ASTROM通信バックナンバー

2017.10.13

【昨今の海外の話題】ASTROM通信<132号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

秋晴れの心地よい季節になってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

さて今回は、
1. 第10回パンゲア作戦:インターネット上の違法な医薬品の販売の取り締まり
2.『連続生産』 2017.9.11付FDA公式ブログより
について取り上げたいと思います。

最後までお付き合いいただければ幸いです。


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1.第10回パンゲア作戦:インターネット上の違法な医薬品の販売の取り締まり
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今年も2017年9月12日から9月19日パンゲア作戦が行われました。
パンゲア作戦は、今年で10回目となるインターポール(国際警察)主導のインターネット上での
違法な薬及び医療機器の販売取り締まりで、今年は、197の警察、123ヶ国の税関及び規制当局が
参加し、世界中で400件の逮捕と2500万個、値段にして5100万米ドル以上の薬と、50万米ドル以上
の医療機器が押収されました。
  参考情報:昨年の作戦は2016年5月30日から6月7日に行われ、393件の逮捕と、1220万個、値段
       にして5300万米ドル以上の偽造・違法な医薬品の押収、27万個以上、値段にして
       110万米ドル以上の医療機器の押収が行われました。
今回のパンゲア作成の具体的な成果は下記の通りです。
・1,058件の捜査により、3,000を超える広告が消去され、3,584の違法なウェブサイトが閉じられた
・715,000件の郵便配達が調査され、そのうちの470,000件が差し押さえられた。
コンゴ民主共和国は650kgの違法な抗マラリア錠剤を差し押さえた。
・顧客の苦情により、ヨルダンで販売中の偽造コンタクトレンズが見つかり、当局は、偽造コンタクト
 レンズは、目への重大な被害を引き起こすかもしれないと警告した。
・ベトナムで1.2トンの違法なオンライン取引の錠剤が押収された。
・不正なドメイン名の登録、電子決済システムと配送サービスが捜査のターゲットとなった。
・ソーシャルメディアサイトでの違法な広告や、違法な薬の販売が停止された。
・ドイツでは、70,000錠の錠剤、カプセル、アンプルを含む961通の国際郵便が差し押さえられた。
・スイスでは、薬の入った500個の小包が検査され、56個が特に有害な薬として差し押さえられた。
パンゲア作戦が行われてきた10年間の主要な傾向として、世界中で増加する違法な薬や偽造薬を広告
して売りたいという需要に乗じた無許可または無秩序のオンライン薬局の継続的な成長があります。
より多くの人々がオンラインで薬を含む日用品を買うことに乗じて、犯罪者は生命を危険にさらし
ている。10年のパンゲア作戦から、いかに違法な薬のオンライン販売が進行中であるかがわかる。”
とインターポールのティム・モリス氏は語っています。
パンゲア作戦は、違法な薬は偽造薬の販売に関わる犯罪ネットワークを破壊することに加えて、薬を
オンラインで買うことの潜在的な危険の社会的な認識を高めることもめざしてきました。増加する
需要に対し、全ての薬においてこの目標は重要です。
■出典
 https://www.interpol.int/News-and-media/News/2017/N2017-119
 https://www.gmp-publishing.com/en/gmp-news/gmp-aktuell/pangea-x-international-operation-illicit-online-pharmacies.html


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2.『連続生産』 2017.9.11付FDA公式ブログより
“Continuous Manufacturing” – Common Guiding Principles Can Help Ensure Progress

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FDAの公式ブログであるFDA Voiceの2017年9月11日の記事に、医薬品の連続生産
(CM:Continuous Manufacturing)が取り上げられていました。
連続生産は、医薬品の製造工程を、より早く、より信頼性が高く、より効果的なものに転換できる技術
として、FDAが非常に注目しています。
但し、この連続生産は、決して新しい技術ではなく、金属、鉄鋼、石油、飲料品、食料品の分野で既に
行われています。

FDA Voiceを見る前に、PMDAが出している資料:『医薬品の連続生産の現状と課題 (PMDAの視点から)』
をもとに連続生産が何かを確認しておきたいと思います。
◆連続生産の定義
・原料又は混合物を連続的に製造工程内に投入し、 製造後の生産物を連続的に取り出す生産方法
・プロセスを長期間稼働させることで、望ましい品質を有する最終製品を、必要な量、必要な時期に
 製造できる
◆連続生産への期待
・高精度なモニタリング技術(PAT等)との組み合わせで、品質不良を早い段階で防ぐことが可能
 →欠品リスクの回避にも繋がる
・スケールアップの問題を回避
 →開発期間の短縮にも繋がる(治験薬製造時から導入可能)
・少量・多種の製造にも適している
 →ジェネリック医薬品、個別化医療への適用も期待
・需要量に応じた柔軟な生産量管理
 →製造・保管等のコスト軽減が期待
・製造所の変更(製造機器の移動)が可能
 →自然災害時等にも、代替の製造所の確保が容易

