ASTROM通信バックナンバー

2019.08.01

【EU-米国MRAの話題&最近のウォーニングレター】ASTROM通信<175号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ついに梅雨が明け、猛烈な暑さになってきましたがいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて今回は、以下の2つのテーマについて取り上げたいと思います
1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
2.FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から製薬会社向けに出た最近のウォーニングレター(2件)
是非、皆様の業務の参考にして頂ければと思います。


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1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
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2019年7月12日付のEMAの報道発表(EMA/392883/2019)によると、EUと米国が数年前から準備
を進めてきた査察情報の共有が完全に開始されたようです。
以下に、報道発表内容をまとめました。

スロバキアのFDA(米国食品医薬品局)の認証により、EU(欧州連合)と米国は、それぞれのテリトリー
のヒト用医薬品の製造所の査察について、相互認証協定(MRA)を完全に施行しました。
EMA事務局長のGuido Rasiは“私たちは、大西洋の両側の当局がお互いの査察結果を頼りにすること
が出来ることを意味するこの協定の実施を歓迎します。このマイルストーンは 米国との戦略的な
パートナシップの重要性の証明です。このことは、我々の査察の処理能力を最大限に利用すること
を支え、患者は、それらがどこで製造されたとしても、全ての薬の品質、安全性、効果を信頼する
ことができます。”と述べました。
毎年、EU各国の当局とFDAは、EU、米国及び世界中の医薬品の製造所がGMPに従って稼働していること
を保証するために、これらの製造所を査察しています。MRAのもとで、EUと米国の取締官は、それぞれ
のテリトリー内のヒト用医薬品に関するお互いの査察を信頼し、今後、重複した仕事を防げるで
しょう。MRAの結果、EUと米国は、他の国の製造所の査察をするためにリソースを使うことができるで
しょう。
MRAは、大西洋の両側にあるEUとUSがヒト用医薬品に関するGMP査察を実行するために同等な手順を
持っているというしっかりしたエビデンスにより支えられています。2014年5月以来、欧州委員会(EC)、
EU各国の当局、欧州医薬品庁(EMA)、FDAからなるチームは、それぞれの監督システムを監査し評価し
てきました。スロバキアの肯定的な評価により、ヒト用医薬品を取り扱うGMP査察当局はこの作業を
完了しました。
今後、ロット試験の免除の適用も開始するでしょう。これは、EUの製薬会社のクオリファイドパーソン
は、米国で管理が既に実施されている場合、米国で製造され、米国から輸入された製品に関する品質
管理はもはや実行しないということを意味しています。
MRAの実施検討は、動物用医薬品、ヒト用ワクチン、血漿由来の医薬品に運用範囲を拡大することを
目的として続くでしょう。

<MRA協定への背景>
1998年、EUと米国は広範囲のMRAに署名しました。それは、お互いのGMP査察の限定された依存が期待
される、医薬品に関する付属文書を含んでいました。しかし、この協定は決して完全に実施されません
でした。EUとFDAは、2014年に会話を始め、2017年の付属文書の改訂につながりました。
2017年11月1日、それぞれのテリトリーで実施されるヒト用医薬品の製造所の査察を認証するための
EU-FDA間の協定の施行の開始を示しました。この協定は、お互いの査察の専門知識とリソースの信頼
を強化します。協定は最初、FDAとFDAが評価したEU加盟国の間で適用されました。これは徐々に全ての
EU加盟国に広げられ、同様に、EUは米国内で評価し、2017年6月1日にFDAはEUと同等のレベルでヒト用
医薬品のGMP査察を実施するための能力、処理能力、手順を持っているという結論を下しました。
EUでは、製造所の査察は、EU加盟国の当局により実施されます。EMAは、特に承認された製品を中心に、
EU加盟国と連携してこれらの活動を調整する重要な役目を果たします。

出典:https://www.ema.europa.eu/en/documents/press-release/eu-us-reach-milestone-mutual-recognition-inspections-medicines-manufacturers_en.pdf


