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2021.03.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<214号>

 

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

新型コロナウイルスの感染者数が下げ止まり状態になりつつあり気になるところですが、いかがお過ごしでいらっしゃい

ますか?

 

さて、今回のメールマガジンも、FDA(米国食品医薬品局)からアメリカ国内の製薬会社向けに出されたウォーニングレター

2件を取り上げます。

最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。

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CMS607508

貴社のインドの製造所の査察(2020/2/242020/2/28)でみつかった原薬製造の重大なCGMP違反について出された2020/8/20

ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

原薬の品質を変える可能性のある原料の汚染やキャリーオーバーを防ぐための適切な洗浄手順の不所持

<指摘1詳細>

◎バルク貯蔵タンクの不十分な洗浄記録

貴社は、XXと別のXXを製造している。貴社は、母液、未使用の溶媒、回収溶媒を保存するためにたくさんの貯蔵タンクを

使っている。貴社は、非専用製造ブロックの複数の原薬製造工程でこれらのタンクを使用していた。我々査察官は、

これらのタンクに関する洗浄記録を求めた。貴社の経営陣は201910月以降に実施された活動に関する記録を提出したが、

201910月より前の保管タンクの洗浄、保管、使用の記録は文書化または保持されていないと述べた。

査察中、我々査察官はこれらの保管タンク内で保管されている回収溶媒の品質に疑問を抱いた。貴社の経営陣は、貴社の

溶媒回収の受託製造機関(CMO)の初期の評価中に回収溶媒の完全な不純物の分析は実施されなかったと述べた。不適切な

洗浄記録と合わさって、貴社の非専用装置は、残留不純物の交叉汚染やキャリーオーバーの一因にならないという保証は

制限される。

貴社の製造所で使用されるいくつかの回収溶媒は、複数のCMOにより処理されている。溶媒回収のために貴社が使用して

いるあるCMOXX付で輸入警告66-40に加えられ、ウォーニングレターを発行されて、2018年から2019年の間にXXXX以上

のロットで未知のピークが発見されたことを含む不十分な回収溶媒の不十分な不純物の分析で指摘されていた。貴社は、

貴社の非専用原薬製造ブロックの1つで原薬の製造にこれらのロットを使用した。アメリカ市場向けの他の多数の原薬も

これらの非専用ブロックで製造された。

 

◎不十分な洗浄バリデーションと検証プログラム

貴社の洗浄記録の欠如に加え、貴社の非専用の製造・保管装置の洗浄バリデーションと検証プログラムは不適切である。

特に、XXの洗浄方法のバリデーションのレビュ中、我々査察官は、貴社の方法はXXのような不純物XXを検知し適切に定量化

できることを保証するために適切にバリデートされていなことに気づいた。不純物の分析の不十分な範囲と非専用装置の

組み合わせ洗浄記録の欠如、未知の不純物の使用は、原薬と中間体の交叉汚染の潜在的なリスクを増やす。

貴社は回答の中で、貴社の別の製造所に2019115日に発行されたウォーニングレター320-20-06を受けて実施された

是正処置を参照した。我々は、査察時とウォーニングレターの発行後に貴社の製造所でみつかった手順のいくつか、特に

回収溶媒の管理周辺で、まだ懸念を持っている。

貴社は、OOSの調査がないこと、苦情がほとんどないこと、不純物試験の非検知に基づき、洗浄バリデーションと検証プロ

グラムは適切だったと判断した。貴社の回答は不適切である。交叉汚染は、均一に広がったとみなすことは

できない。試験だけでは発見された汚染の危険を軽減するのには不十分である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・貴社の医薬品製造作業に原材料を調達するためのXXをこれ以上使用しないという確認書類

・交叉汚染の危険の範囲を評価するための、貴社の洗浄の効果の包括的なサードパーティの回顧的アセスメント

 残留物、不十分に洗浄された可能性のあるその他の製造装置の特定、交叉汚染された製品が販売のためにリリースされ

 たかどうかのアセスメントを含めよ。アセスメントは、全ての洗浄手順や業務の不備を特定し、複数製品を製造するため

 に使用される製造装置の各部品を網羅せよ。

 〇リスクアセスメントの1つの要素として、交叉汚染の防止や洗浄に関して不完全なシステムに起因するニトロソアミンの

  ような不純物に関し、非専用装置で作られた全ての原薬をテストするつもりかどうか述べよ。

・貴社の医薬品製造作業におけるワーストケースとして特定された条件を取り入れることに特に重点を置いた洗浄バリデー

 ションプログラムの適切な改善

 全てのワーストケースの特定と評価には、これに限定されないが、以下のことを含むべきである:

 〇より高い毒性を持つ医薬品

 〇より高い有効性を持つ医薬品

 〇洗浄溶液の中でより低い溶解度の医薬品

 〇洗浄を難しくする特性を持った医薬品

 〇洗浄を最も難しくする部分の拭き取り場所

 〇洗浄前の最大保留時間

 さらに、新しい製造装置や新しい製品を導入する前に、貴社の変更管理システムで取られるはずの手順を述べよ。

・製品、工程、装置の洗浄手順の検証とバリデーションのための適切なプログラムを保証する改訂されたSOPのサマリ

・設備や装置の定期的で慎重な作業の管理監督を実施するための貴社のCAPAの計画

 この計画は、特に、装置/設備の製造の問題の迅速な検知、修理の効果的な実施、適切な予防的修繕スケジュールの順守、

 装置/設備のインフラストラクチャのタイムリーな技術的改善、継続的なマネジメントレビュのための改善されたシステムを

 保証するべきである。

 

