ASTROM通信バックナンバー

2018.06.29

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<149号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~ 

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

蒸し暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回も前回に引き続き、最近FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から出たウォーニングレター 
(4件)について取り上げたいと思います。

アメリカ市場に輸出がありFDAの査察を受ける機会のある会社様はもちろん、それ以外の会社様も、どん 
なことでGMP上の指摘を受ける可能性があるのかをご確認いただき、参考にしていただければと思います。


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最近のウォーニングレターの概要   
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。 
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■WL:320-18-50 インドの製造所の査察(2017/10/30~2017/11/3)でみつかった原薬製造における重大な 
CGMP違反に関する2018/5/9付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.分析方法のバリデートと検証の不履行 
貴社は、貴社の分析方法のバリデーションまたは検証の文書作成が欠けていた。 
また、我々の査察官は、“PDトライアル”というフォルダ内に分析データを発見した。そのフォルダは、 
通常は製品開発用だったが、原薬のバッチデータを含んでいて、その結果は、試験結果の記録とかなり 
違っているように見えた。 
貴社は回答の中で、2018年2月までに方法のバリデーションを終え、市場に出荷されたバッチの影響の評価 
を実施することを約束した。 
アメリカのサプライチェイン用原薬の今後のバッチの試験に関し、バリデートされた(または検証された) 
方法だけを使用するとした改訂手順を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。また、貴社は、 
方法の検証/バリデーションのいかなる改訂も影響評価も提出しなかった。 
この文書への回答の中で、下記のものを提出せよ。 
製品出荷で使用されるすべての分析方法のバリデーション及び検証のサマリ 
・出荷されたバッチの影響評価のサマリ 
・バリデーション/検証の要件の点で改善された手順及び改訂された分析方法 
・貴社の試験室の手順、方法、装置、分析者の能力に関する包括的で独立したレビュ 
 このレビュに基づき、貴社の試験室のシステムを完全に改善するための詳細な是正処置・予防処置 
 (CAPA)の詳細を提出せよ。 
・下の“データ・インテグリティの改善”で要求された全体的なCAPA計画 
2.許可されないアクセスやデータの変更を防ぐためのコンピュータ化システムの十分な管理の不実施及び 
  データの削除を防ぐための適切な管理の不実施 
我々査察官は、HPLCシステムを含む原薬の品質管理試験に使用している装置で、監査証跡機能が無効にされ 
ているのを発見した。また、貴社の分析システムは、ユーザが電子データを削除または変更することを防ぐ 
ための管理が欠けていた。 
例えば、貴社の分析試験をも行う品質保証の管理者は、各システムの管理者権限を持っていた。 
貴社は回答の中で、2018年3月31日までに、監査証跡、データの制限、ユーザのアクセス管理の設定とともに、 
全コンピュータ化システムのバリデーションを実施することを約束した。 
貴社の回答は、暫定的な管理方法や、管理に関する手続きの変更や、分析データのレビュを含んでいなかっ 