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2.最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-26 インドの製造所の査察(2019/1/28~2019/2/1)でみつかった医薬品製造における
重大なCGMP違反等に関し、2019/6/13付ウォーニングレターに下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、同一性及び純度、含量、品質に関する文書化された規格に一致するかについて、各成分
  のサンプルの試験をすることを怠った。また、貴社は、適切な間隔で、成分の供給者の分析試験
  の信頼性をバリデートして確認することを怠った。
貴社は、バルクのホメオパシー薬品XXの成分、容器、蓋を外部の供給者から購入したが、これらの
入荷した原材料の同一性や、その他の品質特性について試験をせず、分析証明書(COA)の正確さを
確認していなかった。
貴社は、ホメオパシー薬品XXの成分を受入れているが、もし、それが不適切な濃度であれば有毒に
なり、特にXXはよく研究された高度の毒性を持ち、殺鼠剤として使われる。貴社は、貴社の供給者の
適格性評価の手順によってホメオパシー薬品XXの供給者の信頼性を確認することを怠った。貴社は、
医薬品の製造のためにこれらの有害な原材料のホメオパシー薬品XXを、COAもなく、成分が有害な濃度
であるXXのレベルを含んでいないことを保証するための試験もせず、利用した。
貴社は回答で試験のための原材料のサンプルの収集を含む改訂された手順を提供し、原材料の受入れ、
保管、ラベリングと原材料の包装に関する新しい手順を作ったが、使用期限内で、市場にある製品に
ついて、成分試験の不足の影響に対処していないので、貴社の回答は不十分である。
また、貴社は、ホメオパシーの原薬のバルクと医薬品XXを外部の供給者から購入するのを中止する
計画をしていて、代わりにホメオパシーの出発原料を使って自分で製造するつもりであると述べた。
しかし、貴社はホメオパシーの原薬、医薬品XXの製造工程、バリデーションプランの詳細を提出しな
かった。
注意喚起として、貴社の原薬製造工程もまた、21 U.S.C.351(a)(2)(B)に従わなければならないし
Q7原薬GMPのガイドラインを参照することが期待される。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・各成分、容器、蓋が、同一性、純度、含量、品質に関する文書化された規格に一致することを試験
 するために貴社がいかに計画しているかの詳細の説明
 もし貴社が成分の試験をする代わりに供給者のCOAを受け取るのであれば、貴社が定期的なバリデー
 ションを通じて、供給者の試験結果の信頼性確認するために貴社がいかに計画しているかの詳細を
 述べよ。
・不適切に試験され管理された成分から製造され、使用期限内にあり、アメリカ国内にある全ての製品
 のリスクアセスメント
 医薬品が、その毒性の効果により患者がさらされるリスクを増すかもしれない有効成分のレベルを
 含んでいないことを保証するために貴社の保管サンプルを試験するための計画を含めよ。
・もし、貴社が自身で原薬を製造することを計画するなら、貴社が原薬をいかに製造し試験するかの
 包括的なプラン
・貴社のさまざまな製品に使用される工程のプロセスバリデーションの記述
 採用する工程内試験と管理の詳細を含めよ。
2.貴社は、製造された医薬品の各ロットの製造及び管理に関する完全な情報を含んだロット製造指図
  記録を作成することを怠った。
貴社のロットの記録は、これに限定されないが次のことの詳細が不足している:ラインクリアランスの
情報、製造に使用される主要な装置とラインの同一性、使用された成分のロット固有の情報、使用され
た成分の重さと測定値、工程試験の結果、生産量の記述、ラベルの管理記録、最終容器の密閉、実施
されたサンプリング、各重要工程を実施識別かつ/または各工程を直接監督した職員の識別、ロットに
関する全ての調査、待機時間または装置の管理設定の限度。
さらに、XX件を超える貴社のホメオパシー医薬品は、単一の製造指図記録書原本を共同で使用している。
単一の製造指図記録書は、ホメオパシー医薬品を製造するために使用される成分の重さや測定値に関す
る予め決められた記述もなく、大きな自由形式の空欄を持っていた
不完全な記録を持つことは、調査の目的で必要な活動のトレーサビリティを貴社から奪うことになる。
さらに、製造の特別な指示・情報・計算もなく製造指図記録を持つことは、医薬品製造において取り
違えや間違いにつながりかねない。
