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2019.10.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<177号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

さしもの暑さも収まってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター(2件)
について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれていますので、
アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければと思います。


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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-28 インドの製造所の査察(2019/1/28~2019/2/5)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP
 違反に関する2019/7/1付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格/不合格を判断する
  ための責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。
貴社の品質部門には、適切な責任と医薬品の製造作業の管理が不足していた。査察中、我々査察官は、捨てられた
CGMP文書と、管理されていない切り刻まれた文書のエビデンスを発見した。例えば、製造、品質、試験作業から
きたことを示している色分けのされた管理されていないCGMP文書の複数の袋がシュレッダーを待っていた。
ある査察官は、貴社の廃棄物置き場で、55ガロンのドラムの中に他の記録と一緒に捨てられているアメリカ向け
医薬品に関する製造記録を含むCGMPの記録を含んだ青いバインダを発見した。バインダの中のCGMP文書は、我々の
査察の7日前である2019年1月21日の日付だった。貴社の品質部門は、廃棄の前にこれらの文書のレビュとチェック
をしなかった。
貴社の品質部門は、製造された医薬品の各ロットの完全に同時の記録を保証するために、文書のレビュと承認及び
文書管理を含む医薬品の製造作業の監督の責任がある。その記録は、年次照査を含むCGMPの目的のために保持
されるものである。さらに、貴社の品質部門には、貴社の製造エリアが適切にモニタされ、従業員たちは手順と
割り当てられた作業を理解していることを保証する責任がある。
CGMPの記録の管理されていない破棄や、適切な文書管理手順の欠如は、貴社の品質部門の有効性や、貴社のCGMP
記録の完全性や正確性について疑問を起こさせる。
貴社は回答の中で、廃棄物置き場にあったCGMP文書のバインダは、うっかり廃棄物置き場にきたもので、貴社は
その問題を調査していると述べた。また、貴社は、管理されていない文書を減らすために、製本されたログブック
を使い、印刷を禁止すると約束した。さらに、正しい文書管理の手順に適合させるためにインストラクタ主導の
授業を盛り込んだ教育プログラムを強化すると約束した。
貴社は、廃棄物置き場のCGMPの記録のバインダを認めたが、廃棄物置き場でみつかった他の文書を評価せず、
販売された医薬品に貧弱な文書管理手順がいかに影響するか、また、貴社の品質部門の監督をいかに強化するか
を評価しなかったので、貴社の回答は不十分である。
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質システムとリスク
マネジメントのアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロットまたは
  その成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
貴社のOOS(Out-of-Specification)の結果の調査は、適切で科学的に正当な理由がなく完了された。
例えば、貴社は、貴社の規格を超える未確認の不純物について、米薬局方原薬XXのOOSの調査を開始した。貴社は
未確認の不純物を再生する能力がないにもかかわらず、貴社の調査では、”古い試薬“を根本原因として特定
した。貴社は、その後、新しい試薬を使って新しいサンプルのリテストを行い、その原薬を貴社の米薬局方医薬
品XXの製造に使用するために、合格の結果を使用した。貴社は、不合格になったもともとの原薬のサンプルを
評価しなかった。貴社の根本原因の判断と調査は科学的な正当性がない。
貴社は回答の中で、根本原因を特定するための調査の一環として、もともとのサンプルはテストされるべきで、
根本原因は最終的に断定されていないことを認めた。貴社は、その原薬を使って製造された製品のロットの保管
サンプルを分析し、それらが規格を満たしていることに気付いた。貴社は、また、2017年1月から2019年3月の間
に製造された製品の、以前に“無効とされた”全てのOOSの結果の回顧的レビュも提供した。
貴社の回答は不十分である。貴社は、OOSの調査で確認された原薬のロットを含む製造ロットの保管サンプルの
テストのデータを含めることを怠った。さらに、貴社は、根本原因の判断と調査が科学的に正当でないOOSの
調査の中で、さらに9つのOOSの調査を発見した。貴社は、OOSの材料を使って製造されたかもしれないロットの
保管サンプルを含めた調査まで拡大しなかった。
この文書への回答の中で
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されなかったOOSの結果について、製造の徹底的な
 レビュを含めよ。(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原材料、工程の能力、逸脱の履歴、ロット
 の不合格の履歴)
 根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置(CAPA)の計画を提出せよ。
・全ての保管サンプルの試験結果を提出せよ。結論が出ていない、または、根本原因が特定さていない
 OOSの結果に関連する原薬を使用して製造されたロットを含む、全ての原薬と製品のロットに関する分析データ
 を含めよ。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するためのガイダンスとして、
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への回答において、
次の情報を提供せよ。
A.貴社の設備におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
  省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。
  データ・インテグリティの欠落がみつかった貴社の設備の作業の全てについて述べよ。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に引き
  起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  詳細な是正処置の計画では、微生物及び分析のデータ、製造記録、及びFDAに提出される全てのデータを
  含む、貴社で生成される全てのデータの信頼性と完全性を貴社がいかに保証しようとしているかを述べる
  べきである。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これらの違反を
調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としての
いかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/strides-pharma-science-limited-576722-07012019