たので、不十分である。また、貴社は、誰がCGMPの品質管理試験に使用される分析装置のシステムにおける 
管理者権限を持つかを特定しなかった。 
この文書への回答の中で、 
データの削除や変更を防ぐための暫定的な管理の概要を提出せよ。 
分析装置やデータへのアクセス権限を持つ職員の役割と責任を定義せよ。 
・全ての品質管理試験が、分析者により実施され、別の個人による二番目のレビュ(管理者による)を受ける 
 ことを保証する標準操作手順書(SOP)を提出せよ。 
・各分析システムに関連するユーザの権限を詳しく述べよ。 
貴社の手続きの改訂および関連するユーザの役割分担や管理に関する訓練を記述した概要を提出せよ。 
・監査証跡データのレビュに関する詳細の手順を提出せよ。 
3.装置の洗浄と保全に関する文書化された手順の適切なバリデートの不履行 
貴社は、装置の洗浄バリデーションを完了する前に、多品種を扱う装置を使用して製造された原薬をアメリカ 
市場に出荷した。また、貴社は、最悪のケースとみなされた製品に関する洗浄方法の評価を含まず、アメリカ 
向け原薬の出荷後に終えた洗浄バリデーション報告書を提出した。適切な洗浄バリデーションなしに、貴社は 
同じ装置で製造した他の原薬との交差汚染を防ぐことを保証できない。 
貴社は回答の中で、洗浄後のゆすぎ水のサンプルと貴社の原薬のサンプルは規格内にあると述べた。また貴社 
は今後、アメリカ市場へ出荷する前に、承認された洗浄バリデーション手順を使って洗浄バリデーションを 
実施すると述べた。 
製品の出荷時に最初に限って使用されたサンプリング方法に関する文書や論理的根拠を提出しなかったので、 
貴社の回答は、不十分である。また、貴社は、最悪のケースの状態を代表するとみなされる原薬に関する洗浄 
方法の評価に取り組まず、詳細の是正処置・予防処置(CAPA)について回答しなかった。 
この文書への回答の中で、下記のことを含む貴社の洗浄バリデーションと洗浄手順に関する包括的なCAPAの 
計画を提出せよ。 
・洗浄バリデーションを実施する前に、原薬、ゆすぎ、スワブのサンプルの規格に関する科学的な論理的 
 根拠 
・最悪のケースを含む改訂された洗浄バリデーション手順のサマリ 
 これには、最も高い毒性を持つ医薬品、洗浄の溶媒に対して最も低い溶解度をもつ医薬品、洗浄が最も 
 難しい装置の場所の洗浄の評価を含めよ。 
・新しい製品・工程・装置の洗浄手順の検証とバリデーションに関し適切なプログラムを保証するために改訂 
 されたSOPのサマリ 
●CGMPコンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタントを 
雇うことを強く勧める。このコンサルタントは、貴社のコンプライアンス状態の解決をする前に、提案された 
CAPAの評価をすべきである。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する 
ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。 
●データ・インテグリティの改善 
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に 
保証していない。この文書への回答において、次の情報を提供せよ。 
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査 
B.貴社の薬の品質で発見された不十分な手順に関する潜在的な影響についての現在のリスクアセスメント 
  アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者の 
  リスクと、継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。 
C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理の戦略 
●結論 
FDAは2018年3月30日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm607583.htm