前置きが長くなりましたが、ここからが、FDA Voiceの抜粋です。
古い技術である“バッチ”技術では、場合によっては完成までに1ヶ月かかる製造が、連続生産
によりたった数日だけで済むかもしれません。FDAは、9月21日まで開設されている
PUBLIC DOCKETを通じて科学、技術、連続生産に関わる最良の事例(ベストプラクティス)について、
その分野の専門家からのコメントを求めています。
新しい技術としての連続生産の実装は、新しい装置への初期投資コストのように、チャレンジが
必要となります。しかし、連続生産の製造方法は、患者と産業の両方に確実な恩恵をもたらします。
連続生産は製造時間を短縮し、製造工程の効率を向上することができます。また、製造の失敗の
可能性を減らす助けをすることができ、より機敏なテストと管理も可能にします。これらの管理戦略
は薬の不足の予防に潜在的に寄与できます。連続生産技術は、製造工程全体にも、工程内の特別な
作業にも実装することができます。製造業者は、特定の製品やビジネスのニーズに基づいてCMの使用
を調整することができるのです。
議会は、既に、連続生産が医薬品製造に与えうる恩恵を認めています。2016年の12月に制定された
The 21st Cures Act(21世紀の治療法)では、連続生産の研究のサポートと、医薬品及び生物学的
製剤に連続生産を実装することの推奨を許可しました。
FDAは、連続生産の使用に興味のある会社に関与することで、この技術の採用を奨励しています。
FDAの新進技術チーム(ETT : Emerging Technology Team)は、新薬と既存の薬の両方の製造のために、
連続生産を含む革新的技術を実装したい会社を支援します。我々は既に連続生産を実施してETTとの
早期の実施から恩恵を受けている2社を見てきました。Vertexは、2015年7月の新薬承認以来、
嚢胞性線維症治療薬Orkambi(ルマカフトール/アイバカフトール)に連続生産を使用してきました。、
また、FDAは2016年、Janssen ProductのHIV-1感染症治療薬Prezista(ダルナビル)のバッチ製造
から連続生産への変更を承認しました。
連続生産を自社の作業に使用することを検討している多数の会社のうち数社は、自身の製造工程に
連続生産技術を利用する特別な方法をみつけました。これらの個々の努力の結果として、我々は、
製薬業界中に連続生産技術を実装するための様々なアプローチをみつけています。
これらの新しい多様性が与えられて、FDAのゴールは連続生産を導入して実装することを会社に奨励
すると同時に、我々の期待を明らかにする指針のフレームワークを提供することにあります。
我々は製薬業界と話をすると同時に、明確な規制基準の開発に関し、海外の同等の規制当局に関与
することで、グローバルレベルでこの会話をリードすることを助けています。
この努力を促進し、専門家からのより多くのコメントを集めるために、我々は9月21日までコメント
を求めるPUBLIC DOCKETを開設しました。FDAは、この話題に関する公的文書の公的フィードバックを
得ることに興味を持っています。
もし連続生産の経験や専門知識を持っていれば、この分野で開発されている重要な科学的情報を集めて
統合する助けになるコメントを提供してください。
■出典
 https://www.pmda.go.jp/files/000216656.pdf
 https://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2017/09/continuous-manufacturing-common-guiding-principles-can-help-ensure-progress/


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まとめ
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1.パンゲア作戦について
ネットで日用品を買うことが当たり前となった今、ネット上での薬の違法取引を見つけることは、
藁の中から針を探すように大変なことだと思います。
パンゲア作戦のおかげで、違法なサイトが閉じられたり違法な薬が押収されたりして、確実に成果が
あがっているようですが、これからますますネット上の取引が増加することを考えると、今よりも
もっとグローバルで効率的な監視方法が求められるのではないでしょうか。

2.連続生産について
FDAが連続生産について専門家のコメントを求めていることからもわかるように、連続生産を実装する
ためには解決すべき課題はたくさんあります。
・品質をどう管理するか?
・今後ロット、バッチの定義をどうするか?
・それと絡んで安定性試験はどう行うべきか?
・連続生産を行う場合、洗浄のタイミング・頻度はどうするか?
・プロセスバリデーションは何をどの規模で行えばいいか? 等々
しかし、連続生産が実現できれば、医薬品の製造現場に劇的な変化がもたらされることは間違いなく、
課題が多いからと言って手を拱いていれば、どんどん国際競争力を失っていくおそれがあると思います。
日本の製薬業界の場合、特に、多品種少量生産が顕著であり、かつ、今後、労働人口が確実に減少する
ため、連続生産の実装は不可欠ではないでしょうか。
国内の連続生産の検討も徐々に進みつつあるようですので、製薬会社様は、海外の動向も含めしっかり
チェックしていく必要があると思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、11/1(水)に配信させていただきます。

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