収量の方式は正しく
なかったと認めた。
正当な理由もなく他の手順が時々実施されていないか、また、他の医薬品に関しバッチの記録のマスタ
の方式が間違っていないかを判断するために、全ての記録をレビュしていなかったので、貴社の回答は
不十分である。
この文書に対する回答において、アメリカ市場に販売され有効期限内の全ての医薬品について、製造の
逸脱の事例がないか確認するために、製造記録のレビュを実施し、その結果を提供せよ。確認された
いかなる不具合についても製品品質への影響を判断するためにリスク分析を実施し、重大な逸脱について
調査し対応するために貴社がとるつもりの手順を示せ。
2.バッチの製造記録において、作業を実施し各重要な段階で直接監督または確認する職員のサイン
  して、重要手順の完了を適切に文書化することの不履行
貴社のバッチの製造記録は、製造工程内で、誰が文書を作成し、直接監督し、重要な各手順を確認した
かを記録するサイン欄を削除した。例えば、XXのバッチXXに関するバッチの製造記録のE章の包装詳細
では、ドラムNo.4に関するXXの総重量、XXの風袋重量、XXの計算された正味重量を表示している。
訂正された正味重量はXXでなければならないが、誰が計量作業を実施し、誰が次にそれを確認したかを
特定するサインがない。我々は、他のバッチ製造記録の実施者や確認者の多数の欄が同じ職員によっ
署名されていることに気づいた。査察中、貴社は、作業者のために監督者が仮署名をしたりサインを
したりすることは一般的な手順であると述べた。
貴社は回答の中で、作業者と確認者がサインをするための余白を加えるためにXXのバッチ記録を改訂した
と述べた。貴社は、作業者は手が汚いので監督者が作業者の代わりにサインをしているが、是正処置・
予防処置(Corrective Action and Preventive Action : CAPA)として、作業者に手袋を与えると説明した。
さらに貴社は、貴社のバッチ記録は英語だが、作業者の多くはヒンディ語しか理解しないと言及した。
それゆえ、貴社は、作業者の理解と規則順守を向上させるために英語とヒンディ語の二言語を併用した
バッチ記録を提案した。
貴社は、不適切に実施されたかもしれない他の重大な手順を確認するために全ての医薬品のバッチの
記録をレビュしなかったので、XXのバッチ記録の改訂は不十分であり、貴社の回答は不十分である。
作業者に手袋を提供するというCAPAや、二言語併用のバッチ記録を作成するという提案は、監督者が
重要な手順を実施した作業者の代わりに記録にサインをするという不備に直接対処していない。
この文書に対する回答において、アメリカ市場に販売され有効期限内の全ての原薬について、バッチ記録
の回顧的調査の結果を提出せよ。
貴社は、不適切な作業や文書作成を示唆するバッチ記録内のいかなる事象も確認し、作業内の重大な手順
をレビュしなければならない。また、それらの事象について、原薬の品質への影響を判断するための
リスクアセスメントを実施せよ。また、通常の文書化システムの制定、バッチ記録の品質部門の定期的監査
のような、全ての製品の現在もしくは将来のバッチ記録が適切で正しくサインされていることを保証する
ために貴社がとった特別な行動について情報を提供せよ。
3.規格外の結果の適切な調査と文書化や、適切な是正処置の実施の不履行
貴社は、異常な分析試験結果について、調査し、根本原因を究明し、適切な是正処置を実施するのではなく、
無視をした。貴社は、これらの規格外の試験結果(Out-of-Specification : OOS)を原薬の使用期限の
せいにした。たとえば、我々の査察官は、XXのバリデーションのバッチXX、XX、XXのXX内の内容物XXに
関する48ヶ月の安定性のガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography : GC)の試験結果をレビュした。
査察官はこれらのバッチの3つの全てのクロマトグラムが、保持時間より早いタイミングで未知のピークを
示していることを発見した。我々の査察に先立ち、貴社はこのOOSの結果の調査の開始や根本原因の究明を
せず、未知のピークが貴社の医薬品の品質に与える影響の評価をしなかった。代わりに、貴社は、これら
のバッチに関する安定性データを、貴社の商業用の原薬バッチXXの使用期限を決定するためにレビュ
承認し使用した。
貴社は回答の中で、貴社が回顧的調査を実施し、未知のピークは、インジェクタの汚染によると判断した
と述べた。貴社は未知のピークは独立していて、全体的な製品品質の逸脱には反映せず、XXの報告された
値やラベルに表示された使用期限に影響しないと結論づけた。貴社は、分析者がOOSの結果を文書に記録し
調査するよう手順を修正し、新しいGC装置を購入するつもりであると述べた。
貴社は、同じGCで試験された他の医薬品が同様のインジェクタの汚染により影響されていないかどうかを
判断するための調査の範囲を広げなかったし、なぜ最初の事象でこれらの異常な試験結果を調査すること
を放置しOOSの結果を原薬の使用期限のせいにしたかを説明しなかったので、回答は不十分である。
この文書に対する回答において、影響を受けたGC装置で試験された全ての医薬品についての調査報告と
リスク分析の結果を提出せよ。ニードルの汚染や、そのキャリーオーバーにより影響されたと判断した
分析試験結果に関し、貴社がとる予定の措置を示せ。また、使用期限が科学的に妥当で適切な規格に合う
分析データにのみ基づいていることをいかに保証するかを示すために、改訂した安定性プログラムを提出
せよ。
4.品質部門の年次製品照査の適切な実施の不履行
我々は多数の製品に関する貴社の年次製品照査(Annual Product Reviews : APR)をレビュし、いろいろな
不備を発見した。例えば、2016年のXXのAPRの安定性データは、同じ原薬に関する2015年のデータと同一で
あった。貴社の2016年のXXのAPRは、APRの提供された時点で生成できない安定性データやいろいろなエラー
を含んでいた。たとえば、水分量、不純物、旋光度といった製品品質の属性に関する平均値が、その最大値
を超えていた。最小値は”非検出“として、最大値を報告していた。別の事例では、平均値が1つのバッチ
で報告されていた。
そのような報告のエラーはこの製造所の2013年のFDA査察から繰り返されている。
貴社は回答の中で、これらのAPRの誤りを職員の前年のAPRをテンプレートとして使用したせいにした。
貴社は、手順に空のテンプレートを加えるよう改訂した。貴社は、また、全ての誤りは、関連部門の
すべての管理者による転写の誤りやレビュの誤りであると述べた。
貴社は、QMS(Quality Management System)データをオンラインで集めるERP(Enterprise Resource Planning)
の使用により今後そのような誤りを防ぐだろうと述べた。
貴社は、ERPの使用が今後いかにAPRの誤りを防止するかを説明しなかった。さらに、貴社は薬の品質を
損なったり不明確にしたりする誤りがないことを保証するための全APRの回顧的レビュを実施しなかった。
この文書に対する回答において、過去3年の全てのAPRの回顧的レビュを実施し、レビュの概要を表形式で
提出せよ。また、2015年と2016年のXXとXXの改訂したAPRの注釈付きコピーを提出せよ。
●多数製造所における逸脱の繰り返し
FDAは貴社のネットワーク内の他の製造所での同様のCGMPの逸脱を挙げている。特に2015年にFDAが別の
製造所を査察した時、査察中にみつかった同様の問題の結果、その製造所は医薬品製造を許容しがたいと
分類された。多数の製造所におけるこれらの繰り返される不備は、貴社の医薬品製造の監督や管理が
不適切であることを示す。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、CGMPを順守し続けることを保証する責任が依然として残る。
貴社は、すぐに、そして、包括的に、システム、工程、最終的に製品がFDAの要件に従うことを保証する
ために、貴社全体の製造作業を評価するべきである。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する
責任が残る。
出典: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm580751.htm

