ASTROM通信バックナンバー

2013.08.01

【最近の気になる話題】ASTROM通信<31号>

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

連日、ゲリラ豪雨や集中豪雨のニュースを耳にしますが、お変わりなくお過ごしでいらっ
しゃいますか?

さて本日は、最近気になる製薬業界の以下の話題について取り上げたいと思います。
1.コンピュータ化システム:“ウチは紙が正です”は今後どうなるか?
2.生産管理システムにおける出荷管理
3.TPP交渉


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1.コンピュータ化システム:“ウチは紙が正です”は今後どうなるか?
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使用しているコンピュータ化システムのバリデーションが未実施であったり、セキュリティ
等の管理が不十分であったりして、コンピュータ化システムを使っていると言いたくない
場合、査察時に、“コンピュータは単なるワープロとして使っているだけです。ウチは紙の
記録が正(真の記録)です。”という製薬会社様がおありだと思います。
弊社で生産管理システム導入のヒアリングをさせていただく際も、そういうお話をよく耳に
します。

しかし、最近、海外メーカの査察を受けられた会社様の中には、この“ウチは紙が正です”
を認められずに指摘されてしまうケースが出てきています。
紙は、印刷をし直してデータや日付を改ざんすることができてしまうので、記録の真正性が
低いためです。

どう見てもシステム化されているはずの業務なのに、頑なに“ウチは紙が正です”というの
は、逆に何か事情があるのでは?と疑われてしまいます。
実はシステム化しているということであれば、しっかりバリデーションを実施すべきでしょう。
また、どうしても、一部機能は紙を使って運用せざるを得ない場合は、どこまでは電子を正
とし、どこから、紙を正とするのかを明確にする必要があると思われます。

PIC/S GMPガイドライン パート1 第4章 文書化の中に、次のような規定があります。

4.1章 抜粋
多くの文書(指図書、記録)は、ある部分は電子的、他の部分は紙ベースのような、混在す
る形態で存在する。原本、正式な副本、データの取扱い、記録等の関係と管理方法は、混合
する場合のシステムと単一の場合の両方のシステムで述べる必要がある。テンプレート、
書式、原本のような電子文書の適切な管理を実施すること。保管すべき全期間にわたって、
記録の完全性を保証するよう適切な管理を実施すること。

電子と紙が混合するシステムでも、しっかり管理が必要ということです。

それから、余談ですが、それまで“自社にコンピュータ化システムは存在していません”と
言っていた製薬会社様が、新システムを入れた途端、“過去のデータは全てデータベースに
保存してあります”と言ってしまったという面白いお話があります。
意地悪な見方をすれば、“それならば、紙で保存していた過去データを全てミスなくデータ
ベースに入力したのですか?ということになります。
これまでシステムがないと言ってきたのであれば、最後までそれを通し、過去の記録の原本は
紙、もしくは、せいぜい、紙をスキャンしてPDF化したファイルと言うべきではないでしょうか。


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2.生産管理システムにおける出荷管理
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生産管理システムを導入、もしくは導入検討されているお客様は、バリデーション作業を
少なくするために、生産管理システムの機能を、GMP関連業務に使用していると部分と、
それ以外の部分とで分けて管理したいと考えていらっしゃることと思います。

GMP関連業務を特定することは、非常に良いことだと思うのですが、一点、気になることが
あります。
それは、出荷管理機能の取り扱いです。

出荷管理はGMP対象外なので外して考えましょうとおっしゃる方が多いのですが、ここは
注意が必要だと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、PIC/S GMPガイドラインは、配送に関わる部分の管理も
求めています。
例えば、以下の部分にその記述があります。
・第1章 品質マネジメント 1.2 vii
 配送を含め完全なバッチ履歴の追跡を可能とする製造の記録はわかりやすくアクセス可能
 な形で保存されること

・第4章 文書化
 記録書:指図書への適合性を示すためにとられた種々の措置、例えば、作業、発生した
 事象、調査の証拠、及び製造されたバッチの場合は、配送を含めた製品のバッチごとの
 履歴の証拠を提供するもの。(以下省略)

配送の記録が、別のシステムの記録を正としてしっかり管理できているのであれば、生産
管理システムの出荷管理機能は、GMP対象外という位置づけにすることも可能でしょうが、
そうでなければ、出荷管理機能もGMP関連業務としてしっかり管理しておく必要があります。

“出荷”というキーワードだけでGMP対象外と判断してしまわないよう、注意が必要だと思い
ます。


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3.TPP交渉
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先日、ついに日本政府がTPP交渉に参加したというニュースはご存知だと思いますが、
この交渉開始を前に、日本製薬団体連合会が政府対策本部に意見提出をしたそうです。
7月26日付薬事日報によると、提出要旨は以下の通りです。

1.制度的事項
国民皆保険制度の存続が危ぶまれるような事項は受け入れられない
・混合診療の対象拡大には慎重な対応が必要である
日本の承認や価格決定プロセス等を損なう交渉には反対すべきであ
・参加国が薬事規則をICHやPIC/Sの枠組みをもとに整備していくことを要望する
・血液法の基本理念をゆがめられないよう交渉を進めてほしい

2.紛争解決紛争解決
・特定の加盟国による支配的なものにならないようにすべきである

3.知的財産
・特許期間の延長制度の導入を求めていく
・参加国に日本と同等のデータ保護期間を求めていく
・日本の後発医薬品の承認制度と同様の制度を参加国に求めていく

4.その他
・今後も必要に応じて意見を提出する機会を設定してもらいたい

TPP参加国(シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリ、アメリカ、オーストラ
リア、ペルー、ベトナム、マレーシア、カナダ、メキシコ、日本)の中で、PIC/S加盟国は、
シンガポール、アメリカ、オーストラリア、マレーシア、カナダだけです。
(ニュージーランドは申請中)
域内の経済の自由化と、ICHやPIC/Sで求められる規制について、いかに折り合いをつけていく
かが難しいところではないでしょうか。
また、日本の特許制度が維持できるかが非常に気になるところです。


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まとめ
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PIC/S加盟申請、TPP交渉参加と、このところ、一気にグローバル化が進んでいる感が
あります。
日本の製薬業界に今度どのような影響が及ぶのか、目を離せません


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、8/15(木)に配信させていただきます。


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