●指摘2

溶媒の再利用の前に適切な基準を満たすことを保証するための、溶媒回収手順の管理とモニタの不履行

<指摘2詳細>

貴社は、貴社の原薬製造作業で使用される溶媒に関連した不純物のリスクを評価し管理する手順を実施することを怠った。

これは、製造工程への適合性を確認するための全ての入荷した原材料の適切な試験を行うこと、溶媒が適切な基準に従うこと

を保証するために溶媒の不純物プロファイルを規定すること、安定した製造作業を保証し予期しない不純物を防ぐための

工程管理をモニタリングするための継続的なプログラムを維持することを含む。

例えば、2015年から2019年の間の原材料の受入試験のレビュ中、XXから回収されたXXの複数のロットの不純物プロファイルは、

溶媒XXの不純物プロファイルと比べて合わなかった。特に、回収溶媒で未知のピークがみつかった。貴社の経営陣は、分析中

はメインのピークのみが評価されていると述べた。貴社は、回収溶媒の分析試験中に発見された未知のピークを評価すること

を怠っている。クロマトグラムで発見された未知のピークは、予期しない不純物を表しているかもしれないので、徹底的に

評価されるべきであり、必要であれば調査されるべきである。

貴社は回答の中で、この査察の前に実施された是正処置と改善の情報を提出した。貴社は、これらは類似の問題があった別の

製造所で学んだことに基づくものであると述べた。貴社は、OOSの調査がないこと、苦情がほとんどないこと、不純物試験の

非検知に基づき、この製造所で使用されている回収溶媒は、原薬

と中間体への影響は極小であると判断した。貴社の回収溶媒のクロマトグラムでみつかった未知のピークの評価は包括的では

なく、貴社の溶媒回収工程が回収溶媒の不純物の原因になっているかどうかを判断するための徹底的な製造の評価を含んで

いなかった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・原薬へのキャリーオーバーの危険をもたらすかもしれない、未使用の溶媒から得られる未知の不純物

 (例:安定剤/添加剤、輸送による混入物質)のモニタリングに関する継続的なプログラムをいかに実施するかを述べた詳細

 な計画

・安定した製造と溶媒回収作業中の未知の不純物の防止を保証するために工程管理をモニタリングするための継続的な

 プログラムをいかに実施するかを述べた詳細な計画

・全ての溶媒回収作業に関する不純物プロファイルの分析とリスクアセスメントを求める手順

 手順の対象には、内部及び外部で使用する回収溶媒を含むべきである。

・不純物の特定が必要とされるレベルでの考察を含むクロマトグラム内の未知のピークを評価するための最新の手順

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で確認した逸脱の性質に基づき、我々は貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために貴社の原薬の作業を評価する

適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する

ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。

 

●追加の原薬CGMPガイダンス

FDAは、原薬がCGMPに従って製造されているかを判断する際、ICH-Q7で要点が説明されている期待を考慮する。原薬の製造の

CGMPについて、FDAのガイダンス文書Q7 Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients

を見よ。

 

●複数サイトでの繰り返しの逸脱

FDAは貴社の他の製造所で同様の逸脱を指摘した。2019115日に原材料の受入、識別、試験、保管に関する文書化された手順

の不所持、原材料の汚染とキャリーオーバーを防ぐための装置及び器具の洗浄の不履行でウォーニングレター320-20-06を発行

した。この製造所での回収溶媒の不十分な管理は、医薬品の不純物XXによる汚染につながった。

我々は原薬製造作業で使用される回収溶媒の不適切な保管と取り扱いに関する類似の逸脱を発見した。原薬を製造している

複数の製造所でのこれらの繰り返される不具合は、貴社の医薬品の製造の監督・管理が不十分であることを示している。

貴社は、全ての製造所で、システムと工程と、最終的には製造された製品がFDAの要求に従っていることを保証するために、

貴社全体の製造作業をすぐに包括的に評価するべきである。

 

●結論

この文書で挙げた逸脱は、貴社の製造所に存在する逸脱の包括的なリストではない。貴社には、これらの逸脱を調査し、原因

を判断し、再発を防止し、その他の逸脱を防止する責任がある。

全ての逸脱が完全に解決され、我々が貴社のCGMP遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造業者としての新薬の申請やリスト

の補完の承認を保留する。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/mylan-laboratories-limited-unit-7-607508-08202020

 

 

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CMS606987

ニューメキシコ州の製造所の査察(2020/3/92020/3/12)でみつかった医薬品製造の重大なCGMP違反について出された2020/8/25

付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は、貴社の医薬品が適切な安定性試験により裏付けられた使用期限を持つことを保証するのを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は、製造業者の容器/施栓システムと同等でない容器/施栓システムでいくつかの医薬品を再包装し

た。とりわけ、米国薬局方(USP)ヒドロクロロチアジド25㎎錠について、貴社は、XXから一方が透明の

ヒートシールで接着されたパウチに再包装した。

貴社は、この再包装された製品に付与する使用期限を裏付ける安定性データを持っていない。製造業者の容器は、USPで規定

された通り製品がきっちりした遮光容器に分けられていることを条件としている。

貴社は回答の中で、一方が透明のヒートシールで接着されたパウチを使うのをやめ、製造業者の遮光に関する推奨に従って

いることを示すために貴社の容器/施栓システムの交換を試すつもりであると述べた。

我々は、貴社が遮光容器/施栓システムの代わりに、一方が透明のヒートシールで接着されたパウチに再包装した全ての

医薬品を回収するという判断も認識している。

貴社の容器/施栓システムのアセスメントは、光の感度以外の脆弱性に対処していなかったので、貴社の回答は不十分である。

アセスメントは、これに限定されないが、水蒸気の透過、酸素の透過、容器/施栓システムの医薬品との相性を含むべきで

ある。さらに、貴社は、安定性のプロトコルや、再包装された医薬品に付与された使用期限が適切かどうかを評価するための

データを提出しなかった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・再包装された製品に付与された使用期限が科学的に正当である根拠が示されていることを保証するための、貴社の安定性