■WL:320-19-29 インドの製造所の査察(2019/1/17~2019/1/25)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP
違反に関する2019/7/9付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は製造された医薬品の各ロットの製造と管理に関する完全な情報を含む製造指図記録を作成することを
  怠った。
アメリカ市場向けのXXmgの錠剤の製造中の圧縮機の工程管理値が製造記録に適切に報告されていなかった。貴社
の品質部門はこの医薬品のリリースの判断のために、これらの不完全な記録を使用した。
XXmgの錠剤の複数の製造記録は、定期的に手書きされるプロセスパラメータを含んでいるのだが、圧縮機の
PLC(Programmable Logic Controller)で記録される値は、しばしば貴社の定めたプロセスパラメータとは別に
なっていた。例えばXXmgのロットXXは、圧縮力値が指図でXX以上の範囲で、手書きでXX となっていた。(貴社の
限界値はXX)
しかし、PLCのデータは、同じ時期に、XX以上の値を記録していた。さらに、圧縮力値に関する注入の深さと
自動重量制御(AWC)に関する手書きの値は、PLCデータの中の値を正確に反映していなかった。
2018年3月にXXにより実施された査察では、圧縮力値の製造記録とPLCデータの間に同様の食い違いがみつかって
いた。
貴社は回答で、製造記録の中の、行方不明のデータを含むデータの食い違い、“ミスマッチのデータ”、非同時
の入力、その他の不一致を認めた。また、圧縮機のセットアップ及び工程管理を維持するための製造作業中の
調整の不適切な手順と、これらの重大な活動の文書化の不足を認めた。
貴社の回答は不十分である。圧縮作業を含む貴社の従業員の作業により、貴社の製造記録内の全てのデータの
完全性に疑問を投げかける。貴社は、製造作業を通じてデータの完全性の包括的で回顧的な評価を実施すること
を明言していなかった。また、貴社は、セットアップや1ロットの製造中のパラメータの変更に関する詳細の
手順を提供することにより、圧縮作業中にAWCが一貫して維持され記録されることをいかに保証するか、また、
関連する全てのパラメータをいかに管理するかということに適切に対処しなかった。
工程の変化に迅速に対処するために適切で継続的な工程管理を行うことと、作業中の散発的な管理の喪失を
防ぐことは不可欠である。更に、貴社は、製造記録に錠剤XXの含量の変化を詳細に記述していなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社の圧縮作業において制定したAWC及びその他の管理手順
 そこには、これに限定されないが、AWCのセットアップ及びその後の調整の詳細の手順、圧縮の一貫性に
  影響を与えうるすべてのパラメータの特定、全てのロットの製造活動の完全な文書管理が含まれる。
・各製造作業を完全に文書化した、貴社の改訂された製造指図記録書原本
 いちばん最近に製造された錠剤医薬品XXの各含量の全ての印刷物を含む製造指図記録も提出せよ。
・範囲、セットアップパラメータ、貴社の工程の変化を検出するための工程内のモニタリングの正確性を
  保証するための、調剤XXの製造に関する全てのプロセスパラメータの独立したレビュ
・製造と包装工程が適切な製造の基準とパラメータを一貫して満たしていることを保証するための、変化を
  特定し管理するデータ主導の科学的に合理的なプログラム
 そこには、これに限定されないが、装置の使用目的への適合性、投入する原材料の品質の保証、各製造
  工程の手順と管理の能力と信頼性の判断が含まれる。
・この文書の下の“データ・インテグリティの改善”の章で要求された貴社の是正処置・予防処置(CAPA)
  の計画
 包括的なCAPAの一つの観点として、独立したレビュ者は、2016年2月1日以降の製造データの正当性の
  徹底的な回顧的アセスメントを提出すべきであり、製造スタッフ(作業者と監督者の両方)の徹底的な
  インタビュを実施すべきである。
  このアセスメントは、貴社が実施した内部調査に拡大すべきであり、これに限定されないが、XXとXXの
  工程内チェックXXの完全性の独立したレビュと、行方不明の圧縮作業のデータの評価を含めるべきである。
  回顧的アセスメントでは、この工程内試験のデータの情報のギャップの度合い(データの省略または喪失
  によるものか)、スタッフがいない時間の職員の署名、この製品及び他の製品に関し、どの範囲のデータ
  が信頼できるかを判断すべきである。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロット
    またはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
XXmgの錠剤の製造記録でみつかった食い違いについての貴社の調査は不十分である。
特に、文書DEV-G1-18-033は、XXmgの製造記録に書かれた圧縮力値と、圧縮装置のPLC内に電子的に記録された
データの食い違いに関する複数のロットの製造記録の調査の詳細情報を提供していたが、以下の情報が不足
しているので、貴社の調査は不十分である:
・その他の食い違いが発生していたかどうかを判断するための、手書き記録と、錠剤XXの製造中にPLCによって
  記録された全ての工程管理値の電子データの比較によるデータの完全性のレビュ
・貴社の設備で製造されたXXの他のロットと他の製品までの、調査の十分な拡大
・錠剤XXの製造中の圧縮機の工程管理値の著しいばらつきに関する実質的な根本原因
・このばらつきの根本原因を解決するためのCAPAの計画
貴社は回答の中で、逸脱は、値が圧縮作業を継続する許容範囲にあるという職員の考えと、錠剤の全ての重要
な特性が規格内にある場合の異常な装置の管理値(例:圧縮値、注入の深さ、AWC)の見落としの結果であると
述べた。
貴社の回答は、貴社の元々の調査は、限定的で全体的でなかったので、その結果として、データ・インテグリ
