ASTROM通信バックナンバー
2014.07.15
【最近のFDAウォーニングレター】ASTROM通信<54号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
台風8号が通り過ぎたというのに、
いらっしゃいますか?
さて、今回は、最近CDER(FDA医薬品評価センター)
2通のウォーニングレター(Warning Letter)を取り上げ、
指摘しているか確認していきたいと思います。
ウォーニングレターと聞いて、”あれっ、
と思いますが、これにはちょっとしたわけがあります。
実は、2014/5/15のメルマガで”ワーニングレター”
「英語の発音からすれば”ウォーニング”のはずなのに、なぜ、”
か?」というコメントをいただきました。
確かに、発音は”ウォーニングレター”です。
時代はグローバル!
では、”ワーニングレター”ではなく、” ウォーニングレター”ということにしました。
すっかり前置きが長くなりましたが、
どうか最後までお付き合いください。
出典http://www.fda.gov/Drugs/
※文中のXXは、
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WL: 320-14-07 2014年4月11日 ドイツの会社に対して(一部抜粋)
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2013/3/18~2013/3/
■原薬のCGMP違反
ペニシリンを使った製剤成分の製造を専用の製造エリアで行ってい
共通設備における不適切な洗浄バリデーションについての我々の査
の中旬までに再バリデーションを実施すると回答したが、
のための設備で作るのは適切ではない。貴社は、
とコミットしていない。また、
汚染除去計画の詳細な記述を提供する必要がある。
に対するペニシリンの潜在的な汚染防止のために行う全てのアクシ
ぺニシリンの存在テストを行っても、
ペニシリンが混入しているかもしれないペニリシウム由来製品の2
認める。さらに、
■医薬品製造のCGMP違反
1.貴社は、ペニシリンの製造、包装において、設備内で、
行うことを怠った。具体的には、共通設備を使って、
そのため、貴社の設備で製造された全ての非ペニシリン製品は、
があり、ベータ・
貴社は、
2013年の終わりまでに再バリデーションを実施すると回答した
もし今後も共通設備が非ペニシリン製造に使われるならば、
完全かつ徹底的に分離し、
アメリカで現在販売されている製品がペニシリンに汚染されていな
現在、貴社の設備で行われている手順には、
いる。我々は、
の2014年3月18日の自主的回収を認める 。このレターに対する回答の中で、非ペニシリンに
対するペニシリンの潜在的な汚染防止のために行う全てのアクショ
さらに、
2.貴社は、無菌および滅菌処理のバリデーションを含む、
文書化された手順を作成し、それを守ることを怠った。
たとえば
a)貴社は、
条件下での煙実験を行っていない。
b)貴社は、
いない。
貴社はベンダの適格性評価文書に頼っている。
貴社は、ベンダにバリデーションの依頼をしたと回答したが、
レビュをするのは貴社の責任である。
組んでいない貴社の回答は不適切である。
c)
露出し非無菌のXXを使った製品に介在している無菌業務の作業者
貴社は非無菌業務介在の必要性を最小化する変更を行うと回答した
無菌製造の際のリスクを最小化するために、
無菌技術とクリーンルームでの振る舞いを教育することに組んでい
の適切な監督を保証し、
d)貴社は、
査察時、査察官は、
を発見した。ガウンを着る資格は、作業者が、
守ることができることである。
資格を与えられ、
されるべきである。
3.貴社は、製造の人員が、
査察官は、無菌充填工程において、
工程で、作業者は、準備や充填のために無菌室に入る際、
した。
更にガウンの全ての部品(マスク、髪及びひげカバー)
かった。
さらに、無菌充填工程の中で、
これらの疑わしい活動は、
工程の管理について理解しているのかという懸念を生む。
4.貴社は、医薬品の製造・加工・包装・保管に従事する人員が、
け、トレーニングされ、経験を積んでいることを保証していない。
貴社では、
を実施している。
い、微生物増殖のために集められたサンプルの評価、
い、包装担当者が媒質の評価を行っている。
貴社は微生物の教育を受けたコンサルタントが担当者の訓練を行う
ニングだけでは、重要業務を行うには不適当である。
5.貴社は、工程管理、テスト、医薬品のバッチ均一性・
材料の適切なサンプルを使って実施する検査について、
守ることを怠った。
中間工程のバイオバーデンのテストはバリデートされていなかった
すすぎが防腐剤の除去に有効であることを実証していなかった。
貴社は、契約している試験研究所に委託したと回答したが、
ことをレビュする責任が貴社にあることを思い出していただきたい
■登録及び収載違反
貴社は、登録義務・収載義務を果たしていない。その結果、
ように思われる。
例えば、2013年に貴社は、”バンホフ通り2”
するという情報を提示したが、その期間に、
是正処置が完了し、FDAが違反と逸脱の是正と、
新しい申請や、
や逸脱の是正の不履行があれば、
なるだろう。
このレターを受け取って15営業日以内に、
文書で知らせ、それを裏付ける文書のコピーを提供せよ。
できない場合は、遅れの理由と、
医薬品の製造または販売をしない場合は、
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WL: 320-14-08 2014年5月7日 インドの会社に対して(一部抜粋)
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■2013/11/13~2013/11/
1.製品仕様書、
を含むラボの記録を保証していない。
例えば
a.
例えば、これらの分析において、次の重大なデータを欠いている:
・名前、出所、バッチナンバーやその他の識別コード、
の特定情報
・グラフやラボの装置から得られる電子ファイルグラフを含む、
のローデータの記録
・用いられたテスト方法
・テスト方法で規定されたサンプルの準備、
・テストに関して行われた全ての計算の記録
・テスト結果
・各テストを実施した人のサインと実施日、
適合していることをレビュしたことを示す第二の人物のサインと日
b.貴社は、サンプルの”非公式テスト”をしばしば実施し、
テストの結果を報告している。例えば、安定性試験中、貴社は、
6回テストし、このデータを削除した。
査察者は、貴社が、”公式”な分析に先立ち、”トライアル”
グラフィー(HPLC)分析を行い、”トライアル”
した。
我々は、2011年8月27日に、
と報告されたが、クロマトグラフデータは、このバッチに関する”
不純物により規格外であることを発見した。
c.
