ASTROM通信バックナンバー

2018.12.28

【PIC/Sデータ・インテグリティ関連ガイドラインドラフトについて(2)】ASTROM通信<161号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

平成最後の年の瀬となってまいりましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

今回は、前回に引き続き、2018年11月30日にPIC/Sから発出された、「GMP/GDP環境でのデータ管理と
インテグリティに関する適正管理基準のガイドラインのドラフト(PI 041-1 (Draft 3))」について
見ていきたいと思います。
非常に長いガイドラインなので、本日は8章に書かれている紙ベースの運用時のデータ・インテグリティ
を取り上げます。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

出典
https://www.picscheme.org/en/news


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
PIC/S GMP/GDP環境でのデータ管理とインテグリティに関する適正管理基準のガイドラインのドラフト
GOOD PRACTICES FOR DATA MANAGEMENT AND INTEGRITY IN REGULATED GMP/GDP ENVIRONMENTS PI 041-1 (Draft 3) 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
8章      紙ベースのシステム固有のデータ・インテグリティの留意事項
8.1 医薬品品質システム(PQS)の体制と、ブランクフォーム/テンプレート/記録の管理
8.1.1 紙ベースの文書の効果的な管理は、GMP/GDPの重要な要素である。従って、文書システムはGMP/GDP要件
    に合うように設計され、文書や記録のインテグリティが維持されるように効果的な管理を保証するべき
       である。
8.1.2 紙の記録は、データのライフサイクルを通じて管理され、帰属性、判読性、同時性、原本性、正確性、
       完全性、一貫性、耐久性、利用可能性(ALCOA+)が維持されなければならない。
8.1.3 適正な文書管理基準の概要を述べた手順と文書管理の手筈は、PQSの中で利用可能であるべきである。
       これらの手順は、データ・インテグリティの手順がいかにデータのライフサイクルを通じて維持される
       かについて、以下のことを含み詳細に記述すべきである。
       ・文書と手順の原本が、使用するために、いかに作られ、レビュされ、承認されるか
       ・データを記録するために使用されるテンプレートの生成、配布、管理(原本、ログ等)
       ・記録に関する復旧と回復の手順
      ・文書のコピーの保証に特に重点を置いた、通常使用する文書の生成手順 例:SOPとブランクフォーム
         が、管理され、トレース可能な方法で、発行され、照合される
    ・いかに個々のオペレータがデータ入力フォーマットを特定するか、いかに文書への変更が記録される
     か、完成した文書が、正確性、信頼性、完全性に関し、いかに決められた通りにレビュされるかを
         詳しく記述した、紙ベースの文書の完成に関するガイドライン
    ・記録のファイリング、検索、保持、アーカイブ、廃棄の手順

8.2 記録の管理の重要性
8.2.1 GMP/GDPの作業にとって記録は重要であり、以下のことを保証するために記録の管理が必要である:
    ・実施された活動のエビデンス
    ・GMP/GDP要件と会社のポリシー、手順、作業指図の遵守のエビデンス
    ・医薬品品質システム(PQS)の効果
    ・トレーサビリティ
    ・手順の信頼性と一貫性
    ・製造された医薬品の正しい品質特性のエビデンス
       そして
    ・苦情や回収の場合、記録は調査目的で使用できる
     ・逸脱や試験の不合格の場合、記録は、効果的な調査の完了のために重要である

8.3 テンプレートの記録の生成、配布、管理
8.3.1 記録の原本の管理
記録の原本の管理は、誰かの不適切な使用や、‘通常の方法による’(すなわち専門家による不正技術の
使用を必要としない)記録の偽造が、許容可能なレベルまで減らされることを保証するために必要である。
次章の期待は、品質リスクマネジメントアプローチを使い、リスクと記録されたデータの重要性を考慮して
実施されるべきである。