ティの問題の範囲と、その原因を十分に判断しなかったことを認めた。貴社は、注入の深さ、圧力値などの
工程パラメータの大きなばらつきの根本原因と、なぜこれらの値が貴社のバリデーションロットの圧縮の間に
示されたより厳しい管理と不一致だったかの理由を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。貴社は
ロットの品質において、普通でない値の影響について適切に対処しなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・アメリカ市場向けに製造されたXXロットについて、製造記録内にマニュアルで記録された工程管理値と、
  PLC内に電子的に記録された値を比較する回顧的で独立した評価
 例えば、この評価では、AWCが“OFF”の位置にセットされていた時の錠剤の圧縮の時間を特定し、これらの
  期間に製造された錠剤の品質について対応すべきである。
・これらの不完全な製造状態の記録のもとで圧縮された、アメリカ市場にある使用期限内の医薬品の詳細リスク
  アセスメント
 リスクアセスメントに基づき、適切な是正処置を実施せよ。
・逸脱、異常な出来事、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する貴社の総合的なシステムの包括的で独立した
  アセスメント
 貴社のCAPAには、これに限定されないが、調査能力の向上、根本原因の分析、文書化された手順、品質部門
  の監督を含むべきである。また、CAPAの効果を評価する手順も含めよ。
3.貴社は、試験室の記録が、制定した規格や基準に一致することを保証するのに必要な全ての試験から得ら
    れる完全なデータを含むことを確実にすることを怠った。
いくつかのケースにおいて、貴社は、最初のOOSの試験結果を得た後に、新しい分析を実施した。これらの分析
は、カール・フィッシャー滴定装置による水分量の試験と、自動滴定装置による分析試験を含んでいた。我々は
これらの装置の電子データをレビュし、分析記録の報告されていないOOSの試験結果を発見した。最終的に、
合格の結果のみが、ロットのレビュと処理の判断のために提出されるデータに含まれていた。
更に、貴社の試験室は、多くの場合、基本的な試験のローデータ(例:オリジナルのローデータのシート、
オリジナルのクロマトグラム、機器の使用ログ、オリジナルの重量の印刷物)を保持することを怠った。
例えば、原薬XXロットXXに関する自動滴定装置を使った最初の分析試験が2018年12月29日13:50に実施された。
その最初の結果はXX%でOOSだった (規格はXX%)。公式なリリース判定に使用された分析試験のデータは2018年
12月29日15:00のXX%で規格内として報告された。この公式なリリースのデータに最初のXX%のOOSの結果は含んで
いなかった。調査は実施されなかった。
貴社は回答の中で、査察中に見つかった9件に加え、報告されていな10の追加のOOSの結果がみつかったことを
示した。また、貴社は、最初の結果がOOSではないが、追加の分析の正当な理由がなく試験を繰り返していた
23の事例を発見した。
査察中に見つかったこれらのOOSの結果により影響を受けたロットの処理について対処していないので、貴社の
回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・2016年6月1日以降の全ての製品に関する全ての無効とされたOOS(工程及び最終試験)の結果の回顧的で独立
  したレビュ
 無効とされたOOSの各結果の科学的な正当性とエビデンスは決定的かどうか評価せよ。試験が根本原因と
  された調査に関し、貴社が、改善のために、同じ根本原因に対して脆弱な他の試験方法を確実に特定せよ。
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されなかったOOSの結果についての製造の徹底的
  なレビュ(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原材料、工程の能力、逸脱の履歴、ロットの不合格
  の履歴)
  根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置(CAPA)の計画を提出せよ。
・OOSの結果が得られた、使用期限内にあるアメリカ市場の全ての医薬品のリスクアセスメント
 もし薬の品質に影響がありうるなら、顧客への通知や回収を含む適切なアクションをとること。
・OOSの結果の調査に関する貴社のシステムのレビュと改善
 OOSの対処を改善するためのCAPA計画を提出せよ。貴社のCAPAの計画には、貴社の改訂されたOOSの調査手順
  に以下のことを含むことを保証すべきである:
 ○試験の調査に関して改善された品質部門の監督
 ○試験管理における有害な傾向の特定
 ○試験のばらつきの原因の解決
 ○試験の原因が最終的に特定できなかった場合の、製造の原因の可能性の調査
・品管の訓練、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的で独立したレビュ
 このレビュに基づき、貴社の試験システムを改善するための詳細なCAPAの計画を提出せよ。貴社の計画には、
  実施されたCAPAの計画の効果を評価するために貴社が使用する予定の手順を含めるべきである。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切に
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守するためのガイダンスとして、
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への回答に
おいて、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査
   貴社の調査には、以下のことを含めるべきである。
