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2018.04.13

【日本版GDPガイドライン情報 及び 最近のウォーニングレター】ASTROM通信<144号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~ 

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

あっという間に桜のシーズンも終わり、そろそろゴールデンウィークが待ち遠しくなってきました 
が、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回のメールマガジンでは、 
1.発出が近いと思われる日本版GDPガイドラインの情報について 
2.最近FDA(米国食品医薬品局)から出たウォーニングレター5件について 
取り上げたいと思います。

2件目のウォーニングレターは、アメリカ市場に輸出がありFDAの査察を受ける機会のある会社様は 
もちろん、それ以外の会社様も、どんなことでGMP上の指摘を受ける可能性があるかをご確認いただ 
き、参考にしていただければと思います。


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日本版GDPガイドラインについて 
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GDPは、Good Distribution Practiceの頭文字をとった言葉で、現時点ではいろいろな日本語訳が 
ありますが、”医薬品の保管・流通に関する品質管理基準”といったものになります。

2014年にPIC/Sに加盟したことにより、PIC/S GDPガイドラインの順守が求められるようになり、日本 
版GDPガイドラインが出るだろうと言われ続けてきたのですが、なかなか出ることがありませんでした。 

しかし昨年のハーボニーの偽造薬の流通事件により、そろそろ出るだろうと言われていたのですが、 
ついに、”2018年度の早い段階”に厚生労働省によってまとめられたものが出てくるようです。

PIC/S GDPガイドラインには、医薬品の保管・流通の管理に関する要求事項、特にこれまで日本では
あまり厳しく管理されてこなかった輸送条件、温度管理、システムのバリデーション等が含まれています。
また、GDPガイドラインと言いつつ、GMPに該当する内容が含まれていてややこしいところもあります

厚生労働省は、PIC/S GDPガイドラインと、日本の薬機法・GMP省令・GQP省令などとの整合性をはかり 
ながら、日本版GDPガイドラインがまとめられていると思われます。

