ASTROM通信バックナンバー

ASTROM通信バックナンバー一覧

2019.06.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<171号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

だんだん暑くなってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター
(2件)について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれています
ので、アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければと思います。


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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-17 インドの製造所の査察(2018/8/13~2018/8/29)でみつかった医薬品製造における重大
なCGMP違反に関する2019/3/21付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は医薬品の製造、加工、包装、保持に使用される建物を清潔で衛生的な状態に保ち、ネズミ・鳥・
  虫・その他の害獣がいない状態を維持することを怠った。
原材料の保管室において、我々査察官は、多数の飛んでいる虫を発見した。FDAは、この部屋の中で貴社
の従業員が製造に使用するための原材料XXロット#XXを分配し、この原材料の中に生きた蛾が浮いてい
るのを見た。貴社はホメオパシー医薬品を製造するためにXXを使用する。査察官が原材料XXの中にこの
蛾の存在を指摘した時、貴社はその虫の含まれた原材料をホメオパシー医薬品の製造に使用し続けた。
さらに、いくつかの黄麻布に詰められたさまざまな原材料が隔離保管室中に散在していて、この部屋の
天井にはカビと思われる染みがついていた。倉庫内で原材料が漏れている容器が他の原材料の近くでみつ
かり、多数ホメオパシー医薬品の製造に使用される製造エリア内の換気口に未確認のXXが付着していた。
貴社は回答で、査察結果の各要素について是正処置・予防処置(CAPA)を行い、是正処置の1つとして
手順を改訂し、教育を作業者に行うと述べた。
貴社は回答内に、改訂した手順を裏付ける文書やこれらの是正処置の実施のタイムラインを含めなかった
ので、我々は貴社の回答の妥当性を評価できない。
この文書への回答の中に以下の情報を含めよ。
・ロットの処理やこの成分が使用された最終製品のロットの情報を含む、原材料XXロット#XXの回顧的レビュ
・貴社の医薬品製造エリアに虫やその他の害獣がいないことを保証する有害生物駆除や製造手順のレビュ
・貴社が建物を有害生物がいない状態に保ち清潔で衛生的な状態を維持できるということを示した詳細手順
・虫やその他の害獣に汚染された可能性のある原材料を使用し、アメリカ市場に出荷され、使用期限内に
 ある全ての製品に関するリスクアセスメント
2.貴社は、公式のまたはその他の制定された条件を越えて、医薬品の安全性、同一性、含量、品質、純度
  を変える可能性のある誤動作や汚染を防ぐために、装置と器具を清潔にし、メンテナンスし、医薬
品の性質に応じて適切な間隔で消毒・殺菌することを怠った。
貴社は、XXとラベルを付けられたXXを含むXXをホメオパシー医薬品の成分として使用するために貴社
の製造所で生成する。査察中、査察官は、製造所の屋根にあるXXシステムのための保管タンクにひびが
入り、外部環境にさらされていることを発見した。さらに、XXシステムのパイプは、システムが過去の
ある時点に漏れていたことを示すように、テープまたは布状の素材で継ぎが当てられていた。
貴社のXXシステムの破損の状態から、査察官は、XXシステムの2018年の微生物試験の結果を求めたが
貴社は提出できなかった。貴社は回答の中で、2017年11月から2018年3月までの間、微生物試験を実施
していなかったことを認めた。XXシステムの適切なモニタリングと管理をせずに、貴社は、バリデート
された状態が維持されていたと保証することはできない。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・XXシステムの改善、設計、管理、メンテナンスに関する包括的なCAPAの計画
・XXシステムのバリデーション報告書
 継続的な管理とメンテナンスのために、システムの設計とプログラムに行われた改善の概要も含めよ。
・このシステムが医薬品の使用目的にあったXXを製造していることを保証するための適切な微生物の総数
 を示すデータ
・発見された水システムの不具合の、現在アメリカに流通し使用期限内の全ての医薬品のロットの品質へ
 の影響の可能性に関する詳細なリスクアセスメント
3.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格、不合格を
  判断するための責任と権限を持った品質管理部門を制定することを怠った。
査察中、我々査察官は貴社の品質部門が貴社のホメオパシー医薬品の製造に適切な監視を行っていないこ
とを発見した。例えば、貴社の品質部門は、以下のことを保証することを怠った。
・貴社のホメオパシー医薬品の製造に使用されるXXが、リリース前に微生物的特性に関する分析が行わ
れていること
・製造エリアがその使用目的にあい、適切に清掃され消毒されていること
貴社は回答の中で、上で指摘した品質部門の不具合の例に対処するための多数のCAPAを提出したが、それ
を裏付ける文書を回答に含めていなかったので、貴社の回答は不十分、もしくは、完全に評価することが
できない。貴社は、貴社の品質管理部門の不備の範囲をレビュして、医薬品製造工程の適切な管理を保証
する手順を起草し実施していることを示すエビデンスを提出することを怠った。また貴社は、品質管理
の不足が、貴社が製造し使用期限内の医薬品の品質に与える影響の可能性に対処することも怠った。
この文書への回答の中で下記の情報を提供せよ。
・貴社の品質部門が21 CFR 211.22(a)章に従って効果的に機能するために権限とリソースが与えられて
 いることを保証するためのCAPAの包括的なアセスメント
このアセスメントには、これに限定されないが、以下のことも含めよ。
・貴社で用いられる手順が強固で適切かどうかの判断
・適切な手順に忠実であることを評価するための、品質部門による作業全体の監督に関する規定
・適切な微生物試験をせずにリリースされたロットについて、リスクアセスメントを含む、規格を満たし
ていたかを判断するための回顧的レビュ
●ホメオパシー医薬品の不正商標表示
省略
●CGMPコンサルタントの推奨
貴社は回答の中で、第三者のコンサルタントを雇うと述べた。我々は、我々が貴社で確認した違反の性質
に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34章に示す適格なコンサルタント
を雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社がFDAの求める状態を遵守しようとする前に、適格なコン
サルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社が実施してきた全て
の是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年1月9日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/b-jain-pharmaceuticals-private-limited-567957-03212019