   ・調査の手順と方法論の詳細
   アセスメントでカバーされる全ての試験室・製造作業・システムの概要と、貴社が評価から除外しよう
      としている作業の正当性
    ・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在とかつての従業員のインタビュ
   我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによって実施されることを推奨する。
  ・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
   省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が発見した
      データ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業を述べよ。
  ・試験に関するデータ・インテグリティの欠落の性質の包括的で回顧的な評価
   我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格性のあるサードパーティが全て
      のデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
    引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  貴社の戦略には以下のことを含めるべきである。
  ・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社が生成する全てのデータの信頼
      性と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処置の計画
  ・現在のアクション・プランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントの結果に釣り合うという
      エビデンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
   データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGMP関連または医薬品の申請のデータ
      に影響を与えることができる状態のままかどうかを示せ。
  ・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するために安定性プログラムへのロット
      の追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、患者を守り、貴社の医薬品の品質
      を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアクションを述べた暫定的な手段
  ・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管理、システム、監督、人的資源
      (例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の手段
  ・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●工程管理
貴社は、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための工程管理のモニタリングに関する適切
な継続的プログラムを持っていない。FDAが考える一般的な原則とアプローチに関するFDAのガイダンス文書
“Process Validation : General Principles and Practices”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社が21 CFR 211.34に規定されているCGMP要件
を満たす手伝いをするために、21 CFR 211.34章に規定されているデータ・インテグリティに非常に適格な
コンサルタントを雇うことを強く勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備と不具合を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質システムとリスク
マネジメントアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発
を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者として
のいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/indoco-remedies-limited-575313-07162019


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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いかがでしたでしょうか。

今回は2件とも、データ・インテグリティの欠如と、OOS(Out-of-Specification)等の問題の不十分な調査
に対する指摘が含まれていました。

GMP文書をゴミ箱に捨ててしまうのは論外ですが、
・書き間違いによる手書きの記録と電子記録の食い違い
・OOSの結果が出て、あれっ、何か間違えたかな?と再度試験を行ってみたら合格が出て、つい最初の試験
  結果を無効にしてしまうこと
は、結構、身近で起きやすいことなのではないでしょうか。

今回の指摘内容を参考に、自社の記録や手順をチェックしてみるのもよいのではないでしょうか。

☆次回は、9/15(日)に配信させていただきます。


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