た。加えて、GCを管理するコンピュータにおいて、
を示す多数の証拠が明らかになった。
貴社の回答は、
ある。
更に、調査の中で、”トライアル”サンプルの分析結果が規格外(
た。
の分析者がこれらのトライアルの実行を隠し、
た。
貴社の回答では、
ルのOOSの結果の原因調査や、
採用した判断の説明を行わなかった。
上記の例は、
それは、
CGMP違反である。
2.原材料に固有のコード、バッチ、
確認を行わなかった。
例えば、
a.査察官は、原材料倉庫にて、
同一性やステイタスを判断することができなかった。
b.査察官は、中味が不明で、
取り違えを防ぎ、意図しない物の使用や、
材料に識別とステイタスを確認するためのラベルを貼ることが必要
て、
を改修することを約束したが、このレターへの回答の中で、
ンスを提供せよ。
■査察官は、貴社製造所での最終製品の製造において、
1.貴社は、
のコンピュータまたは関連システムの適切なコントロールの実施を
査察官は、
されていることを確認した。
ソフトウエア(”GCソリューション”)は、監査証跡 または 削除行為を文書化するための
追跡フォームを作成せず、
に許していた。
貴社のQC幹部は、
電子データの保存に関するSOP IT-001によれば、各QC分析者は、
中央のサーバに移動することになっているが、
ための方法や、
完全性と追跡性を備えたデータを保持した分析が正確に実施される
データハンドリングシステムの改修を行うという貴社のコミットメ
回答の中で、システムの改良、トレーニング、
2.貴社は、
販売の記録の保管を怠っている。
査察中、製造に関する、破れたり、
みつけた。
a.キャリブレーションのチェックの記録
b.CAPAの記録
c.予防的メンテナンスの記録
貴社の製造設備で生成されたCGMPの記録の破壊は、
について懸念を生む重大な不備である。
このレターに対する回答において、
的監査人による調査報告を提出せよ。その報告には、
か、その他の方法で変更した全ての記録のリストを含めよ。
変更、あるいは、時期尚早の破壊 を管理・検知できなかった根本的原因を明らかにし、再発を
防ぐためのシステム上の対策を述べよ。また、
製造目的で販売された原薬について、記録がない/記録が不正確/
バッチのリストを提供せよ。
3.貴社は、医薬品の製造・加工・包装・保管に従事する人員が、
け、トレーニングされ、経験を積んでいることを保証していない。
たとえば、
契約社員は、
貴社の企業経営において、CGMPの遵守を保証するため、
ある。
我々は、この包括的な評価を支援するため、
監査人を雇うことを強く勧める。
貴社は貴社により生成されたデータの正確性と完全性について責任
に生成されたグラフ、チャート、
ければならない。また、
にテストされ、
貴社のデータの完全性を確認するコンサルタントは以下のことをす
1.
2.不正確なデータ報告を生じさせた、または、
手順、管理行動を確認するために、関連期間の前、最中、
せよ。
3.関連期間の前、最中、後に離職したかつての従業員を特定し、
報告に関する情報を持っているかを判断するための面接を試みよ。
4.
に関与するか、または影響を受けるかを判断せよ。
5.
タの改善についての会社のトップや中間管理職の関与・
6.CGMPの要求するデータ、
にいるかを判断せよ。
7.不正確なデータの報告に関与、または、
よ。
8.どの属性(テスト、標準、システム適合性)
用いた分類を述べた報告書を含めよ。さらに、
準備の手順(すなわち、サンプルに不純物が入る際の手順)と、
の取り扱いの手順を含めよ。この評価は、
9.貴社のラボの包括的なデータの完全性の監査の一部として、
申請に含まれるデータや情報と、実際の結果・方法・
含めよ。全ての相違の影響についての説明を含めよ。今後、
ために実施する特定の手順、アクション、
このレターにある違反や逸脱は、
貴社は、上記の違反や逸脱の原因を調査・判断し、再発や、
る。
このレターを受け取った結果、もしくは他の理由により、貴社が、
品または原薬の数を減らそうと考えている場合は、
プログラムにすぐに連絡せよ。我々は、
一緒に働くことができる。
医薬品不足プログラムに連絡をとることは、
なり、FDAが、貴社の製品の不足を避け、
必要なアクションを、出来るだけ早く検討することが可能である。
適切と思われた場合は、供給を中断せず、または、
かもしれないので、それにより、
是正処置が完了し、FDAが違反と逸脱の是正と、
新しい申請や、
さらに、これらの違反や逸脱の是正の不履行があれば、
拒絶し続けることになるだろう。
このレターを受け取って15営業日以内に、
で知らせ、それを裏付ける文書のコピーを提供せよ。
い場合は、遅れの理由と、
製造または販売をしない場合は、
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まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたか?
1通目のウォーニングレターは、
の先進国でも、
た。
しかし、もっと驚いたのは2通目の、
記録の管理があまりにずさんだからなのでしょうが、
不正確なデータについて経営者が関与しているかどうかを追求しよ
うかがえます。しかし、それでも、医薬品の不足を危惧し、
です。
アメリカが、
なのではないでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、8/1 (金)に配信させていただきます。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お礼
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
先日のインターフェックスの際、多数のメルマガ読者様に、
誠にありがとうございました。
直接お会いして、メルマガの感想をうかがい、
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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