■WL:320-18-02 インドの製造所の査察(2017/6/5~2017/6/9)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/10/16付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷前に、各有効成分の同一性と含量を含む医薬品の最終
  規格 に合うことを実験室で適切に判断することを怠った。
例えば、XXの多数のバッチは、有効成分の容量を含む最終製品の規格に合わなかった。これらの
不合格の試験結果に関わらず、貴社は、これらの医薬品をアメリカに出荷した。
さらに、貴社の職員は我々の査察官に、バッチが日常的に試験されていないと知らせた。さらに、
貴社は、数年前に製造された過去のバッチからテスト結果を再利用し、新しいバッチの分析証明書
にそれらの結果を記入した。
貴社の回答は、貴社が、バッチの試験をローデータやテスト結果を含めずに実施していることを示した。
2.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、ラベル、医薬品を承認したり不合格
  と判定したりする責任と権威を持った品質管理部門と、品質管理部門に適用する手順を制定する
  ことを怠った。
貴社には、適切な品質管理部門が欠けている。貴社は多数の機能に関する文書化された手順の制定を
怠った。例えば、苦情処理、回収、規格外の試験結果(OOS)の調査、逸脱、不合格、返品、安定性
を含む重大な品質部門の作業に関する手順がなかった。
3.貴社は、制定した規格や基準に従うことを保証するために必要な全ての試験から得られるデータ
を含む実験室の記録を保証することを怠った。
貴社は、分析証明書に記録された分析試験結果を裏付ける記録を持っていなかった。貴社は、我々の
調査官に対して、貴社は最終製品の分析を紙の綴りに記録し、分析証明書に転記し、それから紙は
破棄したと述べた。そもそも試験が実施された保証はないし、関連する計算が実施された記録もない。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性
を適切に保証していない。我々は貴社の改善を支援する適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査
調査には下記を含めよ。
・調査手順と方法論の詳細、アセスメントの対象となる全ての実験室・製造作業・システムの概要、
 貴社が除外を検討している作業の正当性を示す理由
・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接
 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。
・貴社の設備におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント
 データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。
 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、全ての設備の操作を述べよ。
・試験及び製造のデータ・インテグリティの欠陥の性質についての総合的な回顧的評価
 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識をもった適格な第三者が、すべての
 データ・インテグリティの欠陥について評価することを推奨する。
B.貴社の薬の品質で発見された問題に関する影響の可能性についての現在のリスクアセスメント
アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者
のリスクと、継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。
C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の経営戦略
貴社の戦略には下記のことを含めよ。
・分析データ、製造記録、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性
 と網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた是正処置計画の詳細
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに釣り合うことを
 示すエビデンスを含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
 データ・インテグリティの欠落に関する個々の責任が、貴社のCGMP関連または薬の申請データに
 依然影響を与えるかどうかを示すこと。
・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラムへの
 ロットの追加、薬の申請の活動、苦情のモニタリングの強化のような、患者を保護し、貴社の薬の
 品質を保証するためにとられた処置、及び、これから取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、工程、方法、管理、システム、
 経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の配置の改善)の強化を述べた長期的手段
・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm581853.htm