 プログラムと是正処置・予防処置計画の包括的なアセスメント

 この計画は、使用期限内で、現在アメリカ市場にある製品の安定性のアセスメントも含むべきである。貴社の改善プログラム

 は、これに限定されないが、以下のことを含むべきである:

 〇再包装された製品の安定性を示す方法とプロトコル

 〇再包装された容器/施栓システム内の製品の安定性の研究

 〇表示されている使用期限がいまだに正当であるかを評価するために、製品の代表的なロットがプログラムに追加される

  ような継続的なプログラム

 〇各段階(タイムポイント)で試験された特定の属性の詳細な定義

・これら及びその他の要素を述べた、貴社の改善された安定性プログラムの全ての手順

 

●指摘2

貴社は、装置の洗浄と保全の文書化された手順を制定し、それに従うことを怠った。

<指摘2詳細>

貴社は、非専用の再包装ライン上で製品接触面を共有する多数の製品を再包装した。貴社は、この非専用装置の洗浄手順が、

貴社の製造所で再包装された医薬品同士の交叉汚染を防ぐために適切であることを示すための洗浄バリデーションの検証が

不足していた。

貴社は回答の中で、洗浄バリデーションを実施していなかったことと、製品が同一性、濃度、品質、純度を試験されるまで

再包装された製品の販売を中止したことを認めた。貴社は、再包装ライン上に残留物を最も堆積させるものとして特定された

医薬品を再包装する際の交叉汚染試験を開始したと述べた。これらの再包装された医薬品からとったサンプルは、交叉汚染の

キャリーオーバーの分析のためにサードパーティの試験機関に送られるだろう。

貴社では、洗浄プログラムが有効であることを示すための適切な検証が実施されていないので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・貴社の洗浄プログラムの包括的なアセスメントと、貴社の洗浄手順と業務の適切な改善と、完了までのタイムラインを含む

 是正処置・予防処置計画

 装置の洗浄のライフサイクルの管理に関する貴社の手順の脆弱性の詳細なサマリを提出せよ。

 洗浄の効果の向上;全ての製品と装置に関する適切な洗浄の改善された継続的な検証;その他全ての必要とされる改善を含む、

 貴社の洗浄プログラムの改善について述べよ。

・貴社の医薬品製造作業におけるワーストケースとして特定された条件を取り入れることに特に重点を置いた洗浄バリデー

 ションプログラムの適切な改善

 全てのワーストケースの特定と評価には、これに限定されないが、以下のことを含むべきである:

 〇より高い毒性を持つ医薬品

 〇より高い有効性を持つ医薬品

 〇洗浄溶液の中でより低い溶解度の医薬品

 〇洗浄を難しくする特性を持った医薬品

 〇洗浄を最も難しくする部分の拭き取り場所

 〇洗浄前の最大保留時間

 さらに、新し製造装置や新しい製品を導入する前に、貴社の変更管理システムで取られるはずの手順を述べよ。

・製品、工程、装置の洗浄手順の検証とバリデーションのための適切なプログラムを保証する改訂されたSOPのサマリ

・故障モード、能力、設計の適合性に重点を置いた、包装及びラベル貼付作業の包括的で独立した文書化された評価

 これに限定されないが、以下の要素を含む分析結果を提供せよ。

 〇ヒューマンエラーの可能性がある全ての点を特定するための、作業前・作業中・作業後(例:クリアランス)の、装置を

  含む全ての人の作用

 〇装置の設計と使用目的への適合性

 〇全ての工程の能力

 〇ロットの回顧的レビュ(すなわち、欠陥のタイプと頻度、逸脱、苦情、関連した調査)

 〇装置の保全と交換の履歴の分析

 〇全ての検知のシステムと関連する分析の十分性

 〇設備のレイアウトと職員/原料のフロー

 〇包装の完全性とラベル貼付の正確さの包括的な最終調査と、欠陥の数とタイプの完全な記録

 

●指摘3

貴社は、全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、医薬品の合格・不合格を判定する責任と権限を

持った品質管理部門を制定することを怠った。

<指摘3詳細>

貴社は、これに限定されないが、貴社が販売する医薬品の最終的なレビュと承認を含む品質管理部門の責任を実行するために

品質部門の制定を怠った。貴社の製造作業を行う複数の職員は、販売のための医薬品のリリースを含む品質管理部門の責任を

実施するための権限を持っていた。しかし、貴社が、最終医薬品のリリースに関する合格・不合格の権限と再包装作業を実施

する職員の適切な分離をしている保証がない。最終医薬品のリリースは、製造から独立した品質部門によって実施されるべき

である。

貴社は回答の中で、品質部門を欠いていることと、貴社が改善のための計画を実施するのを助けるコンサルタントを雇った

ことに言及した。品質保証責任者の地位が埋まるまで、品質保証責任者として責任を果たす経験のある個人を一時的に雇った

と付け加えた。また、貴社は、品質管理関連の機能を果たすために品質管理の専門家を雇うことを進めていると述べた。

適切な責任と権限を持った貴社の品質部門が独立して機能することを保証するのを怠ったので、貴社の回答は不十分である。

貴社は、貴社の品質部門に、適切な責任と権限と、その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するために十分なリソース