現時点で製薬会社様に具体的にどれくらいのインパクトがあるかは不明ですが、ガイドラインの発出 
には十分注意が必要です。

参考:薬事日報 2018年4月2日号


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最近のウォーニングレターの概要   
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。 
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■WL:320-18-28 韓国の製造所の査察(2017/5/22~2017/6/2)でみつかった医薬品製造における重大 
なCGMP違反に関する2018/1/26付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、無菌をうたう医薬品の微生物汚染を防ぐための、全ての無菌及び滅菌工程のバリデー 
  ションを含む、適切な文書化された手順を制定することを怠った。 
●不十分な無菌作業 
2017年5月23日、我々の査察官は、XXのバッチXXのセットアップ及び充填の間、複数の不十分な無菌 
手順をみつけた。 
例えば、バイアルの無菌充填中、作業者は、ストッパーボウルの中のむきだしの無菌の栓の上に、 
詰まった栓が達するの取り除くためにアクセス制限バリアシステム(RABS)を使用した。RABSはストッ 
パーボウルの上の一方向流を妨げ、微生物汚染のリスクを作った。作業者は、詰まった栓を取り除い 
た後、充填ラインを再起動したが、影響を受けた栓は除去されなかった。 
貴社は回答に、セットアップと充填に関する改訂された無菌手順を含めた。しかし、貴社は回顧的 
調査を実施せず、貴社の製品への影響の徹底的なリスクアセスメントを行っていないので、貴社の 
回答は、不十分である。さらに、貴社が改訂した手順FF21024は、構造や手順の改善によって無菌 
装置の汚染を防止するのではなく、殺菌剤で拭いた後のセットアップ中に製品接触表面の汚染の 
可能性がある。 
この文書への回答の中で、以下の情報を提出せよ。 
製造中の適切な無菌手順とクリーンルーム作業を保証するための計画 
 全ての製造バッチに関する決まった監督管理を保証するための具体的な手段を含めよ。また、 
 無菌処理及びその他の作業中の品質保証の管理(例:監査)の頻度を述べよ。 
査察中に発見されたような不十分な無菌技術とクリーンルーム作業がいかに貴社の医薬品の品質と 
 無菌性に影響を与えうるかを評価した徹底的なリスクアセスメント 
・改善された装置の構造や手順を含む、セットアップ中の無菌製剤の接触面への汚染の危険を完全に 
 修正するための是正処置及び予防処置(CAPA)の計画 
・RABSの所定の殺菌を義務付け、最大使用時間を明記した標準操作手順書(SOP) 
・貴社の無菌工程、装置、設備を考慮した全ての汚染の危険の包括的な確認 
 特に、ISO 5エリアの全ての人の相互作用、装置の配置、人間工学、ISO 5 エリア及び周辺の部屋 
 の空気の品質、設備のレイアウト、人の流れ、原材料の流れ(例:RABSの原材料の移動)を含めた 
 独立したリスクアセスメントを提出せよ。 
汚染の危険のリスクアセスメントで発見したことに対応するための、タイムラインを含むCAPAの計画 
 いかに無菌工程作業のデザイン、管理、人員の適格性評価を改善するかを述べよ。 
●煙の研究の不足 
我々の査察官は、RABS及びXXの積み下ろしエリアに関する煙の研究をレビュし、その不足を文書で 
記録した。これらのISO 5エリアで実施された煙の研究は、セットアップや所定の無菌操作を含む 
動的状態の十分な評価が欠けていた。例えば、貴社の評価は、詰まった栓の除去のような重大な介入 
に取り組んでいなかったので、一方向流への介入の影響を評価することは不可能である。 
貴社は、回答の中で、2つの追加の煙の研究を実施したと述べた。この文書への回答の中で、新しい 
煙の研究の記録のコピー(例:エムペグファイル)を提出せよ。 
●培地充填の不備 
我々の査察官は、無菌工程のバリデーションに関する多数の不備を発見した。 
a.貴社の培地充填のバッチの記録のレビュで、貴社が全てのバイアルを不合格にしているのを発見 
  した。例えば、貴社は、キャッピング工程で、停電のシミュレーション中、電力の供給停止前に 
  充填され栓のされた全てのバイアルを不合格にした。その手順は不適切で、貴社の培地充填手順 
  XX 2205“無菌注射剤に関する培地充填計画”に反する。 
  ラインクリアランスに関する明確で具体的(例:介入の種類と、取り除かれたユニットの量)な 
  SOPは、培地充填中の一貫した製造作業と、これらの作業の評価を可能にする。手順の明確性が 
  欠けている場合、培地充填バッチからのユニットの除去の正当な理由が不足している。培地充填 
  の介入時に製造中であったために除去されたものより多くのユニットを除去するべきではない。 
  正当な評価を保証するために、商用の製造中に遭遇したこれらの条件や、その他の最悪条件を正確 
  にシミュレートすることが重要である。 
b.貴社の手順XX 2205は、製造中に無菌処理室に入る権限を与えられた全ての職員を特定していな 
  かった。 
c.貴社は、培養の後に充填された培地を調べるための職員を訓練し、適格性を評価するための適切 
  な手順に欠けていた。また、貴社は、職員がこの検査をどのように実施するかを具体化していな 
  かった。 
  さらに、貴社は、どの職員が試験を実施したかを文書化した適切な記録を保存していなかった。 
  貴社は回答に、改訂された培地充填手順を含め、貴社が実施した追加の培地充填を示した。しかし、 
  貴社は間違って取り除かれたバイアルや、過去の培地充填結果の正確さの影響に適切に対処して 
  いない。貴社はまた、培地充填プログラムの完全な評価を実施することを怠った。例えば、貴社は、 
  培地充填ユニットを職員が確実に試験できるかどうかを判断するための、職員の訓練及び適格性の 
  十分な評価を実施していない。 
この文書への回答の中で、 
・2014年1月以降の全ての培地充填の回顧的評価を提出せよ。実施した全ての培地充填、充填日、 
 ユニット数、不合格となったバイアルの数、培養されたユニット数、ポジティブのユニット数を 
 リストアップせよ。各充填バッチから、全てのバイアルが除去された際の状況を述べよ。なぜそれら 