貴社は回答の中で、製造記録の改訂手順を提出した。しかし、新しい製造記録もまだ装置の設定限度、
生産量、成分の規格、ラベルの規格を含む詳細を含んでいないので、貴社の回答は不十分である。また、
貴社の回答からは、貴社が全製品に関する製造指図記録の原本を、製品固有のものにするつもりかどう
かがわからない。
この文書への回答の中で、貴社の全ての製品の製造工程の包括的なレビュを実施し、各医薬品の全ての
重要な製造工程を記録し、取り違えや間違えを防ぐためのバリデートされた計算式を含んだ詳細な製造
指図書原本を制定せよ。
3.貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、制定された同一性、含量、品質、純度に
  関する規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。
貴社の品質部門は、貴社の製造工程の適切な管理を怠った。貴社の品質保証手順QA-004-00は、品質部門
の体制、機能、責任について定義・記述していない。
さらに、貴社の製造作業者達は、品質部門に所属していた。貴社のホメオパシー医薬品を製造する製造
作業者達が成分のレビュと使用許可を行っている。CGMPに従った品質システムのもとで、製造部門と
品質部門は独立していることが期待される。
貴社の品質部門は、ラベルの使用許可、ラベルへのアクセスの管理、供給者の適格性評価も怠った。
貴社はXXを超える異なるホメオパシー医薬品を製造しているので、適切はラベルの管理は、取り違えを
防ぐために重要である。
貴社はまた、これに限定されないが、次のことを含む多数の重要な品質と製造の作業に関する手順の
制定を怠った。
・医薬品の成分の受入れ
・入荷した原材料のサンプリングとリリース
・規格外試験(OOS)結果の調査と不合格判定
・プロセスバリデーションと洗浄バリデーション
・ロットの製造指図記録
・年次製品照査
・装置の適格性評価
貴社は回答の中で、上で言及した作業に関する新しい文書化された手順を提出した。貴社は、独立した
品質部門と手順の不足が使用期限内にある販売された医薬品へ与えうる影響について評価しなかった
ので貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で
・貴社の品質部門が効果的に独立して機能するための権限とリソースを与えられていることを保証する
 ために是正処置・予防処置(CAPA)を含む包括的なアセスメントを提供せよ。アセスメントには、
 これに限定されないが以下の情報を含めるべきである。
 ○貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断
 ○適切な手順の遵守を評価するために、貴社の作業全体を監督する品質部門の規定
 ○品質部門の判定の前の、各ロットとそれにかかわる情報の完全で最終のレビュ
 ○調査の監督と承認 及び 全ての製品の同一性、含量、品質、純度を保証するための、品質部門の
  その他の職務の解放
・適切な品質部門の監督なしに製造され市場に出荷された使用期限内にある貴社製品のロットのリスク
 アセスメントを実施せよ。
・新しい手順の遵守の測定基準を含む、新しい手順の実施に関するタイムライン
CGMPの規制21 CFR 210,211の要求を満たすための品質システムとリスクマネジメントのアプローチを
実施する助けとして、FDAのガイダンス“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”
を参照せよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造を
再開するつもりなら、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34章に示す適格なコン
サルタントを雇うことを強く勧める。また我々は、貴社がFDAの求める状態を遵守しようとする前に、
適格なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社が実施
してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これら
の違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年5月22日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者
としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/rxhomeo-private-limited-575889-06132019