■WL:320-18-03 カナダの製造所の査察(2017/6/12~2017/6/13)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/10/20付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、ラベル、医薬品を承認したり不合格と
  判定  したりする責任と権威を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。
貴社は正式な品質部門や、品質部門の責任を述べた文書化された手順を制定していなかった。さらに、
貴社は、ラベリング作業及び貴社がアメリカに輸出するOTC薬の苦情処理に関する文書化された手順を
制定していなかった。貴社は、供給者を適切に適格と評価する文書化された手順を制定していなかった。
●FDAの輸入警告措置(Import Alert) 66-40を受けている製造業者からの医薬品の購入
我々は、貴社の供給者のリストをレビュしたところ、FDAのImport Alertのリストに載っているXXが
含まれていた。Import Alert 66-40はFDAの公式ウェブサイトで確認できる。Import Alert 66-40が
示すように、XXで製造された医薬品は、CGMPに従っていないため、アメリカへの輸入拒否の対象だった。
貴社はImport Alert 66-40を受けている会社から購入した不純物の混じった原材料を使用したので、
貴社の製造した医薬品も不純物が混じっている。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm582202.htm

■WL:320-18-04 中国の製造所の査察(2017/5/15~2017/5/19)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/10/30付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、ラベル、医薬品を承認したり不合格と
  判定したりする責任と権威を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。
貴社は、有効成分にヒドロコルチゾンを含む表示された局所用OTC医薬品を製造した。査察中、我々
の査察官は、この製品には、異なる有効成分である酢酸デキサメタゾンが実際に使用されたこと
示す記録をレビュした。査察官が不正な有効成分について尋ねた時、貴社は通訳のミスであると述べ、
2つの有効成分は同じ成分であると信じられていた。貴社の品質部門は、不正な有効成分を含むこの
製品の多数のロットがアメリカに販売されることを承認した。
貴社は2017年8月30日、アメリカ向けに販売したこの医薬品を回収した。しかし、貴社は、品質部門
の失敗についての調査の詳細と再発防止のためのアクションプランを提出しなかった。また、貴社は、
貴社がアメリカへの販売用に出荷した全ての医薬品が適切な成分で製造されたことを保証する評価の
詳細を提出しなかった。
2.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷前に、各有効成分の同一性、含量、医薬品の最終規格
  に合 うことを実験室で適切に判断しなかった。
貴社は、出荷及び販売前に、同一性、有効成分の含量に関する医薬品の試験を怠った。有効成分の
試験は、製造した医薬品が、それが有するとうたう化学的属性に関し、制定した規格を満たすこと
を確認する絶対不可欠な試験である。
3.貴社は貴社が製造した医薬品が、有するまたは有すると表示された同一性、含量、品質、純度を
  持つことを保証するための製造及び工程管理に関する適切な文書化された手順を制定することを
  怠った。
貴社は、製品を製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は、工程の性能
適格性評価を実施せず、安定した製造作業と一貫性のある医薬品の品質を保証するための工程管理の
モニタリングに関する継続的なプログラムが欠けていた。
●不十分な回答とコンサルタントの推奨
FDAの査察結果に対する2017年8月16日の貴社の回答は不十分で、貴社の作業がCGMPを順守するため
の是正処置の十分なエビデンスが提供されなかった。例えば、貴社は、下記の提供を怠った。
・バッチの出荷判定前に、各医薬品のバッチを分析するために用いられる、化学的及び微生物学的
 品質特性を含む、品質管理試験の方法や規格
・有効成分の同一性や含量、総数や好ましくない微生物の試験を含む他の品質特性に関し、全ての
 医薬品の試験をするという明確な誓約
貴社の各医薬品に関する工程の性能適格性評価に関するタイムラインと、バッチ内と中間バッチ
 のばらつきの定期的なモニタリングに関する貴社のアプローチの概
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm583939.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
今回取り上げたウォーニングレターでは、データ・インテグリティの指摘の他に、
OOS(Out-of-Specification)発生時の根本原因の調査不足、
不十分なCAPA(Corrective Action and Preventive Action)、年次製品照査の不備が
指摘されていました。
ご存知の通り、昨今、製薬業界ではありませんが、品質管理の不備が大きな問題になっています。
この機会に、品質管理、特にOOS発生時の対応に不備がないかを確認してみるのもよいのでは
ないでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、12/15(金)に配信させていただきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2017.11.15

【最近の海外製薬企業におけるGMP関連指摘事項】ASTROM通信<134号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