■WL:320-19-18 マレーシアの製造所の査察(2018/12/10~2018/12/14)でみつかった医薬品製造に
おける重大なCGMP違反に関してシンガポール本社に発行された2019/4/4付ウォーニングレターには、下記
の指摘事項があげられています
1.貴社は、出荷前に、医薬品の各ロットについて各有効成分の同一性、含量を含む最終の規格を満たす
  かどうか試験室の判断を行うことを怠った。
貴社は、出荷前に、有効成分の同一性、含量を判断するために、最終製品を試験しなかった。
この文書への回答の中で、アメリカ市場に出荷された使用期限内の全ての製品の保管サンプルの試験から
得られた結果のサマリを提出せよ。製品内の、薬理活性があるかもしれない全ての成分を含む有効成分の
同一性と含量に関する結果を含めよ。また、その他のすべての化学的品質特性と微生物品質特性を含めよ。
また、薬理活性のある全ての有効成分を確認するために、処方を評価せよ。
2.貴社は、貴社が製造した医薬品が、そううたっているまたは有すると表示している通りの同一性、
  含量、品質、純度を持っていることを保証するために設計された製造と工程の管理に関する文書化
  された手順を制定することを怠った。また、貴社の品質管理部門は、変更を含むこれらの手順のレビュ
  と承認をしなかった。
貴社は、貴社製品の製造工程をバリデートすることを怠った。プロセスバリデーションは設計とライフ
サイクルを通じた工程の管理状態の正当性を評価するもので、製造工程の各重要な段階は適切に設計され、
投入される原材料、中間材料、製品の品質が保証されなければならない。工程の適格性評価は、初期の
管理状態が確立されたかどうかを判断する。
貴社は回答で、バリデーションマスタプランを提出したが、詳細に欠け、貴社のバリデーションプログラム
の一部として適格性を評価しようとしている装置の一例をリストにしただけである。
良好な工程の適格性評価は商用販売の前に必要である。その後、工程の性能と製品品質の継続的で慎重な
監視は、製品のライフサイクルを通じて安定した製造作業の維持を保証するために必要である。
この文書への回答の中で、製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するためのバリデーションプラン
を提出せよ。各製品の工程の性能適格性評価実施のタイムラインを含めよ。継続的な管理状態を保証する
ために、ロット間のばらつきをモニタリングするためのプログラムを述べよ。また、工程の実施手順と、
文書化された装置及び設備の適格性評価に関する手順を含めよ。
3.貴社は、公式のまたはその他の制定された条件を越えて、医薬品の安全性、同一性、含量、品質、
  純度を変える可能性のある誤動作や汚染を防ぐために、装置と器具を清潔にし、メンテナンスし、
  医薬品の性質に応じて適切な間隔で消毒・殺菌することを怠った。
貴社は貴社製品の製造に使用される装置の洗浄バリデーションの実施を怠った。貴社は、XXでだけ洗浄
しすすいだ。
貴社は回答の中で以下の情報を提出せよ。
・2つ以上の製品を製造するために使用される製造装置についての洗浄手順、洗浄基準、バリデーション
 を評価するための包括的な計画
・貴社の洗浄手順が効果的であることを保証するための洗浄バリデーションの戦略の科学的で論理的な
 根拠
・最悪のケースと特定される条件を含んだ洗浄バリデーション手順の改訂のサマリ
 サマリには、これに限定されないが以下のことを含めよ。
 〇最も毒性の高い医薬品の評価
 〇洗浄溶剤内で最も低い溶解度の医薬品の評価
 〇洗浄を難しくさせる特性の医薬品の評価
 〇洗浄が最も難しい装置のふきとりの位置
4.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格、不合格を
  判断するための責任と権限を持った品質管理部門を制定することを怠った。
査察中、我々査察官は貴社の品質部門が貴社の医薬品の製造に適切な監視を行っていないことを発見
した。例えば、貴社の品質部門は、以下のことを保証することを怠った。
・含量及び同一性に関する適切な最終製品の規格が開発され、アメリカ市場に出荷される前に全ての規格
 を満たしていたこと
・アメリカ市場に製品が販売される前に、品質部門によりプロセスバリデーションがレビュされ承認され
 ていること
・共有の装置を使って製造された他の製品からの交叉汚染の可能性を防ぐことができることを保証する
 ための洗浄バリデーションが実施され、レビュされ、承認されていること
貴社の品質システムは不十分である。CGMP要件を満たすよう、品質システム及びリスクマネジメントの
アプローチの実施を助けるために、FDAのガイダンスを見よ。
この文書への回答の中で、貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースが与えられている
ことを保証するための是正処置・予防処置の包括的なアセスメントを提出せよ。そのアセスメントには、
これに限定されないが、以下のことも含めよ。
・貴社で用いられる手順が強固で適切かどうかの判断
・手順を評価するための、品質部門の作業全体の監督に関する規定
・品質部門が処理の決定をする前の、各ロットとそれに関連する情報の全ての最終的なレビュ
・調査の監督と承認
全ての製品の同一性、含量、品質、純度を保証するために品質部門の他の全ての任務の放免
●繰り返しの違反
2015年5月の査察で、FDAは同様のCGMP違反の所見をあげた。貴社は回答の中でこれらの所見に対し、
具体的な改善を提案した。
繰り返される不具合は、医薬品の製造に対する経営陣の監視と管理が不十分であることを示している。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造を再開
するつもりなら、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21 CFR 211.34章に示す適格なコンサル
タントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社がFDAの求める状態を遵守しようとする前に、適格
なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社が実施して
きた全ての是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の
経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●新薬承認の違反
省略
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴社の全ての製造所において、これらの
違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2019年3月29日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者
としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/luen-fook-medicine-sdn-bhd-572963-04042019


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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いかがでしたでしょうか。

ウォーニングレターを見ると、建物や設備の管理状態のひどさ、品質管理のずさんさが読んでとれます。
原材料に蛾が混ざっているということはないかもしれませんが、出荷前の試験の不足、プロセスバリデー
ションや洗浄バリデーションの不足は、意外に起きているかもしれません。
自社に同様の不備がないか、確認されることをお勧めします。

☆次回は、6/14(金)に配信させていただきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
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今年も2019年7月3日~7月5日のインターフェックスジャパン(東京ビッグサイト)に出展いたします。
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【発行責任者】 
株式会社プロス 
ASTROM通信』担当 橋本奈央子


2019.05.15

【平成29年薬事工業生産動態統計調査】ASTROM通信<170号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ゴールデンウィークが終わって1週間がたちましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、2019年4月17日に厚生労働省から公表された平成29年薬事工業生産動態統計調査の結果に
ついて取り上げたいと思います。
元号が変わったこともあり、「平成29年」と聞くと遠い過去の気がしてしまいます。
それはさておき、都道府県別生産額など興味深いデータもありますので、話の種にでもご覧いただければ
幸いです。


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平成29年薬事工業生産動態統計調査結果
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平成29年薬事工業生産動態統計調査結果のうち、主ものを以下にピックアップしました。
■医薬品■
1.生産金額について
平成29年の国内の医薬品最終製品の生産金額は6兆7213億円で、前年と比べると1.5%の増加となり
ました。
増減の内訳を見てみますと、医療用医薬品は2.3%の増加、その他の医薬品は-5.1%、一般用医薬品は-4.8%、
配置用家庭薬は-17.4%の減少となっています。
生産金額の多い医薬品(薬効大分類別)は、1位 循環器官用薬(9344億円、前年比-7.3%)、
2位 その他の代謝性医薬品(7904億円、前年比+14.6%)、3位 中枢神経系用薬(7577億円、前年比-5.4%)、
4位 腫瘍用薬(4421億円、前年比+35.4%)、5位 血液・体液用薬(4209億円、前年比-1.1%)と
なっていました。
医薬品薬効中分類別で生産金額の増減を見てみますと、56の分類のうち30の分類で増加していました。特に前年
に対して増え方が多いのは、抗ウイルス剤 +87.6%、呼吸促進剤 +70.8%、甲状腺,副甲状腺ホルモン剤 +48.5%、
その他の腫瘍用薬 +40.5%、ワクチン類 +27.9%となっていました。逆に、減り方が多いのは、
生化学的検査用剤 -26.2%、主としてグラム陽性・陰性菌に作用する抗生物質製剤 -23.2%、精神神経用剤 -20.7%、
主としてグラム陽性菌,マイコプラズマに作用する抗生物質製剤 -18.9%、総合代謝性製剤 -18.0%となっていました。
剤形分類別で生産金額の多い医薬品は、1位 錠剤(3兆438億円、前年比-0.2%)、
2位 その他(1兆1224億円、前年比+7.9%)、3位 注射液剤(5275億円、前年比+12.4%)、
4位 カプセル剤(4262億円 前年比+0.2%)、5位 外用液剤(4152億円 前年比-7.7%)となっていました。

2.輸出入金額
医薬品の輸出金額は、1669億円で、前年比-5.0%でした。この減少は北米向けの輸出額が大きく減ったことに
よりますが、他の地域(アジア、ヨ-ロッパ、アフリカ、大洋州)向けの輸出額は増えています。
金額で見た主な輸出国は、1位 韓国(350億円、前年比+47.5%)、2位 中国(289億円、前年比+6.1%)、
3位 アメリカ(260億円、前年比-56.8%)、4位 台湾(163億円、前年比+13.9%)、
5位 香港(73億円、前年比+0.5%)でした。
医薬品の輸入金額は3兆4382億円で、前年比-12.9%でした。金額で見た主な輸入国は、
1位 アメリカ(7269億円、前年比+6.0%)、2位 ドイツ(5890億円、前年比-5.5%)、
3位 スイス(4557億円、前年比-26.3%)、4位 フランス(2687億円、前年比+9.0%)、
5位 イギリス(1757億円、前年比+11.9%)でした。