 が不合格になったか詳細に説明せよ。各培地充填に関し、貴社により作成された、最終の、署名された 
 サマリーレポートを提出せよ。 
・商用の製造中、いつ、ユニットが不合格とされなければならないかを明確にするため、いかにSOPを 
 改訂したかを述べよ。適切で製造SOPに一致している場合に、培地充填で不合格とされるユニットを 
 確実にするための全てのCAPAを提出せよ。 
貴社の培地充填プログラムの包括的で独立したレビュを提出せよ。 
2015年1月以降の停電中に製造された全てのバッチをリストアップせよ。停電後に、適切な無菌処理 
 状態に戻すためにとられた行動を述べよ。もし、貴社が製造の継続を許可した場合、停電後にいくつ 
 のユニットを不合格とし、合格とするのに貴社が用いた基準を述べよ。また、無菌処理設備で環境コント 
 ロールの喪失にさらされたバッチに関する調査レポートと適合性評価を提出せよ。 
2.貴社は、バッチが既に販売されたかどうかにかかわらず、説明のつかない規格との不一致、バッチや 
  成分の規格への不適合について、徹底的な調査を怠った。 
●バイアルのXXの不足 
我々査察官は、2015年10月から2017年5月にバイアルのXXに関するXXの約140件の苦情を受け取ったことを 
記録した。これらの重大な苦情の相当な数は、アメリカ向けのバッチである。貴社の調査では、バイアル 
の栓に根本原因があると特定した。この欠陥は、有効期間を通じて、大いに製品の品質特性に影響を与え 
うる。 
貴社のSOP QA2002“逸脱と是正処置予防処置”は、迅速な調査と逸脱の解消を義務付けている。しかし、 
貴社は、2015年1月6日付の最初の逸脱報告DE-P2-16003から、2017年3月3日付のサマリーレポートが示す 
ように、逸脱を2年以上解決せずにXXの苦情の調査を繰り返した。 
貴社は、バイアル内のXXの不足を徹底的に調査することを怠り、タイムリーで効果的なCAPAの実施を 
怠った。 
さらに、貴社は、FDAに対し、XXに関する微生物学的な逸脱報告の提出を怠った。 
貴社は回答の中で、XXの表面にXXを適用し、今は、XXの栓を規定通りに使用していると述べた。貴社は、 
これらの変更は、XXと栓の間のXXを減らしたと述べた。また、貴社は工程内試験のために、XXを、 
XX検出器として追加した。 
この文書への回答の中で、下記の情報を提供せよ。 
XXなしにバイアルの製造を防ぐために貴社が実施したCAPA計画の最新情報 
 貴社がこの問題の再発を防ぐためにとった全ての方法を述べよ。製造バッチから得られた不具合の 
 データの最新サマリ、苦情(バッチ番号と製造日を含む)、全ての安定性プログラムの結果を含めよ。 
・販売されたバッチの品質と適合性を評価したリスクアセスメント 
XXを検出するための工程内のXX試験の実施に向けた進展の最新情報 
・包括的で独立したレビュと、逸脱、苦情、欠陥、OOS(Out-of-Specification)の結果、不具合の 
 徹底的でタイムリーな調査を保証するために用いられた貴社システムの改善 
●可視的微粒子の試験 
貴社は、最終製品の可視的微粒子の問題の徹底的な調査を怠った。例えば、 
a.貴社が出荷試験のために使用している契約試験ラボは、2017年2月3日にアメリカ市場向けの 
  XXを含むXXの2バッチの可視的微粒子の試験中に得た2件のOOSの結果を報告した。貴社の契約 
  試験ラボは2017年2月14日に貴社にサンプルを返却した。貴社は、微粒子がXXの繊維から構成 
  されていることを確認したが、2017年11月11日の貴社の回答時点で、貴社は他のバッチに調査 
  を広げず、貴社がこれらの微粒子を、ラベル貼付前のバイアルが2次包装及びラベル貼付現場に 
  リリース前に検出できなかったかを判断しなかった。 
b.2017年の4月と5月に、貴社は目視試験中に、アメリカ市場向けXXの複数バッチ内に異質の微粒子 
  を確認した。しかし、発生源、根本原因、患者への潜在的影響を判断するためにこれらの微粒子 
  を適切に調査しなかった。 
この文書への回答の中で、下記の情報を提供せよ。 
・貴社製品内で検出された微粒子の発生源、根本原因、XXとXXへの影響に関する貴社の最新の調査 
 同じまたは同様の微粒子により損なわれているかもしれない他のバッチに調査を広げよ。 
・工程の性能や製品品質のばらつきの定期的なレビュを定め、問題のある傾向や関連の事象を早期に 
 確認することを保証するためのCAPA 
密封されたユニットの目視試験プログラムを改善するための調査及びCAPAの効果の評価 
3.貴社は無菌工程エリアの環境状態をモニタリングするための適切なシステムを制定することを 
  怠った。 
貴社の無菌処理(ISO5)エリアの環境モニタリングプログラムは不完全である。 
例えば、貴社のSOP FF21017“充填と最終工程に関する作業の環境モニタリング”は、作業中のISO 5 
のアクティブな空気のモニタリングが欠けていた。貴社は回答の中で、製造作業中のモニタリングを 
含む最新の手順を提出した。 
この文書への回答の中で、貴社の環境モニタリグプログラムに行った改善の状態と、貴社のプログラム 
が、無菌処理環境が管理されている状態にあるかどうかを確実に評価できることを保証するためのCAPA 
の効果の評価を述べよ。 
●コンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。特に、コンサルタントは、貴社の調査と傾向、無菌工程ラインの危険、 
培地充填プログラム、アメリカ向けに製造されたバッチの品質を包括的に評価しなければならない。 
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の 
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。 
●結論 
この文書で言及した違反は包括的なリストとしては表されていない。貴社は、これらの違反の調査、 
原因の特定、再発の防止、貴社の全ての設備内でのその他の違反の防止に責任を負う。 
貴社が全ての違反を完全に是正し、我々が、貴社がCGMPに準拠していることを確認するまで、FDAは 
いかなる新しい申請や医薬品製造者としての貴社の追補リストの承認を保留する。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm594395.htm