いつの間にか天気予報に雪マークが登場するようになってきましたが、いかがお過ごしで
いらっしゃいますか。

先日、日本製薬団体連合会の第37回医薬品GQP・GMP研究会に参加しました。
予想通り、データの完全性(Data Integrity)の話題が多かったですが、それ以外に、
GDPガイドラインの話題が興味深かったです。
数年前から出る、出ると言われ続けてきたGDPガイドラインですが、ついに2017年度中に発出
されるそうです。当面は自主基準となるようですが、偽造医薬品防止の観点から今後も検討は
進むようで、封緘ルール(例:無印の封緘テープの禁止)や返品について規制強化の動きも
あるようです。また、海外の動きに呼応し、全製品にシーケンス番号を付ける案なども出て
いるようです。
どれも実際に施行されれば非常に影響の大きな話となりますので、今後の動きには注目して
おく必要がありそうです。

前置きが長くなりましたが、今回は、
1.ASTROM通信129号(9/1発信)で取り上げた後に発行されたEUのノンコンプライアンス
  レポート(Non-Compliance Report)2件
2.ASTROM通信131号(9/29発信)で取り上げた後発行されたFDAのウォーニングレター4件
について取り上げ、当局が製薬企業に対し、どんなGMP上の指摘をしているのかを確認して
いきたいと思います。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1.EUのノンコンプライアンスレポート
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
このASTROM通信でも何度か取り上げているノンコンプライアンスレポートですが、製造所の
査察において、EU GMPに不適合と判断される不備が見つかった場合に発行されるもので、
3部構成になっています。
Part1に確認した当局の名前、製造業者の名前、製造所の住所等、Part2にノンコンプライアント
な製造オペレーション、Part3に不備の内容、EUの対策等が書かれています。
査察結果を報告するという点ではウォーニングレターと似ていますが、ウォーニングレターに
比べて、指摘の内容があまり詳しくありません。
いつもの通り、Part3部分をみていきたいと思います。

■Report No.UK GMP 43979 Insp GMP 43979/11316477-0004 NCR インドの製薬会社を
イギリスの当局が2017/8/31に査察
●ノンコンプライアンスの種類
机上査察において、データ・インテグリティ、QC実験室の機能、交差汚染、経営陣の管理の
不足、品質システムの不履行に関するクリティカルな不備を確認した。これは以下のオンサイト
の査察で裏付けられた。
製造の職員が承認なしに製造の方法を変えた。
不合格の中間材料が次のバッチに投入され、余りが包装の際に捨てられた。
不良の錠剤、カプセル、カートンの中の添付文書とブリスターを含む市販品で交差汚染があった。
QCの職員が、QC管理者の指示のもと、全てのバッチに関するデータを提供するために、キャンペーン中
の全バッチではなく1バッチから1サンプルを使った。
QCの実験室の不十分なリソースのせいで、安定性試験はスケジュールより著しく遅れ、複数の時点が
省略された。
リスクアセスメントは、記録されたデータのみに基づいて実施された。
GMP関連作業の全てがバッチの記録に残されていなかった。
●とられた/提案された行動
・出荷済バッチの回収
 公衆衛生に必須とみなさない医薬品の回収が検討中である。バッチが関連する承認に従って製造され
 試験されたことの保証がないので、全てのGMP記録の完全性は損なわれている。さらに、安定性試験の
 実施の不足は、流通した製品が安全である保証を弱める。
・供給禁止
 ノンコンプライアンスの状態中の必須でない製品の今後のバッチは、EUへ供給されない。
出典:http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=44401

■Report No.2017090955 デンマークの製薬会社をデンマークの当局が2017/9/21に査察
●ノンコンプライアンスの種類
GMPとGDPの原則を順守しようとする全体的な姿勢や能力に欠けている。
不順守の例:
職員と経営者を監督し十分に作用する当局と同意した通りのクオリファイドパーソン(QP)が
社内にいない
品質保証部門の人員不足
前回の査察以後の、是正処置及び予防処置の不十分なフォローアップ活動と履行
逸脱や苦情への不十分な対応
医薬品の受領後の輸送中の偽造や温度の逸脱に関する不十分な管理
輸送車/運送業者の適格性評価手順の不備
●とられた/提案された行動
・製造承認No.34525の一部停止
 他のEU市場からの医薬品の購入を含め、製造活動を実施してはいけない
 但し、保管サンプルを含む医薬品は隔離保管され、苦情の対応及び市場からの回収に関する
 活動は行う
・出荷済バッチの回収
 リスクアセスメントの結果及び、不順守の問題の一般的な性質により、当局は現時点では
 既に市場にある医薬品の回収は推奨しない
・供給禁止
 この企業で購入された医薬品は、この企業及びその委託製造業者によって再包装されてはならない
 既に再包装された医薬品は出荷されたり販売されたりしてはならな
・その他
 2017年3月8日後に発行されたGMP証明書は引き下げられた
出典:http://eudragmdp.ema.europa.eu/inspections/gmpc/searchGMPNonCompliance.do?ctrl=searchGMPNCResultControlList&action=Drilldown&param=44638