3.都道府県別ランキング
生産金額の多い都道府県は、1位 静岡県(6820億円、前年比+24.3%)、2位 富山県(6540億円、前年比+5.2%)、
3位 大阪府(5302億円、前年比-5.7%)、4位 埼玉県(4814億円、前年比-7.0%)、
5位 東京都(4076億円、前年比-32.7%)でした。
生産金額が前年より増加している都道府県のトップ5は、愛知県の+48.6%、秋田県の+42.6%、熊本県の+32.7%、
静岡県の+24.3%、山梨県の+23.9%となっています。また、逆に減少している都道府県のトップ5は、愛媛県の-82.3%、
東京都の-32.7%、山形県の-23.8%、大分県の-17.8%、鳥取県の-17.3%でした。

■医療機器■
1.生産金額について
平成29年の国内医療機器の生産金額は1兆9904億円で、前年と比べると4.0%の増加となりました。
生産金額の多い医療機器(大分類別)は、1位 処置用機器(5291億円、前年比+1.1%)、
2位 画像診断システム(2963億円、前年比+11.1%)、3位 生体機能補助・代行機器(2678億円、前年比-3.1%)、
4位 生体現象計測・監視システム(2104億円、前年比+25.4%)、
5位 医用検体検査機器(1729億円、前年比-13.9%)、となっていました。
医療機器小分類別で生産金額の増減を見てみますと、49の分類のうち33の分類で増加していました。特に前年に
対して増え方が多いのは、眼圧計 +585.5%、家庭用磁気治療器 +170.2%、血圧計 +169.8%、
一人用生体情報モニタ及び関連機器 +53.7%、視覚機能検査用機器 +43.8%となっていました。
逆に、減り方が多いのは、血液凝固分析装置 -33.0%、医用写真フィルム -26.1%、血球計数装置 -17.8%、
人工関節、人工骨及び関連用品 -15.6%、透析器 -15.3%となっていました。。

2.輸出入金額
医療機器の輸出金額は、6190億円で、前年比+6.0%で、その他地域を除き、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、
南アメリカ、アフリカ、大洋州向けの全てで輸出額が増えていました。
金額で見た主な輸出国は、1位 アメリカ(1291億円、前年比+5.3%)、2位 中国(839億円、前年比+13.3%)
、3位 ドイツ(544億円、前年比+6.8%)、4位 オランダ(351億円、前年比+9.2%)、
5位 韓国(344億円、前年比+15.5%)でした。
医療機器の輸入金額は1兆6492億円で、前年比+6.0%でした。金額で見た主な輸入国は、
1位 アメリカ(8479億円、前年比+13.8%)、2位 アイルランド(1448億円、前年比-6.5%)、
3位 ドイツ(1095億円、前年比-15.8%)、4位 中国(1078億円、前年比+2.2%)、
5位 スイス(711億円、前年比+36.0%)でした。

3.都道府県別ランキング
生産金額の多い都道府県は、1位 静岡県(3513億円、前年比+1.3%)、2位 栃木県(1807億円、前年比+2.3%)、
3位 東京都(1785億円、前年比+34.2%)、4位 埼玉県(1641億円、前年比+42.6%)、
5位 茨城県(1249億円、前年比-9.2%)でした。
生産金額が前年より増加している都道府県のトップ5は、埼玉県の+42.6%、福岡県の+41.5%、東京都の+34.2%、
福井県の+33.8%、鹿児島県の+25.8%となっています。また、逆に減少している都道府県のトップ5は、
和歌山県の-48.7%、熊本県の-29.1%、群馬県の-24.6%、長野県の-21.7%、徳島県の-21.2%でした。

詳細:https://www.mhlw.go.jp/topics/yakuji/2017/nenpo/


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平成31年1月分以降の薬事工業生産動態統計調査について
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平成31年1月から新たな調査方法が実施されており、平成31年分から集計方法や公表される統計表が変わります。
主な変更点は下記の通りです。
1.都道府県別医薬品生産金額について
●平成30年12月分までの調査(旧調査)
<報告>製造販売業者が製造業者に製造委託している場合、製造販売業者が生産金額を報告し、
製造業者は受託額(委受託契約額)を報告。
<集計>製造販売業者から報告された生産金額は委受託関係を確認し、製造業者が所在する都道府県に
計上。委受託関係が確認できない場合は、製造販売業者が所在する都道府県に計上。
●平成31年1月分以降の調査(新調査)
<報告>製造販売業者のみを調査客体とし、製造販売業者から委託先の製造業者情報も含めて報告。
<集計>生産金額は全て製造業者が所在する都道府県に計上。
2.報告先について
都道府県への報告は廃止し、全て厚生労働省に直接報告する
3.調査票の報告期限
調査月の翌月15日(土日祝日の場合は翌営業日)に延期
4.報告方法
従来の紙、CD、オンラインの選択式から、原則オンライン報告とする
5.医薬品製造業者の従業員数の報告を廃止する
6.衛生材料は、医療機器または医薬部外品として報告する

詳細:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/105-1.html


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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いかがでしたでしょうか。

医薬品も医療機器も、輸出金額より輸入金額のほうが圧倒的に多い状態が続いていることがよくわかります。
特に、アメリカとドイツからの輸入が多いことをあらためて実感しました。

配置用家庭薬の生産金額は年々減少してきいましたが、平成29年は特に大きく落ち込んでいたことに驚か
されました。(平成27年は-7.3%、平成28年は-8.9%、平成29年は-17.4%となっています)

余談ですが、静岡県に住む人間としては、医薬品の生産金額が富山県を抜いて1位になったことがうれしかったです。
とはいえ、所詮は宇都宮と浜松の餃子日本一をめぐる戦いのようなもの。1年後にはどうなっているかわかりません。
しかも、平成31年1月分以降の薬事工業生産動態統計調査の方法が変わるため、各都道府県の生産金額が旧調査と
比較して大幅に増減する可能性もあるようです。

ということで、今回の調査結果は、話のネタにでも活用いただければ幸いです。

☆次回は、5/31(金)に配信させていただきます。


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【発行責任者】 
株式会社プロス 
ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2019.05.07

【米国初のDSCSA不履行ウォーニングレター】ASTROM通信<169号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~


こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ゴールデンウィーク明けの初日ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は、2013年11月に出されたDrug Supply Chain Security Act(DSCSA)の要件の不履行と
して、FDA(米国食品医薬品局)からはじめて発行されたウォーニングレターを取り上げます。
DSCSAは、アメリカの消費者が偽物、盗品、汚染品、その他の有害な薬にさらされることを防ぐ
ために、医薬品のサプライチェイの危険の可能性を検知し除去するのための法令です。

DSCSAについて:
https://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/DrugIntegrityandSupplyChainSecurity/DrugSupplyChainSecurityAct/

