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2020.02.15
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<188号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
新型肺炎が気がかりですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
今回もFDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から出されたウォーニングレター(2件)について見ていきたいと
思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
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最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。
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■WL:320-20-14■
トリニーダド・トバゴの製造所の査察(2019/5/27~2019/5/31)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2019/12/19付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は各成分のサンプルについて、同一性と純度、濃度、品質に関する全ての文書化された規格に一致する
ことを試験するのを怠った。また貴社は、適切な間隔で、供給者の成分の分析の信頼性をバリデートし
証明することも怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、入荷した原料の同一性、純度、濃度、その他の品質特性について試験することを怠った。特に、
XXに関し、USP(アメリカ薬局方)モノグラフに記載もされている同一性の試験を実施することを怠った。
さらに貴社は、XXに関し、USPモノグラフにも記載されている不純物試験を実施することを怠った。貴社
は、適切なバリデーションを通して分析の信頼性を証明していなかったが、成分の供給者の分析レポート
に基づき医薬品の製造のために原薬をリリースした。
貴社は回答の中で、入荷した原材料に必要とされる試験を実施する能力を持っていないので、原薬XXの
試験を完了させるために外部の試験機関と契約したと述べた。
原薬について実施しようとしている試験のタイプについて詳細を述べなかったので貴社の回答は不十分で
ある。さらに、貴社は、原材料供給者の試験結果のバリデーションと、貴社の契約試験機関の適格性評価
に関する計画を述べなかった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・成分、容器、蓋の全ての供給者の適格性評価が実施され、原材料に適切な使用期限とリテスト日付が
割り当てられているかどうかを判断するための貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ
レビュでは、入荷した原材料の管理が不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切かどうかも判断
すべきである。
・製造に使用するために、入荷した成分の各ロットを試験しリリースするために貴社が使用する化学及び
微生物の品質管理の規格
・同一性、濃度、品質、純度に関する全ての規格への一致に関し、各成分をいかに試験するかの記述
もし貴社が濃度、品質、純度の各成分のロットを試験する代わりに貴社の供給者の分析証明書(COA)
から得られた結果を受け入れるつもりなら、最初のバリデーションと、定期的な再バリデーションを
通して、いかに確実に供給者の試験結果の信頼性を証明するかを詳細に述べよ。さらに、入荷した成分の
ロットについて、少なくとも1つの同一性試験を常に実施することの約束を含めよ。
・この分析証明書のバリデーションプログラムを述べた貴社の標準作業手順(SOP)
・貴社が製造した医薬品を試験する契約施設の適格性評価と監督に関する貴社のプログラムのサマリ
これらの契約施設に関する貴社の適格性評価が完了していることをいかに保証するかを述べよ。
●指摘2
貴社は、製品の各ロットについて、出荷前に、同一性、各有効成分の濃度を含む製品の最終規格への一致
の試験室の判断を行うことを怠った。
<指摘2詳細>
貴社の分析証明書は、XXに限定されないが、有効成分の分析や同一性試験を含む重要な試験が不足して
いたにもかかわらず、局所用OTC医薬品XXをアメリカ市場に出荷した。さらに貴社は、製品の特性が
が品質保持期間を通じて基準を満たしていることを示す安定性のデータに不足していた。
出荷前の各ロットの試験は、貴社が製造した製品が制定された規格を満たすという保証の根幹である。
我々はXXの割合に関し、アメリカ市場に出荷される製品の各ロットを試験するために外部の試験機関と
契約していることを知っている。しかし、貴社の回答には有効成分の分析に関する詳細が不足している。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社の試験の実務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したレビュ
このレビュに基づいて、貴社の試験システムの効果の改善と評価のための詳細なプランを提出せよ。
同様のアセスメントは、全ての機能について、契約試験機関のかわりに実施されるべきである。
・ロットの処遇を判断する前に、製品の各ロットを分析するために使用されている化学及び微生物の試験
方法と規格とそれに関連する文書化された手順
・各ロットの保管サンプルから得られた全ての試験結果のサマリ
もしその試験で製品の基準を満たさない品質が明らかになった場合は、顧客への通知や製品の回収など
の迅速な是正処置をとれ。
・製品の安定性プログラムの開発と実装のためのタイムライン付きの貴社の計画
●指摘3
貴社は、装置の洗浄及びメンテナンスに関わる文書化された手順を制定して従うことを怠った。
<指摘3詳細>
我々は、貴社が医薬品と化粧品を製造するために使用している非専用装置の製品の接触面にさびやはがれた
塗料があるのを発見した。さらに貴社は、洗浄の効果を保証するために、洗浄方法が再現可能であることを
示す洗浄方法のバリデーションを実施していなかった。
貴社は回答で、FDAの規制に従うことを保証するために、関連する文書化された手順をレビュし改訂する
つもりであると述べた。
装置の洗浄プログラムの改善に関する記述が不足しているので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・施設と装置の作業の日常の慎重な監督を実施するための是正処置・予防処置(CAPA)の計画
この計画は、とりわけ、装置/施設の性能の問題の迅速な検出、修理の効果的な実施、適切な予防保全
スケジュールの順守、装置/施設のインフラへのタイムリーな技術的改善、継続的なマネジメントレビュ
に関する改善を保証すべきである。
・交叉汚染の危険の範囲を評価するための洗浄の効果の包括的で独立した回顧的なアセスメント
アセスメントには、残留物の特定、不適切に洗浄されているかもしれない他の製造装置、交叉汚染され
た製品が出荷されたかどうかのアセスメントを含めよ。このアセスメントでは、洗浄手順や実務の
不十分さを確認すべきであり、2つ以上の製品を製造するために使用される装置の各部品も網羅すべきで
ある。
・貴社の洗浄手順と業務の改善、洗浄バリデーション正当化、完了までのタイムラインを含む、回顧的