■WL:320-19-27 インドの製造所の査察(2019/2/4~2019/2/9)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反等に関し、2019/6/20付ウォーニングレターに下記の指摘事項があげられています。
●CGMPの逸脱
1.特定の不具合または逸脱に関連した可能性のある他のロットへの調査拡大の不履行
貴社の原薬XXとXXの中のXXのような不純物XXの根本原因の調査が不完全だった。貴社の初期のアセス
メントでは、原薬XXの製造に関する合成過程はXXやXXのような不純物XXを生成する可能性はなかった
と判断した。このアセスメントは、重要出発原料、その他の原材料、溶媒について、XXとXXが存在
する結果になった可能性の評価を含んでいなかった。
貴社は、医薬品品質の欧州総局(EDQM)から、試験結果は貴社の原薬XXがXXを含むことを示している
と知らされた後に、原薬XXのロット以外も試験をして、XXのロットは、許容限度を超えたレベルで
およそXX%の汚染物質XXを含んでいると判断し、その後、これらのロットを回収した。
2019年1月29日付の貴社のリスクアセスメントは、原薬XXの中の汚染物質XXは溶媒XXとXXの回収から
生じたと記録していた。貴社は、回収されたXXは、貴社の委託製造業者XXで回収されたXXから生じた
と報告した。貴社の調査は、汚染物質XXは、XXにより供給された回収品XXの使用によると結論づけた。
貴社は、汚染物質XXは、XXの不十分な洗浄手順のせいにした。
貴社は回答の中で、今後XXを製造するのに回収された溶媒は使用しないつもりであると述べたが貴社
の回答は不十分である。貴社は、FDAの査察の開始時に、XXの製造に、回収された溶媒XXの供給者と
してXXを使っていなかったとはいえ、医薬品の品質に影響を与える役割を果たしている全ての委託
業者の作業の適切な品質管理を保証するための是正処置を割り出していなかった。
我々は、貴社が追加の工程管理を開始したことと、貴社が現在、ロットのリリース基準として、XXを
含むXXに関する原薬XXの製造された全てのロットを試験していることを知っている。
この文書への回答の中で、
・改訂されたいかなる適格性評価の手順を含む、医薬品の品質に影響を与えうる役割を果たしている
 委託
 製造業者の作業の適切な品質管理を保証するための是正処置の割り出しを実施せよ。
・貴社の製造所で製造された全ての原薬の不純物XX及び他の潜在的な不純物XXの存在に取り組む
 ために開始された調査及び是正処置・予防処置(CAPA)の計画の最新情報を提出せよ。
・不純物XX及び他の潜在的な不純物XXの存在に関する全てのXXと中間体の試験結果を提出せよ。
・クロマトグラムにおける不純物XXに関するロットXXの回顧的レビュを実施せよ。
 不純物XXに関する適切にバリデートされた方法を使ったクロマトグラムの未知のピークを特定
 するための是正処置を提出せよ。
・変異原性不純物の存在の可能性に関し、貴社の製造所で製造された全ての原薬及び中間体のリスク
 アセスメントを提出せよ。
 潜在的な変異原性不純物の管理に関するFDAの現在の考えについて、FDAのガイダンスを見よ。
2.原薬に接触する装置表面が、公式の規格または制定された規格を越えて原薬の品質を変えない
  ことを保証することの不履行
不十分な装置のメンテナンスに関する調査が不十分である。我々査察官は、原薬XXの製造に使用され
るSRJ014 XXのXX%以上がさびているように見えることを発見した。貴社は、この発見に関する調査を、
同様に適切にメンテナンスされていない可能性のある他の医薬品製造装置まで十分に拡大しなかった。
回答の中で、貴社は洗浄後、XXの内部の表面の乾燥度をチェックしていなかったこと、そのため、
水分がXXに残り、変色の原因となったことを認めた。貴社は、しみはXX内部の鉄のさびの形成による
ものであると判断した。貴社は回答の中でSRJ014 XXをさびの形成の影響を受けにくいXXに交換する
つもりであると説明した。しかし、貴社は、医薬品を製造するために使用されるその他の装置も適切
な材料で作られた接触表面を持つことを確実にするための是正処置の割り出しを行わなかったので、
回答は不十分である。
この文書への回答の中で、
・アメリカ向けの医薬品の製造に使用される可能性のある全ての装置のメンテナンスの状態に関する
 包括的なアセスメントを提出せよ。
・装置の表面が貴社の医薬品に対して反応性が高い/付加的であるかどうか、また、接触表面が使用
 目的に適しているかどうかを判断するために、全ての装置の表面の完全なレビュを含むCAPAの計画
 を提出せよ。
・もし原材料、中間体、もしくは原薬の接触表面に不備があった場合、ロットに与える可能性のある
 影響を含むリスクアセスメントと、再発を防ぐためにとるアクションの情報を提出せよ。
●補完のために提出された要求および承認されたXXへの変更の遵守の不履行
1.承認されたXXに対する補完の実施中、FDAに方法や管理の変更が報告されなかった。
査察官は、原薬XXのロットの残留溶媒のテストの中で貴社の原薬XXの中に、それぞれ、XX%とXX%に
達するレベルのXXとXXの非発がん性の不純物を発見した。これらの不純物は、その他の個々の不純物
に関するアメリカ薬局方の規格の限度XX(即ち、NMT XX%)を超えてレベルで製剤原料に存在している。
また、これらの不純物は、ICH Q3A(R2)で公表されている製剤原料の不純物の閾値を超えている。
貴社の品質部門は、XX%未満という貴社の内部の閾値も超えたこれらの不純物をFDAに報告することを
怠った。貴社は、FDAの査察官が査察中に閾値を超えて発見された全ての不純物は報告されるべきで
あると伝えた後にドラッグマスタファイル(DMF)の情報を更新した、
貴社は回答の中で、“計画された規制の改訂で我々(FDA)の指摘を抜かした”と説明した。さらに、
貴社は残留溶媒の管理のために追加のCAPAを始めるつもりであると述べた。貴社は、閾値を越えた