このウォーニングレターは、DSCSA違反としてはじめて発行されたということで、注目されています。
アメリカに医薬品を輸出されている製薬会社様は内容を是非確認いただければと思います。
また、DSCSAは、昨年12月に日本で発出されたGDPガイドラインの目的に近いため、、アメリカに輸出
されていない製薬会社様も参考にしていただければ幸いです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ウォーニングレターの概要  
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
■アメリカの製薬会社の本社の査察(2018/6/25~2018/7/3)及び配送センタの査察
(2018/6/26~2018/6/29)でみつかった連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)の確認要件の重大な
違反に関する、2019/2/7付けウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は貴社が所有または管理している通知対象の全ての医薬品を識別し、隔離することを含む、
  違法製品に対する要求された対応を怠った。
2.貴社は疑わしい製品を隔離して調査することを怠った。
3.貴社は疑わしい製品の調査の記録や違法製品の処理の記録を少なくとも6年間保管することを
  怠った。
●実例1
2016年9月と10月に、貴社は、貴社の取引相手であるR社から、R社の異なる3薬局で、貴社により
販売されたと報告のある違法な製品を受領したと通知された。
はじめに、2016/9/1にR社から、ミシガン州ミルフォードの薬局で、M社により製造されたオキシコドン
塩酸塩(NDC0406-8530)100錠入りとラベルが貼られたボトルを受け取ったと通知された。ボトルの
シールは破れ、ボトルにはオキシコドン塩酸塩が入っていなかった。ボトルの中身は、ナプロキセン
15錠に変わっていた。R社は貴社に、この製品は貴社との取引を通じて受け取ったと報告した。
M社は、このオキシコドン塩酸塩について、Form 3911で“ボトルの中の錠剤が異なる錠剤だった”
とFDAに違法製品通知を提出した。
R社のミシガン州ウォーターフォードにある薬局も、M社により販売されたと報告のある違法な製品
を受領した。薬局は、オキシコドン塩酸塩100錠入りとラベルが貼られたボトル1個を受け取ったが、
シールは破れ、オキシコドン塩酸塩は入っていなかった。そのボトルの中身もナプロキセン15錠に
変わっていた。R社は貴社に、この製品は貴社との取引を通じて受け取ったと報告した。2016/9/15に、
R社は、消えた錠剤に関して、メールで貴社に警告した。M社は、このオキシコドン塩酸塩について、
Form 3911で“ミシガン州ウォーターフォードにあるR社の薬局は、M社オキシコドン塩酸塩30mgの、
開封されたボトルのシールは破られ、オキシコドン塩酸塩30mgの錠剤100錠がなくなった。A社で
製造されたナプロキセンナトリウム220mgのジェネリック医薬品Aの錠剤15錠がボトルの中にあった”
とFDAに違法製品通知を提出した。
2016/10/6、R社のミシガン州ウォーレンにある薬局も、貴社により販売されたと報告のある違法な
製品を受領した。その薬局はオキシコドン塩酸塩のボトルを5つ注文し、受け取ったボトルのうちの
3つは、オキシコドン塩酸塩が全て持ち去られていた。これらの3つのボトルには、ナプロキセンと
塩酸シプロフロキサシンのさまざまな組み合わせが入っていた。M社は、これらの製品について、
“3つのボトルでオキシコドン塩酸塩30mgの錠剤100錠が全てなくなり、別の錠剤が入っていた”
とForm 3911でFDAに違法製品通知を提出した。
3件の事件に関する貴社の調査は、これらのパッケージが不正に加工されたというエビデンスに欠け
ていることと、これら3件のR社の薬局の近さにより、オキシコドン塩酸塩はおそらく貴社の所有
または管理中に他の製品にすり替えられたと判断した。
これらの事件は、貴社が連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)582(c)(4)の要件に従うための
システムを持つことを怠ったことの例となっている。R社から違法製品通知を受領後、貴社は、
所有または管理している、通知対象の全製品を確認する対応が求められていた((582(c)(4)(B)(iii))。
それから、貴社は、それらの製品が解決するまで、所有または管理しているそれらの製品の販売用
の製品からの隔離 ((582(c)(4)(B)(i)(l))、所有または管理している違法製品の処理((582(c)(4)(B)(i)(ll))、
貴社が所有していない違法製品を処理するために取引先を手助けするための妥当で適切な措置を
とること((582(c)(4)(B)(i)(lll))、24時間以内にFDAとそれらの違法医薬品を受け取ったかも
しれない全ての直接取引先への通知((582(c)(4)(B)(ii))が必要だった。また、貴社は、違法製品
の譲渡・処理の記録を少なくとも6年保持する必要があった((582(c)(4)(B)(v))。
貴社はオキシコドン塩酸塩のこれらのボトルに関する調査は実施したが、582(c)(4)に基づいて重要
な義務を果たしたことを証明することはできなかった。例えば、貴社は通知された全ての違法製品
について、同じロット番号またはNDC(National Drug Code: 全米医薬品コード)を持つ製品を探す
などにより確認したことや、それらの製品を隔離したことを示すことができなかった。同様に、
貴社は、同じロット番号またはNDCの製品を受け取ったかもしれない直接取引先に通知したと証明
することを怠った。貴社の調査で、オキシコドン塩酸塩はおそらく貴社の配送センタで別の製品に
置き換えられたことに気付いていたので、これは特に不安を感じさせる。これ以外にも不安に感じ
させることとして、FDAが貴社のサンフランシスコ本社を査察中、貴社の代表は、中身が盗まれたり
変わったりしたことを含む事象は、社内ではDSCSAの確認事象として扱われないと述べたことである。
実際、DSCSAは、“信頼できるエビデンスが、それが偽物であったり、変えられたり、盗まれたり
したと示す製品”は、違法製品に含めると明確に定義している。最終的に、貴社は、これらの違法
製品の譲渡・処理の記録を提出しなかった。
●実例2
2016/12/2、貴社は、貴社の取引先の1社であるA社から、DSCSAに基づき、疑わしい製品Dの報告を
通知された。製品は、ロット番号または使用期限を持っていなかった。2016/12/6、A社は、この
製品Dに関する違法製品通知をForm 3911でFDAに提出した。2016/12/7、A社は、貴社から受け取った
ロット番号または使用期限を持たない別の製品Iに関する違法製品通知をForm 3911でFDAに提出
した。この通知は、A社が貴社に先にメールで問題を通知していたことを示した。2016/12/15に