アセスメントに基づくCAPAの計画
装置のライフサイクルマネジメントに関する手順の脆弱性を詳しくまとめよ。洗浄効果の向上、全ての
製品と装置に関する洗浄の実施の継続的な検証の改善、その他全ての必要とされる改善を含む、貴社の
洗浄プログラムの改善について述べよ。
・貴社の医薬品の製造作業におけるワーストケースとして特定される条件を取り入れることに特に重点を
置いた洗浄バリデーションプログラムの改善
改善には、これに限定されないが、全てのワーストケースの特定と評価を含めるべきである。
*高い毒性を持つ医薬品
*高い有効性を持つ医薬品
*洗浄溶液の中でより低い溶解度の医薬品
*洗浄を難しくする特性を持った医薬品
*洗浄を最も難しくする部分の拭き取り場所
*洗浄前の最大保留時間
さらに、新しい製造装置または新しい製品の導入前の変更管理システムでとられるはずのステップに
ついて述べよ。
●指摘4
貴社は、医薬品の製造、加工、包装、保持において、適切な設計と適切なサイズで、意図した使用目的に
対応し、洗浄・メンテナンスの作業を円滑に進めるために適切に配置された装置を使用することを怠った。
<指摘4詳細>
貴社は、医薬品を製造するために使用される貴社のXXシステムから生成されたXXが目的に合っていること
を保証しなかった。貴社はバリデートされておらず、有害な微生物をモニタせず、XXを製造するために
設計されていないXXシステムから得たXXを使って医薬品を製造した。貴社のXXシステムは、日常的にXXに
つながり非衛生的になりうるXXだった。
貴社は回答の中で、これに限定されないが、装置の適格性評価、バリデーション、XXのコントロールを
含む文書化された手順のレビュと改訂をするつもりであると述べた。貴社はまた、貴社の外部の委託業者
がXXシステムの交換を推奨し、貴社もXXを交換するかもしれないと述べた。
貴社は、XXシステムのバリデーションプログラムはもちろん、システムの設計、モニタリング管理の改善
を含めることを怠ったので、貴社の回答は不十分である。貴社がUSP(アメリカ薬局方)の規格XXを満たす
ために製造作業に使用されるXXを必要としているかどうかも不明確である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社のXXシステムの設計、管理、メンテナンスに関する包括的で独立したアセスメント
・適切なXXシステムを設計し運転するための徹底的な改善計画
計画には、USPモノグラフの規格と微生物の限界値を遵守したCCを一貫して製造する新システムを保証
するための、強固で継続的な管理、メンテナンス、モニタリングのプログラムを含めよ。
・貴社により製造される製品の使用目的を考慮して、XXに関する微生物の総数が適切であることを保証
せよ。
・設計が包括的に改善され、全ての保守修繕が完了した後に得られるXXシステムに関するバリデーション
レポート
システムのバリデーション手順、完全な試験結果、最終的なバリデーションレポートを含めよ。
・製造作業における全てのユースポイントにおける所定のXXのサンプリングと分析の改訂された手順
・現在アメリカの流通内にある医薬品の全てのロットの品質に対するXXシステムの欠陥の潜在的な影響
に取り組んだ詳細なリスクアセスメント
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために
21 CFR 211.34に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社が
FDAとコンプライアンス状態を遵守しようとする前に、適格性のあるコンサルタントが、貴社の全ての作業
のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社が実施してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果
を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●未承認新薬の責任
貴社の石けんXXは、病気の診断、治療、緩和、手当、予防を意図していて、かつ/または、体の構造や機能
に影響を与えることを意図しているので“医薬品”にあたる。特に、XXは、殺菌を目的としている。
しかし、臨床試験の記録がないし、我々は、アメリカ市場内で類似のOTC医薬品で市販されているものが
あると知らない。これらは、科学的専門家の間で安全で効果があると認められていないので、 “新薬”
である。“新薬”はFDAに承認された申請がなければ州際通商の対象にはならないので、販売が禁止され
ている。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年11月21日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
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■WL:320-20-15■
カナダの製造所の査察(2019/8/12~2019/8/16)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に
関する2019/12/23付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は、医薬品の製造、加工、包装、保持に使用されるコンピュータを含む、自動の機械的な電子装置
や、その他のタイプの装置の性能を保証し、キャリブレーションチェックや調査の文書化された記録を保持
するために設計され文書化されたプログラムに従って、定期的にキャリブレートし調査またはチェックする
ことを怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、そのうちのいくつかは子供用というラベルが貼られている複数のOTC医薬品を受託製造している。
貴社のバルクXXロットXXの中のXXに関する規格外(OOS)の調査のレビュ中、我々の査察官は、人と機械の
インタフェース(HMI)データと、バッチ記録の中の作業者により作成された値の間に複数の食い違いを確認
した。例えば、作業者はXX時にXXのXX工程中にバッチのXXを記録した。しかし、HMIデータは、操作時の
ものでないことを示していた。
査察中、貴社の品質部門は、作業者はバッチレコードが示すようなXXをしていないと認めた。しかし貴社は、
この食い違いを適切に調査して解明することを怠った。
貴社は回答の中で、HMIと比べるためにバッチレコードをランダムに選び、バッチレコードとHMIデータの
間の食い違いを調査するつもりであると述べた。貴社の回答は不十分である。貴社は、HMIデータとバッチ
レコードの食い違い、または、バッチの指図に従わない作業者の手順の範囲を完全に評価することを
約束しなかった。貴社はこれらの食い違いの根本原因を検証しなかった。また貴社は、他の作業エリア内
の潜在的な記録の食い違いを含めるために調査の範囲を広げず、販売された製品のアセスメントの情報を
提供しなかった。さらに貴社は、作業の管理と、品質部門の文書化とデータ・インテグリティの監督の
不履行に適切に取り組まなかった。
貴社の品質システムは、貴社が製造する医薬品の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確さと完全性
を保証しなかった。完全で正確な記録もなしにロットの出荷判定に関する判断、製品の安定性、継続的な
品質の保証の基礎となるその他の事を保証することはできない。
CGMPに従ったデータ・インテグリティの手順を制定して従うためのガイダンスとして、FDAのガイダンス