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2.ウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
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■WL:320-17-48 韓国の製造所の査察(2016/11/3~2016/11/11)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/8/31付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.無菌とされている製品の微生物汚染を防ぐために、全ての無菌工程・滅菌工程のバリデーションも
  含め、適切に文書化された手順を制定しそれに従うことを怠った。
貴社は無菌工程が貴社の製品XXの微生物汚染を防ぐことができると証明することを怠った。
<不適切な培地充填>
貴社の培地充填計画は不適切である。シミュレーションは十分な頻度で実施されず、最悪のケース
の製造条件を表していなかった。貴社の職員は、余分な洗浄が培地充填の前に実施されたと報告した。
アルコールが増殖培地に加えられた。貴社の商業生産では、重要な手作業の介入を必要とし、およそ
XXの間にXX単位以上の充填を行うのだが、貴社の培地充填はXXより少ないXX単位だけで構成されていた。
培地充填プログラムは、製造ライン上で行われる無菌状態への介入(計画された、または、計画外の)や、
室内にいることの許された最大人数をシミュレートするために設計され文書化されていなかった。
さらに貴社の培地充填の最低限の記録に、培地充填に参加した作業者を含む基本的な情報が不足していた。
貴社は、貴社の無菌工程が製品XXの汚染を防ぐことを示さなかった。適切な培地充填の研究は、実際の
製造中に直面しうるいかなる介入も考慮した無菌製造ラインの活動と状態を正確にシミュレートしなけれ
ばならない。これらの研究は、各無菌製造ラインが管理し続けられ、患者の使用に適した無菌薬を確実に
製造されるかどうかを評価するために、少なくとも半年ごとに(各シフトに関し)実施されるべきで
ある。
貴社の回答の中で、貴社は、品質部門が2017年1月16日に承認した“無菌製造シミュレーションに関す
る培地充填バリデーション手順”を新しい培地充填の結果と共に提出したが、汚染に関する充填単位の
介入や試験の文書(例:培地充填のバッチの記録)が欠けており、貴社の回答は不十分である。
<不十分な煙の研究>
我々の査察で、軟膏XXの無菌製造ラインの上に一方向流が存在するかを評価するための貴社の煙の研究
が欠けていることを発見した。
貴社は、動的な気流の研究を完了したと述べ、3本のわずかな煙の研究のビデオを提供した。これらの
研究は動的な状態のもとで実施されたと述べているが、我々は、作業の状態や無菌状態への介入
(例:チューブやキャップの再装填、XXの充填)の評価がまだ欠けていることに気づいた。さらに、
無菌工程ゾーンの視界は遮られ、煙の連結管は十分な時間固定されていなかった。
<不十分な滅菌>
貴社の薬を滅菌するための安定した工程が欠けている。我々の査察管は、貴社が、XXのためのXXのため
に、配合タンクの中の軟膏XXのXXにXXを使用していることを発見した。これらの状態は、最小の致死
率を提供する。査察中に提供されたバッチの記録は、流通する前に軟膏XXを滅菌するためのXXが欠けて
いた。
この文書に対する回答の中で、
商業生産の最悪ケースの状態の適切なシミュレーションを保証するために、培地充填プログラムの
 包括的なレビュと、是正処置・予防処置(CAPA)を提出せよ。また、どのように増殖の状態を調べ、
 バッチの生産量の調整を実施したかの詳細を述べよ。
・各無菌製造ラインにおいて、培地充填を半年ごとに実施するために、貴社の改訂プログラムがXXを
 必要とするかどうかを述べよ。
・2015年1月1日以降に実施した全ての培地充填について、製造ライン、培地充填日、実施した単位数、
 試験数、発見された潜在的に汚染された単位数を含む概要を提供せよ。
・XX製品の完了した無菌試験の履歴を提供せよ。(その後に無効とされたかどうかに関わらず、
 全ての無菌性が陽性のものを含めよ)
・無菌充填前にいかに適切に製剤を滅菌するつもりか述べよ。滅菌サイクルの設定値、バリデーション
 手順、バリデーション報告、工程の致死率、無菌性の保証レベルを提出せよ。
・貴社のXXの容器と蓋がどのように滅菌されたか述べよ。滅菌手順、バリデーション手順、全てのXXの
 容器と蓋に関するバリデーション報告を含めよ。
・適切に滅菌されずに製造され、アメリカに販売された使用期限内の貴社の軟膏XXに関する顧客へ
 通知と回収を含む、是正処置の実施に関するアクションプランとタイムラインを述べよ
・貴社の環境及び職員のモニタリング手順を述べよ。モニタリングの場所、頻度、アクションリミットが
 正当である根拠を示せ。
・無菌状態への介入に関する、視界がさえぎられていない状態での徹底的で完全な評価を含む動的状態の
 もとでの煙の研究を提出せよ。また、静的な煙の研究も含めよ。
2.貴社は、バッチが既に出荷されたかどうかに関わらず、バッチやその成分の規格からの説明のつかない
  相違や不具合を十分に調査することを怠った。
貴社は、顧客の苦情を徹底的に調査することを怠った。2016年、貴社はアメリカ市場向けの薬に関する
32件の顧客からの苦情を受け取った。これらの苦情は軟膏XX及びXXを使用後のXXの刺激、火照り、痛み、
分泌を含んでいた。
我々の査察管は、XX軟膏に関する3件の調査レポートをレビュした。各調査は、保管サンプルのテストと、
貴社の従業員を”被験者“とした少なくとも3つの苦情に関係したロットの薬の使用からなっていた。
貴社の調査は、根本原因の決定を助ける決定的な要素にかけいていた。例えば、3つの調査は、製造工程
と関連する記録の評価に欠けていた。貴社は、全ての関連する品質特性(例:無菌性)について、苦情の
あったロットを規定通りに試験しなかった。決定的な要素を見落としたにも関わらず、関連するロットに
ついて、“問題はない”と結論づけた。徹底的な調査もなく、貴社の品質部門は、根本原因に関して信頼
できる判断を下し効果的なアクションをとるための十分な情報が不足していた。
貴社の回答の中で、品質部門は、貴社が無菌試験のバリデーション、苦情サンプルの微生物の分析、安全性
と有効性の試験、製造環境のレビュをするように注意するだろうと述べた。貴社は、“プロセスを通じて、
我々は原因を見つけ出すつもりである”と述べた。
上で述べた苦情が適切に調査されることを保証するために製造工程(原材料を含む)を完全に評価するか
どうかが不明確であるため、貴社の回答は不十分である。また貴社は、貴社の苦情調査システムが修正
されていることを示さなかった。
この文書に対する回答の中で、
貴社の苦情調査プロセスを包括的に修正するためにとった行動を要約して述べよ。そこに貴社の改訂した
 調査手順と、貴社の職員がこれらの手順に従うことを保証するために貴社がとっている行動を含めよ。
・2016年1月以降に受け取った薬の品質に関する苦情に関し、改訂した手順を使った調査で発見したものを
 要約して述べよ。各要約には、全てのテスト結果、根本原因、アメリカ市場に販売された関連バッチ、
 CAPAを含めよ。
3.貴社は、成分、製品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が、同一性、含量、品質、純度の適切な基準
  に従うことを保証するために設計された、科学的に理にかない適切な規格、基準、サンプリング計画、
  テスト手順を含む、実験室の管理手段を制定することを怠った。
貴社は、入荷したXXのロットをテストするための確認試験の手順を制定することを怠った。
韓国薬局方(KP)に基づく貴社のテスト手順は、XXと類似化合物の化学的構造を識別するのに不十分である。
XXに関する米国薬局方の基準は、確認のための赤外分光法を使った適切な試験を含む。
この文書に対する回答の中で、
全てのバッチを損なう可能性のあるものに対する適切な確認方法を使った遡及効果のある確認試験の
 を達成するための加速されたタイムラインを提供せよ。全ての結果について速やかに回答せよ。
 もし、貴社のデータが、アメリカ市場内に欠陥品があると示した場合、製品の回収を明言せよ。
・原材料・中間材料・最終製品をテストするために用いられる全ての手順が、米国薬局方及び
 国民医薬品集(USP-NF)を使用しているかどうかを判断し、もし使用していなければ、同等または
 それよりよい方法を採用せよ。確認されたいかなる不適切な方法にも対処するCAPAを提供せよ
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタント
を雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する
ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
出典: https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm575436.htm