FDAは貴社に連絡をとり、A社からパッケージにロット番号と使用期限のない製品DとIに関する
Form 3911を受け取ったことを通知した。その結果として、FDAは、これらの製品の状況を判断する
ためのFD&C Actの582(c)(4)(A)(i)に述べられているような確認を実施するよう要求した。
この事象において、貴社は、582(c)(4)の確認要件に従うことのできるシステムを持つことを怠った。
貴社は、それらの製品の疑いが晴れるか処理が決まるまで、それらの製品を販売用の製品から隔離
し、製品が違法(582(c)(4)(A)(i))かどうか判断するために、規定通りに取引先と協力して疑わ
しい製品の調査をすぐに実施することが必要だった。また貴社は、疑わしい製品の調査の記録を
少なくとも6年保持する必要があった(582(c)(4)(A)(iii))。
A社とFDAが貴社にこれらの薬の連絡をとった後も、貴社は、それらの製品を隔離したことや、
製品が違法かどうかを判断するために疑わしい製品の調査を実施したことを示さなかった。A社が
パッケージにロット番号と使用期限のない2製品(DとI)に関するForm 3911を提出したとFDAに
通知された後、貴社は、ロットと使用期限のないボトルが他にないことを確認する調査が遂行され
る必要があると認識した。
もしロットと使用期限のない他のボトルが見つかれば、それは、これらの製品を購入した顧客に、
ロットと使用期限のない在庫をチェックするよう通知する必要があったかもしれない。貴社は、本社
が配送センタに通知を送ったことを示す文書を提出した。しかし、貴社のオレゴン州ウィルソンビル
にある製造所は、それらの隔離の通知の受領を否定し、それらの隔離の通知が貴社の電子システム
に存在したことを示すエビデンスはなかった。582(c)(4)(A)(iii)を遵守するために、貴社は少なく
とも6年、疑わしい製品の調査の記録を保持する必要がある。貴社はその後、オレゴンの製造所で
これらの製品の在庫確認を記録したと思われる手書きのメモと一緒に、在庫の一覧と思われるもの
を提出した。しかし、手書きのメモは日付もサインもなく、これらの製品の隔離の通知の受領を否定
したウィルソンビル製造所にいたFDA査察官に提供されなかった。また貴社は貴社の各配送設備に
おいて隔離確認が実施されたことを示す情報を提供しなかった。
●実例3
2016/6/28頃、貴社は、G社に、薬局が実際には製品Gが入った製品Tのラベルが貼られた2つの密封
されたボトルを受け取ったと報告したことを通知された。G社は、その製品がみつかった薬局は、
貴社から製品を購入したことを示す注文書を持っていたと述べた。2016/7/8にG社は、
“G社は製品Tのボトルは、DSCSAのもとで違法製品と確認されたと判断した。2つのボトルは、
貴社から仕入れた密閉された製品Tのボトルに別の錠剤の存在を確認した薬局により報告された。
よって、違法製品に関するDSCSAの要件に従い、FDAに通知し、直接の取引先として貴社に通知
した。”と通知した。
貴社は製品は違法製品だという判断の通知を受け取ったらすぐに、保管または管理中のそれらの
全ての製品の確認が必要だった。また貴社は、所有または管理しているそれらの製品の販売用の
製品からの隔離(582(c)(4)(A)(i)(l)、582(c)(4)(B)(i)(l))、所有または管理している
違法製品の処理(582(c)(4)(B)(i)(ll))、貴社が所有していない違法製品を処理するために
取引先を手助けするための妥当で適切な措置をとること((582(c)(4)(B)(i)(lll))が必要だった。
貴社は、違法製品の確認要件またはそれに続く要件を満たしたことを示す記録を提供できなかった。
例えば、貴社の代表は、貴社が残っている在庫を調べ、同じロット番号の製品はなかったと述べた
が、 (1)報告されたロット番号に関して在庫確認を実施する指示をした違法製品通知が配送センタ
に発行されたこと(2)貴社が違法製品を所有または管理しているかどうか判断するために配送センタ
で在庫確認が実施されたこと(3)違法製品の事象を配送センタに警告するために貴社システムに
隔離フラグがセットされたことを示す記録のような、これを裏付けるエビデンスはなかった。
よって貴社は、違法製品を所持しているかを判断することや、取引先に通知することができなかった。
●是正処置
FDAは、貴社のForm 483への回答や、それに続く文書をレビュした。
1.Form 483に対する貴社の回答において、中身の変換や窃盗の可能性に関する事象を調査して
  いる間は、その事象を疑わしい製品や違法製品と関連づける必要はないと述べた。この回答は、
  FDA査察官に対する貴社のサンフランシスコ本社の代表の、盗まれたり替えられたりした中身
  を含む事象は社内ではDSCSAの確認事象として扱わないという発言と類似している。これらの
  陳述は、疑わしい製品や違法製品の定義の理解や、取引先による違法製品の通知時の貴社の
  責任の欠如を示している。患者に投与される全ての処方箋薬は、582(c)(4)のDSCSAの確認要件
  の対象である。さらに、法律は、“信頼できるエビデンスが、それが偽物であったり、変えら
  れたり、盗まれたりしたと示す製品”は、違法製品に含めると定義している。法の下で、貴社
  は、DSCSA要件の対象として、疑わしい製品や違法製品を含む事象を取り扱わなければならない。
2.Form 483に対する貴社の回答は、十分な裏付けの文書に欠けているので評価できない。貴社は、
  これらの改訂が何かを述べることや、レビュするための新しい標準操作手順書の文書の提供も
  なく、貴社は標準操作手順の手続きの改訂を計画していると回答している。FDAは、貴社による
  疑わしい製品や違法製品の調査が今後DSCSAに従った方法で実施されると結論づける十分な情報
  を持っていない。2018/11/4付の貴社の回答は、前回の回答と同様で、いくつかのポリシー文書
  を改訂したことに関する情報を含んでいたが、レビュのための裏付け文書が提供されなかった。
3.2018/11/4付の貴社のFDAに対する回答は、“疑わしい製品や違法製品に関する全ての活動の調整
  に責任を負う製品安全性委員会”を結成するつもりであると述べているが、この委員会の構成や
  委員会が機能するための手順についての情報が提供されなかった。結果として、貴社の回答は、
  提案された変更が、貴社のDSCSAの確認要件遵守をいかに向上させるかを示していない。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断
し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。連邦法の全ての要件に従うことを保証する
のは貴社の責任である。
これらの違反に対する迅速な是正の不履行は、更なる通知なしに、強制命令を含む法的手段を招く
可能性がある。このウォーニングレター内の未解決の違反は、他の連邦政府関係機関の事業発注も
妨げるかもしれない。