文書“Data Integrity and Compliance with Drug CGMP”を見よ。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・アメリカに販売された医薬品のデータレビュの結果を含むデータ記録及び報告の不正確の範囲の包括的
な調査
貴社のデータ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因の詳細な記述を含めよ。
・発見された不具合が貴社の医薬品の品質に与える潜在的な影響の現在のリスクアセスメント
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた製品の出荷により引き起こさ
れる患者へのリスクの分析と、継続的な作業によりもたらされるリスクの分析を含めるべきである。
・貴社のグローバルな是正処置・予防処置の計画を含む管理戦略
詳細の是正処置の計画には、貴社が微生物及び分析のデータ、製造記録、FDAに提出された全ての
データを含む、貴社により生成された全てのデータの信頼性と網羅性を貴社がいかに保証するつもりかを
述べるべきである。
・文書化の手順が不十分かどうかを判断するための貴社の製造及び試験の作業全体で使用される文書化
システムの完全なアセスメント
貴社の作業を通じて保持される、帰属可能・判読可能・完結した原本性のある正確で同時に作成した
記録を保証するために、貴社の文書化の手順を包括的に改善する詳細な是正処置・予防処置(CAPA)を
含めよ。
●指摘2
貴社は、貴社が製造する医薬品が、それが持つとうたっている同一性、濃度、品質、純度を持っている
ことを保証するために設計された製造と工程管理に関する文書化した手順を制定することを怠った。
<指摘2詳細>
貴社は、貴社の医薬品を製造するために使用される複数の製造工程をバリデートすることを怠った。
例えば、XXに関するプロセスバリデーションが欠けていた。
これは、2016年12月に実施した査察中にも挙げられた繰り返しの所見である。
また、貴社の作業者は、バッチレコードの指示に従い、逸脱を文書化することを怠った。逸脱の文書は、
逸脱が最終製品に影響を与えるかを調査し評価するために使用されるかもしれないものである。
さらに貴社は、医薬品の充填前のXXの非常に長いバルクの待機時間を許可した。貴社は、この手順が、
貴社の医薬品の化学及び微生物上の品質に影響を与えないということを保証することを怠った。
貴社の回答には、プロセスバリデーションを実施するためのアプローチの詳細が欠けている。
プロセスバリデーションは、そのライフサイクルを通じて、工程の設計と管理状態の安定性を評価する。
製造工程の重要な各手順は適切に設計され、投入される原材料・中間材料・最終製品の品質を保証しな
ければならない。工程の適格性評価の研究は、初期の管理状態が達成されたかどうかを判断する。良好な
工程の適格性評価の研究は商用の販売の前に必要である。その後、工程の性能と製品の品質の継続的で
慎重な監督は、貴社が製品のライフサイクルを通じて安定した製造作業を維持していることを保証する
ために必要である。
FDAがプロセスバリデーションの要素と考えるプロセスバリデーションの一般的な原則とアプローチに
関して、FDAのガイダンス文書“Process Validation : General Principles and Practices”を見よ。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・製品のライフサイクルを通じた管理状態を保証するための、関連する手順と合わせた貴社のバリデー
ションプログラムの詳細なサマリ
・貴社で販売されている各医薬品の工程の性能適格性評価(PPQ)を実施するためのタイムライン
・装置と施設に関する工程の性能適格性評価のプロトコルと文書化された手順を含めよ。
・継続的な管理状態を保証するためのロット内及びロット間のばらつきの慎重なモニタリングを含む
貴社の各製造工程の設計、バリデーション、保持、管理、モニタリングに関する詳細なプログラムの
情報を提供せよ。
また、貴社の装置と施設の適格性評価のプログラムを含めよ。
●指摘3
貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロットまた
はその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
<指摘3詳細>
貴社は適切な調査を怠った。例えば
a.貴社はXXのロットXX内のXXの小片の存在を調査し文書化することを怠った。
貴社は、小片は充填ラインの破損したベルトから生じたものと結論づけ、貴社の是正処置はこの
ロットのXX個を不合格とした。しかし、この是正処置は、同じラインで先に充填されたロットや、
同様の事象の再発を防ぐための予防保全計画をカバーするために広げられなかった。
b.貴社の製品XXロットXXの低含有量のOOSの試験結果の適切な調査を実施することを怠った。貴社の調査
は、OOSの各サンプルが示す通り、充填工程のはじめの時点で、低含有量が不合格の結果を説明する
希釈物に影響しているかもしれないと述べた。その後、貴社は、13:45時点以降に充填されたユニット
をリリースした。貴社は調査中にXX工程から得られた残留水がロットのはじめにすすぎ水の汚染に
つながったことを解明したが、残留水が根本原因だと確認する製造の調査の情報を提供できなかった。
貴社は、このロットから得られたリリース済のユニットが汚染されていないという保証に欠けていた
が、XX工程を評価するために調査の範囲を広げなかった。
貴社は回答の中で、貴社の調査手順を改善するつもりであると述べた。貴社の回答は不十分である。
貴社は、根本原因を適切に特定し、OOSの結果を正確に報告し、適切なCAPAを実装することを保証する
ために、貴社の全ての製品の回顧的なレビュを実施することを約束しなかった。
これは、2016年12月に実施した査察中にも挙げられた繰り返しの所見である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社の逸脱・食い違い・苦情・OOSの結果・不具合の調査に関する総合的なシステムの包括的で独立した
アセスメント
このシステムを改善するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプランは、これ
に限定されないが、調査能力、決定の範囲、根本原因の評価、CAPAの効果、品質保証の監督、文書化
された手順の大幅な改善を含むべきである。
貴社は、調査が適切に実施されたことを全てのフェーズでいかに保証するかについて述べよ。
・貴社のCAPAのプログラムに関する独立したアセスメントと改善の計画
計画が、適切な調査能力を持ったスタッフを含み、根本原因の分析を効果的に実施し、CAPAの効果を
保証し、調査の傾向を定期的にレビュし、必要であればCAPAのプログラムの改善を実施し、品質保証
の判断の権利を保証し、経営陣に完全にサポートされているかどうかを評価するレポートを提出せよ。
・効果的に機能するために貴社の品質部門に権限とリソースが与えられていることを保証するための包括
的なアセスメントと改善計画
アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含めよ。
*貴社により使用される手順が安定して適切かどうかの判断
*適切な手順の順守を評価するための貴社の作業全体の品質部門の監督に関する情報提供
*品質部門によるロットの処遇の判断前の、各ロットの完全で最終的なレビュとそれに関連する情報
*調査の監督と承認と、全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証する品質部門の職務以外の解放
また、これに限定されないが、出現した製造/品質の問題に積極的に取り組み、継続した管理状態を保証
