ASTROM通信バックナンバー

2017.10.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<131号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
朝晩はなんとなく肌寒くなってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回は、最近の米国食品医薬品局(FDA)の製品品質オフィスから発行されたウォーニングレター
(Warning Letter)の内容を確認していきたいと思います。

FDAがどんな点を指摘しているのかをご一緒に確認できれば幸いです。


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ウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です
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■WL:320-17-42 フィリピンの製造所の査察(2017/1/30~2017/2/1)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反に関する2017/7/28付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●CGMP違反
1.貴社は、出荷前に各有効成分に関する同一性や濃度を含む規格を十分満たしていることを判定する
適切な実験室を持っていない。
 貴社は、出荷及び販売前に製品XXの有効成分の同一性と濃度をテストすることを怠った。
 貴社は、出荷前に最終製品に含まれる有効成分の化学分析を求める標準操作手順書を作ると回答したが、
 出荷判定を裏付ける適切なデータなしにアメリカ市場に出荷した製品の全てのロットについて、保存検体
 のテストをしなかったので、貴社の回答は不適切である。
 この文書への回答の中で、アメリカ市場にある有効期限内の全ての医薬品について詳細リスクアセスメント
 を提供し、全ての医薬品の保存検体について有効成分の同一性と濃度のテストをせよ。
2.品質管理部門によりロットが適切にサンプリングされ、試験または分析され、使用許可がされるまで、
  成分、製品の容器、栓の使用を差し控えることを怠った。
 貴社は、供給者から得たグリセリンの原材料について、品質部門が薬の製造用にグリセリンの使用を許可
 する前に、ジエチレン・グリコール(DEG)を検出するための分析を怠った。グリセリンは、肌保護エッセンス、
 歯磨き粉、その他の経口用OTC医薬品等、貴社が製造する多数の製品の原料である。DEGのコンタミネーション
 は、世界中の人が死に至るさまざまな中毒事件を引き起こす。
 貴社は回答で、グリセリンの原材料のロットに含まれるDEGを検出するためのテストを実施すると述べた。
 また、貴社は、倉庫内にあるグリセリンのストック原材料についてもDEGのテストをすると約束した。しかし、
 貴社はアメリカ市場に販売された医薬品の全ロットについてDEGのテストをしなかったので、貴社の回答は
 不十分である。
 この文書への回答の中で、アメリカ市場にある有効期限内のグリセリンを含む全ての医薬品について詳細
 リスクアセスメントを提供し、全ての医薬品の保存検体についてDEGのテストをせよ。
●未承認の新薬及び虚偽表示の違反
肌保護エッセンスと歯磨き粉の製品のラベルにある宣伝文句は、医薬品に該当する。
また、歯磨き粉については、ラベルに記載された使用方法が安全で効果があるというエビデンスがないので、
新薬に該当する。
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm569981.htm

■WL:320-17-43 中国の製造所の査察(2017/2/20~2017/2/23)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反
に関する2017/8/1付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は適切な品質管理部門を制定し、全ての成分、製品の容器、栓、中間材料、包装材料、ラベル、製品の
  合格・不合格の判定を責任と権限をもって行う品質管理部門に適用可能な手順を制定することを怠った。
 貴社には、適切な品質管理部門が欠けている。
 貴社は、多くの機能に関する文書化された手順を制定することを怠った。例えば、品質管理部門、苦情、
