ASTROM通信バックナンバー
2017.12.01
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<135号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
今日からいよいよ12月。
いらっしゃいますか。
さて今回も、前回に引き続き、最近FDA(米国医薬品食品局)
について取り上げ、
たいと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
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最近のウォーニングレターの概要
注:
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■WL:320-18-01 インドの製造所の査察(2017/4/3~2017/4/6)
重大なCGMP違反に関する2017/10/
1.全ての製品の逸脱が報告され、評価され、
ることを保証することの不履行
貴社は、製造に関する文書化された手順に従い、
ことを怠った。例えば、貴社のXXのバッチの記録は、
貴社は、2016年に少なくとも5バッチについて、
これらの試験を実施しなかったことについて説明がなかった。
対する収量の照合の方式を指定していたが、
指定された方式を使用することを怠った。
貴社は回答の中で、XXに関する工程内の定量試験は、
根拠はなしに単なる情報として時々実施されていたが、
また、貴社は、生産記録のマスタを改訂し、
の値の時だけ試験を行うようにした。さらに、貴社は、
なかったと認めた。
正当な理由もなく他の手順が時々実施されていないか、また、
の方式が間違っていないかを判断するために、
不十分である。
この文書に対する回答において、
逸脱の事例がないか確認するために、製造記録のレビュを実施し、
いかなる不具合についても製品品質への影響を判断するためにリス
調査し対応するために貴社がとるつもりの手順を示せ。
2.バッチの製造記録において、
して、重要手順の完了を適切に文書化することの不履行
貴社のバッチの製造記録は、製造工程内で、誰が文書を作成し、
かを記録するサイン欄を削除した。例えば、
では、ドラムNo.4に関するXXの総重量、XXの風袋重量、
訂正された正味重量はXXでなければならないが、
特定するサインがない。我々は、
署名されていることに気づいた。査察中、貴社は、
したりすることは一般的な手順であると述べた。
貴社は回答の中で、
と述べた。貴社は、
予防処置(Corrective Action and Preventive Action : CAPA)として、作業者に手袋を与えると説明した。
さらに貴社は、貴社のバッチ記録は英語だが、
それゆえ、貴社は、
バッチ記録を提案した。
貴社は、
記録をレビュしなかったので、
作業者に手袋を提供するというCAPAや、
重要な手順を実施した作業者の代わりに記録にサインをするという
この文書に対する回答において、
の回顧的調査の結果を提出せよ。
貴社は、
をレビュしなければならない。また、それらの事象について、
リスクアセスメントを実施せよ。また、
のような、
ために貴社がとった特別な行動について情報を提供せよ。
3.規格外の結果の適切な調査と文書化や、
貴社は、異常な分析試験結果について、調査し、
無視をした。貴社は、これらの規格外の試験結果(Out-of-
せいにした。たとえば、我々の査察官は、
関する48ヶ月の安定性のガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography : GC)の試験結果をレビュした。
査察官はこれらのバッチの3つの全てのクロマトグラムが、
示していることを発見した。我々の査察に先立ち、
せず、
のバッチに関する安定性データを、
承認し使用した。
貴社は回答の中で、貴社が回顧的調査を実施し、未知のピークは、
と述べた。貴社は未知のピークは独立していて、
値やラベルに表示された使用期限に影響しないと結論づけた。
調査するよう手順を修正し、
貴社は、
判断するための調査の範囲を広げなかったし、
を放置しOOSの結果を原薬の使用期限のせいにしたかを説明しな
この文書に対する回答において、
リスク分析の結果を提出せよ。ニードルの汚染や、
分析試験結果に関し、貴社がとる予定の措置を示せ。また、
分析データにのみ基づいていることをいかに保証するかを示すため
せよ。
4.品質部門の年次製品照査の適切な実施の不履行
我々は多数の製品に関する貴社の年次製品照査(Annual Product Reviews : APR)をレビュし、いろいろな
不備を発見した。例えば、
あった。貴社の2016年のXXのAPRは、
を含んでいた。たとえば、水分量、不純物、
を超えていた。最小値は”非検出“として、
で報告されていた。
そのような報告のエラーはこの製造所の2013年のFDA査察か
貴社は回答の中で、
貴社は、手順に空のテンプレートを加えるよう改訂した。貴社は、
すべての管理者による転写の誤りやレビュの誤りであると述べた。
貴社は、QMS(Quality Management System)データをオンラインで集めるERP(
の使用により今後そのような誤りを防ぐだろうと述べた。
貴社は、
損なったり不明確にしたりする誤りがないことを保証するための全
この文書に対する回答において、
提出せよ。また、
●多数製造所における逸脱の繰り返し
FDAは貴社のネットワーク内の他の製造所での同様のCGMPの
製造所を査察した時、査察中にみつかった同様の問題の結果、
分類された。多数の製造所におけるこれらの繰り返される不備は、
不適切であることを示す。
貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、
貴社は、すぐに、そして、包括的に、システム、工程、
ために、貴社全体の製造作業を評価するべきである。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
責任が残る。
出典: https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-02 インドの製造所の査察(2017/6/5~2017/6/9)
重大なCGMP違反に関する2017/10/
1.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷前に、
規格 に合うことを実験室で適切に判断することを怠った。
例えば、XXの多数のバッチは、
不合格の試験結果に関わらず、貴社は、
さらに、貴社の職員は我々の査察官に、
貴社は、
にそれらの結果を記入した。
貴社の回答は、貴社が、
2.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、
と判定したりする責任と権威を持った品質管理部門と、
ことを怠った。
貴社には、適切な品質管理部門が欠けている。
怠った。例えば、苦情処理、回収、規格外の試験結果(OOS)
を含む重大な品質部門の作業に関する手順がなかった。
3.貴社は、
を含む実験室の記録を保証することを怠った。
貴社は、
調査官に対して、貴社は最終製品の分析を紙の綴りに記録し、
破棄したと述べた。そもそも試験が実施された保証はないし、
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、
を適切に保証していない。
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
A.