するためのリソースのタイムリーな提供を含む、トップの経営陣が品質保証と信頼できる作業をいかに
サポートするかについて述べよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造を再開
するつもりなら、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34に規定されている適格な
コンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社がFDAとコンプライアンス状態を遵守
しようとする前に、適格性のあるコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査
を実施し、貴社が実施してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年12月16日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
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まとめ
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いかがでしたでしょうか。
“トリニーダド・トバゴ”という国名を聞く機会がないので、ウォーニングレターも興味深く読みました。
それはさておき、今回も、試験の不足、文書化された手順の制定とその遵守の不履行、OOSの調査の不足な
ど、品質の根幹にかかわる指摘が多かったように思います。
ただ、根本原因の特定に至らないうちにOOSの調査をやめてしまうことは簡単に起こりえます。
また、手順を制定してあってもその後の変更管理を怠れば、手順制定の不履行と同様の状況になりえます。
ということで、どれも、身近で起こりうる内容ですので、是非、これらの指摘無内容を参考にしてみていた
だければと思います。
☆次回は、3/1(日)に配信させていただきます。
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今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールをお願いいたします。
【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2020.02.01
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<187号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
新型肺炎の話題でもちきりのこの頃ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
今回は、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から出されたウォーニングレター(3件)について
見ていきたいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
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最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。
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■WL:320-20-09■
中国の製造所の査察(2019/3/4~2019/3/7)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に
関する2019/12/3付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は医薬品の各ロットについて、リリース前に、各有効成分の同一性、濃度を含む最終規格へ
の一致についての試験室の判断を怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、アメリカ市場向けに、鎮痛薬“唐辛子プラスタHOT”やXXのようなさまざまな経皮貼付の
OTC医薬品を製造し出荷した。我々査察官は、貴社がアメリカ市場への出荷前に各ロットが同一性
と濃度の規格を満たすかどうかを判断するための最終製品のテストをしなかったことを発見した。
出荷前の各ロットの完全な試験は医薬品のロットが規格を満たすかどうかを判断のための不可欠な
要素である。品質部門は、最終的な品質の判断をするために権利を与えられなければならない。
ロットが既に出荷されたかどうかに関わらず、品質部門は、製品品質に影響を与えうる全ての試験
及び製造のデータを監視できることが不可欠である。ロットの処遇を判断する際、品質部門が完全
な情報に基づいて出荷の適合性に関する適切な判断を可能にするために、全ての逸脱と試験データ
を含む全ロットの製造と管理の記録が提供されなければならない。
貴社は回答の中で、適切な能力を持ったサードパーティの試験機関を探すつもりであると述べた。
さらに貴社は、製品が規格を満たすことを保証するために、アメリカ市場に販売された最終製品の
各ロットの有効成分に関する試験をすることを約束した。
サードパーティの試験機関に関する名前、所在地、試験方法、または、彼らが実施するつもりで
ある試験(例:同一性、濃度、純度)の詳細を含む情報がないので、貴社の回答は不十分である。
さらに、貴社は、意図した試験を実施するためにサードパーティの能力をどのように評価するか
の情報を提出しなかった。加えて、貴社は、現在アメリカ市場にある最終製品のロットに関する
試験の文書を提出しなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提出せよ。
・貴社の試験の実務、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的で独立したレビュ
このレビュに基づいて、貴社の試験システムの完全な改善のための詳細な是正処置・予防処置
(CAPA)のプランを提出せよ。貴社のプランには、実施されるCAPAの効果を評価するために使用
するつもりの手順も含めるべきである。
・ロットの処遇を判断する前に製品の各ロットを分析するために用いられる分析試験方法と規格
のリスト
関連する文書化された手順を含めよ。
・現在アメリカに流通している全ての製品のロットの保管サンプルの回顧的試験から得られた試験
結果のサマリ
サマリには有効成分の同一性と濃度の試験結果と、他の全ての化学及び微生物学的品質特性に
ついて含めよ。
もし貴社が、規格外のロットを出荷していたら、顧客への通知や製品回収など、貴社がとろうと
している是正処置を示せ。
この試験の完了のタイムラインを迅速に提出せよ。
・貴社が製造した医薬品の試験を行う契約試験機関の適格性評価及び監督に関する貴社のプログ
ラムのサマリ
サマリには、これに限定されないが、契約試験機関が貴社の代わりに実施する試験方法が、
ロットの分析に使用する前にバリデートされていることを保証する貴社の手順を含めるべきで
ある。さらに、実施の契約がされている試験を遂行するために、サードパーティの能力を評価
するための手順を含めよ。
●指摘2
貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するための試験を少なくとも1回実施することを怠った。
貴社は、適切な間隔で、成分の供給者の分析試験の信頼性をバリデートし証明することも怠った。
<指摘2詳細>
貴社は、貴社の医薬品を製造するために使用される、入荷した有効成分及びその他の原材料