 逸脱、その他のさまざまな基本的な医薬品の製造作業に関する手順がなかった。
 さらに、貴社の品質部門は、バッチの製造や品質の受容性を示す文書化に欠けていた。例えば、下記に関する
 記録が欠けていた。
 ・変更管理
 ・製品の年次照査
 ・いかなる問題も完全に調査されることを保証するためのバッチの記録のレビュ
 ・貴社の製品の合格/不合格
 さらに、過去3年間の間、貴社の品質部門は、作業中にバッチ記録に情報を記録する責任を含む製造部門の
 従業員から構成されていた。
 この文書への回答の中に、下記を確実に行う是正処置を含めよ。
 ・その責任を実行し、薬の品質を一貫して保証するために適切な権限を持ち、十分な要員からなる品質管理部門
  を制定すること
 ・貴社の薬の同一性、濃度、品質、純度に関わる設備、作業の全てをカバーするようなCGMPに従った適切な手順
  を制定すること。
 ・全ての作業の受容性を示す完全な文書を作成し、保持すること
2.貴社は、出荷前に、製品の各バッチの最終的な規格への十分な適合について、各有効成分の同一性と濃度の
  判断を含む適切な実験室の判断を実施することを怠った。また、好ましくない微生物が含まれていないこと
  が求められる製品の各バッチについて、適切な実験室の試験を実施することを怠った。
 貴社は、適切な合否試験を行わずに製品を出荷した。例えば、貴社は、ラベルに記載された同一性や濃度に
 従うことを判断するためのXXとXXの試験を行わなかった。さらに、貴社は重大な微生物の属性(例:好ましく
 ない微生物のいないこと、トータル数)に関するテストを適切に行わなかった。
 この文書への回答の中で、貴社が薬の合否を判断する前に、すべての薬のバッチのテストを確実に行うための
 是正処置を述べよ。貴社の出荷テストの計画には、各製品の試験の要求事項や適切な合否基準を含むバリデート
 されたテスト方法が記載された文書化された手順を含めよ。
3.貴社は、無菌、かつ/または、ピロゲンを含まないとうたう製品の各バッチについて、薬の最終的な規格への
  十分な適合性についての適切な実験室の判断を怠った。
 貴社はXXの製品を“無菌”と表示して販売している。ラベルには、製品は”XX”に使われると記載されている。
 しかし、貴社は無菌試験を怠った。貴社は、これらの製品及び無菌をうたう製品について、バッチの廃棄判断
 に先立ち、無菌試験を実施することが必須である。
 この文書への回答の中で、無菌を意図する全てのバッチについて、出荷試験の一部として、適切な方法により、
 無菌の試験が行われることを保証する是正処置計画を述べよ。そこには、貴社のバッチの出荷判定手順と
 テスト方法を含めよ。
4.貴社は、貴社が製造する薬が、それらがうたう、または、有していると説明している同一性、濃度、品質、
  純度を持つことを保証するための製造と工程管理に関する文書化された手順を制定することを怠った。
 貴社には、安定した製造作業と一貫した薬の品質を保証するために、工程管理をモニタリングするための継続した
 プログラムが欠けている。
 この文書への回答の中で、継続的な管理状態を保証するためのバリデーション計画の詳細を述べよ。貴社の
 各製品について、PPQ(Process Performance Qualification)を実施するためのタイムラインを含めよ。
 また、継続的な基準に基づくバッチ間の変動をモニタリングするための貴社の取り組み方についても述べよ。
5.貴社は、製造した薬の各バッチの製造と管理に関する完全な情報と共に記録を作成し、それらの記録をバッチ
  の使用期限後少なくとも1年保持することを怠った。
 査察中、査察官は、貴社の製品に関するバッチの記録をレビュすることを依頼した。貴社の従業員は、XX製品
 に関するXXの最近の1つの記録のみ提供した。査察官がその他のバッチの記録を見たいと依頼したところ、
 貴社の従業員は他の記録はないと述べた。貴社の経営陣は、バッチの記録は製造後およそ6ヶ月間保持している
 だけだと述べた。貴社はバッチの使用期限後少なくとも1年、製品のバッチに関わる記録を保持することが
 求められている。
 貴社のバッチの記録は、貴社の製品が適切に製造されたかどうか判断するために必要な十分な情報が欠けていた。
 例えば、貴社のバッチの記録には下記の事が欠けていた。
 ・製造工程で使用された原材料のバッチ数
 ・XXの有効成分に使用された設備と方法に関する情報
 この文書への回答の中で、貴社は次の情報を提供せよ。
 ・各製品のバッチの製造と管理の記録を含む、製造作業を完全に記録してある改訂後の原本
 ・定められた保持期間以後の記録の保持に関する修正された方針の設