を提供しなければならない。

CGMPの規定の要件を満たすために、品質システムとリスクマネジメントアプローチを実施する助けとして、

FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースを与えられていることを保証するための、包括的で独立したアセス

 メントと改善計画

 アセスメントには、これに限定されないが以下のことを含むべきである:

 〇貴社の品質部門が他の部門から独立して機能することをいかに保証するかの記述

 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するために作業全体を監督する品質部門に関する規定

 〇品質部門が出荷判定をする前の、各ロットと関連する情報の完全で最終的なレビュ

 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、調査の監督と承認と、品質部門の他の全ての職務の解放

・アメリカ市場に残っている貴社の製品の回顧的な評価

 貴社の欠陥のある手順または逸脱により発生する製品の品質リスクまたは問題に対処せよ。完全な是正処置・予防処置の計画

 と、必要に応じて顧客への通知(と、必要に応じて、回収)を行え。

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34に規定されている

適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減する

ものではない。貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を

判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

この文書で指摘した違反を即座に是正せよ。これらの違反を即座の是正の不履行は、更なる通知や、制限・差し押さえ・禁止

命令なしに、法的措置につながるかもしれない。このウォーニングレター内の違反の未解決な状態は、他の連邦機関との契約を

妨げるかもしれない。

上記の違反が解決されるまで、FDAは貴社の製造所の供給者または製造業者としての輸出証明の要求の承認や新薬の申請やリスト

の補完の承認を保留する。我々は、貴社が是正処置を完了したことを確認するために再査察を実施するだろう。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/calvin-scott-company-inc-606987-08252020

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

2通目の品質管理部門の制定の不備には驚かされますが、今回も洗浄手順の不備や不履行、安定性の管理の不備といった、

基本的なことに関する指摘があがっていました。

昨今、国内でも基本的な手順の不履行により、製薬企業への行政処分が連続しています。

基本的な手順の順守の大切さをあらためて感じます。

 

☆次回は、4/1(木)に配信させていただきます。

 

 

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今後このような情報が必要ない方は、お手数ですが、こちらに配信停止依頼のメールをお願いいたします。

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【発行責任者】

株式会社プロス

ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2021.03.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<213号>

 

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

花粉症の季節がやってきましたが、いかがお過ごしですか。

 

さて、今回は、FDA(米国食品医薬品局)から出されたウォーニングレター2件を取り上げます。

最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。

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WL:320-21-15

アメリカの製造所の査察(2019/10/222019/10/29)でみつかった原薬に関する重大なCGMP違反に関する

2021/1/27付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●不良医薬品の受け取り

州際通商における不良医薬品(すなわち輸入警告リストに掲載されている)の受取と引き渡しは、連邦

食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)の違反である。

我々の査察と輸入データのレビュで、2018730日にXXXXから受け取ったことが明らかになった。

XXXXの査察で、FDAの査察を拒否した会社からの医薬品の調達、XXでのバッチレコードの破棄、

製品の接触面のXXを含むCGMPの重大な逸脱を明らかになった。これらの結果とその他の逸脱により、XX

に製造された全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに記載され、XXにウォーニングレターが発行された。

現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに記載さたままである。

 

●貴社のサプライチェイン内の、ノンコンプライアンスの履歴がある他の医薬品の供給者

貴社の施設の査察の記録とFDAの輸入データのレビュで、FD&C Actのもとでの不良医薬品の製造により

FDAが輸入警告リストへの記載、かつ/または、ウォーニングレターの発行により、過去に少なくとも23

の貴社の原薬供給者に対して法的措置を取っていたことが明らかになった。貴社で使用された複数の

原薬供給者の医薬品は、501(a)(2)(B)章の意味で、供給者のCGMP遵守の不履行に関する輸入警告66-40

海外の製造所のFDA査察またはFDA査察職員の適正なアクセスの引き延ばし・拒絶、制限に関する

輸入警告99-32のリストに記載されていた。貴社が州際通商で他の不良医薬品を受領して市場に導入した

かどうかを把握するために、我々は以下のリストに挙げられた23の製造所からの医薬品の受領と配送の

タイミングに関する情報を要求しているところである。

 

CGMP遵守の不履行に関し輸入警告66-40のリストに記載されている、貴社への医薬品の供給者

1.XXは、XX付でウォーニングレターを発行され、XXの全ての医薬品は、変更管理の手順を持っていない

  こと、OOSの調査、工程の逸脱の調査、試験の問題、製造工程のバリデートの不履行により、輸入

  警告66-40のリストに記載された。FDAはこの製造所は適切に逸脱に対処したと判断し、XXの後、XX

  の医薬品は輸入警告66-40のリストから除外された。ウォーニングレターの完了レター(WLCO)が

  XX付で発行された。

2.XXが供給する医薬品は、XXに輸入警告66-40のリストに記載され、会社は、XX付でXXに関し

  ウォーニングレターが発行された。FDAXX付でこの製造所は適切に逸脱に対処したと判断した。

  XXの医薬品は輸入警告66-40のリストから除外された。ウォーニングレターの完了レター(WLCO

  がXX付で発行された。

3.XXが供給する医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載され、クロマトグラムの削除や、

  サンプルが適合するための再試験を含む分析データの操作により、会社はウォーニングレターを発行

  された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに残っている。

4.XXが供給する医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載され、不純物の不適切な試験、CGMP