■WL:320-18-51 中国の製造所の査察(2017/11/7~2017/11/10)でみつかった原薬製造における重大なCGMP 
違反に関する2018/5/14付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.逸脱とOOSの結果の文書化と、徹底的な調査の不履行 
〇文書化されていない製造の逸脱 
貴社は、製造工程の逸脱を文書化し、全てのクリティカルな工程の逸脱が調査され解決されること確実に 
実施することを怠った。我々査察官は、作業の違反XXと作業者が50元の罰金を科せられたと述べた 
メモをバッチの記録の中でみつけた。正式な逸脱報告は文書化されていなかった。貴社は、この逸脱の製品 
品質への影響を調査することを怠り、プロセスパラメータの重大性の評価も怠った。 
貴社の回答は、作業者がXXの手順を違反したと述べた。なぜ作業者が手順に従わなかったかを述べていない 
ので、貴社の回答は不十分である。また、貴社は、全ての逸脱が文書化され、重大な逸脱は要求された通り 
に調査されることをいかに保証するかを説明していなかった。 
〇試験室の二重の記録と、調査されていなOOSの結果 
査察官は、貴社が試験室におけるOOSの結果の文書化、調査、解決を怠っていることを発見した。査察官は、 
4つのXXのバッチと5つのXXのバッチについて、二重の試験記録があり、1つはOOSの結果を含み、もう1つは 
規格内の結果であることを確認した。貴社は、合格の結果を裏付けるエビデンスを提供できなかった。また 
貴社は、OOSの結果に関する調査の実施を怠った。貴社の品質部門は、査察中、この行為を認めた。 
貴社は回答の中で、これらの逸脱の調査の不履行は、職員のCGMPの知識の不足によると述べた。貴社は、 
リテストの結果と、改訂した“Out-Of-Trend(OOT)管理手順”を提出した。貴社は、OOSの結果の代わりに 
OOTの結果に対処し、もともとのOOT/OOSの結果の調査を提出していないので、貴社の回答は不十分である。 
また、貴社は、OOSの結果の根本原因の特定を怠っていた。 
2.不正なアクセスやデータの変更を防ぐためのコンピュータ化システムの十分な管理の不足及びデータの 
  削除を防ぐための適切な管理の不足 
査察官は、貴社のスタンドアロンの機器(XXのHPLCシステム、XXのガスクロマトグラフィシステム、XXの 
赤外線放射システム)の監査証跡が利用できないことを発見した。また、貴社は、これらの機器で行われた 
データの変更を記録したりモニタリングしたりするための他の仕組みも持っていなかった。貴社は、これら 
の機器から得た電子データのバックアップをポータブル・ドライブXXにとっていた。しかし、そのドライブ 
はパスワードで保護されておらず、鍵のかからないオフィスの鍵のかからない引き出しに保管されていた。 
査察官は、作業者達が、ファイルを変更したり削除したりする権限を含むシステムの許可をもっていること 
を発見した。例えば、査察官は、HPLCシステムにつながったコンピュータのごみ箱フォルダの中でシステム 
の適合性試験に関するファイルを発見した。 
貴社は回答の中で、貴社のクロマトグラフィシステムを、監査証跡付きのソフトウエアのバージョンに 
アップグレードすることを約束した。貴社がいかにデータへのアクセスや変更を制限するかを示すための、 
適切な手順や最新コンピュータシステムの詳細を提供しなかったので、貴社の回答は不十分である。 
3.作業が実施された時に記録することの不履行 
査察官は、実施と同時に製造作業を記録することを怠っている多数の例を発見した。例えば、査察官は、 
貴社の作業者により事前にサインされ、部分的に完成され、正当化の理由もなく鉛筆でデータが変更された 
製造記録を発見した。また、査察官は、1つは1人の作業者により部分的に埋められ、もう1つは異なる 
作業者により完成された、XXのバッチXXに関する2つの製造記録を発見した。 
貴社は回答の中で、これらの不備は品質保証部門の監督の不足によると述べた。貴社はなぜ品質部門が同時 
の文書化や適切は監督の実施が確実にされていなかを説明しなかったので、貴社の回答は不十分である。 
●データ・インテグリティの改善 
この文書内の重大な調査結果は、貴社の品質部門が、その権限及び/または責任を完全に果たすことができ 
ないことを示している。貴社は、適切な権限、十分なリソース、その責任を実行し、薬の品質を一貫して 
保証するのに適格な職員備えなければならない。貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、 
効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に保証していない。我々は、貴社の改善を支援する 
適切なコンサルタントを使用することを認める。 
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。 
A.データの記録と報告における不正確さの範囲に対する包括的な調査 
調査には下記を含めよ。 
・調査手順と方法論の詳細:アセスメントの対象となる全ての試験室・製造作業・システムの概要、貴社 
 が除外を検討している作業の正当性を示す理由 
・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接 
 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。 
・貴社の設備におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント 
 データの省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。 
 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、全ての設備の操作を述べよ。 
・試験、製造、その他のデータ・インテグリティの欠陥の性質についての包括的な回顧的評価 
 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識をもった適格な第三者が、すべてのデータ・インテ 
 グリティの欠陥について評価することを推奨する。 
B.貴社の薬の品質で発見された問題に関する影響の可能性についての現在のリスクアセスメント 
  アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こされた患者 
  のリスクと、継続的な操作によるリスクの分析を含めるべきである。 
C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理の戦略 
貴社の戦略には下記のことを含めよ。 
・分析データ、製造記録、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性と 
 網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた是正処置計画の詳細 
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに釣り合うことを示す 
 エビデンスを含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述 
 データ・インテグリティの欠落に責任のある個人が、貴社のCGMP関連または薬の申請データに依然影響 
 を与えるかどうかを示すこと。 
・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラムへのロット 
 の追加、薬の申請の活動、苦情のモニタリングの強化のような、患者を保護し、貴社の薬の品質を 
 保証するためにとられた処置、及び、これから取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段 
・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、工程、方法、管理、システム、 
 経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の改善)の強化を述べた長期的手段 
・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告 
●結論 
FDAは2018年3月1日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm608713.htm