6.貴社は、貴社の製品の製造、加工、包装、保管に従事する各従業員が、教育・訓練・経験またはその組み合わせ
  により、割り当てられた職務を実施することが可能であることを保証することを怠った。
 貴社は、CGMP関連の訓練記録を提供できなかった。貴社の経営陣は、CGMP関連の訓練を従業員に実施して
 いなかったと述べた。
 この文書への回答の中で、各従業員が割り当てられた職務を効率的に行うために、各従業員が知識を備えること
 を保証するための訓練プログラムの詳細を提示せよ。CGMPの職務を実施または管理する全ての職員の継続的な
 訓練プログラムも含めよ。また、従業員が彼らの職務を行うために適格であることを示す個々の訓練記録も含めよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを雇う
ことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm570534.htm

■WL:320-17-44 カナダの製造所の査察(2017/1/16~2017/1/19)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反
に関する2017/8/2付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、出荷前に、製品の各バッチの最終的な規格への十分な適合について、各有効成分の同一性と濃度の
  判断を含む適切な実験室の判断を実施することを怠った。
 貴社は、同一性及び濃度を含む、規格への適合性に関するテストを実施せずに製品XXを出荷した。
 貴社の回答は、貴社は、有効成分に関し、全ての製品の試験を行う委託実験室を持つ予定であることを示した
 貴社の回答には、委託実験室の選択、適格性評価、管理手順の詳細がないので、回答は不適切である。また貴社は、
 貴社がテストを実施せずに出荷した使用期限内の全ての薬に含まれる有効成分について、同一性と濃度を判断する
 ためのテストを実施するための行動計画とタイムラインを提出していない。
2.貴社は、各成分が同一性、純度、濃度、品質に関する文書化された規格に一致することを確認するための
  サンプルのテストを怠った。
 貴社は、XXの薬の製造に使用する、入荷した有効成分やその他の成分が同一性、純度、濃度、その他の規格に
 合致することを判断するためのテストを怠った。
 貴社は、成分の同一性試験を貴社で実施するのに適していないので、入荷する各成分の同一性に関する供給者の
 分析証明書(COA:Certificate of Analysis)を信頼すると主張したが、貴社の回答は2つの理由で適切でない。
 第一に、全ての入荷する成分を分析するために、少なくとも1つの同一性試験を実施しなければならない。貴社は、
 成分の同一性を検証するために供給者のCOAを信頼してはならない。
 また、貴社は、同一性以外の規格に関し、入荷する全ての成分の試験を行っていないことにいかに取り組むか
 ついても示していないので、貴社の回答は不適切である。
3.貴社は品質管理部門に適用可能な文書化された責任や手順を制定することを怠った。
 貴社には、品質管理部門がその責任を果たすために適切な権限を持つことを保証する手続きがない。例えば、苦情
 や製品記録のレビュを処理する手順がない。
 貴社の回答によれば、”明確な任務の記述“がのった品質手順を制定する予定とのことである。貴社は、この手順
 を提供していないし、品質管理部門に適用可能な適切に文書化された責任と手順を持つことを保証する”明確な
 任務の記述“をいかに制定するかを示していないので、貴社の回答は不適切である。
4.貴社は、貴社が製造する薬が、それらがうたう、または、有していると説明している同一性、濃度、品質、純度
  を持つことを保証するための製造と工程管理に関する文書化された手順を制定することを怠った。
 貴社は、貴社の製品用の製造工程をバリデートしていなかった。貴社は、貴社の製造工程がバッチの均一性、完全性、
 一貫した薬の品質をもたらすことを保証していない。
 貴社は回答の中で、貴社の製品用の製造工程のバリデーションを実施することを約束した。貴社の回答は、貴社が
 製造工程をバリデートするためのアクションプランとタイムラインが提供していなかったので、不適切である。
5.貴社は製造した薬の各バッチの製造と管理に関する完全な情報と共にバッチの製造及び管理の記録を作成すること
  を怠った。
 貴社のバッチの製造記録は不完全である。それらは、充填と包装作業における重要な手順に関する情報が欠けている。