(例:XX)の同一性、純度、濃度、及びその他の品質特性を判断するための試験を怠った。代わりに、
我々査察官は、貴社が原材料の容器の中身の外観検査と成分の供給者の分析レポートのレビュのみに
基づいて、原薬とその他の原材料をリリースしていることを発見した。貴社は、これらの供給者の
分析レポートを保持せず、レビュ後に捨てていた。さらに貴社は、適切なバリデーションを通じて
供給者の分析の信頼性を証明しなかった。貴社は、入荷した原材料の各ロットについて、少なくとも
1つの同一性試験が実施されたことを保証することもしなかった。この違反は2016年12月の査察中にも
発見され、その後、貴社は入荷した原材料の試験をすることを約束していた。
貴社は回答の中で、貴社は、適格性のあるサードパーティの試験機関をみつけ、入荷原材料に関する
手順を改訂し、アメリカ供給用の製品に使用される有効成分の各ロットをサードパーティの試験機関
に送るつもりであると述べた。
求められる成分の試験が実施されるまで医薬品の製造を止めると約束せず、アメリカ市場に既に流通
している製品のリスクアセスメントを実施しなかったので、貴社の回答は不十分である。さらに、
貴社の回答は、貴社の最終製品に使用される有効成分以外の原材料の試験を含めなかった。また、
貴社は貴社の供給者の信頼性を証明することに取り組むことを怠り、CAPAの計画を裏付ける文書を
提供しなかった。
この文書への回答で、以下の情報を提出せよ。
・各供給者から受け取った全ての容器、蓋、成分の適格性が評価され、使用期限及びリテストの日付
が割り当てられ、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐための入荷原材料の管理がされていること
を判断するための原材料システムの包括的で独立したレビュ
・製造に使用する前に入荷した成分の各ロットの処遇を判断するために貴社が使用しようとしている
化学及び微生物の品質管理の規格
・貴社が、各成分のロットの、同一性、濃度、品質、純度に関する全ての規格への一致をいかに試験
するつもりかの記述
もし貴社が、各成分のロットの純度、濃度、品質の試験をする代わりに、供給者の分析証明書(COA)
の試験結果を受け入れるつもりであれば、貴社が、これらの属性について、供給者の試験結果の
信頼性と一貫性を、最初のイニシャルバリデーション及び定期的な再バリデーションでいかに証明
するつもりかを明記せよ。さらに、入荷した各成分のロットの少なくとも1つの同一性試験を常に
実施するという約束を含めよ。
・各成分の製造業者の分析証明書の信頼性を評価するための全ての各成分の完全な試験から得られた
試験結果のサマリ
分析証明書のバリデーションプログラムを述べた貴社の標準操作手順を含めよ。
●指摘3
貴社は、製品が適切な安定性試験によって裏付けされた使用期限を有することを保証するのを怠った。
<指摘3詳細>
貴社は、貴社の製品に割り当てられた使用期限XXを裏付けるための適切な安定性プログラムを制定
することを怠った。貴社には、ラベルに表示された使用期限を通して貴社の製品の化学及び微生物の
特性が許容できる状態にあることを証明するための十分なデータに欠けている。
貴社は回答の中で、加速状態での貴社の製品の安定性試験を実施し、それらの試験は適切な温度と
湿度のもとで保管されたサンプルで行うと保証することを約束した。
貴社は、全ての関連する品質特性と合格基準を含む安定性試験のプロトコルの提出を怠り、貴社の
試験方法が製品の安定性を評価するのに適切であるという保証を提出しなかったので、貴社の回答
は不十分である。さらに、貴社は、貴社のOTC医薬品の使用期限を裏付けるために、リアルタイム
状態での安定性試験が実施されるかどうかを明確にしなかった。また貴社は、全ての販売された
製品のロットがラベルに表示された使用期間を通してその品質特性を維持することを保証するため
のいかなるアクションも示さなかった。
原材料試験、最終製品試験、安定性試験の不足に基づき、貴社の医薬品製造作業は、管理状態の
もとで実施可能であるという最低限の保証しかない。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社の安定性プログラムの適格性を保証するための包括的で独立したアセスメントとCAPAの計画
貴社の改善されたプログラムには、これに限定されないが以下のことを含めよ。
〇安定性を示す方法
〇販売が許可される前の、市販されている容器の密閉システムにおける各製品の安定性の研究
〇主張する使用期限が妥当であるかどうかを判断するために、製品の代表的なロットが毎年
安定性プログラムに追加されるような継続的なプログラム
〇各工程(タイムポイント)で試験される特定の特性の詳細で明確な記述
・貴社の改善された安定性プログラムの上記及びその他の要素を述べた全ての手順
・設計、バリデーション、継続的な管理状態を保証するためのロット間とロット内のばらつきの
慎重なモニタリグを含む各製造工程の管理とモニタリングに関する詳細なプログラム
貴社の装置及び設備の適格性評価に関するプログラムも含めよ。
・品質管理、品質保証、これに限定されないが、安定した作業をサポートするために、試験及び
製造の不備に積極的に対処するための監督とリソースの提供を含む、信頼性のある作業を経営陣
がいかに支えるかの記述
●品質部門の権限
この文書内での重大な指摘事項は、貴社の品質部門がその権限・責任を完全に実行していないこと
を示している。貴社は、その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するために、適切な権限
と十分なリソースをもった品質部門を準備しなければならない。CGMPの規制21 CFR part 210,211
の要件を満たすために、品質システムを実装しリスクマネジメントアプローチをする助けとして、
FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。
●製造所での繰り返しの所見
2016/12/12~2016/12/14の前回の査察で、FDAは同様のCGMPの所見を挙げた。貴社は回答の中で
これらの所見に関して明確な改善を提案した。繰り返しの不具合は、経営陣による医薬品製造の
監督と管理が不十分であることを示している。
●委託製造業者の使用
医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、製造設備、
試験、包装、ラベル貼りのように、独立した受託業者を使用していることを知っている。FDAは、
委託製造業者は製造業者の延長とみなす。貴社は委託施設との契約の有無に関わらず医薬品の品質
に責任がある。貴社には、医薬品が安全性、同一性、濃度、品質、純度に関し、FD&C Actの
501(a)(2)(B)に従って製造されていることを保証する必要がある。
FDAのガイダンス文書Contract Manufacturing Arrangement for Drugsを見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造
を再開するつもりなら、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34に規定されて
いる適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社がFDAとコンプライアンス
状態を遵守しようとする前に、適格性のある第三者が、貴社の全ての作業のCGMP順守について
包括的な監査を実施し、貴社が実施してきた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価する
ことを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が