  の活動を裏付ける監査証跡の無いことから、会社はウォーニングレターを発行された。FDAXX

  で、この製造所は適切に逸脱に対処したと判断した。XX付でWLCOが発行され、XXの医薬品はXX付で

  輸入警告66-40のリストから除外された。

5.XXが供給する全ての医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載され、会社は、XXに関し、XX

  でウォーニングレターを発行された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに残って

  いる。

6.XXが供給する全ての医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載され、会社は、XXに関し、XX

  でウォーニングレターを発行された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに残って

  いる。

7.XXが供給する全ての医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載され、会社は、品質関連の苦情

  が調査され解決されることを保証することを怠り、XX付でウォーニングレターを発行された。

  現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告66-40のリストに残っている。

8.XXが供給する全ての医薬品は、XX付で輸入警告66-40のリストに記載された。現時点でXXの全ての

  医薬品は輸入警告66-40のリストに残っている。

501(a)(2)(B)章の意味でのCGMP遵守の不履行により医薬品が輸入警告66-40のリストに記載された製造

業者に関し、FDAはリストに記載された医薬品が不良と思われるエビデンスを持っている。貴社には、

貴社が販売した医薬品が、CGMP関連の全ての要件を満たして製造されたことを保証する責任がある。

輸入警告措置に関する最新の情報は、FDAのウェブサイトから入手できる。

 

FDAの査察の引き延ばし・否定・制限・拒絶に関し輸入警告99-32のリストに記載されている、貴社

 への医薬品の供給者

9.XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したことに

  より、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-32

  のリストに残っている。

10.XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したことに

   より、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-

   32のリストに残っている。

11.XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したことに

   より、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-

   32のリストに残っている。

12.XXが供給する全ての医薬品は、査察を遅らせ、最終的に否定したことにより、XX付で輸入警告

   99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-32のリストに残って

   いる。

13.XXが供給する全ての医薬品は、提案された査察日を承諾することを拒絶したことにより、XX

   で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-32のリスト

   に残っている。

14.XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したこと

   により、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告

   99-32のリストに残っている。

15.XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したこと

   により、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告

   99-32のリストに残っている。

16、XXが供給する全ての医薬品は、FDAが事前通告査察の予定を決めようとしたのを否定したこと

   により、XX付で輸入警告99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告

   99-32のリストに残っている。

17.XXが供給する全ての医薬品は、査察を遅らせ、最終的に否定したことにより、XX付で輸入警告

   99-32のリストに記載された。現時点でXXの全ての医薬品は輸入警告99-32のリストに残って

   いる。

 

●上記以外でウォーニングレターを受領した貴社への医薬品の供給者

18.XXは、XXによりXX付でウォーニングレターを発行された。

19.XXは、XXによりXX付でウォーニングレターを発行された。さらに、原薬を製造する建物は、

   XXを含み、XXの原材料が床にあるのが発見された。XX付で、FDAはこの製造所はウォーニング

   レターに含まれる逸脱に適切に対処したと判断し、WLCOが発行された。

20.XXは、XX付で洗浄手順が原薬の製造に使用される共有装置の汚染を防ぐために適切であること

   を保証するのを怠ったので、ウォーニングレターを発行された。

21.XXは、XX付で、不合格の試験結果の不十分な調査、試験されアメリカに販売された原薬の完全

   なデータの保持の不履行により、ウォーニングレターを発行された。

   このウォーニングレターは、以前の査察で同様のCGMPの不備が指摘されていることと、再発

   する逸脱は医薬品の製造に関する製造所の監督と管理が不十分であることを示していることも

   指摘した。

22.XXは、XXによりXX付でウォーニングレターを発行された。

23.XXは、XXによりXX付でウォーニングレターを発行された。

 

この文書への回答の中で、上記の製造所から受け取った全ての医薬品に関するロット番号と販売日を

せよ。上記製造所から医薬品を受け取った貴社の顧客の情報を含めよ。また、上記の製造所が供給

する医薬品を、前述のウォーニングレター及び/または輸入警告措置が出された後、かつ、WLCO及び

/または輸入警告措置から除外される前に貴社が販売したか回答せよ。期間中に受領し、貴社により

販売された医薬品原薬のロットに関し、貴社から不良医薬品を受領した顧客に通知したかどうかを

回答せよ。

もし貴社が、貴社から不良の医薬品原薬を受領した全ての顧客に通知していなかったら、彼らに通知し、

回答の中でその通知のコピーを提出せよ。

FDAが貴社のサプライチェインの中の重大なCGMP違反または他の品質粗悪化の違反をしている医薬品

製造業者のサンプルを発見したことを考慮して、この文書への回答の中で、FD&C Actに違反する不良

医薬品を州際通商で受け取ったり販売したりしないことを保証するための詳細な計画も提出せよ。計画

の項目には、供給者を監査する計画を含む、貴社の供給者の完全な評価プログラムを含むべきである。

さらに、貴社が他にまだ医薬品を所持していないかを判断するために、貴社も、現在FDAの輸入警告

措置を受けている全ての会社または医薬品だけでなく、上記の製造業者から受け取った全ての医薬品の

完全な照合をすべきである。輸入警告措置に関する最新の情報は、FDAのウェブサイトから入手できる。

 