 貴社の回答によれば、貴社は製造の処方のワークシートの改訂を行ったということだが、貴社の回答は不適切である。
 貴社が提出したワークシートは、製造中に使用する全ての重要な設備、最終製品の容器や栓に関する記述、工程内
 及び最終製品のサンプリングの詳細のような、製造工程の情報が未だに除外されている。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを雇う
ことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm570094.htm

■WL:320-17-45 カナダの製造所の査察(2017/1/9~2017/1/13)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反
に関する2017/8/2付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、生産量をモニタするためや、中間材料や製品の特性のばらつきを引き起こす原因となりうる
 製造工程の性能をバリデートするために、製造工程の適切な管理手順を制定し、それに従うことを怠った。
 貴社は、製造工程をバリデートする前に、ホメオパシー粉体混合物の多数のロットを出荷した。アメリカ市場向け
 最終製品を製造するため、貴社は、受託製造業者であるラリタン製薬に送るXXホメオパシー粉体混合物を製造して
 いる。貴社の粉体混合物は有毒作用を引き起こす可能性のある原料から製造されている。例えば、貴社の歯が
 生えかけの幼児用錠剤XXはベラドンナを含む。ラリタンは、ベラドンナの有毒作用に弱い幼児や小児用の最終医薬品
 を作るためにこの粉末混合物を使用している。貴社は歯が生えかけの幼児用薬XXのロットXXを、貴社の製造工程が
 信頼できて再現可能であるかどうかを評価する前にアメリカ市場に出荷した。
 貴社の作業者は、有害な原料からできているものを含む粉末混合物XXを作るために、本質的に変わりやすい工程で
 XXを使った。貴社は、受託製造業者のラリタンに出荷・発送する前に、均一性と同質を保証するために、混合の
 適切性に関し、粉末混合物をテストしなかった。
 FDAは、2016年9月から10月の査察において、製造過程の薬のロットXXからXXまでのサンプルを収集した。FDAの
 分析は、貴社の製造過程の薬の組成が同等でないことを示した。
 ラリタンは、アメリカの幼児及び小児用に販売する混ぜ物をした最終医薬品の受託製造をするために、粉末混合物
 を使用した。製造過程の混合物から作られた最終医薬品に関するFDAの分析においても、組成が同等でないことが
 示された。我々は、貴社の同一でない粉末混合物から作られた歯が生えかけの幼児用錠剤がリコールされたことを
 確認した。
 我々は、貴社の設備の査察中、我々が査察のスケジュールを連絡した2週間後にバリデーション報告を提供したこと
 に気づいた。しかし、貴社のプロセスバリデーションは、ばらつきまたは潜在的な原因または均一な性質と品質の
 薬を製造するためにモニタし管理すべき重大なパラメータに適切に取り組まなかった。例えば:
 ・製造過程中の薬の有効成分の均一性をバリデートしていなかった。貴社は、実際の工程のバリデーションを
  しないで、有効成分の代わりとしてXXの解決策を使った。XXの使用の科学的に正当な理由はない。それが、貴社の
  工程で実際に混合された有効成分と同じ物理化学的特性や混合特性を持っていることを示していなかった。
 ・貴社の製造指図は十分に明記されていない。
 ・バリデーション手順と分析は、貴社の製造工程が信頼できて再現可能であることを保証するための十分に明記
  された合格判定基準と十分に詳細なパラメータ(例:粒度、XXの終点)に欠けていた。
 ・貴社の手順は、“バリデートされた人員”と明確に言及している。もし結果が適合していない場合、人員は
  “新しいバリデーションの対象”となりうる。貴社のプロセスバリデーションは、人を評価するための試行の
  ように思われ、工程を保証し、再現性を可能にすることに欠けている。
 貴社は、安定した製造作業の維持を保証するために工程管理のモニタリングとばらつきの検出するための継続的な
 プログラムを定める文書化された手順が不足している。信頼できる製造作業には、バッチ毎に安定した薬の品質を
 保証することが絶対不可欠である。薬の製造の1つまたは2つ以上の段階で重大なばらつきが見つかった場合、
 ばらつきの原因に取り組み、継続した管理状態を提供するために、経営陣のサポートと効果的なアクションの実施
 が不可欠である。