出典: 
https://wayback.archive-it.org/7993/20190214023432/https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm631088.htm


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まとめ
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いかがでしたでしょうか。
流通が複雑化している状況を考えると、今後同様の問題が起きると思われますので、今回のアメリカ
の事例を是非参考にしていただければと思います。

☆次回は、5/15(水)に配信させていただきます。


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2019.04.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<168号>

 

2019.04.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<167号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは 
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

いよいよ新元号が発表される日となりましたが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製薬会社向けに出されたウォーニングレター(4件)に
ついて見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様にも起こりうることが含まれていますので、
是非参考にして頂ければと思います。


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最近のウォーニングレターの概要  
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-09 中国の製造所の査察(2018/4/16~2018/4/20)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に
関する2018/12/14付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社には、無菌またはパイロジェンフリー(エンドトキシンフリー)をうたう製品の各ロットについて、最終の
  規格を満たすことについての適切な試験室の判断がない。
貴社は、OTC医薬品を、全ての品質特性に関する各ロットの試験をせずにアメリカ市場に出荷した。例えば、貴社は、
無菌試験を実施せずに、無菌をうたうXXの複数ロットを出荷した。代わりに、貴社は、XX CFU/mL未満という規格
の微生物の計数試験を実施した。微生物の計数試験は製品の無菌試験には不十分である。さらに、貴社は、製品XXの
出荷前に粒子状物質の試験を実施しなかった。物理及び微生物の品質特性に関する適切な試験がなく、貴社の品質
部門には、適切な出荷判定をするために必要とされる根本的な安全情報が不足していた。
貴社は回答で、顧客の要求ではないので無菌試験を実施しなかったと述べたが、“無菌試験のための保管サンプル
を取り、顧客に提供するつもりである”と述べた。貴社の回答は、誰が保管サンプルの試験をし、どの試験方法を
使用するかを含む詳細の情報に欠けているので不十分である。
この文書への回答の中で、
・出荷前の製品の各ロット用の、微粒子試験や無菌試験の方法など貴社の新しく制定した試験方法と、医薬品の物理
 的性質の分析のための規格を提出せよ。
・OTC医薬品の全ての無菌試験結果を提出し、それらが米国薬局方(USP)の無菌試験に従っているかどうかを示せ。
・制定した品質基準を満たさない製品のロットについては、顧客への通知または製品の回収を含む、貴社の是正処置
 の詳細な計画を提出せよ。
2.貴社は、無菌をうたう製品の微生物汚染を防ぐための、無菌工程のバリデーションを含む、文書化された手順を
  制定してそれに従うことを怠った。
貴社は、貴社の無菌工程が貴社の眼科用医薬品の微生物汚染を防ぐ能力があることを示すことを怠った。
〇不適切な装置の消毒
貴社は、貴社の工程がXX装置の無菌状態を保証する能力があることを示さなかった。貴社は、製造前に装置を消毒
するために、XXの混合物を使用すると述べた。我々査察官が、この工程で用いられるXXの濃度をたずねた時、貴社は
濃度の情報の提供も製造前の装置の消毒を裏付ける文書の提出もできなかった。
さらに、この装置の消毒の方法が適格で再現可能であることを評価する文書もバリデーションも不足していた。貴社
のXX装置は、貴社の医薬品が患者によって使用されるために安全であることを保証するために適切でしっかりとした
消毒の方法を使って消毒されなければならない。
貴社は回答で、2018年6月15日までに、XX装置の無菌能力をバリデートするつもりであると述べた。貴社は、医薬品
が進む装置の経路全体を消毒するための適切でしっかりとした手順の使用を示すデータを提出することを怠った。
貴社はまた、“最終の無菌保証レベルは、防腐剤により保証されている”と述べたが、医薬品の無菌性を保証する
ために防腐剤に頼ることはできない。
〇培地充填研究の不足
貴社は、無菌工程のシミュレーション(即ち、培地充填の研究)を実施していなかった。査察中、我々査察官は貴社に、
OTC医薬品XXを製造するために使用される機会CCに関するプロセスシミュレーションが実施されていたかをたずねた。
貴社は、培地充填のシミュレーションが実施されていなかったが、今後実施する計画を立てると述べた。無菌を
うたう製品の無菌性を保証するために、無菌充填と密閉の作業は製造及び出荷の前に適切にバリデートされなければ
ならない。適切な培地充填の検証では、実際の製造中に遭遇するかもしれないいかなる介入も含む、無菌処理ライン
の活動と状態を正確にシミュレーションするものである。これらの検証は、各無菌処理ラインが管理し続けられて
いて、患者の使用のために安全な無菌医薬品を確実に生産しているかどうかを評価するために、少なくとも年2回
実施されるべきである。貴社の回答は、貴社のXX作業をバリデートするために使用する予定の培地充填プログラム
に関する詳細が不足している。例えば、貴社が提案した培地充填の検証は、貴社がアメリカ市場向けに製造する全て
の容器のサイズを包含していない。培地充填の検証は、全ての容器のサイズ、充填速度、及び、貴社の製造工程で
用いられるその他のパラメータを表したものでなければならない。
この文書への回答の中で、
・XX製造装置をいかに消毒するかを述べよ。詳細の消毒の方法、この方法を使って消毒される全ての装置のリスト、
 バリデーション手順、工程のバリデーション報告を提出せよ。
・商用生産における最悪ケースの状態の適切なシミュレーションを確実に行う培地充填プログラムの包括的なサマリ
 を提出せよ。
3.貴社は、医薬品の各成分の同一性を確認するために少なくとも1回の試験を実施することを怠った。
  また貴社は、適切な間隔で、成分の供給者の分析試験の信頼性を検証し証明することを怠った。
貴社は、XXを含む入荷した原材料について、同一性、純度、含量、その他の品質特性に関し、試験をすることを
怠った。代わりに貴社は適格性を評価していない供給者から得た分析証明書(COA)を信頼した。我々の査察中、
貴社は査察官に、供給者が登録されGMP適合証明書を持っているかどうかで、適格性があるとみなすと言った。FDA
は、医薬品の製造に使用される各成分のロットの同一性試験を要求する。そして、貴社が適切な間隔で供給者の試験
結果を適切にバリデートすることにより、貴社は各成分の特性に関しCOAを信頼することができる。
貴社は回答の中で、その信頼性を確認するため、各検査品を調べることをサードパーティに委ねるつもりであると
述べた。しかし、貴社は、この試験に関する詳細を回答することを怠り、何の試験を実施するつもりであるかを
述べていない。また、貴社は、いかにサードパーティの研究所の適格性を評価するかや、いかに入荷した原材料が
米国薬局方の試験の要件を満たすことを保証するかについて詳細を述べていない。
この文書への回答の中で、
・全ての入荷した成分の品質管理のリリースの規格と、各ロットについて貴社が実施した試験を提出せよ。
・原材料の各製造業者から得たCOAをバリデートするために、全ての入荷した成分の包括的な試験から得た試験結果
 のサマリを提出せよ。
・入荷した成分と貴社が製造した製品の試験を行う契約設備の適格性の評価と監督に関する手順のサマリを提出せよ。
・各供給者から得た全ての容器、蓋、含有物が適切に評価されているか、それらが適切な使用期限やリテスト日を
 割り当てられているか、また、不適切や容器や蓋や成分の使用を防ぐために入荷した原材料のロット管理が適切か
 を判断するための、貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュを提出せよ。
4.貴社は、貴社の医薬品が、適切な安定性試験により裏付けされた使用期限を持っていたことを保証することを
  怠った。
貴社は安定性プログラムを制定していなかった。貴社は、貴社のOTC医薬品XXの、無菌性を含む化学的・物理的・
微生物学的な特性が、ラベルに表示された使用期限を通じて許容できることを示すデータに欠けていた。
貴社は回答の中で、すぐにOTC医薬品XXの長期安定性試験を制定するつもりで、貴社の試験室は長期安定性試験の
ための装置を手に入れる必要があると述べた。貴社は回答に、全ての関連する特性と合格基準を含む適切な安定性
試験の手順を含めることを怠り、貴社の試験方法が適切な安定性を示す保証を提供することを怠ったので、貴社の
回答は不十分である。
この文書への回答の中で
・貴社の医薬品XXの化学的・物理的・微生物学的な特性がラベルに表示された使用期限を通じて許容できることを
 示す安定性のデータを提出せよ。
・貴社の安定性プログラムの包括的なアセスメントとCAPAを提出せよ。CAPAには、これに限定されないが、安定性
 プログラムを述べた修正されたSOP、安定性を示す方法、出荷許可前の容器密閉システム内の各医薬品を支える
 安定性の研究、主張する保管期間が正しいか判断するために毎年各製品の代表ロットを追加する継続的なプログラ
 ム、各工程で試験されるべき特性を含めるべきである。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は、貴社の作業を評価し、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをする
ために21CFRの211.34章に示す適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社が、FDAと共に
CGMP状態を遵守しようとする前に、適格性のあるコンサルタントが、(1) CGMPの遵守に関し貴社の全ての作業の
包括的な監査を実施し、(2) 貴社が実施した是正処置及び予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、
全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を
防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2018年8月17日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としての
いかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm630718.htm