■WL:320-17-49 中国の製造所の査察(2017/3/6~2017/3/10)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/9/7付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、貴社が製造する薬が、それらがうたう、または、有していると説明している同一性、含量、
  品質、純度を持つことを保証するための製造と工程管理に関する文書化された手順を制定することを
  怠った。
貴社は、無菌医薬品XXを製造するために用いられた工程の適切なバリデートを怠った。査察中、貴社は
PQのバッチの記録や、品質管理試験の文書を提供できなかった。貴社は、手順と概要報告のみを不十分な
データと共に提供した。市販用製品のバッチの記録もまた、全ての重要なプロセスパラメータ(例:XX時間)、
成分の追加順、サンプリングの頻度、サンプル数を文書に記録することを怠った。貴社は、中間材料や
最終製品が、所定の製造や品質の要件を満たす保証に欠けていた。
バリデーションの目的は、一貫したバッチの均一性、完全性、薬の品質を保証するために、貴社の工程が
制定されたパラメータ内で動作することを判断するためのものである。信頼できて、文書で十分に裏付け
られたバッチの作業は、工程管理と薬の品質を保証するために必須である。
この文書に対する回答の中で、下記の情報を提供せよ。
貴社の製造や包装工程が適切なパラメータを一貫して満たすよう、ばらつきを識別し、全ての既知の
 原因をコントロールするデータ駆動型で科学的に理にかなったプログラム。
 これには、意図した使用に関する装置の適合性の評価、投入する原材料の品質の保証、各製造工程の
 能力と信頼性の判断と管理を含まれるが、これだけに限定されない。
工程管理のモニタリングや製品のライフサイクルを通じたばらつきの検知に関するプログラムを制定
 するための改訂された手順
・各重要な製造工程を完全に記録するため、特定の処理の詳細の記録を必要とする無菌医薬品XXの製造
 に関する、改訂されたバッチの記録の原本
2.貴社は、成分、製品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が、同一性、含量、品質、純度の適切な
  基準に従うことを保証するために設計された、科学的に理にかない適切な規格、基準、サンプリング計画、
  テスト手順を含む、実験室の管理手段を制定することを怠った。
貴社は、落下菌・バイオバーデン・無菌の試験用に準備した微生物の増殖培地の増殖促進試験を実施
しなかった。さらに、貴社は、準備した培地が品質と純度の適切な規格を一貫して満たすことを保
するための文書化された手順を持っていない。
この文書への回答の中で、落下菌・バイオバーデン・無菌の試験に用いられる培地が、一貫して準備され、
微生物の増殖を促進するものであることを保証するための手順を提出せよ。
3.貴社は、薬局方に準拠した要求、または、その他の要求を超えて、薬の安全性、同一性、含量、品質
  または純度を変える誤動作や汚染を防ぐために、適切な間隔で、装置や器具を洗浄し、保持し、
  消毒または/及び殺菌をすることを怠った。
2017年3月7日、我々の査察官は、貴社が装置の保管室に、蓋のない容器に入れ、XXの洗浄済の管を保管
しているのを発見した。露出したチューブの端は、ほこりや、最終的に無菌の医薬品を汚染から守るために
カバーされていなかった。貴社は、汚染から防ぐためにこのチューブを保持し、洗浄し、消毒するための
手順が欠けていた。
この文書への回答の中で、貴社の薬の製造に使用される全ての装置の保持、洗浄、殺菌に関する手順を
提供せよ。
4.貴社は主要な装置の保持に関する文書化された適切な記録を保持することを怠った。
査察中、貴社は査察官にXXループのXXの消毒に関する記録文書を提出した。2017年1月から3月の間の
記録は、2人の従業員によりサインされ、この期間に消毒が完了しその検証が完了していることを示して
いた。しかし、査察官は、これらの作業は実際に実施した時には記録されず、査察の2日目である
2017年3月7日に記録が作られ完成されたことを発見した。
貴社の回答は、このデータの完全性の問題を認め、いくつかの改善に踏み出したとことを示している。
この文書への回答の中で、以下のことを述べよ。
A.データの記録と報告の不正確な範囲の総合的な調査。
  省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の不備を明らかにせよ。貴社が
  発見したデータの完全性の欠落があった貴社設備内の作業の全てを述べ、データの完全性の不備
  の性質の評価を提供せよ。
B.発見された不具合の貴社の薬の品質への潜在的な影響の、現在のリスクアセスメント。
C.グローバルな是正処置・予防処置の詳細を含む貴社の管理戦略。
  貴社の戦略には次のことを含めるべきである:データの完全性の欠落の根本原因の総合的な記述、
  患者を保護し、改善の実施中に薬の品質を保証するためにとった、または、とろうとしている暫定措置、
  貴社のデータの完全性を保証するためにとろうとしている長期の対策。既に進行中または完了した
  上記の活動のステイタスレポートを含めよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタント
を雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する
ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm575785.htm