■WL:320-18-52 アイルランドの製造所の査察(2017/10/31~2017/11/3)でみつかった医薬品製造における 
重大なCGMP違反に関する2018/5/16付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、各成分のサンプルが、同一性、純度、力価、品質に関して適切に文書化された規格と一致 
  することを試験することを怠った。 
貴社は、貴社のXX用OTC医薬品XXジェルの原料としてグリセリンを使用する。貴社は供給者から得た 
グリセリンの原材料の複数ロットについて、医薬品の製造用に使用許可をする前にジエチレン・グリコール 
(DEG)とエチレン・グリコール(EG)の存在に関する分析を怠った。グリセリン内のDEGの汚染は、世界中の 
人に様々な致死性の事件を引き起こしてきている。 
さらに、貴社は入荷した原薬XX、OTC医薬品XXジェルに使用するその他の原料について、製造に使用する前 
に同一性試験を含んだ、各成分が全ての規格を満たすことを保証するための試験を怠った。 
貴社は回答の中で、貴社が原料の供給者に、米国薬局方の抄録にのっていないことを問い合わせ、これらの 
原料の試験方法の情報を収集し評価したと述べた。 
貴社は、製造業者として、医薬品の製造のリリース前に全ての成分のロットの特定の同一性試験を実施する 
責任を持っているので、貴社の回答は不十分である。また、貴社は、製造に使用する前に、全ての原料の 
ロットが規格を満たすことを保証するための暫定的はアクションについて述べなかった。たとえば、貴社の 
グリセリンを含む製品について、XXの投与を目的とした医薬品の製造に使用されるグリセリンの全ての 
ロットにDEGまたはEGが存在するかどうかについて取り組まなかった。 
この文書への回答の中で、 
初期及び継続的に貴社が供給者の適格性をどう評価するかに関する文書化された手順を提供せよ。 
 入荷した成分の各ロットの全ての属性について試験をするつもりかどうかを述べよ。その代わりに、 
 もし貴社が供給者の分析証明に頼るつもりであれば、いかに貴社が定期的に各供給者の試験結果を検証 
 するかの詳細を提出せよ。また、同一性に関しては全ての入荷した成分の試験をするという約束を含めよ。 
・グリセリンを含み、アメリカ市場にある使用期限内の医薬品の詳細のリスクアセスメントを提出せよ。 
 全てのロットの保管サンプルについて、DEGとEGの試験を実施せよ。もしOOSの結果のバッチを出荷したこと 
 を発見したら、顧客への通知や製品回収のような、貴社がとるつもりの是正処置について示せ。 
・貴社の試験室の手順、方法、装置、分析者の能力についての包括的で独立したレビュを提出せよ。この 
 レビュに基づき、貴社の試験室のシステムを完全に改善するための詳細の是正処置と予防処置を提出せよ。 
2.貴社は、貴社が製造する医薬品が、それらが持つとされている同一性、力価、品質、純度を持つことを 
  保証するために設計された工程管理に関する適切に文書化した手順を制定することを怠った。また、 
  貴社の品質管理部門は、それらの手順を、変更を含め、レビュし承認することを怠った。 
貴社は、OTC医薬品のXXジェルに関するプロセスバリデーションをすることを怠った。貴社は、貴社の製造 
工程が再現可能で、均一の性質と品質をもつ医薬品を一貫して製造するために管理されていることを示さ 
なかった。 
我々は、その後の回答で、貴社がOTC医薬品のXXジェルの製造をやめたことを知っている。貴社は、 
“大規模なバリデーション活動の中に、プロセスバリデーションを組み込むことは、契約上も商業的にも 
実行可能でない。”とも述べた。 
貴社は、バリデートされていない工程を使って製造した、現在アメリカ市場にある製品について対処して 
いないので、貴社の回答は受け入れられない。もし、貴社がアメリカ市場向けの製品を製造するならば、 
貴社は、全ての医薬品を販売する前に、それが信頼できて再現可能であることを保証するために製造工程 
をバリデートしなければならない。 
貴社にはプロセスバリデーションのプログラムが欠けている。プロセスバリデーションは、そのライフ 
サイクルを通じて、工程の設計と管理の状態の安定性を評価する。製造工程の重要な各段階は、投入原料、 
中間材料、最終製品の品質を保証するために設計されなければならない。工程の適格性評価の研究は、 
初期の管理状態が定着したかどうかを判断するために行われなければならない。商業的な販売の前に、 
工程の適格性評価の達成が必要である。その後、貴社が製品のライフサイクルを通じて安定した製造作業 
を維持していることを保証するために、工程の性能と製品品質の継続的で慎重な管理が必要である。 
もし貴社がアメリカ市場向けの製品の製造を再開するつもりがあるのであれば、この文書への回答の中で、 
バリデーション/検証の条件、改訂された分析の方法、バリデーションの計画に関する改善された手順を 
提出せよ。 
●受託業者としての責任 
医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、製造設備、試験機関、 
包装業者、ラベル業者などの独立した受託業者を使用していることを知っている。FDAは、受託業者を 
製造業者の延長としてみなす。 
貴社と貴社の顧客XXは、OTC医薬品XXジェルの製造に関する品質協定を結んでいる。貴社には、プロダクト 
オーナーとの契約があるかどうかに関わらず、受託設備として、貴社が製造した医薬品の品質に関する責任 
がある。貴社には、医薬品が連邦食品・医薬品・化粧品法に従って製造されたことを保証することが求め 
られる。 
●CGMPコンサルタントの推奨 
我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMP要件を満たす手助けをする適格なコンサルタント 
を雇うことを強く勧める。第三者が貴社のCGMPを遵守に関し、貴社の作業における各システムを包括的に 
監査するべきである。貴社のコンプライアンス状態の解決をする前に、貴社の是正処置及び予防処置は、 
秩序立った改善の保証を助けるために、第三者によって評価されるべきである。貴社のコンサルタントの 
使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を 
解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。 
●結論 
FDAは2018年2月22日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm607950.htm