8.4 記録の生成、配布、管理の期待
<生成>
1-期待
・全ての文書は、ユニークな識別番号(バージョン番号を含む)を持ち、チェックされ、承認され、サインされ、
  日付がつけられなければならない。
・管理されていない文書の使用は、部門の手順で禁止されるべきである。記録の手順の一時的な使用(例:紙の
  廃棄)は禁止すべきである。
1-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・管理されない文書の増加は、トレーサビリティがなく、これらの文書が廃棄されたり破壊されたりして、重要
  なデータの削除や紛失の可能性を増す。さらに、管理されていない記録は、重要なデータを正しく記録する
  ために設計されていないかもしれない。
・管理されていない記録を偽造することはより簡単だろう。
・記録の手順の一次的な使用は、データの削除につながる可能性があり、これらの一時的な記録は保持に関して
  明確に記述されていない。
・もし、記録が管理なく作成され、アクセスされたら、イベントの発生した時に記録がされていない可能性がある。
・バージョンの管理や発行の管理がされていなければ、廃止されたフォームを使用するリスクがある。
2-期待
・文書のデザインは、手書きのデータ入力のために十分なスペースが提供されるべきである。
2-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・手書きのデータは、もし、データの入力のためのスペースが十分でないと、はっきりしていなかったり読めな
  かったりする可能性がある。
・文書は、コメント(例:記述エラーの場合、エラーの取り消しをし、イニシャルと日付、説明のための十分な
  スペースがあるべきである)のための十分なスペースを提供するためにデザインされるべきである。
・もし、文書の完成のために、文書に追加のページが加えられたら、メインの記録のページに追加されたページ数
  と参照が明確に文書化されサインされなければならない。
・ページの裏側は通常はコピーの時に省略される可能性があるので、データはページの裏側で完成されるべきでない。
3-期待
・文書のデザインは、どのデータが入力されるものかを明確にするべきである。
3-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・不明確な指図は、一貫性のない/不完全なデータの記録につながるかもしれない。
・全ての重要なデータが記録されることの保証
・明確で同時性と耐久性(消せない/長持ちする)のある入力の保
・文書は、重要なデータがうっかり省略されるリスクを最小化するために、操作手順や関連するSOPと同じ順番で
  情報が記録されるように構築されるべきである。
4-期待
・文書は適切なバージョン管理を保証する状態で保管されるべきである。
・原本とコピーを区別するために、原本のコピーは目立つマークを含むべきである。(例:うっかりした使用を防ぐ
  ための色のついた紙やインクの使用)
・原本のコピー(コンピュータファイルでの写し)は、許可のない変更やうっかりした変更を防ぐべきである。
・例えば電子的に保管されているテンプレートのコピーについて、以下の予防策がとられるべきである。
  -テンプレート原本へのアクセスは管理されるべきである。
  -バージョンの作成と更新に関する手順の管理は、明確で、実用的に適用され、確認されるべきである。
  -文書の原本は、許可のない変更を防ぐ方法で保管されるべきである。
4-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・不適切な保管場外は、許可されていな修正、期限切れやドラフトの文書の使用を許し、原本の紛失を引き起こす
  可能性がある。
・実施前の適切な教育による手順の実施と効果的なコミュニケーションは、文書と同じくらい重要である。
<配布と管理>
1-期待
・更新されたバージョンは、タイミングよく配布されるべきである
・廃止された文書の原本やファイルは、保管庫に保管され、それらのアクセスは制限されるべきである。
・全ての発行済で未使用の物理的文書は検索されたり照合されたりするべきである。
・品質部門により許可された場合、文書の回収されたコピーは破棄されてよい。しかし、承認された文書原本の
  コピーは保管されるべきである。
1-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・もし、廃止されたバージョンが使用可能な状態の場合、誤って使用されるリスクがあるかもしれない。
2-期待
・発行は、以下の条件を含む文書化された手順により管理されるべきである。
 -誰が、いつコピーを発行したかの詳細
  -安全なスタンプの使用、または、作業場所で利用不可能という紙の色の規則、または、他の適切なシステム
  -現在承認されているバージョンのみが使用可能であることを保証すること
  -発行されたそれぞれのブランク文書にユニークな識別子を割り当てることと、記録簿での各文書の発行の記録
  -すべての配布された文書へのナンバリング(例:コピー2/2)と、綴じられた帳簿内での発行ページの連番
  -ブランクのテンプレートの追加コピーを再発行する場合、再発行に関する管理された手順に従うべきである。
  全ての配布されたコピーは保管され、追加のコピーの必要性の正当な理由と承認が記録されるべきである。
  例:オリジナルのテンプレートの記録が痛んだ。
  -全ての発行された記録は記録の正確性と完全性を保証するために、次の使用で照合されるべきである。
2-期待を満たさない場合の潜在的なリスク/チェック項目
・安全な方法が使用されないと、記録のテンプレートのコピーやスキャンがされた後にデータの書き直しや
 改ざんをされるリスクがある。
・廃止されたバージョンが意図的または間違って使用される可能性がある。
・変則のデータ入力により記入された記録は、新しく書き直された記録のテンプレートにより置き換えられる
 可能性がある。
・全ての未使用のフォームは、理由が報告され、表面を汚してボツにするか破棄するか、安全なファイルに戻さ
 れるべきである。
8.4.1 全ての承認された文書(SOP、フォーム、テンプレート及び記録)の原本のインデックスは、医薬品品質
    システムの中で保持されなければならない。このインデックスは、少なくとも以下の情報を含む、テンプ
       レートの記録のタイプ毎に述べられなければならない:タイトル、バージョン番号を含む参照番号、
       ロケーション(例:文書のデータベース、発効日、次回のレビュ日付)

