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2013.05.15

【バーコード対応、お済みですか?注目の医薬品トレーサビリティ】ASTROM通信<26号>

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

ゴールデンウィークも終わり、だんだん暑くなってきましたが、いかがお過ごしでいらっ
しゃいますか?

さて本日は、2013年5月1日付薬事日報でも話題になっていた、医薬品のトレーサ
ビリティについて取り上げたいと思います。

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ヨーロッパにおけるトレーサビリティ化
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先日のASTROM通信23号(2013/4/1発信)でEU GDPが発出されたニュースを取り上げました
が、昨今のヨーロッパでは偽造医薬品対策が強化されています。
その一環として、医薬品のトレーサビリティを確保するために、医薬品包装にシリアル
番号の表示を義務化する動きが進んでいます。

EFPIA(欧州製薬団体連合会)では、2次元のGS1データマトリックスコード(※1)を
使って、製品コード、ロット番号、使用有効期限およびシリアル番号を包装に表示する
ことを提唱しています。
http://www.efpia.eu/sites/www.efpia.eu/files/13706_a9_coding_serialisation_efpia_gs1_shared_vision.pdf
 ※1 GS1データマトリックスコード
  流通用に標準化した2次元シンボル。非常に高い情報化密度があるため、米国半導体
  工業会(SEMI)や米国電子工業会(EIA)、米国規格協会(ANSI)で部品のマーキングに採用
  されるなど、グローバル流通コードとして用いられている。
  http://www.ainix.co.jp/howto_autoid/2d_symbol/GS1_DataMatrix.html

ロット番号から製薬会社の生産→出荷→流通の履歴をトレースできるのは、これまで通り
ですが、シリアル番号を付与することで、個品ごとのチェックが可能になるため、偽装
医薬品の混入防止が期待できます。

薬事日報によれば、欧州員会では、表示項目について次の2案を検討しているそうで、
来年の第3~第4四半期までに1案を採用し、運用細則法(実施要項)を制定する予定だ
そうです。
 案1:製品コード、シリアル番号
 案2:製品コード、シリアル番号、国家保険償還番号、ロット番号、有効期限

いずれの案にもシリアル番号が含まれていますので、ヨーロッパに輸出している日本の
製薬会社様は、近々シリアル番号対応が必要になると思われます。

また、中国・韓国でもシリアル番号表示の動きがあり、韓国に指定医薬品や専門医薬品を
輸出する場合には、使用期限、ロット番号、シリアル番号を韓国の規定に準拠した
GS1データマトリックスコードで表示して出荷する必要があります。


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日本の規制動向
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日本国内ではまだ、シリアル番号対応についての目立った動きはありませんが、トレーサ
ビリティ化については、整備が進みつつあります。

ご存知の方も多いと思いますが、昨年(平成24年)の6月29日、厚労省より「医療用医薬品
へのバーコード表示の実施要項」の一部改正(薬食安発0629第1号)の課長通知が
発出されました。

その内容は以下の通りです。
1.内用薬及び外用薬(共に生物由来製品を除く)の調剤包装単位への新バーコード表示
    を平成27年7月(特段の事情があるものは平成28年7月)までに実施する。
  ■表示データ(※2):商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号
 ※2 必須表示データ
  特定生物由来製品は3項目とも必須。特定生物由来製品以外は、商品コードのみ必須。

2.販売包装単位に表示されている日本工業規格X0507(共通商品コード用バーコードシン
    ボル)によるバーコード 及び 元梱包装単位に表示されている日本工業規格X0502
   (物流商品コード用バーコードシンボル)によるバーコードは新バーコードとの併記を
    行っているが、今般、平成25年9月までは日本工業規格のバーコードとの併記が必要と
    し、平成27年7月(特段の事情があるものは平成28年7月)以降に出荷されるものに
    ついてはこれらを併記してはならない。
  ■表示データ(※3):商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号、数量
 ※3 必須表示データ
  特定生物由来製品、生物由来製品は4項目とも必須表示。
  特定生物由来製品・生物由来製品以外は、4項目とも任意表示。

  注1)商品コードについて
   調剤包装単位 の場合:「0」+JANの商品コード
   販売包装単位 の場合:「1」+JANの商品コード
   元梱包装単位  の場合:「2」+JANの商品コード