残る。
●未承認新薬の責任
“Capsicum Plaster HOT”と“1st Medx-Patch With Lidocaine 4%”は、病気の診断、治療、
緩和、手当、予防を意図していて、かつ/または、体の構造や機能に影響を与えることを意図して
いるので“医薬品”にあたるが、臨床試験の記録がないし、我々は、アメリカ市場内で類似の
OTC医薬品で市販されているものがあると知らない。これらは、科学的専門家の間で安全で効果
があると認められていないので、 “新薬”である。“新薬”はFDAに承認された申請がなければ
州際通商の対象にはならないので、販売が禁止されている。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、
これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年10月25日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品
製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■WL:320-20-11■
オーストラリアの製造所の査察(2019/5/27~2019/5/31)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2019/12/6付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社は医薬品の各ロットについて、リリース前に、各有効成分の同一性、濃度を含む最終規格への
一致についての試験室の判断を怠った。
<指摘1詳細>
貴社は、OTC医薬品XXを、有効成分XXの同一性と濃度の適切な試験をせずにアメリカ市場に出荷し
た。例えば、貴社は、XXに関するアメリカ薬局方モノグラフで制定された方法に劣る(強熱残分の)
分析方法を使用している。さらに、貴社はUSPモノグラフで指定された最小充填試験を実施しなか
った。
出荷前の各ロットの適切な試験は、貴社が製造した医薬品が適切な規格を満たすことを保証する
ために必要なたくさんの必須要素の中の1つである。
貴社は回答の中で、オーストラリアのGMPライセンスは、物理試験のみの実施を認めているので、
量的化学試験は実施されなかったと述べたが、貴社の回答は、XXの中身の滴定法と最小充填試験
を含むよう規格を改訂するという約束を含んでいた。
是正処置は今後のロットにのみ適用され、アメリカ市場に既に販売されたロットの保管サンプル
の評価または試験の約束を含んでいないので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答で、以下の情報を提供せよ。
・貴社の試験の実務、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的で独立したレビュ
試験システムの効果を評価し、それに続く完全な改善を保証する詳細なCAPAの計画を提出せよ。
・ロットの処遇を決定する前に貴社の医薬品を分析するために用いられる試験方法を含む、化学
及び微生物試験の規格のリスト
〇この文書の日付時点で使用有効期限内のアメリカに販売された医薬品の全てのロットの品質
を判断するために、保管サンプルの完全な化学及び微生物試験を実施するためのアクション
プランとタイムライン
〇各ロットの保管サンプルの試験から得られた全ての結果のサマリ
それらの試験が医薬品の基準未満の品質を示した場合、顧客への通知や製品回収といった迅速
な是正処置をとること。
・アメリカに販売された医薬品の分析に使用された全ての試験方法の評価
使用された各方法がUSPの方法であったかどうかを述べよ。もし、貴社が別の方法を使っている
なら、収載の方法と同等かそれより優れていることを示す研究結果を提出せよ。
●指摘2
貴社は、貴社が製造する医薬品が、それが持つとうたっている同一性、濃度、品質、純度を持って
いることを保証するために設計された製造と工程管理に関する文書化した手順を制定することを
怠った。
<指摘2詳細>
貴社は、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための工程管理のモニタリングに
関する適切な継続的プログラムを持っていない。特に貴社は、OTC医薬品に関する製造工程が
バリデートされていることを示す文書を提出しなかった。
また、我々査察官は、XXのロットが著しく異なるパラメータXXを使って製造された事象を発見した。
FDAが適切なプロセスバリデーションの要素と考える一般的な原則とアプローチに関し、FDAの
ガイダンス文書Process Validation : General Principles and Practices を見よ。
貴社は回答の中で、XX後のサンプルポイントXXを含むさまざまなタンクXXに関し、XX製剤のバリ
デーションを実施するためのアクションプランを提出した。貴社は、サンプルは、内容物XXに
関し定量的に分析されると述べた。
貴社の回答は、完了のタイムラインとプロトコルのドラフトを含む、計画されたバリデーション
活動の情報が不足していたので不十分である。
この文書の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社の製造工程に、一貫して規格と製造の標準を満たすように、ばらつきの全ての原因を特定
し管理するデータ駆動型の科学的に理にかなったプログラムがあることを保証するための
各医薬品の製造工程のアセスメント
アセスメントには、これ限定されないが、その意図した使用に関する装置の適合性の評価、
貴社のモニタリング及び試験システムの検知能力の十分性、入荷原料の品質、各製造工程の
ステップと管理の信頼性を含めよ。
・製品のライフサイクルを通じて、関連した手順と共に管理状態を保証するための貴社のバリ
デーションプログラムのサマリ
工程の性能適格性評価、継続的な管理状態を保証するためのロット間及びロット内の継続的
なモニタリングに関するプログラムについて述べよ。また、貴社の装置と設備の適格性評価に
関するプログラムも含めよ。
・販売された各医薬品に関する適切な工程の性能適格性評価(PPQ)を実行するためのタイムライン
・貴社の工程の性能適格性評価のプロトコル
●指摘3
貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するために少なくとも1つの試験を実施することを怠った。
<指摘3詳細>
貴社は、医薬品を製造するために使用されるXXを含む入荷成分の同一性に関する試験を怠った。
貴社は回答の中で、XXに関し、オーストラリアでは、賦形剤の個々の試験は命じられていないし、
不活性な原料は供給者の分析証明書(COA)に基づいて受け入れられていると述べた。貴社は、
各原料の同一性試験を実施するためにフーリエ変換赤外分光(FTIR)の機器を購入するつもりで
あると述べた。
アメリカ向け製品で使用される成分の同一性試験をいつ実施するかの文書もタイムラインも
提出されていないので、貴社の回答は不十分である。
この文書の中で以下の情報を提供せよ。
・成分、容器、蓋の全ての供給者が適格性を評価され、原材料に適切な使用期限とリテストの
日付が割り当てられているかどうかを判断するための、貴社の原材料システムの包括的で独立
したレビュ
・アメリカ市場向けのOTC医薬品XXを製造するために使用される有効成分XXの全てのロットに
関して得られた、同一性試験の結果の文書
同一性試験で使用される試験方法を明記し、その方法を提出せよ。もし使用されている方法が
USP(アメリカ局方)モノグラフに挙げられた方法でない場合、使用されているその方法が、
収載の方法と同等かそれより優れていることを示すエビデンスを提出せよ。