■WL:320-18-53 韓国の製造所の査察(2017/9/25~2017/9/28)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP 
違反に関する2018/5/18付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。 
1.貴社は、バッチがすでに販売されたかどうかに関わらず、バッチやその成分、規格への説明のつかない 
不一致や不具合を徹底的に調査することを怠った。 
貴社は、貴社のOTC医薬品XXクリームの分析試験のOOS(Out-of-Specification)の結果を徹底的に調査する 
ことを怠った。貴社は、サンプルを再試験し、いかなる科学的で正当な根拠もなく、OOSの結果を取り消した。 
貴社は、これらのロットを2017年9月にアメリカ市場に出荷した。 
貴社は回答の中で、貴社の分析者が、OOSチェックリストの手順に従うことを怠ったと述べた。貴社は適用する 
手順を改訂し、分析者を再訓練することを約束した。 
科学的で正当な根拠もなく取り消された全てのOOSの結果の回顧的評価を含む調査の範囲を広げなかったので、 
貴社の回答は不十分である。貴社はもともとのOOSの結果の根本原因を判断せず、なぜ、貴社の分析者が手順 
に従うことを怠ったのか説明しなかった。 
この文書への回答の中で、アメリカ市場に販売された製品の、取り消された全てのOOSの結果の回顧的レビュ 
の概要の報告を提出せよ。もし、貴社の調査で貴社が規格に合わない製品を出荷したことが明らかになったら、 
貴社がとった、もしくはとろうとしている顧客への通知または製品の回収のような、是正処置について述べよ。 
2.貴社では、品質管理部門に適用する文書化した手順に従うことを怠った。 
貴社は、貴社の従業員が、文書や記録を廃棄する前に品質管理部門が承認することを求めた文書化された手順 
“文書管理SOP KO-3 Rev.9”に確実に従うことを怠った。我々の査察官は、バッチの製造指図記録、分析 
証明書、試験室のワークシートを含む文書や記録が、文書化された品質管理部門の承認なしに破られ捨てられ 
ていることを発見した。 
貴社は回答の中で、貴社の職員はCGMPに準拠した文書管理の手続きや手順を十分に学んでいないことを認めた。 
貴社の回答は、不十分はCGMPの手順を廃止し、上で触れた問題に取り組むための計画を明らかにしたが、貴社 
の訓練プログラムの有効性に取り組まなかったので不十分である。 
この文書への回答の中で、下記のものを提出せよ。 
・貴社の訓練プログラムの有効性の評価に関する詳細な計画 
文書化手順が不十分かどうかを判断するための貴社の製造及び試験室の作業を通じて使われている文書化 
 のシステムの完全な評価 
 文書化の手順を包括的に改善し、貴社が完全で正確な記録を確実に保持するための詳細のCAPA(是正処置 
 ・予防処置)の計画を含めよ。 
●結論 
この文書で言及した違反は包括的なリストとしては表されていない。貴社は、これらの違反の調査、原因の 
特定、再発の防止、その他の違反の防止に責任を負う。 
貴社が全ての違反を完全に是正し、我々が、貴社がCGMPに準拠していることを確認するまで、FDAはいかなる 
新しい申請や医薬品製造者としての貴社の追補リストの承認を保留する。 
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm609136.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
まとめ 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
いかがでしたでしょうか。 
4件のうち2件はデータ・インテグリティ関連の指摘で、コンピュータ化システムのアクセス制限の不足、 
監査証跡がとれていないことが挙げられていました。 
しかし、今回興味深かったのは、3件目のウォーニングレターでした。プロセスバリデーションをしていない 
ことを指摘された受託製造を行っている製薬会社が、“プロセスバリデーションをすることは契約上も商業的 
にもムリだ”としてアメリカ向け医薬品の製造をやめたようです。 
医薬品の受託製造を行う側は、プロセスバリデーションの実施も含め規制対応にかかるコストを考慮した金額 
の契約を結ぶ必要があること、また、委託する側も、受託業者が規制要件をクリアしてくれる条件・クリア 
するのが可能な金額で契約を結ぶ必要があることを改めて感じました。
☆次回は、7/13(金)に配信させていただきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
おしらせ 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 
現在、医薬品・化粧品・洗剤 研究・製造技術展インターフェックスジャパン(会場:東京ビッグサイト)に 
出展しています。 
昨日・一昨日、弊社ブースにお越し頂いた方、どうもありがとうございました。 
本日は最終日ですが、お時間がおありの方は、是非弊社ブースにお立ち寄りいただければ幸いです。 
ブースは、東1ホールのITソリューションゾーン【E18-30】となります。 
よろしくお願いいたします。


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