■WL:320-19-10 中国の製造所の査察(2018/8/7~2018/8/9)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に
関する2019/1/29付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、製品の各ロットについて、出荷前に、各有効成分の同一性、含量を含む最終規格に一致するかどうか
  について試験室の判断を怠った。
貴社は、OTC医薬品XXを、これだけでないが、有効成分XXの同一性の試験を含む適切な品質管理部門のリリース
試験を実施せずに出荷した。
更に我々は貴社の最終製品の試験結果の正当性について懸念がある。貴社の契約研究所から受け取ったレポート
は、アメリカ市場に販売するために出荷された医薬品XXのロットXXと同一の有効成分XXの含量の試験結果と、
微生物試験の結果(バクテリアの総数と、真菌計数の総数)を含んでいた。
2.貴社は医薬品の各成分の同一性を検証するために少なくとも1試験を実施することを怠った。貴社は、成分
  の供給者の分析試験を適切な間隔でバリデーションして信頼性を確認することを怠った。
貴社には、貴社の医薬品の製造に使用される、有効成分及び他の成分を含む入荷した原材料の、同一性、含量、
その他の品質特性に関する試験が不足していた。貴社は、また、適切なバリデーションを通じて供給者の分析
の信頼性を検証せずに供給者の分析証明書(COA)を信頼した。
3.貴社は、医薬品が、適切な安定性試験により裏付けされた使用期限を持っていたことを保証することを
  怠った。
貴社は、文書化された手順を含め、安定性プログラムを制定していなかった。また貴社は、貴社のOTC医薬品
に付けられた有効期限を裏付ける安定性データを持っていなかった。安定性データなしに、貴社は、ラベルに
表示された保管期間を通じて製品の品質を保証することができない
4.貴社は、貴社が製造した医薬品が、それが持つとされている同一性、含量、品質、純度を持つことを保証
  するために設計し文書化した製造手順や工程管理を制定していなかった。
貴社は、貴社の医薬品を製造するために使用される工程をバリデートしていなかった。貴社は、工程の適格性
評価を実施せず、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するための工程管理のモニタリングに関す
る継続的なプログラムが欠けていた。
5.貴社は、成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の合格、不合格を判断するための
  責任と権限を持った品質管理部門を制定することを怠った。
貴社には適切は品質部門が欠けている。貴社は、これに限らないが、品質部門の作業、ロットの出荷判定、
変更管理、苦情管理、供給者の適格性評価、回収、年次製品照査を含む品質部門の非常に多くの機能に関する
文書化された手順を制定することを怠った。査察中、貴社は、成分及び最終製品の試験に関し、
貴社及び貴社の契約研究所が守るべき役割、責任、手順を述べた品質協定に欠けていると述べた。
●契約研究所の使用
医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、製造設備、試験機関、
包装業者、ラベル業者などの独立した受託業者を使用していることを知っている。FDAは、受託業者を製造
業者の延長としてみなす。そのため、貴社は、最終の出荷判定に関する責任を負う。貴社には、貴社の受託
設備との契約に関わらず、貴社が製造した医薬品の品質に関する責任がある。貴社には、医薬品が安全性、
同一性、含量、品質、純度に関し、連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C Act)に従って製造されたことを
保証することが求められる。
●品質システムのガイダンス
貴社の品質システムは不十分である。CGMPに準拠した品質システムを制定して従うためのガイダンスを見よ。
●不適切な回答
貴社のFDA査察に対する回答は、貴社がCGMPを遵守することを確実にするために貴社の作業を修正するつもり
であるという詳細な情報やエビデンスを提供していなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提出せよ。
・出荷前に製品の各ロットを分析するために使用する、化学及び微生物学的な品質特性を含む試験方法と
 規格
 使用期限内にあるアメリカ市場向けの医薬品の全てのロットの試験から得られた全ての試験結果のサマリ
 を含めよ。出荷前に、ロットのリリース規格に従って、最終製品の各ロットの試験を行っていることを
 保証する手順を含めよ。
・使用期限内のアメリカ市場に出荷された全ての製品の保管品の、微生物総数と好ましくなく微生物の結果
 を含む、有効成分の同一性・含量、微生物学的品質に関する試験の計画
 もし、OOS(規格外)のロットを出荷していたら、顧客への通知や製品の回収のような、貴社がとる
 つもりの是正処置を示せ。
・XXを含む全ての入荷した成分のロットのリリース規格
 入荷した成分の各ロットの分析手順と、リリースや使用前の成分に必要な試験の手順を含めよ。
・XXのように、試験をしていない成分の影響を判断するために、使用期限内のアメリカ市場に出荷された
 全ての医薬品のリスクアセスメントを提出せよ。
・タイムラインと一緒に、完全な医薬品の安定性プログラムを開発して実装するための計画
 この計画には、使用期限内のアメリカ市場内の貴社の製品の保管サンプルの試験による安定性の評価を
 含めるべきである。もしOOSの結果が見つかったら、顧客への通知を含め、貴社がとろうとしている是正
 処置を示せ。
・適切な安定性試験による裏付けのない使用期限内のアメリカ市場に出荷された製品のリスクアセスメント
・貴社の製品に関する工程の適格性評価
 バッチ内及びバッチ間のばらつきの定期的なモニタリグに関するアプローチの詳細なサマリ
・その責任を果たし医薬品の品質を一貫して保証するために適切な権限と十分なリソースを持った効果的
 な品質管理部門の制定に関する是正処置・予防処置(CAPA)
 新たに制定した手順と改訂された手順を含めよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし、貴社がアメリカ市場向け医薬品の製造を再開するので
あれば、我々は、貴社の作業を評価し、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために21CFRの211.34章に
示す適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守する
ための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守
を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、
再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2018年12月13日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者と
してのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm631451.htm

■WL:320-19-11 インドの製造所の査察(2018/2/21~2018/2/24)でみつかった原薬製造における重大な
CGMP違反に関する2019/1/29付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.原薬製造業者から受け取った全ての品質及び規制情報を顧客に伝えることを怠った。
貴社の品質部門は、顧客に対して発行する分析証明書(COA)上から貴社の原薬のオリジナルの製造業者の
名前と住所を削除した。たとえば、XXのバッチXXに関する分析証明書に、オリジナルの原薬製造業者に
名前と住所がなかった。
FDAは、この供給者が2017年10月10日に査察を拒否したため輸入警告措置99-32をとっていた。貴社は、
供給者から原薬を購入して販売する前に、供給者の規制状態に気付くべきである。顧客と規制当局は、
医薬品とその成分の品質と供給源について、COAを信頼している。COAから情報を削除することは、
サプライチェインの信頼性やトレーサビリティを損ない、消費者を危険にさらすかもしれない。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社が生成し発行したCOAがオリジナルの製造業者について必要とされる情報を含むことを証明するために
 貴社が実行に移した管理を含むCOAの作成に関する文書化された手順
・貴社が提供を怠った必要な情報が医薬品の品質にいかに影響を与えたかを判断するための回顧的レビュ
・顧客への通知や医薬品の回収、ラベルに表示されたリテスト日付内の医薬品に関して以前発行された分析
 証明書の無効化など、貴社がとった、または、とろうとしているアクション及び必要な情報を含んだ最近
 発行された分析証明書
2.貴社の製造所で製造された原薬が品質と純度に関する制定された規格を満たすことを保証するために
  必要な手順や工程を持つことを怠った。
〇バッチの管理
貴社は、バッチの製造記録(BMRs)の発行、使用、照合を管理するための手順を持っていない。貴社の製造の
職員は、個人のノートまたはBMRsのドラフトに製造活動を記録している。それから製造部長が別のBMRに
データを転記し、製造作業者と製造管理者に、サインのために回覧される。製造部長は、ドラフトはバーナー
の中で焼却処分されると述べた。貴社の代表は我々査察官に、なぜそのような運用に問題があるのかとたずね
た。
〇調査
貴社は、逸脱、規格外(OOS)結果、トレンド外(OOT)結果、安定性の不具合の調査のための手順がない。
この文書への回答の中で、下記の情報を提供せよ。
・これに限らないが、報告されたデータの完結していること、矛盾がない事、正確であることを判断するため
 に文書の徹底的なレビュを含む、製造記録の包括的で独立したリスクアセスメント
 貴社が医薬品の出荷判定に使用したデータに帰属性があること、判読できること、同時に記録されている
 こと、オリジナルまたは真のコピーであること、正確であることをいかに判断したかを示せ。
・文書化の手順が不十分でないかを判断するための、製造及び試験室の作業を通じて使用される文書システム
 の完全なアセスメント
 総合的に文書化の手順を修正し、貴社が完全で同時に作成され正確な記録を保持していることを保証する
 詳細な是正処置・予防処置を含めよ。
・逸脱、相違、苦情、OOSの結果、安定性の不具合の調査に関する貴社のシステムの包括的なアセスメント
 アメリカ市場に出荷された全ての医薬品に関する製造及び試験室の記録の回顧的レビュを含めよ。もし、
 相違がみつかったら、関連する調査、根本原因の分析と製品への影響のアセスメントを提出せよ。
3.装置の洗浄と、それを原薬の製造に使用するためのリリースに関する適切に文書化された手順を制定
  し、それに従うことを怠った。
洗浄に水だけが使用されることが示された洗浄手順が原薬製造エリア内の壁に貼られていた。貴社の製造部長
は原薬の製造装置にこの洗浄手順は一般的であると述べた。貴社は、これが適切であると示すためのデータを
持っていなかった。
我々査察官は、貴社が原薬XXを製造するために使用する製造装置は、XXとXXの残留物で目に見えるほど黒く
覆われているのに、“XX”とタグが付いているのを発見した。また、我々は、他の装置や設備の洗浄やメンテ
ナンスの問題だけでなく、原薬と接触するろ過ユニット及び混合タンクの表面にさびを発見した。
この文書への回答の中で下記の情報を提供せよ。
・1つだけでない製品の製造に使用される製造装置の各部品に関する洗浄手順、業務、バリデーションの適切
 性を評価するための包括的な計画
・貴社の洗浄手順の有効性が適切に評価されていることを保証するための、貴社の洗浄バリデーションの
 戦略に関する科学的な論理的根拠
・最悪のケースと判断される状態を取り入れた洗浄バリデーション手順のサマリ
 これに限定されないが、サマリには、最も高い毒性のある医薬品、洗浄溶剤内で溶解度がもっとも低い
 医薬品、洗浄を難しくする性質を持つ医薬品、洗浄が最も難しい装置の場所の拭き取りを含めるべきで
 ある。
4.原薬の製造に使用される水が、その使用目的に合っていることを示すことを怠った。
貴社は、XXより前に設置された水システムXXをバリデートしていなかった。貴社は、最低でも米国薬局方
のXX水に関する基準を満たした医薬品グレードの水を一貫して製造できるように、システムを効果的に管理
し、メンテナンスし、消毒し、モニタできていることを示さなかった。貴社は医薬品の成分として、この
バリデートされていないシステムからの水を使用している。
貴社のこのシステムにより製造された水の限定された試験は不適切である。貴社が全有機炭素や伝導率など
の化学的特性や微生物学的特性に関して水を定期的に試験することは義務である。
この文書への回答の中で、貴社の水システムをバリデートし、水システムの適切な設計、管理、メンテナス、
モニタリングを保証するための計画とタイムフレームを提出せよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は、貴社の作業を評価し、貴社がCGMP要件を満たす手伝い
をするために適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社が、FDAと共にCGMP状態
を遵守しようとする前に、適格性のあるコンサルタントが、CGMPの遵守に関し貴社の全ての作業の包括的な
監査を実施し、貴社が実施した是正処置及び予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣
には、全ての不備を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、
再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2018年7月11日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者として
のいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm631267.htm