  注2)バーコードシンボル体系について
   調剤包装及び販売包装の場合:
       GS1が定めるRSS-14スタック、RSSリミテッド、RSS-14スタック合成シンボルCC-A、
         RSSリミテッド合成シンボルCC-A
      元梱包装 の場合:
        コード128

余談ですが、改正前の、平成18年9月15日発出「医療用医薬品のバーコード表示の実施要項
について」(薬食安発第10915001号)は、医療用医薬品の取り違えによる医療事故
の防止及び医療用医薬品のトレーサビリティの確保を目的としていましたが、改正版では、
これらの目的に加え、“医薬品の流通の効率化の観点”が加えられています。

また、必須表示以外のデータについても、バーコード表示が可能な企業から順次表示を
実施するようにという記述が加えられています。

従来の薬の安全という観点だけではなく、効率化の観点からもバーコード表示の必要性が
認められたこと、また、任意表示データについても可能な限りバーコード対応を求めて
いることから、今後バーコード表示が一気に加速することが予想されます。


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日本の製薬会社様に求められる対応
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国内向け医療用医薬品を製造する製薬会社様は次の対応が必要になります。
1)自社で包装用資材に印字をする場合
     社内の印字機器の対応
      品質試験の中で印字品質を確認すること
2)外部に印刷を委託する場合
   外部委託先の品質管理
      受入試験の中で印字品質を確認すること

海外向け医療用医薬品を製造する製薬会社様は、上記対応に加え、個品ごとにシリアル
番号をつけて管理する必要があります。


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まとめ
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EFPIA(欧州製薬団体連合会)は、表示規制の目的として、製品供給の可視化、偽造薬流
通防止による自社防衛、医薬品卸売業に対する営業権、利益の確保、病院・調剤薬局に
対する製品の供給支援を挙げています。

これらの規制の目的を見ると、特にヨーロッパ固有の事情によるものではなく、ミスの
防止や作業の効率化という、普遍的な目的であることがわかります。

日本の製薬会社様も、平成27年7月までに課長通知をクリアすることだけをめざすので
なく、この機会に、長期的視野に立ち、シリアル番号管理への取り組みを検討するべき
ではないでしょうか。


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インターフェックスのご案内
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今年も、医薬品の研究開発・製造技術の国際展示会であるインターフェックスが下記の
日程で開催されます。

 日程:2013年7月10日(水)~7月12日(金)
 場所:東京ビックサイト

弊社もITソリューションゾーン(ブース:48-35)に出展いたしますので、是非、
お立ち寄りください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、6/1が土曜日のため、5/31(金)に配信させていただきます。

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【発行責任者】
株式会社プロス
ASTROM通信』担当 橋本奈央子
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2013.05.01

【もう限界!生産計画立案業務】ASTROM通信<25号>

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

いよいよゴールデンウィークに突入しましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

さて本日は、最近、あちこちの製薬会社様でご相談をお受けする機会の増えている
『生産計画業務の標準化』について取り上げたいと思います。


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生産計画業務の複雑化
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もともと製薬業界は、患者の生命保護という社会的な使命を担っており、たとえ患者数が
少なくても患者に必要な薬を製造するので、他の製造業に比べて多品種・少量生産の傾向
が強いといえます。加えて、昨今の受託製造の増加や、競争の激しいジェネリック医薬品
の製造の増加により多品種・小ロット・短納期化への対応がいっそう求められています。

このような状況下で、生産計画担当者様は、計画生産品と計画生産品の間に受注生産品の
生産計画を入れたり、顧客からの納期変更・数量変更の要望に応じて生産計画を変更した
り、原料や資材の入荷遅れにより生産計画を立て直したりしなければならず、生産計画
業務はどんどん複雑化しているのが実状です。


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生産計画業務の属人化
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生産計画の立案には、さまざまな知識が必要です。
例えば以下の知識です。
・原料を注文してから入荷するまでのリードタイム
・中間品の製造リードタイム
・品質管理部門で実施する試験の日数
・工程や品目の依存関係(例:A工程の後でないとB工程は開始できない、品目Xの後Yを
 製造するなら設備の洗浄は不要だが、Zを製造するなら洗浄が必要)
・製品の特性
・ラインの特性
・作業上の注意点  等々