 この文書への回答の中で、我々は下記の回答を求める。
 ・製造過程の粉末混合物が適切な品質特性を一貫して満たすような、全てのばらつきの原因を特定し管理する、
  データに基づいた科学的に合理的なプログラム
  これは、設備がその使用目的にあっていることを評価すること、投入する原料の品質を保証すること、製造工程
  の各段階で機能を判断し管理することを含むが、これに限らない。
 ・バリデートされていない工程で粉末混合物を使って製造され販売された薬のリスクアセスメント
  貴社のリスクアセスメントは、アメリカ国内に販売され使用期限内にあり、被害に遭いやすい人々が使用する
  いかなる製品についても取り組むべきである。
2.貴社は各成分のサンプルの、同一性、全ての文書化された純度、濃度、品質に関する規格への一致についての
  テストを怠った。
 我々の査察において発見した内容は、貴社が薬の製造工程で使用する成分について、適切な同一性試験を実施して
 いないことを示している。貴社は、これらの成分のテストをしていないか、純度、濃度、品質のテスト結果の評価
 を適切に行っていない。同一性、純度、濃度、品質に関する成分の分析を適切に行っていないことにより、貴社は、
 加工用に入荷した原材料の適合性を保証していなかった。
 貴社の回答において、貴社は、XXを特定するために使用されるホメオパシー薬局方の要件に従ってテストを実施して
 いると述べた。アメリカのホメオパシー薬局方(HPUS)は、多数の分析用の同一性試験を求めている。貴社の回答は、
 製造に使用する前に成分の各ロットが同一性に関し完全かつ適切にテストされるかどうかを述べていないし、その他
 の属性がテストされているかどうかも述べていない。
 さらに、貴社の2017年6月7日の回答において、貴社は、供給者の分析証明書に基づいて入荷原料を受け入れていると
 述べた。また、貴社が提出した”供給者の認定手順“のSOPは、品質部門が供給者の分析結果がHPUS、社内規格、
 または”HAB/GAP“に従っていることを保証しなければならないと述べている。
 貴社の回答とSOPは、分析結果(例:アルカロイドの含有量)が信頼できるものであり続けていることを保証する
 ために、供給者の分析証明書の適格性評価を適切な間隔で実施することを明確に示していない。使用前に、有毒作用
 を引き起こす可能性のある成分が規格を満たしていることをいかに保証するかに関する適切な科学的正当性を提供せよ。
 回答には、貴社の供給者の適格性評価手順の改善(例:事前に明確に定義された規格、定期的な再バリデーション)
 も含めなさい。
 また、我々は、適格にテストされ管理されていなかった成分を使って製造された全ての製品ロットについてのリスク
 アセスメントを貴社が提出することを要求する。貴社のリスクアセスメントは使用期限内で、アメリカ国内に販売
 された全ての製品について取り組まなければならない。また、幼児及び小児用については特に重点を置かなければ
 ならない。
●契約合意書
製造業者が薬の製造の一部(加工、包装、保管、テストを含む)で契約施設を使用する場合、製造業者の品質部門は、
契約施設で製造された薬の合格・不合格について責任を負うことに注意せよ。さらに、品質協定は、CGMPに従うための
法令や規制上の責任を委任するために使用することはできないということに注意することが重要である。
●写真撮影の制限
査察中、査察官はアメリカ販売用の薬のXXに使用されるXXの横に染み付いた過剰な原料の写真を撮ろうとしたが、
貴社のコンサルタントは、査察官によるこの施設の写真撮影を妨害することにより査察の邪魔をした。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを雇う
ことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm570461.htm

■WL:320-17-46 インドの製造所の査察(2016/12/7~2017/12/16)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反
に関する2017/8/15付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、バッチが既に出荷されたかどうかに関わらず、バッチやその成分の規格からの説明のつかない相違や
  不具合を十分に調査することを怠った。
 処理の逸脱や、OOS(Out-of-Specification)の結果に関する貴社の調査は不十分で、科学的に裏付けのある結論に
 至っていない。
