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2012.12.28

【必見!最近の都道府県査察】ASTROM通信<17号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

今日を含め、2012年もあと4日となりましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

さて、今回は最近の都道府県査察について、耳にした情報をご提供させていただきます。


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大阪府の場合
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PIC/S加盟のために査察レベルをアップする一貫なのかもしれませんが、これまで、“質問
しますよ”とは言われていても、実際には質問されることのなかった現場ラインの方に、
査察官の方が直接質問をされるようになったそうです。

ちゃんと手順を守って作業をしていても、質問に慣れていないとつい緊張して、痛くもない
腹を探られるような回答をしてしまうことがあります。

査察対策と言ってしまうとよくありませんが、査察官の方の誤解を招かないためには、想定
問答集を作り、現場の方が回答を練習しておく必要があるかもしれません。


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富山県の場合
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GMP調査の中で、ICH Q9,ICH Q10を取り入れているか、取り入れていない場合は、いつまで
に取り入れるか、回答を求められたそうです。

前回のメルマガでもお伝えした通り、EUでは、ICHとの整合性を図るためにEU GMPの改訂を
進めています。

当然、PIC/S GMPも同様の方向に向かうことが予想されますので、日本の製薬会社様も、
今まで以上にICHへの準拠が求められると思われます。


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製薬会社様のシステム導入について
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このように、査察・GMP調査が、PIC/S加盟に向けてだんだん変化している中で、気になるのは、
国内の製薬会社様の状況です。

業務の管理レベルを上げるために、システム化を図らなければならないと認識されているにも
関わらず、「生産管理システム導入は課題だけれど、今は生産増で忙しく、現場がとても
システム導入に時間を割けない・・・」というコメントを頂くことがあります。

しかし、本当にそれでいいのでしょうか。

忙しい会社、生産増の会社だからこそ、システムを活用し、属人作業を標準化して自動化し、
人的ミスを最小限に減らし、適正な生産管理、適正な品質管理を実現して頂きたいと思います。
それを実現できてこそ、景気が下落しても元気で競争力のある会社になれるのだと思います

忙しいからこその生産管理システムです。
暇になるということは、売上が減少するということ。システム導入に投資をすることなど
できません。

慢性的なオーバーロードを根性と気迫でがんばっていると、事故発生のリスクが増大します。
事故が起きて、その結果、患者さんへの健康被害が生じ、信用失墜があってからでは取り返し
がつきません。

査察が大きく変化している今だからこそ、是非、“忙しい”という事情は抜きにして、システム
の導入、もしくは、PIC/S GMPに準拠したシステムへのリプレイスについて、ご検討いただければ
と思います。

この内容は、プロス社長の滋養強壮ブログの2012/12/20にも記載があります。
よろしければこちらもご参照ください.
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1年間お読み頂き、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください。

☆次回は、2013年の1/15(火)に配信させていただきます。

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2012.12.14

【EU GMP改訂情報】ASTROM通信<16号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

師走らしい寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

来年1月からのPIC/S加盟が決まった台湾では、自国の医薬品産業が韓国や
日本より先にヨーロッパ先進国と肩を並べる水準に達したことを証明する上で
非常に重要な意味を持つと考え、医薬品メーカーは大幅な売上アップを期待して
いるようです。(出典:2012/11/22版 台湾通信

台湾の状況を見ると、日本の製薬会社が国際競争力を失わないためには、PIC/S加盟
は非常に重要であることを痛感します。

というわけで、本日はPIC/Sがらみの情報をお送りします。
といっても、PIC/Sそのものではなく、PIC/S GMPのベースとなっているEU GMPの
改訂情報です。

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なぜ、EU GMP?
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なぜ、EU GMPを取り上げるのかと思われる方もおありかもしれませんが、理由は
2つあります。

1つ目は、ヨーロッパのPIC/S加盟国は、PIC/S GMPだけでなくEU GMPにも準拠
しているからです。ヨーロッパとの取引がある製薬会社様は、EU GMPの改訂には
十分な注意が必要になります。

2つ目は、これまで、EU GMPが改訂されるとPIC/S GMPもそれに合わせて改訂され
てきたという経緯があるためです。従って、ヨーロッパとの取引がない製薬会社様
にとっても、EU GMPの改訂内容を知るということは、今後のPIC/S GMPの動向を
予測するうえで非常に重要です。


