ASTROM通信バックナンバー

2017.08.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<128号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

立秋を過ぎ、こころなしか涼しくなってきたように思えるこの頃ですが、いかがお過ごしで
いらっしゃいますか。

さて、今回は、3ヶ月ぶりに、最近の米国食品医薬品局(FDA)の製品品質オフィスから発行された
ウォーニングレター(Warning Letter)の内容を確認していきたいと思います。

FDAがどんな点を指摘しているのかをご一緒に確認できれば幸いです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
■WL:320-17-35 インドの製造所の査察(2016/6/27~2016/7/1)でみつかった原薬製造における
重大なCGMP違反に関する2017/4/20付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●CGMPからの逸脱
1.原薬製造業者から受け取った全ての品質または規制情報を貴社の顧客に伝達することの不履行
貴社は、貴社が顧客に向けて発行した分析証明書(CoA)において、原薬のオリジナルの製造業者の名前と
住所を削除した。貴社は、レターヘッドのオリジナルの製造業者の情報を差し替えて、貴社の分析証明書
を作成した。
査察中、我々は、貴社の2つの供給者が、医薬品の製造業者としてFDAに登録されていないことを発見した
しかし貴社は、これらの会社から得た原薬をアメリカに出荷し、顧客に対して提供した輸入書類と
分析証明書上で貴社が製造業者であると申告した。貴社が顧客に対して提供した輸入書類と分析証明書上で
オリジナルの製造業者を申告しなかったことは、アメリカに、未登録の会社の製品が入ることを可能にした。
顧客と規制当局は、医薬品の品質と供給源及び成分についての情報に関し、分析証明書を信頼している。
分析証明書から情報を削除することは、サプライチェインの説明責任とトレーサビリティを損ない、顧客を
危険にさらすかもしれない。
2.CGMPの適切な管理のもとでの原薬のラベルの貼り替えと保管の不履行
査察中、貴社は、貴社の車を運転して、いくつかの供給者から原薬を引き取り、車内で、自社のラベルに
貼り替えると述べた。貴社は、業者が、温度の管理された環境内で原薬を安全に保管しているか確認できな
と述べた。
原薬の再梱包、ラベルの貼り替え、保管は、原薬の同一性や純度を失うのを避けるために、CGMPの適切な
管理のもとで実施されなければならない。
貴社は、アメリカへの輸出を停止するつもりであり、アメリカへの輸出を再開する前にFDAの監視に対処する
つもりであると述べた。しかし、貴社は、販売を再開する前に、貴社の運用がCGMPに則っている状態にする
ための是正処置の詳細な情報やエビデンスを提供していないので、貴社の対応は不十分である。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が発見した貴社の逸脱の性質に基づき、我々は、貴社の作業を評価しCGMP要件を満たす手助けをする
適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm554775.htm