8.5 使用場所での記録の使用と管理
8.5.1 記録は、使用場所でオペレータが利用可能であり、これらの記録を扱うために適切な管理が行われて
       いなければならない。これらの管理は、記録の損傷や紛失を最小化し、データ・インテグリティを保証
       するために実行されなければならない。必要な場合、汚れ(例:原材料により濡れたり、着色したりする)
       ことから記録を守るための方法がとられなければならない。
8.5.2 記録は、これらのエリアの中で、文書化された手順に従って、指定された人または手順により、適切に
       管理されなければならない。

8.6 記録の記入
8.6.1 以下に挙げられた項目は、記録が適切に記入されていることを保証するために管理されなければならない。
<記録の完成>
1-期待
・手書きの記入は、業務を実行した人により作成されなければならない。
・文書内の未使用の空欄は、斜線を入れ、日付とサインがされなければならない。
・手書きの記入は、明瞭で判読できるようにされなければならない
・日付欄の記入は、製造所で定義されたフォーマットでされなければならない。
  (例:dd/mm/yyyyまたはmm/dd/yyyy)
1-チェックされるべき特定の要素/期待を満たさない場合の潜在的なリスク
・手書きは、同じ人物により一貫して記入されていることのチェッ
・記入が判読でき、明瞭であることのチェック(例:はっきりしている:未知の記号や略語を含まないこと。
 例えば前と同じ(“)の記号)
・記録された日付の完全性のチェック
・記録の正しいページ数と、全てのページの存在のチェック
2-期待
・操作に関する記録は、同時に完成されるべきである。
2-チェックされるべき特定の要素/期待を満たさない場合の潜在的なリスク
・記録が、それらが使用されるエリア周辺内で利用可能であることを検証せよ。すなわち、査察官は、
 作業場所で一連の記録がされることを期待するべきである。もしフォームが使用場所で利用可能でなければ、
 作業者が発生時に記録を作成する余地はないだろう。
3-期待
・記録は耐久性(消去できない)がなければならない。
3-チェックされるべき特定の要素/期待を満たさない場合の潜在的なリスク
・手書きされた記入がインクであり、(保持期間中)消せず、ぼけたり、あせたりしないことをチェックせよ。
・記録がペンの使用の前に鉛筆で書かれていないことをチェックせよ。(重ね書き)
・ある種の、システムから紙への印刷物は、時間と共にあせることに注意せよ。例:感熱紙 
消せないサインと日付が書かれた印刷物のコピーが作られ、オリジナルの記録と一緒に保管されるべきである。
4-期待
・記録は、作成者に帰属可能なユニークな識別子を使い、サインと日付が書かれているべきである。
4-チェックされるべき特定の要素/期待を満たさない場合の潜在的なリスク
・標準的な印刷された文書だけでなく、記録が管理され、最新でユニークなサインとイニシャルのログが書かれて
  いることを確認せよ。
・極めて重要な入力は、手順が時間と共に発生する場合、ページや工程の終わりにサインされるのではなく、時間
 と共にサインされ、日付が書かれていることを保証せよ。
・個人の印鑑の使用は一般的には勧められないが、もし使用する場合は、利用が管理されていなければならない。
  個人と個人の印鑑のトレーサビリティを明確に示す記録がなければならない。個人の印鑑の使用は、所有者により
  日付が書かれ、許容できると判断されなければならない。