■WL:320-19-12 スペインの製造所の査察(2018/6/11~2018/6/14)でみつかった医薬品製造における重大な
CGMP違反に関する2019/2/13付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、製品の各ロットについて、出荷前に、各有効成分の同一性、含量を含む最終規格に一致する 
かどうかについて試験室の判断を怠った。
貴社は同一性と含量の試験をせずにOTC医薬品を出荷した。我々査察官は、貴社が、最終製品の特定の重さ、
pH、屈折値、微生物試験に関してのみ試験を行っていると記録した。
貴社は回答の中で、今後、貴社の契約研究所が製造された製品の同一性と含量の試験をするよう依頼する
つもりであると示した。貴社は、このアクションについてのタイムラインを提出せず、アメリカ市場に出荷
された使用期限内の製品の保管サンプルの試験をする計画を含めていないので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・製品の規格や試験方法はもちろん、最終製品の同一性や含量を含むリリース試験に関する、改訂された
 貴社の標準操作手順書(SOP)
 これらの是正処置の実施に関するタイムラインを提出せよ。
・市場にある使用期限内の、全ての出荷された製品の保管サンプルの完全な試験を実施する計画
2.貴社は製品の安定性を評価するために設計された文書化された試験プログラムに従うことを怠った。
貴社は、3ヶ月目、6ヶ月目、1年目、2年目で行う安定性試験を含む、安定性プログラムの試験のタイム
ポイントに従わなかった。特に、貴社のXXの、あるロットについて、貴社は、そのロットが包装されたのと
同じ日に3ヶ月目の安定性試験を実施し、6ヶ月目の安定性試験を最初の安定性試験の9ヶ月後に実施した。
貴社は回答の中で、改訂された“製品の安定性報告”手順を提出した。しかし、この手順は各タイムポイ
ントでの有効成分の同一性と含量の試験を含んでいなかった。さらに、貴社は、製品が貴社の手順に記述
されている、残っている安定性の間隔の間で製品が試験されたことを保証するために安定性プログラムに
行われた変更を示さなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・使用期限内の全てのロットの安定性データの全サマリ
 微生物学的試験及び化学的試験のタイムポイントと方法、貴社で守っている文書化された安定性試験の
 手順、貴社の製品の有効性が、保管期間を通じて保たれているかを判断するために用いられている最新
 の試験データ
・貴社の安定性プログラムの適格性を保証するための包括的なアセスメントと是正処置・予防処置(CAPA)
 貴社のCAPAの計画には、これに限定されないが、貴社の安定性プログラムを述べた修正されたSOP、
 安定性を示す方法、出荷が許可される前の容器の密閉システム内にある各製品を支える安定性の研究、
 保管期間が正当であるか判断するために製品の代表ロットが毎年追加される継続的なプログラム、各
 タイムポイントで試験される指定された特性について含めるべきである。
3.貴社は、製造された医薬品の各ロットの製造指図及び記録に関する完全な情報と共に、ロット製造指図
  記録を作成することを怠った。
貴社のロット製造指図記録は完全な情報を含んでいない。
我々査察官は、いくつかのロットの記録をレビュし、修正液の使用、あいまいなデータ、濃度試験の結果や
ロットの承認日のように見つからない情報があることを発見した。いくつかの記入はサインや日付や説明も
なく上書きされたり、上に線を引いて削除されたりしていた。
さらに、試験結果(例:粘度、濃度、外観、匂い)には、オリジナルの記録が正確性、完全性、制定された
規格への一致に関してレビュされたことを示す第二の職員のイニシャルまたはサインがなかった。
貴社は回答の中で、いくつかの重要な製造段階における日付、サイン、第二の職員の確認を追加した“製造
のガイドライン”というタイトルのついた文書を提出した。このガイドラインには、重要な段階での確認
のサインが欠けているXXのロットの記録が含まれていた。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・完全性を適切
に保証していない。我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。
この文書への回答において、次の情報を提供せよ。
A.アメリカに出荷された医薬品のデータのレビュ結果を含む、データの記録と報告における不正確さの
  範囲の包括的な調査
  データ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因の詳細な説明を含めよ。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント
  貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により患者に
  引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきである。
C.グローバルなCAPAの計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略
  CAPAの詳細には、微生物及び分析のデータ、製造記録、及びFDAに提出される全てのデータを含む、
  貴社で生成される全てのデータの信頼性と完全性を貴社がいかに保証しようとしているかを述べるべき
  である。
D.合格/不合格の判断の権限、第二の職員の確認、文書作成基準(Good Documentation Practice)
  やALCOA(Accurate, Legible, Contemporaneously recorded, Original, Attributable)の原則を
  含む、責任と手順が明確に定義された品質部門の手順書
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。CGMPに準拠した品質システムを制定して従うためのガイダンスを見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、我々は、貴社の作業を評価し、貴社がCGMP要件を満たす手伝い
をするために21CFRの211.34章に示す適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタント
の使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備を
解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●虚偽表示の疑い
・貴社の液体石けんや、手の消毒液は、診断、治療、緩和、手当、病気の予防を目的とし、または/かつ、
 体の仕組みや機能に影響を与えることを目的としているので、医薬品である。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、
再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
FDAは2018年11月16日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者として
のいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/ucm631839.htm


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。

今回のウォーニングレターでも、工程がバリデートされていない、原材料や製品について十分な試験を
行っていないという、品質管理の根本を指摘する内容が多いのが印象的でした。
国内の会社様でも実はかなりきわどいケースがあるように思いますが、皆様の会社は大丈夫でしょうか。
手順や教育も含め、ウォーニングレターの指摘にあるように包括的なレビュをするのもいいかもしれません。

それから、今回も、安定性の管理がされていないことを指摘する内容が多かったです。原材料や製品の
管理がうまくできていないのであれば、安定性の管理もうまくいっているわけがないということで、
セットで指摘されるのかもしれません。

☆次回は、4/15(月)に配信させていただきます。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
お礼
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
先月のインターフェックス大阪では、弊社ブースにお立ち寄り頂きまして誠にありがとうございました。
普段はお目にかかることがないため、直接お会いすることができて何よりでした。
7月3日~7月5日はインターフェックスジャパン(東京ビッグサイト)に出展いたします。
ご都合が合えば、是非ご来場ください。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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