■WL:320-17-36 中国の製造所の査察(2016/11/28~2016/12/1)でみつかった原薬製造における重大なCGMP違反
に関する2017/4/24付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.データへの許可されていないアクセスや変更を防ぐことの不履行 及び データの削除を防ぐための適切な
管理の不履行
査察官は、貴社の実験室のシステムが、電子的ローデータの削除や変更を防ぐための管理が不足していることを
発見した。
a.監査証跡データのレビュで、分析者が、HPLCシステムの日付/時刻の設定を操作したことを明らかにした。
  査察中、分析者は、時計を戻して分析を繰り返したことを認めた。最初のサンプルの分析結果は、上書き
  されるか削除され、査察官のレビュに利用できなかった。貴社は、繰り返しの分析のうち合格結果のみを
  報告した。テスト結果が上書きされた時、品質部門は、貴社で製造された薬の品質について、不完全で
  不正確な情報を提供された。
b.貴社の品質管理の分析者は、HPLCシステムにアクセスするために、共有ログインアカウントを使用した。
  このログインアカウントは、トレーサビリティなしに、分析者がコンピュータの日付/時刻の設定を変更し、
  フィル名を変更し、HPLCのオリジナルデータを削除することを許した。
c.原薬の試験に使用された貴社のHPLCのうち7つは、監査証跡機能を持っていたにもかかわらず、機能を無効
  にしていた。
貴社の回答内で、貴社は、貴社のコンピュータ化システム内でのデータを管理するための効果的な手段が
不足していたことを認めた。貴社は、コンピュータ化システム、日付/時刻の設定のロック、監査証跡機
能の有効化に関する手順の改訂を約束した。しかし、貴社は、全ての品質管理機器の監査証跡機能が
2017年9月30日まで完全に有効にされることはないと述べ、当面、ソフトウエアやログブックのアップデート
を含む方法を管理することを約束した。
貴社の回答は、誰がコンピュータの管理者権限を持つかを特定せず、データ操作(例:削除、日付/時刻の変更)
に対処していないので、不十分である。
このレターへの回答内で、
・実験室の各システムに関し、個別ユーザの役割と、関連する権限の詳細を明確にせよ。
・貴社の当面のシステム管理の効果の評価を提供せよ。
2017年9月までに実施することが期待されているすべてのシステム管理の効果に関する同様の評価を
 実施するという誓約を提出せよ。
これらの改善を実施し効果を保証する品質部門の役割を説明せよ。
2.制定した規格や基準に従うことを保証するために実験室で実施される全ての試験から得られる完全な
データの保持の不履行
査察官は、貴社が、全ての実験室の分析に関する完全なデータを保持することを怠り、貴社の薬が制定した
規格に合うかどうかを決定する際に不完全な情報に頼っていることを発見した。
a.HPLCクロマトグラムは、削除され、査察官のレビュに利用できなかった。貴社は、2016年1月に、
  クロマトグラフのオペレーティングシステムのソフトウエアのネットワーク版をインストールして
  いる間、一部のデータが削除されたことを認めた。
b.査察官は、合格結果が得られるまでサンプルのリテストを繰り返す行為をみつけた。例えば、査察官
  は粗XXのバッチXXに関する特定の物質のHPLCの繰り返しの試験を発見した。最初の試験は、クロマト
  グラムの未知のピークを示した。別の分析者が、5日後にそのバッチのリテストを実施し、この分析は
  未知のピークを示さなかった。文書化された正当性の説明や調査もなしに、2番目の分析者の結果のみ
  がバッチの傾向として使用された。
3.貴社の品質部門が、貴社の設備で製造された原薬がCGMPに従い、制定した品質や純度の規格を満たす
ことを保証することの不履行
査察官は、空欄または部分的に完成した製造データを含み、日付や確認のサインがないバッチの製造記録
をみつけた。例えば、貴社のXX工場内で、査察官は、不足した重さや体積などの製造データを入力する
ように品質保証部門から操作者に指示をしている付箋のメモがついたXXの出発原料に関するバッチの記録
を見つけた。また、品質部門は、原料が製造に使用される前にこのバッチの記録を承認していなかった。
品質部門がバッチのレビュの際に評価できるようCGMPに関するすべてのデータは完全で信頼できなければ
ならない。
貴社の品質部門はこれらの受け入れがたい製造部門の運用を知っていたが、それらが是正されることを保証
しなかった。
逸脱の調査が、失われた製造データの薬の品質への影響を判断していないので、貴社の回答は不適切である。
このレターへの回答内で、
データインテグリティに関するバッチの記録の回顧的レビュの最新情報を提供せよ。
文書が同時に作られているかを判断するための方法を含む評価を貴社がいかに実施したかを説明せよ。
貴社の製造所の品質部門の機能の十分性に関する総合的な評価を実施せよ。
・逸脱とその調査システムの総合的な評価結果を提供し、貴社の運用の著しく不十分な部分を修正する
CAPAを実施せよ。
査察で発見した重大な問題は、貴社の品質部門がその権限及び/または責任を完全に果たしていないことを
示している。貴社は、貴社の品質部門に、適切な権限とその責任を実行し一貫して薬の品質を保証するため
のリソースを提供しなければならない。
●データインテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社で製造した薬の安全性、有効性、品質を裏付けるためのデータの正確性や完全性
を適切に保証していない。我々は、貴社の改善を手伝う適切なコンサルタントを雇うことを強く勧める
このレターへの回答の中で、以下の情報を提供せよ。
a.データの記録や報告の不正確さの範囲の総合的な調査。
  調査には下記のことを含めよ。
  ・詳細の調査手順や方法、全ての実験室の概要、製造作業、評価がカバーするシステム、貴社が一部の
   作業の除外を提案する正当な理由
  ・データの不正確さの性質、範囲、根本的な原因を特定するための現在と過去の従業員のインタビュ
    我々は、適切な第三者がインタビュを実施することを進める。
  ・貴社の製造所のデータインテグリティの欠陥の範囲の評価
    省略、変更、削除、レコードの破壊、非同時のレコードの完成、その他の欠陥について特定せよ。
    データインテグリティが失われている貴社製造所の運用の全ての部分について述べよ。これは、
    審理中または承認された申請内容を裏付けるために用いられたすべての試験(安定性試験を含む)
    データの完全で総合的な監査を含む。
  ・試験と製造のデータのインテグリティの欠陥の総合的な回顧的評価
    我々は違反の可能性がある分野の特別な専門知識をもった適切な第三者が、すべてのデータ
    インテグリティの欠落を評価することを勧める。
b.みつかった不具合の、貴社の薬の品質に対する潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
   評価には、データインテグリティの欠如の影響がある薬の出荷による患者へのリスクの分析や、
   現在進行中の作業によりもたらされるリスクを含めるべきである。
c.グローバルな是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理戦略
  貴社の戦略に以下の事を含めるべきである:
  ・分析データ、製造記録、FDAに提出されたすべてのデータを含む貴社が生成したすべてのデータの
   信頼性と完全性を保証するために、貴社がどうするつもりかを述べた詳細な是正処置の計画
  ・現在のアクションプランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかった内容にふさわしい
   というエビデンスを含む、貴社のデータインテグリティの欠如の根本原因に関する総合的は記
   CGMP関連のデータまたは薬の申請データに影響を与えうるデータインテグリティの欠陥に関し、
   個人に責任があるかどうかを示しなさい。
  ・例えば、顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラム
   へのロットの追加、薬の申請活動、改善された苦情のモニタリングのような、患者を守り、貴社の
   薬の品質を保証するために貴社がとった、またはとろうとしている行動を述べた経過措置
  ・貴社のデータのインテグリティを保証するために計画された手順、工程、方法、管理、システム、
   経営の監視、人材(例:訓練、スタッフの配置の改善)に対する全ての改善努力や強化について
   述べた長期の方策
  ・進行中また完了した上記活動の状況報告
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm563067.htm