・貴社が、製造に使用するために入荷した各ロットの試験やリリースのために使用している化学
及び微生物関連の品質管理の規格
・同一性、濃度、品質、純度に関する全ての適切な規格への一致について、貴社がいかに各成分
のロットを試験するかの記述
貴社が各成分のロットの濃度、品質、純度を試験する代わりに、供給者の分析証明書から得ら
れた結果を受け入れるつもりなら、イニシャルバリデーション及び定期的な再バリデーション
を通じて、いかに確実に供給者の試験結果の信頼性を証明するつもりかを明記せよ。さらに、
入荷した成分の各ロットの少なくとも1つの同一性試験を常に実施する約束を含めよ。
・各成分の製造業者から得た分析証明書の信頼性を評価するための、全ての成分の試験から
得られた結果のサマリ
この分析証明書のバリデーションプログラムについて述べた貴社のSOPを含めよ。
・貴社が製造する医薬品の試験をする委託設備の適格性評価と監督に関する貴社のプログラムの
サマリ
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするため
に21 CFR 211.34に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。
貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が
残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、
これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品
製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
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■WL:320-20-13■
インドの製造所の査察(2019/6/24~2019/6/28)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反
に関する2019/12/17付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●指摘1
貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、同一性、濃度、品質、純度に関して制定
された規格を満たすことを保証するための責任を果たすことを怠った。
<指摘1詳細>
査察中、我々査察官は、貴社の品質部門がバルクXXの製造に関する適切な監視を行っていないこと
を発見した。例えば、貴社の品質部門は、以下のことを保証することを怠った。
・残留溶媒に関する規格外(OOS)の試験結果が適切に調査されていること
・分析試験方法と不純物がバリデートされていること
・文書管理を含む、適切な記録及び報告の文書化手順が整っていること
貴社は、供給者から医薬品の有効成分を受け取り、XXで保持した。貴社の品質部門は、原薬XX
ロットXXの残留溶媒XXに関するOOSの結果を適切に調査することを怠った。貴社は原薬をリテスト
して、合格の結果を得て、製造の使用のためにこれらの原薬のロットをリリースした。貴社は、
適切で科学的な正当な理由もなく最初のOOSの結果を無視した。
XXは溶媒XXで、XXとして知られている。XXの中の溶媒は、その容認できない毒性により、医薬品の
成分、賦形剤、医薬品の製造に使用されるべきではない。しかし、もし、XXのような溶媒XXの
使用が医薬品を製造するために避けられないのであれば、そのレベルは制限されるべきである。
残留溶媒についてのより多くの情報は、FDAのガイダンス文書Q3Cを見よ。
貴社は、XXの内容物に関し、原薬XXの各ロットをリテストし、全てのリテストの結果は規格内
だったと述べた。また、貴社の回答は、残留していたXXに関する最初の不具合は、医薬品の品質を
損なわないと結論付けた。しかし、貴社は、最初のOOSの結果を無視した正当な理由や、貴社の
品質部門がいかにOOSの結果が適切に調査されることを保証するつもりかの計画を提出することを
怠った。貴社はまた、OOSの調査の一環として実施された試験の文書化を保証するための是正処置
を提出しなかった。
欠陥、規格外、傾向外、または、その他の予期しない結果や貴社の調査の文書化の扱いについての
より多くの情報は、FDAのガイダンス文書:医薬品製造に関するOOSの試験結果の調査を見よ。
この文書への回答の中で、貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースを与えられる
ことを保証するための包括的なアセスメントと改善計画を提出せよ。アセスメントには、これに
限定されないが、以下のことを含めるべきである。
・貴社が販売したXXはもちろん、貴社が受け取った原薬の保管サンプルの残留溶媒試験
もし、それらの試験が基準未満の医薬品の品質を明らかにした場合、顧客への通知や製品回収
などの迅速な是正処置をとること。
・貴社の設備または貴社の供給者で使用される全ての残留溶媒のリストと、貴社が受け取った
原材料と貴社が製造した医薬品内の溶媒XXを厳しく制限する(または製造を中止する)ための
リスクベースの計画
貴社が受け取った原薬の中で使用される全ての残留溶媒に関する規格を含めよ。
・ロットが最終的にアメリカに販売されたかどうかに関わらず、アメリカ向け医薬品に関する全て
の無効化されたOOS(工程内及びリリース試験/安定性試験を含む)の結果の回顧的で独立した
レビュと、各OOSの以下の情報を含む分析で見つかったことをまとめたレポート
〇無効化されたOOSの結果に関する科学的に正当な理由とエビデンスが、決定的であっても
なくても原因となる試験の誤りを証明しているかどうかを判断せよ。
〇最終的に試験が根本原因であると証明した調査に関し、論理的根拠を提出し、同じまたは類似
の根本原因に対して脆弱な試験方法が改善のために特定されていることを保証せよ。
〇試験室に根本原因が確認されなかった回顧的レビュで発見された全てのOOSの結果に関し、
製造の徹底的なレビュを含めよ:製造のバッチ記録、製造ステップの適切性、装置/施設の
適合性、原材料のばらつき、工程の能力、逸脱の履歴、苦情の履歴、ロットの不合格の履歴
各調査における製造が根本原因の可能性と製造作業の改善をまとめよ。
・包括的なレビュとOOSの結果の調査システムに関する改善計画
是正処置と予防処置(CAPA)には、これに限定されないが、以下のことを含めよ。
〇品質部門の試験の調査の監督
〇試験の有害な管理傾向の特定
〇試験のばらつきの原因の解明
〇試験の原因が最終的に特定されない場合はいつでも製造の原因の可能性の徹底的な調査の開始
〇各調査とそのCAPAの適切な範囲の決定
〇上記及び他の改善と共に改訂されたOOSの調査手順
・適切な手順の順守を評価するための貴社作業全体の品質部門による監督
・調査の監督と承認 及び 貴社が製造する全ての医薬品の同一性、濃度、品質、純度を保証する
ための品質部門の他の全ての職務の解放
●指摘2
貴社は、装置や器具を、医薬品の性質に応じて洗浄・維持し、医薬品の公もしくはその他の要件を
超えて、安全性、同一性、濃度、品質、純度を変える誤作動や汚染を防ぐために適切な間隔で
消毒・殺菌することを怠った。
<指摘2詳細>
我々査察官は、XXを製造するために使用されるXXやXXなどの専用装置の製品接触面に、明らかな
さび、へこみ、傷を見つけた。
貴社は、製造エリアと全ての装置は専用なので、全ての表面の洗浄度は検証しなかったと述べた。
また貴社は、貴社の品質部門が装置の洗浄を検証するつもりだと述べた。しかし、貴社は、装置の
メンテナンス、修理、交換を含む、設備の定期的なメンテナンスの保証に関する計画を提供しな