■WL:320-17-51 中国の製造所の査察(2017/5/8~2017/5/10)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/9/12付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、制定された規格や基準に従うことを保証するために必要な全ての試験から得られるデータを
  含む実験室の記録を保証することを怠った。
貴社の経営陣はアメリカ向けのXX(ロットXX)の出荷の判断を裏付けるために使用される分析試験結果
を偽造したことを認めた。
2.貴社は、全ての成分、製品の容器、栓、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格・不合格の判定を
  行うための責任と権限をもった適切な品質管理部門を制定することを怠った。
貴社の実験室の分析結果は、XXのロットXXは通常より効果が薄いことを示した。しかし、提供された分
析証明書(CoA : Certificate of Analysis)は、それが規格内であると示した。バッチは実際に不合格
であるのに、なぜCoAが合格の結果を報告したのかをたずねた時、貴社の品質部門の責任者は、“私がミ
スをした”と述べた。
3.貴社は、薬局方に準拠した要求、または、その他の要求を超えて、薬の安全性、同一性、含量、品質
  または純度を変える誤動作や汚染を防ぐために、適切な間隔で、装置や器具を洗浄し、保持し、
  消毒または/及び殺菌をすることを怠った。
我々の査察官は、貴社の設備に設置されたXXの製品に触れる表面上に、さびて腐食したねじ、XXの液体や
破片、金属製の網の素材が見えているのを発見した。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm576500.htm