原薬でみつかった全ての不純物の完全なレビュを実施することと、それに応じて貴社のDMFとXXが
改訂されていることを保証することを怠ったので、貴社の回答は不適当である。
XXとXXの申請者として、貴社は、補完XXと承認されたXXの変更の提出に関し、314.708(c)(6)(i)の
要件に従わなければならない。当局は、その提出の目的のために変更のカテゴリを指定するかも
しれないが、そのようなカテゴリの変更の場合、承認されたXXの所有者は、当局が変更の補完を受け
取り次第、医薬品の販売を開始することができる。これらの変更には、これに限定されないが、
医薬品の成分または医薬品が、同一性、含量、品質、純度、それが持つとされる効能を持っている
という更なる保証を提出するための方法や管理に対する規格の追加または変更を含む。
原薬XX、DMF XXのDMF所有者として、我々は、貴社のDMFへのいかなる追加、削除、変更も、
21CFR314.420に基づき、FDAに提出することが求められていることを申し上げたい。更に、貴社は、
貴社のDMFの中の関連のある変更の情報を参照する権限を与えられた各職員を通知することが求めら
れている。
この文書への回答の中で、
・未知の不純物が閾値を超えたことを示しているA製造所で製造された原薬の全てのロットの徹底的
 なレビュを実施せよ。
 ICH Q3A(R2)の閾値を超えるレベルで存在している不純物を確認し、貴社のDMFとXXを要求されて
 いる通りに改訂せよ。
 いかなるDMFの改訂も、DMFに関する権限を持った全ての職員に通知されなければならない。これらの
 通知はFDAに提出せよ。
・未知のピーク、逸脱、食い違い、規格外試験(OOS)の結果、苦情、その他の不具合に関する貴社の
 全体的なシステムの徹底的で独立したアセスメントを提出せよ。さらに、貴社が制定した規格、
 公的な医薬品集、または、適切な製造の標準に従っていないロットを貴社が出荷したかどうかを
 判断するために使用期限内にある販売されたすべてのロットの回顧的レビュを提出せよ。
●追加の原薬CGMPガイダンス
FDAは、原薬がCGMPに従って製造されているかを判断する時にICH Q7で概説されている期待を考慮
する。原薬の製造のためのCGMP関連のガイダンスとして、FDAのガイダンス
”Q7 Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients”
を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、貴社がCGMP要件を満たすことを手伝うためにコンサルタントを雇ったことを知っている。
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社の作業を評価するために、適格性のある
コンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための
貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全て
の不備とシステムの欠陥を完全に解決し、責任が残る。
●複数製造所での繰り返しの所見と規制会議
FDAは同様のCGMPの所見を貴社の組織内の他の製造所でも挙げている。A製造所のUnitIとUnitIXも
査察され、原薬XXと中間体の製造に関するCGMPの不備について指摘された。これらの製造所も、CGMP
のコンプライアンス状態は受け入れられないと考えられている。これらの複数製造所での繰り返され
る不備は、医薬品製造における経営陣の監督と管理が不十分であることを示している。A製造所の
CGMPのコンプライアンスを議論するための規制会議を計画するために5営業日以内に連絡せよ。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、
これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造
業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留とする。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/aurobindo-pharma-limited-577033-06202019


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。

1.EU-米国 ヒト用医薬品製造所査察のMRA完全施行について
・EUも米国も査察のリソースを有効に使うことができるようになったということは、問題のない
 製造所は何度も査察を受けなくて済むようになる反面、問題のある製造所は、今後頻繁に査察を
 受けなければならなくなるということでしょう。
・今後開始されるという、ロット試験免除の適用の話題は興味深いです。
 しっかり管理されていれば、米国で製造された製品を輸入したEUの製薬会社のクオリファイド
 パーソンは、本当に試験を実施しなくてよくなるのでしょうか。輸送中のリスクはどう評価する
 のか気になるところです。

2.ウォーニングレターについて
1件目の、ロットの製造指図記録に関する話題が気になりました。
今回の指摘は、複数製品について、単一の製造指図記録書を使用し、製品毎に異なる管理項目に
ついて項目別の記述欄を作らず大きな空欄を設けていたという極端な話なのですが、FDAとしては
ミスを防ぐためには製品別に製造指図記録原本を作成することを期待しているようにもとれます。
汎用的なレイアウトを使って製品別に使用項目を使い分けている場合、ミスなく使い分けができる
ことを証明できるようにしておく必要が出てくるかもしれません。

☆次回は、8/15(木)に配信させていただきます。


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