8.7 記録の訂正
記録の訂正は、トレーサビリティが完全に維持される方法でされなければならない。
1-記録はどのように訂正されるべきか?
・変更されるものの1本線による取り消し
・適切な場所に、訂正の理由が明確に記録され、重要な場合は検証されること
・変更を行った人のイニシャルと日付
1-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・オリジナルのデータが読めて、不明確になっていないことをチェックせよ。(例:修正液の使用により目立た
  なくされていないこと。上書きは認められない)
・重要な入力データに変更がされた場合、変更の正当な理由が記録され、変更を裏付けするエビデンスが利用可能
  であることを確認せよ。
・記録の中の、説明のつかない記号や入力をチェックせよ。
2-記録はどのように訂正されるべきか?
・訂正は、消えないインクで行われなければならない。
2-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・手書きされた記入がインクであり、(保持期間中)消せず、ぼけたり、あせたりしないことをチェックせよ。
・記録がペンの使用の前に鉛筆で書かれていないことをチェックせよ。(重ね書き)

8.8 記録の検証(第二のチェック)
1-いつ、誰が記録の検証を行うべきか?
・A-重要な工程のステップの記録(例:ロットの記録の中の重要なステップ)は
 -作業が行われた時に、指名された職員によりレビュされ署名されるべきである。(例:製造管理者) 
  また
 -品質保証部門に送られる前に、製造部門内のオーソライズド・パーソンによりレビュされること
 -製造されたロットがリリースまたは出荷される前に品質保証部門によりレビュされ、承認されるべきである。
   (例:オーソライズド・パーソン/クオリファイド・パーソン)
・B-重要でない工程のステップのロットの製造記録は、一般的に、承認された手順により、製造部門の職員に
  よりレビュされる。
・C-試験のステップに関する試験室の記録は、試験の完了後に、指名された職員(例:第二の分析者)により
  レビュされること。レビュ者は、全ての入力、重要な計算をチェックし、データ・インテグリティの原則に
  従って試験結果の正確さの適切なレビュを行うことが期待される。
 この検証は、製造関連の業務や作業の後に実施されなければならない。この検証は、適切な職員により、
  サインされるか、頭文字が記され、日付が書かれていなければならない。
  部門のSOPには、文書のレビュのための手順が記述されていなければならない。
1-記録のレビュ時にチェックされるべき特定の要素
・関連する活動が実施された時に関連する記録が的確な職員により直ちに利用可能であることを保証するため
  に、製造エリア内での製造記録の取扱に関する手順を検証せよ。
・作業中に行われたいかなる第二のチェックも、適切に資格要件を満たし、独立した職員により実施されたこと
  を検証せよ。
・文書が製造部門の職員によりレビュされ、それから、作業の完了後に品質保証部門の職員によりレビュされた
  ことをチェックせよ。
2-記録はいかに検証されるべきか?
・現在の承認されたテンプレートを使って、全ての欄が正しく完成されていて、そのデータとデータの許容範囲
  がじっくりと対比されているかをチェックせよ。
・8.6章のチェック項目1,2,3,4と、8.7章のチェック項目1,2をチェックせよ。
2-記録のレビュ時にチェックされるべき特定の要素
・査察官は、手順の適格性を判断するために、マニュアルで入力されたデータのレビュに関する会社の手順を
  レビュすべきである。
・第二のチェックの必要性と範囲は、品質リスクマネジメントの原則、生成されるデータの重大性に基づくべき
  である。
・データの第二のレビュが使用された全ての式の計算検証を含んでいることをチェックせよ。
・正しいデータが計算のために複写されていることを確認するためにオリジナルデータを調査せよ(可能であれば)。