 例えば、貴社は、多数の顧客に対するXX㎎XX錠剤の受託製造業者として活動していた2016年2月、溶解試験で
 不合格になったロットXXについて顧客の苦情を受けた。この苦情の調査中、貴社は、規格ではXXがXX%より
 多くないこととなっていたのに、ロットXXは、XXがXX%を超えていたことを発見した。また、規格の±XX内で
 あれば、XXとして記録され、値が記録されていないことにも気づいた。
 貴社の2016年3月の市場苦情調査報告書は、科学的に正当な理由もなく、XXの処理中のXXの逸脱とXXの逸脱の
 可能性は、溶解試験の不合格と関係がないと結論づけた。調査は、当初は、不合格は、XXμmのフィルタの使用
 に伴うテストの問題であるだろうと結論付けたが、貴社の顧客のうちの1社がこの説明が受け入れられないことに
 気づいた。貴社はその後、他の顧客に溶解試験結果の不合格の根本原因は特定されなかったと知らせた。
 最後に2016年の4月の市場苦情調査の終了報告において、貴社は溶解試験の不合格は、XXとXX工程によるもので
 あると示した。
 貴社の回答は、ロットXXは、XXロットの製造キャンペーン中に製造され、これらの工程の問題により影響を受けた
 と思われる唯一のロットであると述べた。この回答は、この結論に関する科学的に正当な理由を提供していないので
 不適格であり、報告された溶解試験の不具合の範囲と根本原因を十分に調査していない。
 この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
 ・保管されているXXの全てのロットに関する最新化の溶解試験、年次安定性試験プログラムにXX㎎の錠剤の他の
  ロットを加えることの誓約
 ・アメリカ市場向けに製造した製品で、使用期限内にある全てのロットに関する全ての苦情、製造、実験室の
  調査に関する回顧的レビュの詳細
 ・XXを含むアメリカに輸出された製品に関し、品質特性と製造要件を満たす製造プロセスが、最終製品の一貫性の
  ある生産力を保証するための、製造プロセスバリデーションの回顧的レビュの詳細
  各プロセスに関し、原材料や製造工程のばらつきの原因を特定し、ばらつきを減らすか、製品の品質に与えうる
  影響を軽減するために実施した手順を示すこと。
 ・今後の全ての調査が十分で科学的に合理的で、適切な結果と効果的なCAPAをもたらすことを保証する計画
2.貴社は、公的または制定した要件を超えて、製品の安全性、同一性、濃度、品質、純度を変えうる誤動作または
  汚染を防ぐために、適切な間隔で、装置や用具を清潔にし、メンテナンスし、薬の性質のために適切に衛生的にし、
  または、消毒することを怠った。
 我々の査察官は、貴社が清潔と判断している多数のXXが、色のついた残留物を含み、ひどい状態にあることを発見した。
 例えば、XXのPDE-205は、白いXXの残留物がガスケット内部にあった。査察官は、加工した原料が蓄積しうる隙間が
 あることを記録した。ガスケットの端もまたひどい状態だった。
 貴社は、化学及び微生物学的汚染を特定し、量をはかるために残留物をサンプリングして分析し、微生物の属性を
 満たしていたと述べた。貴社は白い残留物を、“XX表面の最終部分”で、“清掃後に水滴が乾いたもの”であると
 考えた。
 この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
 ・白い残留物のサンプリング手順と分析試験の方法
  回答にはバリデーション手順とバリデーション報告を含めよ。
 ・XXのPDE-205 における“XXタイプ”のガスケットを設置しメンテナンスする方法
  製品が接触する部分で使用する同様のガスケットの全てのXXについて評価せよ。
  適合性とXXにこれらのガスケットを継続して使用することの正当性の根拠を示すこと。
 ・清掃、装置の清潔さの検証に関する職員の責任を確実なものにし、装置のメンテナンスが、適切に訓練され、
  それらの業務を実施する能力のある職員であることを保証するための貴社の計画
  回答にはXXに関する洗浄バリデーションの研究を含めよ。
 ・洗浄が困難な部分に重点を置いた、全ての装置の洗浄プログラムの適切性に関する全体的なアセスメン
3.貴社は品質管理部門に適用可能な文書化された責任と手順を制定し、それらの手順に従うことを怠った。
 貴社の手順QM001-04品質システムマニュアルとCQA012-01製品回収は、規格に合致しない製品の回収を指示しているが、
 貴社の品質部門は不合格品の回収に関する文書化された手順に従わなかった。
 例えば、2016年7月8日に、貴社はフィナステライド錠剤5㎎、ロットFIN16002 のボトル内の錠剤について苦情を