■WL:320-18-30 韓国の製造所の査察(2017/9/18~2017/9/22)でみつかった医薬品製造における重大 
なCGMP違反に関する2018/2/2付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、製品の各バッチに関し、出荷前に、各有効成分の同一性、力価を含む最終規格に十分に 
  一致するという試験室の判断を怠った。 
貴社はOTC医薬品XXが規格(例:力価)に一致することを裏付けるデータもなく出荷した。我々の査察官 
が貴社のOTC医薬品の5バッチの記録をレビュ中、これらの製品が出荷可能であることを裏付ける分析 
データを提供できなかった。貴社の試験室の職員の1人も、貴社は出荷前に最終製品の全てのロットの 
試験をしなかったと述べた。 
2.貴社は、制定した規格や標準に一致することを保証するために、全ての必要な試験から得られる完全 
  なデータが含まれる試験室の記録を確実に保管しなかった。 
我々の査察官は、試験室の記録を変造した多数の例を記録した。貴社の品質管理試験室の従業員は、 
自分が電子のラボデータを操作して試験をしていない最終製品に関するラボデータをねつ造したと 
述べた。例えば彼は前に試験した製品の試験結果に関するファイル名を変更し、他のロットの結果を 
反映させた。貴社は、OTC医薬品XXの力価を判断するために、この偽造したラボデータを使用した。 
貴社の回答は、貴社の品質保証マネージャが試験室の分析者に、データを操作し、偽造し、改ざん 
するよう指示したと述べた。 
3.貴社の品質管理部門は、バッチがリリースまたは出荷される前に、制定し承認された手順に従う 
  ことを判断するために全ての製造と管理の記録をレビュし承認することを怠った。 
貴社のOTCの日焼け防止薬XXは、有効成分XXを含む。貴社のロットXXのバッチ製造記録は、機器で 
みつけたデータに合わない有効成分の濃度の値を含んでいた。貴社は、規格内に収まるように有効性 
を計算するために、バッチの記録内で報告された不正確なデータを使用し、貴社は出荷をするために 
これらの不正確な結果を信頼した。しかし、同じ計算をするために、バッチの記録の代わりに機器の 
データを使用した場合、そのロットは、XXの有効成分に関してOOSだった。貴社の品質部門は、この 
ロットを出荷する前にこの食い違いを確認しなかった。 
4.貴社は、権限を与えられた人員のみが製造指図記録書の原本やその他の記録を変更をすることを 
  保証するようコンピュータや関連システムの適切な管理を実施することを怠った。 
出荷の目的で分析データを生成するために使用されている試験室の装置は、アクセス制限が不足して 
いた。例えば、分析者は、ユーザ名とパスワードを共有し、全てのユーザは高速液体クロマトグラフィ 
やガスクロマトグラフィの装置のファイルを消去したり変更したりすることが許された管理者権限を 
持っていた。貴社は、コンピュータ化システムによって生成されたデータを変更・訂正・修正した個人
のトレーサビリティを容易にするためのしくみを持っていなかった。 
5.貴社は、成分、製品容器、蓋、中間材料、ラベル、医薬品が、同一性、力価、品質、純度の規格に 
  従うことを保証するために定める科学的に合理的で適切な規格、標準、サンプリング計画、試験 
  手順を含む試験室の管理手段を制定することを怠った。 
我々査察官は、米国薬局方(USP)を使用したアメリカ向け製品の製造に使用する有効成分の試験を 
怠っていることを発見した。貴社の規格は、USPで定めた上限値より高い不純物を認めている。 
●コンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務 
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する 
責任が残る。 
●データ・インテグリティの改善 
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性 
を適切に保証していない。我々は、貴社が貴社の作業を監査し、FDA要件を満たすことを支援するコン 
サルタントを使用することを認める。 
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。 
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査 
調査には下記を含めよ。 
・調査手順と方法論の詳細、アセスメントの対象となる全ての試験室・製造作業・システムの概要、 
 貴社が除外を検討している作業の正当性を示す理由 
・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接 
 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。 
・貴社の設備におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント 
 データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。 
 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、全ての設備の操作を述べよ。 
・試験及び製造のデータ・インテグリティの欠陥の性質についての総合的な回顧的評価 
 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識をもった適格な第三者が、すべてのデータ・ 
 インテグリティの欠陥について評価することを推奨する。 
B.貴社の薬の品質で発見された問題に関する影響の可能性についての現在のリスクアセスメント 
アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者 
のリスクと、継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。 
C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理の戦略 
貴社の戦略には下記のことを含めよ。 
・分析データ、製造記録、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性 
 と網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた是正処置計画の詳細 
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに釣り合うことを 
 示すエビデンスを含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述 
 データ・インテグリティの欠落に責任のある個人が、貴社のCGMP関連または薬の申請データに依然 
 影響を与えるかどうかを示すこと。 
・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラムへの 
 ロットの追加、薬の申請の活動、苦情のモニタリングの強化のような、患者を保護し、貴社の薬の 
 品質を保証するためにとられた処置、及び、これから取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段 
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、工程、方法、管理、システム、 
 経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の配置の改善)の強化を述べた長期的手段 
・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告 
●結論 
FDAは2018年1月8日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm595755.htm