8.9 電子システムからの直接の印刷
8.9.1 いくつかの非常にシンプルな電子システム(例:秤、pH計)は、直接印刷して紙の記録を生成する。
       システムのこれらのタイプと記録は、(再)加工や電子の日付/タイムスタンプの変更によるデータの提出
       に影響を与える機会が限定される。これらの状況では、オリジナルの記録は、例えば、サンプルID、
       ロットナンバーなどのトレーサビリティを保証するために、記録や情報を作成した職員によりサインと日付
       が書かれるべきである。これらのオリジナルの記録は、ロットの処理や試験の記録に添付されるべきである。
8.9.2 これらの記録の耐久性を保証するために検討がされるべきである。

8.10 真正なコピー
8.10.1 オリジナルの紙の記録のコピー(例:分析サマリレポート、バリデーション報告書等)は、一般的に、
        例えば異なる場所で作業をする会社間で、コミュニケーションの目的においてとても有用である。これら
        の記録は、そのライフサイクルの間、適切な場合は、別の場所(例:兄弟会社、契約会社)から受け取った
        データが“真正なコピー”として保持されているか、または、“真正なコピー”の要件を満たさない場合
        (例:複雑な分析データのサマリ)は、サマリレポートとして使用されることを保証するために、管理
        されなければならない。
8.10.2 静的な記録はオリジナルデータの完全性を保持していると正当化され、電子的な方法で生成された
        ローデータが、紙やPDF形式で保管されていることがありうる。しかし、データの保持手順では、医薬品の
        品質に直接、または非直接影響がある全ての活動に関する全てのデータ(メタデータを含む)が記録され
        なければならない。(例:次の内容を含む分析記録:ローデータ、メタデータ、関連する監査証跡と
        結果ファイル、各分析実行時の特定のソフトウエア/システムの構成設定、与えられたローデータ・セット
        の再構築に必要な全てのデータ(方法と監査証跡を含む) 印刷された記録が正しいことを検証するために、
        文書化された方法も要求されるだろう。このアプローチは、GMP/GDP遵守の記録を有効にするために、
        管理の点で厄介になるだろう。
8.10.3 多くの電子記録は、データの連携を可能にするために、動的なフォーマットで保持することが重要である。
        データは、インテグリティや後の検証のために、重要な場合は、動的な形式で保持されなければならない。
        長いデータが動的なフォーマットで保存されるべきか、またいかに保存されるべきかを立証し、正当化
        するためにリスクマネジメントの原則が利用されるべきである。
8.10.4 記録を受け取る場所では、これらの記録(真正なコピー)は、紙または電子フォーマット(例:PDR)で
        管理されているかもしれないが、承認された品質保証の手順に従って管理されるべきである。
8.10.5 文書が、手書きと電子署名の使用を通じて適切に”真正なコピー“として認証されていることを保証する
        ために注意が払われるべきである。
1-“真正なコピー”はいかに発行されて管理されるべきか?
・紙の文書の“真正なコピー”の生成
 真正なコピーを発行する会社で:
 -コピーされるために文書の原本を得よ。
 -原本のコピーからいかなる情報も失われていないことを保証するために、文書の原本をフォトコピーせよ。
 -コピーされた文書の信頼性を確認し、新しいハードコピーに“真正なコピー”としてサイン日付を記入せよ。
 -“真正なコピー”は直ちに対象の受領者に送ることができる。
・電子文書の“真正なコピー”の生成
 -電子記録の“真正なコピー”は、全ての必要なメタデータを含んで、電子的な方法(電子ファイルのコピー)
   によって生成されるべきである。電子データのPDF版の生成は、メタデータの喪失のリスクがある電子システム
   からの出力と同じなので、勧められない。
 -“真正なコピー”は直ちに対象の受領者に送ることができる。
 -発行された全ての“真正なコピー”(ソフト/ハード)の配布リストは、保持されるべきである。
1-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・“真正なコピー”を生成するための手順を検証し、生成方法が適切に管理されていることを保証せよ。
・発行された真正なコピーがオリジナルの記録と識別可能(完全で正確)なことをチェックせよ。
・コピーされた記録は、スキャンされた画像の改ざんがないことを確認するために、原本の文書の記録に対して
  チェックされるべきである。
・スキャンされた、もしくは、保存された記録がデータ・インテグリティを保証するために保護されていること
  をチェックせよ。
・紙の記録のスキャンと”真正なコピー“の生成の検証の後、スキャン画像が生成された原本の文書は、記録の
  オーナーによって、記録のそれぞれの保持期間の間、保持されているべきである。
2-“真正なコピー”はいかに発行されて管理されるべきか?
・真正なコピーを受け取る会社において
  -紙の版、スキャンされたコピーまたは、電子ファイルは、レビュされ、正しい文書管理手順に従ってレビュ
   され、ファイルされるべきである。
  -文書は、それが真正なコピーであって、オリジナルの記録ではないと明確に示されるべきである。
2-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・受領した記録はチェックされ、適切に保持されていることをチェックせよ。
・“真正なコピー”の信頼性を検証するために、システムが整っているべきである。(例:正しい署名した
  当事者の検証)
8.10.6 “真正なコピー”の生成と伝達に関する責任と、データ・インテグリティの管理に対処するために、
         品質協定が整っているべきである。“真正なコピー”の発行と管理のためのシステムは、手順が
         しっかりしていて、データ・インテグリティの原則に合うことを保証するために、委託者と受託者
         により監査されるべきである。