●グリセリン原薬の粗悪品及び虚偽表示

貴社は、アメリカ薬局方グリセリンを再包装し、薬局薬剤師を含む顧客に販売した。添加剤または他

の医薬品の成分として使用する目的の再包装されたグリセリンは、FD&C Actの定義で医薬品とされて

いる。グリセリンは、アメリカ薬局方で医薬品として識別されてもいる。アメリカ薬局方-NFで識別

されている名前の医薬品は、識別の標準に従わなければならず、そうでなければ、粗悪品・虚偽表示

とみなされる。このような場合、その判断は、公的な試験、手順及び、適用されるアメリカ薬局方-NF

の合格基準で決定される。さらに、FD&C Actによれば、それらの医薬品が、その製造、加工、包装、

保持に使用された方法・製造所・管理が、それが持つとされる安全性、同一性、濃度、品質、純度の

要件を満たしていることを保証するためのCGMPに従っていない、または、作業または管理されて

いない場合、不良品である。

FDAは、USPの方法を参照して、貴社の分析試験結果とUSPモノグラフの識別の章で求められている試験

を比較し、貴社で実施されたグリセリンの同一性に関する試験は不完全で、よって、貴社のグリセリン

は同一性の標準を満たしていないと判断した、貴社のXXを使用したXX試験は、グリセリンを識別できる

が、USPが指定したリミットでグリセリン内のDEG(ジエチレングリコール)EG(エチレングリコール)

検知するのに適切な試験ではない。従って、貴社は、アメリカ薬局方グリセリンに関して適切な同一性

試験を実施することを怠り、貴社のグリセリンは、FD&C Actの意味で、粗悪品で虚偽表示にあたる。

貴社は回答で、貴社は、リリース前に同一性試験を実施したので、規制要件に従っていたと述べた。

さらに貴社は、各ロットは、貴社が受領する前に製造業者により試験されていたと述べた。貴社は、

最初の供給者の適格性評価中に、購入したグリセリンをサードバーティの試験機関を使って試験したと

述べた。また貴社は回答の中で、グリセリンのサプライチェインを知るための努力により、貴社は、

そのグリセリンのサプライチェインは、DEGの汚染がないと自信を持っていると述べた。話を進める中

で、貴社は、XXの基準に基づいて、貴社の供給者を再度評価すると約束した。さらに貴社は、過剰

だし、まったく要求されていない“ので、DEFEGの不純物の存在に関し入荷したグリセリンの試験を

する必要はないと信じていると述べた。

貴社が再包装したバルクのグリセリンの同一性に関して貴社が実施した試験は、グリセリンのロットが

DEGEGの汚染で不良であるかどうかを判断することはできないし、適用されるUSPモノグラフの識別

の章に一致していないので、貴社の回答は不適切である。貴社は、受領した時にUSPモノグラフと一致

しているか確認する適切な同一性試験を通じて、原薬の製造業者のレポートが信頼できるかどうかを

独立して検証していないので、現在の手順でDEGEGに関するサプライチェインの品質と安全性を保証

することはできない。供給者の信頼性は、一般的に、ある期間にわたって特定のリミット内におさまる

ことを示す供給者のデータと受領した実物自身の試験の比較により立証される。供給者の試験結果の

継続的な信頼性を保証するために定期的なモニタリングも一般的に必要である。製造業者の分析証明書

を単に信じることは、上に述べた通り、適用される要件に従うには不十分である。FDA483への回答に

おいて、貴社は、XX基準でグリセリンの供給者の再適格性評価を実施すると約束したが、貴社が、XX

適格性評価の手順の一環として、適用可能な標準を満たす適切な同一性試験により原薬供給者の分析

証明書を検証するつもりかどうかが不明確である。

FDAは、DEGに汚染されたグリセリンで製造された咳止めシロップやアセトアミノフェンシロップの

ような医療用のシロップを摂取した消費者の命に係わるDEG中毒についての報告を受け取っている。

過去のDEG関連の中毒者や死亡者は、完全で適切な同一性試験を実施していない製造業者、分析証明書

を信頼した製造業者、貴社がグリセリンやその他の医薬品と一緒に提出した分析証明書のように真の

製造業者の名前がなく不良医薬品の加工・流通過程の管理をマスキングした分析証明書を含む、

グリセリンのサプライチェイン内の多数の違反手順に起因していた。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・グリセリンの全てのロットのDEGEGの試験の実施に関する最新情報

・グリセリンを含む、貴社から販売されたアメリカ市場の使用期限内にある医薬品に関する詳細な

 リスクアセスメント

・グリセリンの全てのロットの保管サンプルのDEGEGに関する試験と試験方法と試験結果

 

●医薬品の虚偽または誤解を招くラベルによる不正商標表示

FD&C Actのもとで、ラベルが虚偽または誤解を招く場合、医薬品は不正商標表示となる。さらに、

21 CFR 201.1(h)(2)は、資格のない人の名前を医薬品のラベルにのせることは、名前の人物がその

製品の製造業者であるという表現になる。その表現は虚偽で誤解を招き、その人物がFD&C Actによる

製品の製造業者でなければ、医薬品はFD&C Actのもとで不正商標表示である。と明記している。

以下の再包装/再ラベル貼付を行った原薬に貴社が添付したラベルは貴社を特定するが、貴社の役割を

明示していない。

・トラマドールHCL(ロット#C191954)

・クエン酸フェンタニル(ロット#C189348)

・ブプレノルフィンHCl(ロット#C191213)

・モルヒネ硫酸塩(ロット#C192769)