■WL:320-17-37 インドの製造所の査察(2016/10/18)でみつかった最終医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2017/4/28付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、事前通告査察の予定を決めようとしたFDAの試みを遅らせた。
2016年4月25日、FDAは、査察の進行を容易にし、適切な記録を確保し、職員が応対できるよう、
貴社に連絡をとった。2016年6月18日、貴社は、FDAに、“工場労働者と職員がストライキをしている”
としらせた。2016年6月20日、貴社はFDAに、労働者が、抗議の一環として設備の入口をふさいでいると
しらせた。その結果、FDAは、2016年6月27日に実施すると事前通告していた査察をキャンセルした。
2016年7月15日、貴社は、従業員がストライキを続けているとしらせた。2016年8月8日、貴社は従業員
の辞職願のコピーや、設備の入口をふさいでストライキをしている従業員の写真を含むストライキの
証拠を提供した。
従業員がストライキをしていたという貴社の主張に関わらず、FDAは貴社は2016年7月11日から2016年8月9日
の間に、少なくともXXバッチの薬を含む多数の製品を製造していた証拠を得た。
ストライキと称する貴社の虚偽の陳述がFDAの事前通告査察の計画と実施を遅らせた。
2.貴社はFDAの査察を制限した。
FDAは、2016年10月18日に貴社の設備に入った。この査察中の貴社の行動は、貴社がCGMPに則っているか
FDAが評価することを著しく妨害した。例えば、XXの容器の部屋と、包装とラベルの保管エリアへのドア
はかぎが掛けられ、査察官が立ち入ることを妨げ、査察を制限した。
3.権限の与えられた査察のために速やかに利用できるように要求された記録の提供の不履行
2016年10月18日の査察中、貴社は査察官にバッチの記録を提供しなかった。査察の終わりに、貴社は、
これらの電子記録を数日中に提供すると述べたが今日までFDAはいかなるバッチの記録も受け取っていない。
●保全されていない設備
査察中、設備の照明はついていなかった。物理的には立ち入り可能だったエリアで、査察官は懐中電灯を
使って暗闇の中を歩かなければならなかった。制限された視界ではあったが、査察官は、製造エリアで、
床にこびりついた粉も含め、散乱したXXの粉を発見した。さらに査察官は、粉に覆われた空の箱、ゴミ、
最終製品や、設備中に散らかった包装箱を発見した。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm556425.htm