8.11 サマリレポートのリモートレビュの制限
8.11.1 サマリレポート内のデータのリモートレビュは一般的に必要である。しかし、データ・インテグリティ
        の適切な管理を可能にするためにリモートのデータレビュの制限は完全に理解されるべきである。
8.11.2 データのサマリレポートはしばしば、離れた製造所、製造販売業者、その他の利害関係のある団体の
        間で物理的に提供される。しかし、サマリレポートは、重要な裏付けデータやメタデータは含まれて
        おらず、よってオリジナルデータはレビュができないという性質上、本来制限があることを理解される
        べきである。
8.11.3 サマリレポートは、転送データの一要素が評価されるもので、利害関係のある団体や視察団は
        サマリレポートのデータだけをあてにはしないということが重要である。
8.11.4 サマリデータの承認の前に、品質リスクマネジメントを背景に、重要と思われる場合は、供給者の
        品質システムとデータ・インテグリティの原則の遵守の評価が行われるべきである。査察は会社に
        よって生成されるデータの正確さを保証し、サマリデータと報告の生成と配布をするために使用される
        メカニズムのレビュを含むべきである。
8.11.5 サマリデータは、合意された手順に従って準備され、レビュされ、そのオリジナルの製造所の権限の
        与えられた職員によってレビュされなければならない。サマリには、サマリの信頼性と正確性を
        述べたオーソライズド・パーソンによる宣言の署名が添付されないといけない。サマリレポートの
        生成・転送・検証の取り決めは、品質/技術協定の中で取り組まれるべきである。