このように、生産計画業務にはさまざまな知識が必要であり、しかも、前述の通り、業務
がどんどん複雑化しているため、担当できる人が限られた専門性の高い業務となり、その
結果、業務が属人化してしまっているのです。


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求められる生産計画業務の標準化
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生産計画業務の複雑化・属人的が進んだことにより、計画担当者様がなかなか会社を休め
ない、業務を引き継げる若手社員が育っていないといった問題が生まれています。
また経営層の方は経営層の方で、担当者様に何かあったらどうなるのかという不安をお持
ちです。

実際、担当者様しか知らない/出来ない業務が存在するということは、会社としてリスク
の高いことです。その方が病気になったり退職したりすれば、すぐさま業務がストップ
するからです。

そういう意味では、製薬会社様の生産計画業務は危機的状況にあると思います。
一刻も早い業務の標準化、ノウハウの共有が求められます。


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生産計画業務を標準化するには?
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生産計画業務を標準化する一番の方法は、システム化です。
コンピュータには人間のような臨機応変さはないので、システム化することで、不文律の
生産計画手順はなくなり、業務の標準化がはかれるのです。

具体的には、スケジューラと呼ばれるシステムの導入をお勧めします。
スケジューラには、自動的に負荷の山崩しをして全ての生産計画を立ててくれるタイプ
ものと、人が負荷の山崩しをするタイプのものがあります。

ここで注意しなければいけないのは、自動で全ての生産計画を立ててくれるタイプのスケ
ジューラをいきなり導入するのはかなり難しいです。
というのも、現在、計画担当者様が立てているのと同じ生産計画を立てるためには、担当
者様が持っている情報は、頭の中にあるものも含め、全てマスタにインプットする必要が
あるからです。
マスタが不十分であったり不正確であったりすると、システムはエラーを表示し続けたり
もしくは、実現不可能な計画が立ってしまいます。
マスタ設定がうまくいかないために、スケジューラを使いこなせずに終わってしまったと
いう会社様のお話もよく耳にします。

そこで、弊社では、自動スケジューラを導入される前に、まずは、人が負荷の山崩しを
するタイプのスケジューリングツール:A-Plan(エープラン)の導入をお勧めしています。


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一押しスケジューリングツール:A-Plan
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A-Planは、生産計画の自動作成は行いません。
生産管理システムが立てた山積み状態の生産計画を、ガントチャート画面上で、人が、
資源の負荷や在庫の状況を見ながら山崩ししていきます。
どちらかというと、ホワイトボード上で、生産計画を立てるイメージに近いです。

“人が山崩しするなら、今と変わらないじゃないか”と思われる方もおいでだと思います
が、今と違うのは、これまでは散逸していた生産計画立案に必要な情報が、A-Plan上で
見えるようになる点です。

どんな情報を見て生産計画を立てればいいかがわかるため、次世代の人たちに生産計画の
ノウハウの継承が可能なのです。
また、立てた生産計画を各端末からすぐに確認したり、印刷したりできるので、情報共有
がしやすいというメリットもあります。

そして、ここがポイントなのですが、計画を自動で立てない分、設定が必要なマスタは
少なくて済むのです。
生産管理システムとのマスタ連携が可能なため、生産管理システムをお使いであれば、
マスタ設定で苦労することがありません。
弊社生産管理システムASTROMとセットでお使いいただく場合は、連携プログラムが存在
しているため、連携のためのカスタマイズが不要です。

A-Planは、自動スケジューラに比べて、導入コスト・導入にかかる時間が非常に少ない
のも一押しの理由です。

いきなり計画の自動化を進めるよりも、まずは人とシステムのハイブリッド化を行って、
情報やノウハウを整理し見える化し、次のステップで自動化をすることをお勧めします。
ご興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。↓
http://e-mktg.jp/~pros/_dm/cc.php?ccd=10.205.430

実際にデモをご覧になりたい方は、こちらにご連絡ください。↓
hashimoto@e-pros.co.jp


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インターフェックスのご案内
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今年も、医薬品の研究開発・製造技術の国際展示会であるインターフェックスが下記の
日程で開催されます。

 日程:2013年7月10日(水)~7月12日(金)
 場所:東京ビックサイト

弊社もITソリューションゾーンに出展いたしますので、是非、お立ち寄りください。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、5/15(水)に配信させていただきます。

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