■WL:320-17-38 中国の製造所の査察(2017/2/13~2017/2/17)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反に関する2017/5/11付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.原薬が品質と純度の意図された規格を満たすという信頼を保証するための活動だけでなく
組織的構造、手順、工程やリソースを含む品質を管理するシステムの実装の不履行、品質に関する全ての
活動の文書を定義することの不履行
2016年8月より前、貴社は、アメリカ向けの薬を製造し出荷しているにも関わらず、品質関連の手順を
持っていなかった。2017年2月の査察までに、貴社は、いくつかの手順の草案は作ったが、査察までに
どの手順も実施していなかった。
2.入荷、識別、隔離、保管、サンプリング、試験、管理、原材料の承認や不合格に関する適切な文書化
された手順を持っていない。
例えば、査察官が重要な原材料のリストとサンプル条件をたずねたところ、貴社は受け入れた原材料の
試験及びサンプリングの文書化された手順がないといった。代わりに、貴社の倉庫の従業員は、受け入れた
原材料の管理、サンプリング、試験を”頭の中“で記述していると説明した。
3.制定した規格や基準に従うことを保証するために実験室で実施される全ての試験から得られる完全な
データを含む実験室の管理記録の保持の不履行
例えば、査察官は、XXのロットXXの分析試験の監査証跡をレビュし、文書や調査もなしに、数日の間に
同じサンプルの試験を3回実施してることを発見した。貴社は3回目の結果と分析証明書用の最終試験の
結果のみを報告して、原薬のバッチを出荷していると報告した。
4.適切なバッチの製造記録と、その時に実施した活動の記録を作成することの不履行
例えば、査察官は、貴社の作業者が、疲れすぎてすぐにデータを記録できず、その値を忘れてしまった時、
新しいバッチの記録を完成させるために、前のバッチからプロセスパラメータの値を使用していることを
発見した。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が発見した貴社の逸脱の性質に基づき、我々は、貴社の作業を評価しCGMP要件を満たす手助けをする
適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm558917.htm

■WL:320-17-39 中国の製造所の査察(2017/1/16~2017/1/18)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反に関する2017/6/22付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社の原薬が、制定した品質及び/または純度の基準に確実に従うために、試験の手順が科学的に
妥当で適切であることを保証するのを怠った。
貴社は、核磁気共鳴(NMR)分光法を使ってヘパリンまたはヘパリン関連医薬品のサンプルにおける過硫酸化
コンドロイチン硫酸(OSCS)を分析する契約試験研究所である。
貴社はOSCSについてサンプルを試験する時に、定期的なシステム適合性試験を実施することを怠った。
さらに、2014年12月26日に、貴社は、システム適合性試験を実施して不合格になった。貴社は、OSCS
の検知用の装置がなぜシステム適合性試験に不合格になったか調査したり、システム適合性に不合格に
なった日より前に実施された他のOSCSの試験の信頼性について判断したりしなかった。
貴社の回答において、貴社は、“ヘパリン標準(USP)とOSCSは少なくともXX検知された“としつつ、
貴社の実験室がシステム適合性試験をまれにしか実施していないことを認めた。貴社は、今後は日常的に
バッチのサンプルの分析の前にシステム適合性の試験を行うことを約束した。
サンプルの分析と一緒にシステム適合性試験を実施することを怠った期間中に実施されたヘパリンまたは
ヘパリン関連医薬品のOSCSに関する全ての試験結果の妥当性を調査しなかったので、貴社の回答は不十分
である。
システム適合性試験は、詳細の条件を満たすかどうかを判定し、サンプルの分析前に、目的の試験にNMR
分光計が合っていることを保証する。機器が適切に作動していない時に、サンプルが誤って合格になる
可能性を避けるためにヘパリンのOSCS汚染を検知において、貴社のシステムが適合と示すのは危険である。
2.データへの許可されていないアクセスや変更を防ぐことの不履行 及び データの改ざんや削除を防ぐ
ための適切な管理の不履行
貴社の品質管理部門は、電子的に保管された実験室のデータの変更を防ぐための基本的な管理を行って
いなかった。査察中、我々は、ヘパリンまたはヘパリン関連医薬品のサンプルのオリジナルの電子データ
を表示するよう求めた。貴社の分析者は、要求したデータを検索することができず、新しく取得される
データのための場所を作るために古いデータを削除したと説明した
貴社は、回答の中で、分析者のコンピュータの操作の許可レベルに関する手順を改訂すると約束したが、
削除されたデータについては対処しなかった。
●査察中の情報へのアクセス
査察中、貴社は、貴社が試験を行ったXXという顧客の名前が載った文書を提供した。しかし、貴社は、
これらの顧客に関するサンプルの情報や試験結果などの付加的な情報のみ提供した。貴社は、他の顧客に
ついては、顧客の同意が得られるまでは実施した試験に関するデータの提供はしないと述べ、アメリカ向け
のヘパリンやヘパリン関連医薬品を製造している会社XXのために分析されたサンプルに関する情報を
提供しなかった。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm565030.htm