8.12 文書の保持(記録の保持の識別要件と、アーカイブした記録)
8.12.1 記録の各タイプの保持期間は、GMP/GDP要件により指定された期間を(少なくとも)満たさないと
        いけない。より長い保管期間を規定しているかもしれない他の地域や国の法律が考慮されるべきである。
8.12.2 記録は、内部的に、または、規制の対象となる外部のストレージサービスを使用することにより、
        保持されることができる。保持するシステム/設備・サービスが適切で、未解決のリスクが理解されて
        いることを証明するために、リスクマネジメントが利用可能なはずである。
1-どこで、どのように記録がアーカイブされるべきか?
・システムは記録のアーカイブに関するさまざまな段階の記述が整えられるべきである。
  (アーカイブボックスの確認、ボックスによる記録のリスト、保持期間、アーカイブする場所等)
・アクセスや、記録の再生はもちろん、記録のストレージでの管理に関する指図が整えられるべきである。
・システムは、全てのGMP/GDP関連の要件を満たして、期間中保持されることを保証すべきである。
1-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・アーカイブされた記録を検索するために実装されているシステムが効果的でトレース可能であることを
  チェックせよ。
・記録が規則に従った方法で保存され、簡単に識別可能かどうかをチェックせよ。
・記録が規定された場所にあり、適切に保護されていることをチェックせよ。
・保管された記録の完全性を保証するために、アーカイブされた文書のアクセスが、オーソライズド・
  パーソンに限定されていることをチェックせよ。
・アクセスした記録の存在と記録の返却についてチェックせよ。
・使用される保管方法は、必要な時に効果的な文書の検索が可能でなければならない。
2-どこで、どのように記録がアーカイブされるべきか?
・全ての品質記録のハードコピーは下記のようにアーカイブされるべきである。
 -損害や紛失を防ぐために安全な場所
 -簡単にトレースできて、検索できる方法
 -記録がアーカイブ期間中、耐久性があることを保証する方法
2-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・外注したアーカイブ作業に関して、品質協定が整っているか、また、保管場所が監査されているかを
  チェックせよ。
・文書が、全てのアーカイブ期間中、判読可能で利用可能であることを保証するためのなんらかのアセス
  メントがあることを保証せよ。
・印刷物が永久的でない(例:熱転紙)場合、非永久の原本と一緒に検証された(“真正な”)コピーが
  保持されなければならない。
・使用される保管方法は、必要な時に効果的に文書の検索が可能かどうか検証せよ。
3-どこで、どのように記録がアーカイブされるべきか?
・全ての記録は、下記の原因による損失や破壊から保護されなければならない。
 -火事
 -液体(例:水、溶剤、緩衝液)
 -ネズミ
 -湿度 など
 -記録を修正、破壊、差し替えるかもしれない権限のない職員のアクセス
3-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・記録を保護するためのシステムがあるかチェックせよ。(例:害虫駆除、スプリンクラー)
  注:スプリンクラーシステムは、文書への損害を防ぐために設計され実装されることができる。
  (例:文書が水から保護されていること。例えば、文書をプラスチックフィルムで覆うことによる)
4-どこで、どのように記録がアーカイブされるべきか?
・災害復旧の戦略
4-記録をレビュした時にチェックされるべき特定の要素
・システムが災害時の記録の復旧に関して準備が整っているかについてチェックせよ。

8.13 記録の原本の廃棄
8.13.1 記録の廃棄に関する文書化された手順は、定められた保持期間後に正しい記録の原本が廃棄され
        ることを保証するために準備が整っていなければならない。システムは、偶然に現在の記録が
        破棄されないことと、過去の文書がうっかり現在の記録の中に戻る(例:過去の記録が、現在の
        記録と混同/混合する)ことがないことを保証すべきである。
8.13.2 記録/登録が、方針に従って適切にタイムリーにアーカイブまたは破壊されていることを証明する
        ために、利用可能でなければならない。
8.13.3 間違った文書を消去するリスクを減らすための手段が整えられていなければならない。記録の削除
        が許されたアクセス権限は数人の職員に限定されるべきである。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。

データ・インテグリティというと、コンピュータを使用する場合のことばかり考えがちですが、紙ベースで
記録を管理する場合でもこれだけたくさんのことを考慮しなければいけないということがよくわかります。

次回は、コンピュータ化システムを使った場合のデータ・インテグリティに関する記述を見ていきたいと
思います。

末筆になりましたが、1年間メールマガジンをお読みいただき、誠にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

☆次回は、年明けの1/15(火)に配信させていただきます。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★弊社サービスのご案内 
https://drmarketing.jp/cch/73/225/3/426/141586/daca23

★ブログ毎日更新中! 
◆ PROS.社長の滋養強壮ブログ 
https://drmarketing.jp/cch/73/225/1/426/141586/124a75
◆ プロス橋本のブログ 
https://drmarketing.jp/cch/73/225/2/426/141586/003937
※URLクリック数の統計をとらせていただいております。


本メルマガは、名刺交換させていただいた方に、毎月1日、15日(土日祝日に重なった場合 は前日)に
配信いたしております。
今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールをお願いいたします。 
hashimoto@e-pros.co.jp

【発行責任者】 
株式会社プロス 
ASTROM通信』担当 橋本奈央子