 受け取った。貴社は、2016年7月27日にサンプルを受領した後、欠陥を確認したが、2016年12月23日まで手順に
 従って指示された通りの製品回収を開始しなかった。製品回収の開始は、査察官が欠陥品の回収に関し、貴社の
 手順に従って行動を起こすことを怠っていると指摘した約1週間後だった。
 査察官の指摘への回答により、貴社は製品の回収を開始したが、貴社がなぜ、製品の欠陥に関する最初の出来事で、
 自身の品質システムマニュアルと製品回収の手順に従わなかったかを説明していないので貴社の回答は不適切である。
 この文書への回答において、過去5年以内で、制定された規格に不合格だったが、貴社の品質システムマニュアルに
 述べられた行動をとらなかった製品の全ての事例のリストと概要説明を提出せよ。そのような事例に関し、貴社の
 計画する是正処置と予防処置(CAPA)を提出せよ。また、貴社が製品品質と回収に関する貴社の手順に従うことを
 保証するためのCAPAを説明せよ。
●工程管理
貴社は、安定した製造作業と一貫した薬の品質を保証するための工程管理のモニタリングについて、適切な継続的な
プログラムを持っていなかった。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを雇う
ことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm573005.htm

■WL:320-17-47 中国の製造所の査察(2017/5/22~2017/5/25)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に
関する2017/8/11付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、製造、加工、包装、製品の保管に使用する建物の管理を怠り、ネズミ、鳥、動物、昆虫、その他の害虫
  の侵入を許した。
 我々の査察管は、以下に挙げる貴社の設備のいたる所でネズミの糞を発見した。
 ・貴社のOTC薬を製造している充填機械の直近
 ・貴社の製品と合体したXXを作っているXXシステムの直近
 ・原料及び最終製品の倉庫のいたるところ
 貴社のOTC薬は、XX軟膏とXXを含む。
2.貴社は、公的または制定した要件を超えて、製品の安全性、同一性、濃度、品質、純度を変えうる誤動作または
  汚染を防ぐために、適切な間隔で、装置や用具を清潔にし、メンテナンスし、薬の性質のために適切に、衛生的
  にし、または、消毒することを怠った。
 例えば、我々の査察管は、貴社がOTC薬を製造するために使用しているXXタンクの中に残留物が蓄積されていること
 を発見した。また、プラスチックのラップでまとめられている傷んだ移動用ホースを発見した。査察中、貴社の
 従業員がXXタンクの蓋を開けようとした時、蝶番が壊れた。
3.貴社は、出荷前に、製品の各バッチの最終的な規格への十分な適合について、各有効成分の同一性と濃度の判断を
  含む適切な実験室の判断を実施することを怠った。
 貴社は出荷前に有効成分について製品の全てのロットのテストをしなかった。貴社は、貴社が出荷する製品の
 各バッチについて、微生物試験(すなわち、総数、好ましくない微生物)も行わなかった。貴社は、貴社の顧客は、
 XXの微生物試験が実施されることのみを要求していると述べた。貴社は微生物試験が不足しているので、貴社が
 販売した製品が安全で衛生的であるという十分な保証はない。
4.貴社は製造した薬の各バッチの製造と管理に関する完全な情報と共にバッチの製造及び管理の記録を作成すること
  を怠った。
 我々の査察管は、XX軟膏とXXを含む、アメリカ向けに販売したOTC薬のロットに関するバッチの記録を要求した。
 貴社は、バッチの記録を提出することが出来なかった。
 さらに、分析試験の記録には、データ、日付、サインがなかった。査察官は、査察中に貴社の従業員が分析試験
 報告書の情報を変更していることを発見した。例えば、貴社は、既にアメリカ市場に販売されていたXX軟膏の
 ロットXXについて、分析試験報告書を著しく変更した。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを雇う
ことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に
保証していない。
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査
・調査手順と方法論の詳細、アセスメントの対象となる全ての実験室、製造作業、システムの概要、貴社が除外を