■WL:320-17-40 インドの製造所の査察(2016/9/19~2016/9/23)でみつかった最終医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/7/5付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.公的な条件または他で制定された条件を超えて、医薬品の安全性、同一性、含量、品質や純度を変え
  るような故障や汚染を防ぐために、衛生および/または滅菌設備や用具を、適切な間隔で、適切に清
  掃し、維持することを怠った。
2016年9月19日、貴社の製造エリアを歩いていて、査察官は、貴社がXXのために使用している装置の
コンプレッションが破損していることを発見した。特に、査察官は、XXや血管拡張薬を製造するために
使用している3つの装置に穴や腐食を発見した。
査察に先立ち、2016年3月7日に、FDAは、錠剤に金属が埋め込まれていたという苦情を受け取った。
査察中、査察官は、貴社が苦情を調査した時、貴社の装置の悪い状態が問題の原因になっていたかどうか
を検討することを怠っていたことに気づいた。
貴社は回答の中で、破損していると判断された装置は交換したと述べた。しかし、貴社の回答は、問題の
錠剤及び、上記装置を使ってアメリカ市場向けに製造された米国薬局方塩酸イソクスプリン20㎎錠剤の
回顧的レビュを含んでいないため、不十分である。
2.貴社は、貴社が製造した製品が称する、または、示された同一性、含量、品質及び純度を持つことを
保証するために設計された工程管理や製造に関する文書化された手順の制定を怠った。
貴社は、査察官に対して、米国薬局方塩酸イソクスプリン20㎎錠剤に関するプロセスバリデーションを実施
していなかったことを認めた。この薬の製造工程のバリデーションをしていなかったが、貴社は少なくとも
XXバッチをアメリカに出荷した。製造業者は、仕掛品及び最終製品が連続して確実に、所定の品質条件を
満たすことを保証するために、製造工程を設計し管理しなければならない。
貴社は回答の中で、米国薬局方塩酸イソクスプリン20㎎錠剤とXXを現在は製造していないと述べたが、貴社の
回答は不十分である。貴社は、いつ、どのように、貴社が製造した米国薬局方塩酸イソクスプリン20㎎錠剤の
バリデーションを終える予定だったかを示していなかった。さらに貴社は、製造工程をバリデートしなかった
ことが、既に出荷した米国薬局方塩酸イソクスプリン20㎎錠剤の品質に与える影響の可能性を判断するための
回顧的リスクアセスメントを実施しなかった。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm565861.htm