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注目!2013年1月31日施行のEU GMP改訂版
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2013年1月31日から、以下の3つのEU GMP改訂版が施行されます。
1)Part1 第1章(現:品質マネジメント → 新:製薬の品質システム)
2)Part1 第7章(現:委託製造及び分析 → 新:外部委託活動)
3)ANNEX2(ヒト用生物学的製剤の製造)

1)Part1 第1章(現:品質マネジメント → 新:製薬の品質システム)
  ICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)の品質ガイドラインQ10に述べられて
  いる概念および用語と一致させる目的で、タイトルも含めて改訂されます。
    既存の製薬会社様の品質保証・品質管理に関する規定に加えて、品質リスク
    マネジメント、製品のライフ・サイクルに関する考え方が、以前にもまして
    取り入れられています。
    また、CAPAs (corrective actions and/or preventative actions:是正措置・
    予防措置)というキーワードが登場していることにも注意が必要です。

2)Part1 第7章(現:委託製造及び分析 → 新:外部委託活動)
  ICH Q10を考慮し、また、現在の適用対象を超えたGMP規制対象の外部委託
    活動に対応するために、タイトルも含めて改訂されます。
    これまで、委託製造及び分析と書かれていたことが、外部委託活動に変更
    されています。
    ※コンピュータ化システムの供給者やサービスプロバイダも、外部委託に該当
     します。
    規定自体に大きな変更はありませんが、下記のことが追記されていますので、
    一度目を通しておかれることをお勧めします。
    ・契約委託者のQMS(文中では製薬品質システム)に、外部委託活動をコント
      ロールしレビュする記述が含まれていなければいけない
    ・契約委託者が契約受託者の記録をレビュすること、契約受託者の改善の実施を
      モニタしレビュすることに責任を負わなければいけない
    ・契約受託者は、外部委託活動が管轄庁による査察を受けるかもしれないことを
      理解しなければならない。
      注)現時点では、委託試験のみが査察対象とされています。

3)ANNEX2(ヒト用生物学的製剤の製造)
    GMPガイドの改正や、新しい製造技術や概念登場、生物学的製剤の範囲の拡大
    に伴い、全面的に改訂されます。
    ページ数は、6ページから31ページに増え、記述はPart AとPart Bの2部構成
    になります。
    Part Aは、シードロット及びセルバンクのコントロールから最終工程・テスト
    までの、生物学的な有効成分や生物学的製剤の製造に関わるガイダンスに
    なっています。
    Part Bは、生物学的な有効成分や生物学的製剤のタイプ別の更なるガイダンス
    になっています。
    大幅な改訂であるため、ANNEX2が適用される製薬会社様は必ず一度目を通して
    おかれることをお勧めします。


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この他のEU GMP改訂情報
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ANNEX15(適格性評価及びバリデーション)と、ANNEX17(パラメトリックリリース)
の改訂に関わるコンセプトペーパのドラフトが出されています。

ANNEX15(適格性評価及びバリデーション)は、ICH Q9, Q10を組み込んだことによる
GMPの変化、品質特別調査委員会(QWP)がプロセスバリデーションに関するガイドライン
を改訂中であること、プロセス分析技術(PAT)の導入および連続的な製造概念に進歩が
あること等から、改訂が予定されています。

ANNEX17(パラメトリックリリース)は、当初のガイドライン適用時に想定していた
適用範囲は、特に、最終滅菌された製品の出荷を焦点とする無菌試験でしたが、その後、
ICH Q8, Q9, Q10, Q11のガイドラインを組み込んだことによりGMPが変化したこと、
リアル・タイム・リリース試験(Real Time Release Testing)に関わる新ガイドライン
が発表されたこと等から、改訂が予定されています。

ANNEX15とANNEX17に関しては、2013年2月までドラフトに関するコメント募集、
2013年12月にガイドラインのドラフトのリリース、2014年10月にガイドライン最終版
の導入が予定されています。


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まとめ
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今回の改訂理由からもおわかりかと思いますが、EU GMPは、ICHとの整合性を図るため
の改訂が進められています。
EU GMPはもちろんですが、ICHの条文の再確認も是非行っておくことをお勧めします。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

☆次回は、12/28 (金)に配信させていただきます。

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