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2014.06.15

【違法なオンライン薬局に対するFDAの取り組みについて】ASTROM通信<52号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

うっとうしい梅雨空が続いていますが、お元気でいらっしゃいますか?

さて、今回は、下記のテーマを取り上げたいと思います。最後までお付き合いいただければ
幸いです。
1.違法なオンライン薬局に対するFDAの取り組みについて
2. 6月1日に発効したEU GDPに関し、読者の方からお寄せいただいたコメントについて


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1.違法なオンライン薬局に対するFDAの取り組みについて
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2014年5月22日の発表のFDAニュースによると、米国食品医薬品局 (FDA)は、他のアメリカ連邦
機関及び国際的な機関と協力し、潜在的に危険で承認されていない処方薬を米国の消費者に売る
ウェブサイトに対して処置を講じたそうです。

以下は記事の概要です。
『2014年5月13日~5月20日、第7回の年次国際インターネット活動週間(IIWA)中に、Pangea VII
作戦として、111か国の法の執行機関、税関、規制当局は、インターネットを使用した違法な
医薬品および医療機器のメーカーおよび販売業者を識別し、これらの違法な製品をサプライ・
チェーンから取り除くために共に働いた。

FDAおよび米税関国境警備局(CBP)は、米国の国際郵便施設で処方薬の入った荷物の大がかりな
検査を行い、調査したほとんどの荷物がオンラインで注文され、違法な処方薬を含んでいること
を発見した。
そして、郵便施設において、オーストラリア、英国、ニュージーランドおよびカナダからと偽った
薬の入った19,618の荷物を留置または没収するに至った。これらの荷物には、実際には、オースト
ラリア、ニュージーランド、英国だけでなく、インド、中国、シンガポール、台湾、メキシコ、
ラオス、マレーシアのような国の、承認されていない、または、偽造の疑われる薬が入っていた。
FDAは、インターネットサービスプロバイダ、ドメインネーム登録機関および関連組織に対し、
1,975のウェブサイトが米国の法律に違反して製品を売っていると通知した。

FDAのDouglas Stearn 氏は次のように述べている:
「消費者が合法的なサプライ・チェーン以外から処方薬を買う場合、彼らは、受け取る薬が偽造薬
なのか、あるいは、それらが適切な投与量内に正しい有効成分を含んでいるかも、知ることが
できません。
消費者は、管理されていない薬物への反応を経験したり、あるいは、まったく治療効果を得られな
かったりした場合でも、法的手段を、ほとんど、あるいは、まったく持っていません。
健康のリスクに加えて、これらの薬局は、クレジットカード詐欺、個人情報の窃盗あるいはコン
ピューター・ウィルスを含む危険をもたらします。」

調査や、Pangea VII作戦により、多くのアメリカの消費者が、アメリカが承認したのと同じ薬が
手に入ると信じてオンラインで薬を注文していることが明らかになった。
しかし、これらの薬は多くの場合、承認されていない、あるいは、偽造されており、それほど
厳格でない製造規格を持った国々、あるいは、厳格でない監督当局の国々で作られたものである。

多くの不法なオンライン薬局は、消費者を引きつけるために、米国が承認した薬を売っていると
主張するが、承認されていない、偽造されている、あるいは、標準以下の薬を送っている。

FDAのPhilip J. Walsky 氏は次のように述べている:
「多くの違法なオンライン薬局は、見栄えのするウェブサイト・テンプレートを使い、彼らが
売る安い薬が米国で調合されるのと同じ処方薬であると米国の消費者に確信させる架空の保証を
使用します。FDAは、資源を活用し、消費者をターゲットとするインターネット・ベースの不正
行為を明確にするために 国内及び国際的なパートナーシップを強化し続けます。」

FDAは、BeSafeRx: Know Your Online Pharmacyを通じて、違法な薬局ウェブサイトを見つける
方法を消費者に提供している。』

BeSafeRx: Know Your Online PharmacyのURL
http://www.fda.gov/Drugs/ResourcesForYou/Consumers/BuyingUsingMedicineSafely/BuyingMedicinesOvertheInternet/BeSafeRxKnowYourOnlinePharmacy/default.htm

PIC/S GDPの発効により、正規のルートで流通する薬については、管理が強化されていく傾向に
ありますが、その一方で、インターネットを使えば、個人が、海外の薬を購入できる通販サイト
に簡単にアクセスできる状況にあります。
アメリカの状況は、決して対岸の火事とは言っていられません。
日本でも、承認されていない薬や、偽造薬からいかに消費者を守るかを考えていく必要がある
のではないでしょうか。


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2. EU GDPに関し、読者の方からお寄せいただいたコメントについて
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前回のメールマガジンで、EU GDPをベースにしたPIC/S GDPが6月1日から発効したというニュース
を取り上げたところ、本メールマガジンの読者の方から、次のようなコメントを頂きました。

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『EU GDPに「卸売流通に関する品質システムの整備」と書かれているので、これを見ると、かなり
多くの日本人は新たなGDP組織を立ち上げないといけないと思われるようです。
もちろん立ち上げてGMP/GQPとは別にやっても構いませんが,それが要求されているのではなく
GDPの要求事項を達成できるような“仕組み”を各社の現在の枠組み(各社の品質システム)の中
で作って頂ければ良いはずです.
実際EUのGDPはGMP/GDP working groupという形で議論されています。』
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頂いたコメントの通り、EUでは、GMPとGDPに垣根はなく、GMPガイドラインの中にもGDPに当てはま
ることがかなり書かれています。
GMPもGDPも目的はただ1つ。いかに薬の品質を保証し、安全な薬を患者に届けるかということなの
だと改めて感じました。

流通に関わる業者様の場合は、PIC/S GDPの発効により、これから品質システムの整備が必要に
なるケースもあるかと思いますが、製薬会社様の場合は、既存のGMPの範囲をGDPまで拡張し、
充実させていくことが、統一的なシステム整備に求められているのでしょう。


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まとめ
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おかげさまで、最近、このメールマガジンの読者様から、貴重なアドバイスを頂けるようになって
まいりました。
今後、頂いたコメントを本メールマガジンの中で、ご紹介していきたいと考えております。
皆様も、是非、アドバイスやコメントを頂ければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、7/1(火)に配信させていただきます。

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