■WL:320-17-41 イタリアの製造所の査察(2016/12/1~2016/12/9)でみつかった最終医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/7/6付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、医薬品の製造、加工、包装、保管において、適切な設計、適切なサイズで、用途にあった
使用・清掃・維持に関して作業を容易にするために適切に設置された装置を使用することを怠った。
査察中、査察官は、アメリカ市場向けのXXとXXを製造しているXXルームの無菌操作ラインで2015年9月に
実施された煙調査をレビュし、乱流に気づいた。この乱流は、貴社の製品に重大な汚染の危険をもたらす。
貴社は回答の中で、2016年12月に実施した追加の煙調査結果を提出したが、2015年の調査と同様に2016年の
調査も、無菌充填ラインの複数の場所で、乱流を示していた。
貴社は、容器にキャップがつけられる場所で、一方向流が存在することを立証しなかった。さらに、
貴社のダイナミックな煙調査のビデオは、充填及び密封作業の囲いの外側で、操作者が手動でXXのボウルに、
XXの無菌容器密閉部品を入れる時に、乱流が発生していることを示している。操作者は、現在の装置や
工程設計の制限を克服するために、無菌容器密閉部品をのせる間、XXのボウルに手を伸ばす。これらの
手動の操作の人間工学が、貴社の無菌工程操作において重大な危険をもたらす。
2.貴社は、成分、製品の容器、密閉、仕掛品、ラベル、製品が、同一性、含量、品質、純度の適切な
基準に従うことを保証するために設計された科学的に妥当で適切な規格、基準、サンプリング計画、
テスト手順を含む実験室の管理を制定することを怠った。
貴社は、出荷前に、製品XXの微粒子に関する試験を必要としなかった。特に、査察官は、2016年12月2日に
XXのロットXXの製造中、高い粒子数のアラームが繰り返されている状態を発見した。
2016年12月9日にサインされた貴社の変更管理文書の付録は、最終製品の粒子試験の必要性を取り上げて
いた。付録は、貴社は、この試験の実施が必要になり、製品仕様の一つとする予定である“と述べていた。
しかし、貴社の回答は、微粒子試験の実際の導入について述べていない。微粒子の汚染は、XXへの危険を
もたらしうる。
●CGMP問題の追加
我々は、貴社の設備の無菌性保証プログラムに関し、次の不備に気付いた。
◎無菌試験
貴社は微生物実験室にサンプルを移動するためにXXを使っている。XXをXXに入れる時、サンプルの表面を
XXで消毒する。貴社は、XXをXXから移す時にも、サンプルの表面をXXで消毒する。これら2つの適切な
サンプルの汚染除去ステップに加えて、貴社は、無菌試験サンプルをXXのXX内にさらすことを行っている。
このXXサイクルの使用は、無菌試験で見つける可能性のある有機物を殺すか傷つける可能性がある。
このレターへの回答の中で、この問題を完全に修正するCAPAを準備し、無菌サンプルが傷つける可能性の
ない方法で消毒されることを保証せよ。
◎詰まり
貴社はバッチの製造中に、XXが詰まる現象が繰り返し発生することを経験した。貴社はXXの不純物が
詰まりの原因であると考えた。これらの詰まりは、無菌作業中にXXの変更を必要とした。
このレターへの回答の中で、2015年12月以降に発生した全てのつまりの現象をまとめよ。また、CAPAの実施
のステイタスと有効性について述べよ。
 出典 https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm566429.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
7通のウォーニングレターを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の指摘内容は、データインテグリティに関わる指摘の含まれるものは2通だけで、それ以外は、
文書化された手順が定められていない、設備の管理がされていないというものが多かったように思います。
昨今、査察側も査察を受ける側もデータインテグリティに目が行きがちですが、手順書の未制定という
基本的な不備がないかを再確認することも、時に必要かもしれません。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、9/1(金)に配信させていただきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★弊社サービスのご案内
https://drmarketing.jp/cch/73/86/3/426/52254/9aa52f

★ブログ毎日更新中!
◆ PROS.社長の滋養強壮ブログ
https://drmarketing.jp/cch/73/86/1/426/52254/181109
◆ 営業ウーマンの営業報告ブログ
https://drmarketing.jp/cch/73/86/2/426/52254/89dbd9
※URLクリック数の統計をとらせていただいております。

本メルマガは、名刺交換させていただいた方に、毎月1日、15日(土日祝日に重なった場合
は前日)に配信いたしております。
今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールを
お願いいたします。
hashimoto@e-pros.co.jp

【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子