貴社の製造所の査察中に収集されたエビデンスは、他の会社がこれらの原薬の製造に関係していること

を立証する。これらの原薬のラベルは、適格性評価なしに貴社の名前のみを持っているので、ラベルは

貴社が唯一の医薬品の製造業者であると不当に表示している。従って、これらの再包装/再ラベル貼付

された原薬は、ラベルが虚偽で誤解を招くので、FD&C Actのもとで不正商標表示となる。

 

●規制当局との会議

この文書への回答の提出の後、不良品や不正商標表示のされた製品を州際通商に入れ続けることを防ぐ

ために貴社が提案した是正処置の適格性を議論するための会議を計画するために、FDAの担当者にメール

せよ。規制当局との会議の議題には、サプライチェインの管理とCGMPの順守も含まれるだろう。

 

●結論

この文書で挙げた逸脱と違反は、貴社の製造所に存在する逸脱と違反の包括的なリストではない。貴社

には、これらの逸脱と違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

これらの逸脱や違反を即座の是正の不履行は、更なる通知や、制限・差し押さえ・禁止命令なしに、法的

措置につながるかもしれない。他の連邦機関との契約を妨げるかもしれない。

これらの違反の是正の不履行は、FDAの輸出証明の発行の保留や、貴社の製造業者としての新しい申請や

リストの補完の承認を保留する。我々は、貴社が是正処置を完了したことを確認するために再査察を実施

するかもしれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/professional-compounding-centers-america-dba-pcca-597638-01272021

 

 

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WL:320-21-16

中国の製造所の査察でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する2021/1/22付ウォーニング

レターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は、医薬品の各ロットに関し、リリース前に、各有効成分の同一性や濃度を含む、製品の最終規格

に一致しているかという試験室の判断を行うことを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は、手の除菌用ローションXXXXXXを含むOTC医薬品を販売している。704(a)(4)に基づく記録及

びその他の情報についての我々の要求に対する貴社の回答は、貴社がアメリカに出荷された医薬品の最終

製品試験を適切に実施していないことを示している。例えば、全ての最終製品の、貴社内及びサードパー

ティで実施された試験の規格と試験方法に関する我々の704(a)(4)の要求の中で、貴社は、OTC医薬品XX

に関する最終製品試験のレポートを提出したが、貴社が有効成分XXの同一性と濃度に関する試験を適切

に実施したことを示す適切な記録を含んでいなかった。貴社の回答は試験方法も欠けていて、一覧にされ

た機器の提出のみだった。202058日の我々の事後の会議においてこの行方不明の情報を要求した

時、貴社は最初の回答を再度述べ、分析試験はサードパーティの試験機関を使用したことを付け加えた

が、サードパーティの試験機関で使用された同一性と濃度に関する試験の規格と方法を含んでいなかった。

我々の704(a)(4)の要求に対して貴社が提出した文書は、貴社の有効成分の同一性と濃度に関する分析試験

を実施していないことを示している。適切な試験をせずに貴社の医薬品のロットがリリース前に適切な

規格に一致しているという科学的なエビデンスがない。

我々は、貴社が我々の704(a)(4)の要求の後に、アメリカに手の除菌用ローションのいくつかのロットを

出荷したことに注目している。以下の品目に関する回答に、アメリカ向けの販売を意図している手の除菌

用ローションと医薬品に適用する文書を確実に含めよ。

この文書への回答の中で、704(a)(4)の要求の前後にアメリカに輸入された全ての医薬品に関する以下の

情報を提供せよ:

・ロットの処遇を判断する前に、医薬品の各ロットを分析するために使用された試験方法を含む化学及び

 微生物の規格

・この文書の日付時点で使用期限内にあるアメリカに出荷された医薬品の全てのロットの品質を判断する

 ために保管サンプルの全ての化学及び微生物学的試験を実施するためのアクションプランとタイムライン

・各ロットの保管サンプルの試験から得られた全ての結果のサマリ

 もし、それらの試験が医薬品の基準以下の品質を示したら、顧客への通知や製品の回収等の迅速な是正

 処置をとれ。

・貴社の試験の実務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したアセスメント

 このレビュに基づき、貴社の試験システムの改善と、その効果を評価するための詳細な計画を提出せよ。

・使用期限内にあるアメリカに出荷された手の除菌用ローションの全てのロットに関するメタノールの

 試験結果

 

●指摘2

貴社は、医薬品の各成分の同一性を検証するための少なくとも1つの試験を実施することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社が提出した記録と情報によれば、貴社は、医薬品を製造するために使用する入荷した原材料の同一

性を判断するために試験をしていることを示していなかった。

例えば、我々が、貴社が原材料の同一性試験を実施しているかどうかを確認した時に、貴社は、試験は

貴社の供給者により実施されていると答えた。202058日の事後のやりとりの中で、どの同一性試験

を実施しているかを尋ねた時、貴社は、同一性試験の規格または結果を含まないXXに関する供給者の

分析証明書を提出した。そして、貴社が供給者の適格性を評価している、または、供給者の分析証明書上

の情報を検証したことを示す文書を提出しなかった。貴社は、貴社の製造所から出荷された他の製品に

関する同一性試験の情報も提出しなかった。

この文書への回答の中で、704(a)(4)の要求の前後にアメリカに輸入された医薬品に使用された全ての

成分に関する以下の情報を提供せよ:

・成分、容器、蓋の全ての供給者がそれぞれ適格性を評価され、原材料には適切な使用期限または

 リテストの日付が付与されているかどうかを判断するための原材料システムの包括的で独立したレビュ

 レビュは、入荷した原材料の管理が不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切かどうかも判断

 すべきである。

・製造に使用するために成分の入荷した各ロットの試験とリリースに貴社が使用している化学及び微生物

 品質管理の規格

・同一性、濃度、品質、純度に関する全ての適切な規格への一致に関し、各成分のロットをいかに試験

 するつもりかの説明

 もし貴社が濃度、品質、純度に関し各成分のロットの試験をする代わりに、供給者の分析証明書の結果

 を受け入れるつもりなら、初期のバリデーションと定期的な再バリデーションを通して供給者の分析

 結果の信頼性をいかに検証するつもりかを明記せよ。我々は、供給者の試験結果のバリデーションに

 関わらず、成分の全てのロットに関して、同一性試験が必要とされていることを言っておく。

・各成分の供給者から得た分析証明書の信頼性を評価するための、全ての成分の試験から得られた試験

 結果のサマリ

 この分析証明書のバリデーションプログラムについて述べた貴社のSOPを含めよ。

・貴社が製造する医薬品に使用される有効成分を試験する契約試験施設の適格性評価と監督に関する貴社

 のプログラムのサマリ

 

●指摘3

貴社は、医薬品の安定性を評価し、適切な保管条件と使用期限を決定するのに安定性試験の結果を使用する

ために設計され文書化された試験プログラムを制定し、それに従うことを怠った。

<指摘3詳細>

貴社は、ラベルに表示された使用期間中ずっと医薬品の化学的特性が許容可能なままであることを示すため

の適切な安定性データを提出しなかった。例えば、貴社のXXに関する安定性のデータは、有効成分に関する

試験を含んでいなかった。従って、そのデータは、貴社の医薬品の有効成分が使用期間中ずっと安定して

いることを示していない。更に、提出されたデータは微生物の安定性のデータを含んでいない。

この文書への回答の中で、704(a)(4)の要求の前後にアメリカに輸入された全ての医薬品に関する以下の情報

を提供せよ:

・貴社の安定性プログラムの適切性を保証するための包括的で独立したアセスメントと是正処置・予防処置

 の計画

 貴社の改善されたプログラムには、これに限定されないが、以下のことを含むべきである。

 〇安定性を示す方法

 〇出荷が許可される前の、市販されている各医薬品の容器/施栓系内の安定性の研究

 〇宣伝されている使用期限が妥当かどうかを判断するために各製品の代表的なロットが毎年プログラムに

  追加されるような継続的な安定性プログラム

 〇各工程(タイムポイント)で試験される特定の特性の詳細な定義

 〇201611日から現在までに製造された全ての製品に関する貴社の安定性プログラムから得られた全て

  の安定性データ

・貴社の改善された安定性プログラムのこれら及び他の要素を述べた全ての手順

 

●指摘4

貴社は、品質管理部門に適用可能な適切に文書化された責任と手順を制定することを怠った。

<指摘4詳細>

貴社が提出した記録と情報は、貴社には適切な品質部門が欠けていることを示している。例えば、貴社は

バッチレコードのレビュ、供給者の適格性評価、装置の適格性評価とキャリブレーション、プロセスバリ

デーション、洗浄バリデーション、年次の製品レビュのような品質部門の責任に関する適切に文書化され

た手順を提出することを怠った。

この文書への回答の中で以下の情報を提出せよ:

・貴社の品質部門が効果的に機能するための権限とリソースを与えられていることを保証するために包括

 的なアセスメントと改善計画

 アセスメントには、これに限定されないが以下のことも含むべきである:

 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するための、貴社の作業全体の品質部門による監督に関する規定

 〇品質部門の判断の前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ

 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための、調査の監督と承認及びその他の品質部門

  の職務からの解放

 

●品質システム

我々のリクエストに対して提出された記録や情報のFDAによるレビュによると、貴社の品質システムは

不適切である。品質システムの実装とCGMPの規制要件21 CFR を満たすためのリスクマネジメント

アプローチに関して役立つ情報として、

FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR

211.34に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また我々は、貴社がFDAと貴社

のコンプライアンス状態の解決を達成しようとする前に、適格なコンサルタントがCGMP遵守に関し、

貴社の作業全体の包括的な監査を行い、貴社の是正措置・予防措置の効果を評価することを勧める。

貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の

経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、これらの

違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

FDAは、貴社がこれらの製品に使用されている方法と、製造・加工・包装または保持に使用されいてる方法

が、FD&C Actの意味でCGMPを遵守していると思われないので、貴社で製造された全ての医薬品に輸入警告

措置66-40を取ったことに注意せよ。

貴社で製造された全ての医薬品は、この違反の状況を引き起こしている状態が解決されたことを検証する

エビデンスが存在し、当局が今後の輸入がFD&C Actを遵守するであろうという信用をするまで、この輸入

警告は残るだろう。当局が、不良の状態に対処されていると考える前に査察をするかもしれない。

この文書で指摘した違反を即座に是正せよ。全ての違反が完全に対処され、我々が貴社のCGMPの順守を

確認するまで、FDAは貴社の医薬品の製造業者としての新しいの申請やリストの補完の承認を保留する。

我々は、貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を実施するかもしれ

ない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/yuyao-yijia-daily-chemical-co-ltd-610487-01222021

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

2通とも、供給者または委託先の不十分な管理に対する指摘でした。

特に1通目では、自社の供給者に対してウォーニングレターの発行や輸入警告措置がないかを確認する

ことの重要性を感じました。供給者から通知があればいいですが、無い場合も想定して、FDAの情報を

しっかりチェックしておく必要があるのではないでしょうか。

 

☆次回は、3/15(月)に配信させていただきます。

 

 

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