■WL:320-17-52 韓国の製造所の査察(2017/1/23~2017/1/26)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/9/22付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、出荷前に、製品の各バッチの最終的な規格への十分な適合について、各有効成分の同一性
  と含量の判断を含む適切な実験室の判断を実施することを怠った。
貴社は、各有効成分の同一性と含量をテストせずにXXクリーム(ロットXX)を含むXXを出荷した。
また、XXが制定したレベルに達することをテストせずにXXを含む製品を出荷した。
貴社は回答の中で、“ラベルに印字された成分とXXの含有量は、最終製品試験で実施する予定である”
と述べ、貴社の手順を提供した。
貴社の手順は、各バッチを試験するために用いるテストの特性や方法のリストといった詳細が不足して
いるので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、次のことを述べよ。
・品質管理試験の方法と、バッチの出荷判定前に行う各医薬品のバッチの分析に使用される規
安定性プログラムの一環として現在使用している全ての品質管理試験と規格(化学と微生物の両方)
 のリスト
アメリカ市場内の使用期限内の全ての薬の有効成分の同一性と含量とXXの含有量を判断するために
 実施する保管サンプルの試験の実施計画とタイムライン
 もし、そのような試験が基準以下の品質を示した場合、顧客への通知や製品の回収を含む、貴社の
 計画する是正処置を提供せよ。
2.貴社は、成分、製品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が、同一性、含量、品質、純度の適切な
  基準に従うことを保証するために設計された、科学的に理にかない適切な規格、基準、サンプリング
  計画、テスト手順を含む、実験室の管理手段を制定することを怠った。
貴社の製品XXに存在する微生物を検出するための微生物のリミット試験が適切であることを示すことを
怠った。方法の適合性試験にて製品が微生物の成長や検出を阻害しないことを示す必要がある。
貴社は、適合性試験を実施すると回答したが、詳細や、是正処置のエビデンスを提供しなかったので、
貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、下記のことを述べよ。
・各製品の適合性試験の実施手順とタイムライン。
 もしそれらの試験が不十分な方法であることを明らかにした場合、CAPAの計画を提出せよ。
・手順、実践、試験、職員の能力を含む実験室の管理の妥当性の総合的なレビュ
3.貴社は、貴社が製造する薬が、それらがうたう、または、有していると説明している同一性、
  含量、品質、純度を持つことを保証するための製造と工程管理に関する文書化された手順を制定
  することを怠った。
<製造工程の管理の不足>
貴社は医薬品XXを製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は、工程の
性能適格性の検討をせず、安定した製造作業と薬の品質を保証するための工程管理のモニタリングの
継続的なプログラムも不足している。
<XXシステムの不十分な管理>
貴社は、XXの米国薬局方の基準と適切な微生物限界を満たすXXを一貫して製造することを保証するため、
効果的に維持し、消毒し、モニタリングし、管理できているかを評価するためのXXシステムの適格性の
検討を実施しなかった。貴社は、このバリデートされていないシステムから、医薬品XXの成分として
XXを使った。
さらに、このシステムで製造されたXXの試験が不足していた。薬剤XXは、意図した使用に適していな
ければならないし、化学及び微生物学上の適切な属性に継続的に一致することを保証するために、十分な
頻度でテストされなければならない。
貴社はXXシステムをバリデートする予定であると回答したが、詳細や是正処置のエビデンスを提供しな
かったので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、下記に示す詳細のタイムラインと共に実行計画を提出せよ。
・医薬品XXに関し、工程の性能適格性評価のタイムラインと、バッチ内と中間バッチのばらつきの
 定期的なモニタリングに関する貴社のアプローチの概要
・XXシステムのバリデート、維持、管理、モニタリングの詳細の手順
貴社システムで製造されたXXの試験に関して制定された微生物の分析方法の不十分さを判断するための
 徹底的な評価
試験に使用される適切な分析方法の完全な改善計画を含めよ。
4.貴社は、成分の規格への準拠に関する同一性試験を含む、各ロットの試験を実施することを怠った。
貴社は、品質部門が薬の製造用にグリセリンの使用を許可する前に、供給者から得たグリセリンの原材料
の分析を怠った。グリセリンは貴社が製造する多数の製品の原料である。
貴社は、ジエチレン・グリコール(DEG)またはエチレン・グリコール(EG)が存在するかを判断するための
各ロットの試験を行わなかった。DEGの薬へのコンタミネーションは、世界中の人が死に至るさまざまな
中毒事件を引き起こす。
貴社の回答はグリセリンに関し、米国薬局方(USP)の規格に従ってDEGとEGのリミット試験を実施する
予定だと述べた。
貴社の回答は不十分である。貴社は、DEGとEGに関し、アメリカ市場に販売した薬の全てのロットを
試験したかどうか回答しなかった。
この文書への回答の中で、グリセリンの全てのロットのDEGとEGの試験の実施に関する最新情報を提供せよ。
また、アメリカ市場内の使用期限内のグリセリンを含む製品について、詳細のリスクアセスメントを提供せよ。
さらに、保持している全ロットのサンプルのDEGとEGの試験をせよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタント
を雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する
ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm577650.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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2通のノンコンプライアンスレポートと4通のウォーニングレターを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

2通目のノンコンプライアンスレポートは、デンマーク当局が自国の製薬企業に対して発行したものでしたが、
厳格な対応をしていて印象的でした。詳細は不明ですが、GDPの不順守を指摘している点も興味深かったです。

4通目の韓国の製薬企業に対して出されたワーニングレター内のグリセリンに関する指摘事項は、2017/7/28付で
フィリピンの製薬企業向けレター(WL:320-17-42)でもあがっていました。どちらの企業も管理が杜撰だったのだ
とは思いますが、立て続けに指摘として登場していますので、グリセリンを含む製品をアメリカ市場に輸出されて
いる製薬会社様は、指摘内容を確認されておいたほうがよいと思われます。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、12/1(金)に配信させていただきます。

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