 検討している作業の正当性を示す理由
・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接
 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。
・貴社の設備におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント
 データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。
 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、全ての設備の操作を述べよ。
・試験及び製造のデータ・インテグリティの欠陥の性質についての総合的な回顧的評価
 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識をもった適格な第三者が、すべてのデータ・インテグリティ
 の欠陥について評価することを推奨する。
B.貴社の薬の品質で発見された問題に関する影響の可能性についての現在のリスクアセスメント
アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者のリスクと、
継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の経営戦略
貴社の戦略には下記のことを含めよ。
・分析データ、製造記録、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性と網羅性を
 保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた是正処置計画の詳細
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに釣り合うことを示すエビデンス
 を含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
 データ・インテグリティの欠落に関する個々の責任が、貴社のCGMP関連または薬の申請データに依然影響を与える
 かどうかを示すこと。
・顧客への通知、製品の製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラムへのロットの
 追加、薬の申請の活動、苦情のモニタリングの強化のような、患者を保護し、貴社の薬の品質を保証するために
 とられた処置、及び、これから取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、作業、方法、管理、システム、経営者の
 管理、人的資源(例:訓練、職員の配置の改善)の強化を述べた長期的手段
 出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2017/ucm572240.htm


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まとめ
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6通のウォーニングレターを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
データ・インテグリティの問題として明確に指摘されているのは6通目だけでしたが、他のウォーニングレターで
指摘としてあがっていた、テストを行っていない、出荷許可の裏付けデータを持っていない、記録を保管していない
という指摘も、見方によっては全てデータ・インテグリティの欠落といえるのではないでしょうか。
そして、これらの問題は、そもそも、手順が制定されていない、手順を守っていないということに原因があると思います。
昨今、あちこちの会社様で、データ・インテグリティを気にされていますが、横で拝見しているとデータ・インテグリティ
以前に手順に問題があると感じることが多々あります。
指摘の流行になっている感のあるデータ・インテグリティですが、データの体裁を整えることばかりに気を配っていると
根本原因の対策がおろそかになるような気がしてなりません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。

☆次回は、10/13(金)に配信させていただきます。

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