かった。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・設備と装置の繰り返しの慎重な作業の経営陣が監督するためのCAPAの計画
この計画は、とりわけ、装置/設備の性能の問題の迅速な検出、修理の効果的な実行、適切な
予防メンテナンス計画の順守、装置/設備のインフラストラクチャに対するタイムリーな技術的
なアップデート、継続的なマネジメントレビュによるシステム改善を保証するべきである。
・洗浄手順と作業の適切な改善を含む回顧的アセスメントに基づくCAPAの計画と、完了のタイム
ライン
装置の洗浄のライフサイクル管理に関し、貴社の工程の脆弱性の詳細を提出せよ。
洗浄効果の向上を含む貴社の洗浄プログラムの改善について述べよ:例)全ての製品と装置の
洗浄の改善された継続的な検証、その他の必要な改善
●指摘3
貴社は、権限の与えられた職員のみが製造指図書原本またはその他の記録の変更を起こせること
を保証するために、コンピュータまたは関連システムの適切な管理を行うことを怠った。
<指摘3詳細>
我々査察官は、貴社の試験室の装置は適切な管理が欠けていることを発見した。例えば、2018年
1月1日から2019年6月25日まで高速液体クロマトグラフィ(HPLC)XXから得られた監査証跡は、実行
を中断されたパタンや、試験XXの単独実行を示していた。単独実行は、文書化され調査または適切
な科学的に正当な理由のない複数のピークや分裂したピークの分析を含んでいた。貴社の職員は、
HPLCのテストランを特定の個人に帰属することができない状態で中断するためにすべての管理者
権限を持ったアカウントを使っていた。
貴社の回答は、HPLCの試験中の削除、中断、単独実行の数を特定した。しかし、貴社の回答は、
これらのデータ・インテグリティの問題の再発を防ぐための調査や是正処置のエビデンスを提出
しなかった。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・
完全性を適切に保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手順を制定して遵守
するためのガイダンスとして、FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMP
を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。この文書への
回答において、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査
貴社の調査には、以下のことを含めるべきである。
・調査の手順と方法論の詳細
アセスメントでカバーされる全ての試験・製造作業・システムの概要と、貴社が評価から
除外しようとしている作業の正当性
・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現在とかつての従業員の
インタビュ
我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによって実施されることを
推奨する。
・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のアセスメント
省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不備を特定せよ。貴社が
発見したデータ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業を述べよ。
・試験と製造に関するデータ・インテグリティの不備の性質の包括的で回顧的な評価
我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格性のあるサードパーティ
が全てのデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセス
メント
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷に
より患者に引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析
を含めるべきである。
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
貴社の戦略には以下のことを含めるべきである。
・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む貴社が生成する全てのデータ
の信頼性と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処置の計画
・現在のアクションプランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントの結果に釣り合うと
いうエビデンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括的な記述
データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGMP関連または医薬品の申請
のデータに影響を与得ることができる状態のままかどうかを示せ。
・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するために安定性プログラム
へのロットの追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、患者を守り、
貴社の医薬品の品質を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアク
ションを述べた暫定的な手段
・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管理、システム、監督、
人的資源(例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の手段
・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●医薬品供給者に対する懸念
貴社は以前FDAの査察を拒否し輸入警告措置がとられたXXから原薬XXを調達していた。その結果、
FDAは貴社がXXから医薬品を調達しなくなり、貴社の原薬供給者の適格性評価プログラムの改訂
を約束するまで貴社に輸入警告措置99-32をとった。
●結論
この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、
これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年12月16日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品
製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
今回は、品質部門に対する指摘が非常に多かったと思います。
出荷前に規格への一致を確認していない、入荷した原材料の試験がされていないという指摘は、
相当ひどい状態だと思いますが、供給者の分析証明書を利用する場合は管理が緩くなりがちな
ように思います。
供給者の初期/その後の定期的な適格性評価が不足したり、分析証明書のみを信頼し同一性の確認
が不足したりすることは、結構身近にあるように思います。
是非、今回のウォーニングレターの指摘内容を参考にしてみていただければと思います。
☆次回は、2/15(土)に配信させていただきます。
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