調査には下記を含めよ。
・調査手順と方法論の詳細、
貴社が除外を検討している作業の正当性を示す理由
・データの不完全性の性質・範囲・
我々は、
・貴社の設備におけるデータ・
データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、
貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、
・試験及び製造のデータ・
我々は、
データ・インテグリティの欠陥について評価することを推奨する。
B.
アセスメントにはデータ・
のリスクと、
C.
貴社の戦略には下記のことを含めよ。
・分析データ、製造記録、
と網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた
・現在の行動計画の範囲と深さが、
示すエビデンスを含んだ、データ・
データ・インテグリティの欠落に関する個々の責任が、
依然影響を与えるかどうかを示すこと。
・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、
ロットの追加、薬の申請の活動、
品質を保証するためにとられた処置、及び、
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、
経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の配置の改善)
・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-03 カナダの製造所の査察(2017/6/12~2017/6/
重大なCGMP違反に関する2017/10/
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、
判定 したりする責任と権威を持った適切な品質管理部門を制定すること
貴社は正式な品質部門や、
貴社は、
制定していなかった。貴社は、
●FDAの輸入警告措置(Import Alert) 66-40を受けている製造業者からの医薬品の購入
我々は、貴社の供給者のリストをレビュしたところ、
含まれていた。Import Alert 66-40はFDAの公式ウェブサイトで確認できる。
示すように、XXで製造された医薬品は、
貴社はImport Alert 66-
貴社の製造した医薬品も不純物が混じっている。
●コンサルタントの推奨
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
■WL:320-18-04 中国の製造所の査察(2017/5/15~2017/5/19)
重大なCGMP違反に関する2017/10/
1.貴社は、全ての成分、容器、蓋、工程内原料、包装材料、
判定したりする責任と権威を持った適切な品質管理部門を制定する
貴社は、
の査察官は、この製品には、
示す記録をレビュした。
2つの有効成分は同じ成分であると信じられていた。
製品の多数のロットがアメリカに販売されることを承認した。
貴社は2017年8月30日、
の失敗についての調査の詳細と再発防止のためのアクションプラン
貴社がアメリカへの販売用に出荷した全ての医薬品が適切な成分で
詳細を提出しなかった。
2.貴社は、医薬品の各バッチについて、出荷前に、
に合 うことを実験室で適切に判断しなかった。
貴社は、出荷及び販売前に、同一性、
試験は、製造した医薬品が、
を確認する絶対不可欠な試験である。
3.貴社は貴社が製造した医薬品が、
持つことを保証するための製造及び工程管理に関する適切な文書化
怠った。
貴社は、
適格性評価を実施せず、
モニタリングに関する継続的なプログラムが欠けていた。
●不十分な回答とコンサルタントの推奨
FDAの査察結果に対する2017年8月16日の貴社の回答は不
の是正処置の十分なエビデンスが提供されなかった。例えば、
・バッチの出荷判定前に、
品質特性を含む、品質管理試験の方法や規格
・有効成分の同一性や含量、
医薬品の試験をするという明確な誓約
・
のばらつきの定期的なモニタリングに関する貴社のアプローチの概
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
責任が残る。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/
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まとめ
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いかがでしたでしょうか。
今回取り上げたウォーニングレターでは、データ・
OOS(Out-of-Specification)
不十分なCAPA(Corrective Action and Preventive Action)、年次製品照査の不備が
指摘されていました。
ご存知の通り、昨今、製薬業界ではありませんが、
この機会に、品質管理、
ないでしょうか。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、12/15(金)に配信させていただきます。
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