■WL:320-18-31 中国の製造所の査察(2017/4/10~2017/4/14)でみつかった医薬品製造における 
重大なCGMP違反に関する2018/2/7付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、好ましくない細菌を含まないことが求められる製品の各バッチについて、必要に応じて 
  適切な試験室の試験をしていない。 
貴社は貴社のOTC医薬品XXを、適切な試験を実施せずに出荷した。貴社は、出荷と販売に先立ち 
各バッチの試験を実施しなかった。貴社の手順は、1ロットを6ヶ月に1度試験をすることを認めていた。 
各バッチの試験をせずに、出荷前に全てのバッチが規格に一致するという科学的なエビデンスを持って 
いない。 
2.貴社は、さまざまな供給者から得る有効成分や添加剤を含む成分の同一性を保証することを怠った。 
貴社は、貴社のOTC医薬品の製造に使用する、入荷した添加剤を含む成分について、製造で使用する 
前に、その同一性を判断するために適切に試験することを怠った。貴社は回答の中で、入荷した 
有効成分のロットの一部のみ試験したと述べた。貴社は、入荷した成分の全てのロットについて、 
リリース前に品質部門により、同一性の試験をしなければならない。 
3.貴社は、すべての成分、製品容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が、合格か不合格を判断する 
  責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。 
貴社の品質管理部門は、その責任を効果的に果たしていなかった。例えば、貴社の品質管理部門は、 
有効成分、包装材料、表示材料を含む原材料が、貴社のOTC医薬品の製造に使用される前に適合性を 
保証するための合格判定をすることを怠った。さらに、貴社の品質部門はバッチの製造記録やXXの 
記録などを、OTC医薬品の出荷前にレビュすることを怠った。 
●不適切な回答 
貴社の2017年5月7日のFDAの査察に対する回答は不適切だった。貴社は、貴社の作業がCGMPに完全に 
準拠するためにとった是正処置の十分なエビデンスを提供しなかった。 
この文書への回答の中で、次のことを提出せよ。 
アメリカ市場に出荷された全てのOTC医薬品のバッチが微生物の総数と好ましくない微生物に関する 
 試験がされることを保証するための貴社の計画 
・アメリカに販売された使用期限内の全てのバッチについて、好ましくない微生物の汚染がないか 
 どうか判断するために早急に試験するための貴社の計画 
・すべての入荷成分に関するサンプリングと試験の詳細な計画 
・貴社の品質部門の手順の詳細 
以前に出荷され使用期限内のバッチに関するすべての記録のレビュに関する貴社の計画 
・全てのCGMP要件の順守に関する徹底的なアセスメントと、完全な改善を確実にするための是正処置 
 及び予防処置 
●品質部門の権限 
この文書の中にある重大な査察での発見は、貴社の品質部門が完全にその責任を果たせていないこと 
を示している。貴社は、その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するための適切な権限、 
十分な資源と職員を品質管理部門に提供しなければならない。 
●受託業者としての責任 
医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、製造所、試験 
ラボ、包装業者、ラベル業者などの独立した受託業者を使用していることを知っている。FDAは、 
受託業者を製造業者の延長とみなしている。貴社は、製造業者との契約があるかどうかに関わらず、 
契約製造所として貴社の製造する医薬品の品質に責任がある。貴社は、安全性、同一性、力価、品質、 
純度を確保するために医薬品が連邦食品・医薬品・化粧品法に従って作られていることを保証する必要 
がある。 
●コンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務 
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する 
責任が残る。 
●化粧品の懸念事項 
さらに、貴社の製造所でみつかった状態では、貴社の化粧品にも不純物が混じりうる。 
●結論 
FDAは2017年9月14日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm597899.htm

■WL:320-18-32 スペインの製造所の査察(2017/5/29~2017/5/31)でみつかった医薬品製造における 
重大なCGMP違反に関する2018/2/12付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、製品の各バッチに関し、出荷前に、各有効成分の同一性、力価を含む最終規格に十分に 
  一致するという試験室の判断を怠った。 
貴社は、貴社のOTC医薬品を有効成分の同一性や力価を試験せずに出荷した。試験は、貴社が製造した 
製品が、それらが持つとされる化学的、生物的属性に関して制定された規格を満たすことを保証する 
ために不可欠である。 
2.貴社は医薬品の各成分の同一性を検証するために少なくとも1試験を実施することを怠った。 
  貴社は、供給者の試験結果を適切な間隔でバリデーションすることを通じて、貴社が試験を実施 
  する代わりに貴社が信頼する供給者の成分分析の信頼性を規定することを怠った。 
貴社は、入荷する、OTC医薬品の製造に使用される有効成分やその他の成分について、その同一性、 
純度、力価、その他の品質特性について判断するための試験を怠った。代わりに貴社は、適格性が 
評価されていない供給者の分析証明書をもっぱら信用した。 
さらに、貴社はXXを使っていくつかの製品を製造するが、この入荷した成分について同一性試験を 
実施しなかった。貴社は、XXまたはXXがXXに関する米国薬局方(USP)の適切な範囲内にあるかどうか 
を判断することを怠った。XXの医薬品への汚染は、世界中で人の致死的な中毒事件を引き起こした。 
3.貴社は医薬品の安定性を評価するための適切に文書化された試験プログラムに従わず、安定性試験 
  の結果を適切な保管条件と有効期限を判断するために使用することを怠った。 
貴社の安定性プログラムは不適切である。貴社はXXの使用期限を裏付けるいくつかのデータを持って 
いるが、このデータは、有効成分に関する試験を含んでいないため不十分である。貴社は、また、 
貴社のOTC医薬品の化学及び物理的性質が貴社の主張する使用期間を通じて許容範囲にあり続ける 
ことを示すのを怠った。 
4.貴社は、貴社の製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、力価、品質、純度を持つことを 
  保証するための文書化された製造と工程管理の手順を制定することを怠った。 
貴社は、貴社のOTC医薬品を製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は、 
工程の適格性評価を実施せず、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための工程管理 
のモニタリングの継続的なプログラムに欠けていた。 
さらに、貴社のバッチの製造記録は、貴社の製造工程の再現性を保証するための十分な指図に欠けて 
いた。貴社の手順は、XXの時間やXXのスピードやバルクの保持時間のような工程パラメータの定義を 
含んでいない。貴社は、貴社の製造工程の手順を文書化するための適切な記録を持ち、それらがずっと 
管理されていることを示さなければならない。 
●不適切な回答 
貴社のFDAの査察に対する回答は、貴社がCGMPへの準拠を保証するために作業を改善するつもりである 
という十分な詳細やエビデンスを提供しなかった。 
この文書への回答の中で、下記のことを提出せよ。 
・出荷前に化学及び微生物学的特性を含む、製品の各バッチを分析するために使用する試験方法と規格 
 使用期限内のアメリカ市場向けのOTC医薬品の全てのバッチの完全な試験から得られる全ての試験結果 
 のサマリを含めよ。 
・有効成分の同一性、力価、微生物の総数と好ましくない微生物に関する試験を含むその他の品質特性 
 に関する、アメリカ市場向けの製品の日付順の試験のタイムライン 
 もし、リリース試験の結果にOOSが見つかった出荷バッチを見つけたら、顧客への通知や製品回収の
 ような貴社がとる予定の是正処置を示せ。 
・すべての入荷成分に関するバッチリリース規格 
 入荷した成分の各バッチについて貴社が実施する予定の試験を述べよ。 
・入荷した各成分について、供給者の分析証明書をバリデートするために実施する全ての試験から得ら 
 れる試験結果のサマリ 
 入荷した成分の各ロットの同一性を保証するために貴社が実施する試験の手順を含めよ。 
貴社がXXの全てのロットを試験することを保証するための貴社の手順 
 使用期限内のアメリカ市場向けのXXを含む全てのOTC医薬品の現在のリスクアセスメントを提出せよ。 
 XXとXXに関するこれらのロットの保存サンプルの試験結果を提出せよ。 
適切な安定性試験によって裏付けされていない使用期限内のアメリカ市場向けOTC医薬品の現在の 
 リスクアセスメント 
・貴社の各製品に関する工程の性能適格性評価のタイムライン 
 バリデーションが完了前のアメリカ市場に販売されたいかなる医薬品についても、貴社が製造し販売 
 を続ける医薬品の品質を保証するための暫定的な計画を提出せよ。バッチ間とバッチ内のばらつきを 
 定期的にモニタリングするための貴社のアプローチの詳細を提出せよ。 
●コンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を 
軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が 
残る。 
●結論 
FDAは2017年10月12日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm597084.htm

■WL:320-18-34 韓国の製造所の査察(2017/7/31~2017/8/4)でみつかった医薬品製造における重大 
なCGMP違反に関する2018/2/14付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、貴社の製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、力価、品質、純度を持つことを 
  保証するための文書化された製造と工程管理の手順を制定することを怠った。 
貴社は、貴社のOTC医薬品を製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は工程 
の適格性評価を実施していなかった。貴社はまた、安定した製造作業と一貫した製品品質を保証する 
ために工程管理をモニタリングするための継続的なプログラムに欠けている。 
2.貴社は、成分、製品容器、蓋、中間材料、ラベル、医薬品が、同一性、力価、品質、純度の規格に従 
  うことを保証するために定める科学的に合理的で適切な仕様、規格、サンプリング計画、試験手順を 
  含む試験室の管理手段を制定することを怠った。 
貴社は貴社の試験方法をバリデートすること、原材料及び最終製品のサンプリング手順を制定すること、 
OTC医薬品の微生物試験に用いる培地の成長促進試験を実施することを怠った。 
3.貴社は装置の洗浄及びメンテナンスに関する適切に文書化された手順を制定することを怠った。 
貴社は、貴社の洗浄手順が専用製造装置の交差汚染を防ぐために適切であることを保証するための洗浄 
バリデーションを実施していなかった。 
4.貴社は、医薬品の安定性を評価するための文書化された試験プログラムを制定することを怠り、 
  適切な保管条件と使用期限を決定するために安定性試験の結果を使用することを怠った。 
貴社の安定性試験は、貴社の製造したOTC医薬品がラベルに表示された使用期間を通して規格内にある 
ことを保証するのに不十分である。 
●コンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサル 
タントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務 
を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する 
責任が残る。 
●結論 
FDAは2017年12月27日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm597518.htm


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まとめ 
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いかがでしたでしょうか。 
今回取り上げたウォーニングレターの内容を見ると、取り上げた5件とも、コンサルタントを使用して 
CGMP要件を順守するための改善にとりくむことが推奨されていました。 
“コンサルタントの推奨”は、最近のウォーニングレターの末尾によくみかける文言です。 
この文言が登場するということは、製薬会社が自分で改善するのは難しいと判断されたということ 
なのでしょうが、中小の製薬会社がコンサルタントに頼んで改善に取り組むというのは、資金的 
にも時間的にも相当大きな負担になると思います。 
あらためて、FDAの査察で指摘を受けないような、規制に合致した手順の制定と、その順守の必要性 
を感じました。


☆次回は、5/1(火)に配信させていただきます。

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