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2014.01.31

【FDA・EMAの新しい共同の取り組みについて】ASTROM通信<43号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

さて、ご存知の通り政府は、医療費削減のために、2018年3月までにジェネリック医薬
品の数量シェアを60%以上にするという数値目標を立て、使用を促しています。

ジェネリック医薬品の有効性や安全性が先発医薬品と同等であることを判断するために行う
のが生物学的同等性試験ですが、この生物学的同等性試験に関し、海外で新たな動きがあり
ましたので、今回はそれを取り上げたいと思います。


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1.FDAとEMAの共同査察
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2014年1月14日付のGMP Newsによると、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁
(EMA)は、ジェネリック医薬品承認の裏付けとして提出される生物学的同等性試験の調査
報告書の情報を共有するために共同の取り組みの着手を発表しました。

この取り組みとは、FDAおよび欧州連合(EU)の監督機関は、FDA/EMAの両機関に提出される
ジェネリック医薬品の申請について、提出されたデータが信頼できることを保証するために、
調査を実施する設備を共同で査察するものです。

取り組みは、2014年1月2日から18ヶ月間実施され、参加するのはEMAおよびEU加盟国である
フランス、ドイツ、イタリア、オランダ 及び イギリスです。

この取り組みの狙いは、ジェネリック医薬品申請のための査察工程の合理化によって、
消費者が安全で有効なジェネリック医薬品にアクセスするのを助けることにあります。


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2.共同査察の目的
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共同査察の主要な目的は以下の通りです。
ジェネリック医薬品申請について計画され実施された生物学的同等性試験の調査報告書
 を共有することによる情報の合理化(臨床設備、分析設備の査察情報の共有)
設備のシステム的な問題を明らかにするネガティブな査察結果に関する情報の共有
・EUやアメリカ内だけでなく、世界中の設備の共同査察の実施
・生物学的同等性試験を向上するためのトレーニング機会の提供


出典:
http://www.gmp-publishing.com/en/gmp-news/gmp-aktuell/FDA-EMA-new-joint-initiative.html
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm379031.htm
http://www.fda.gov/downloads/InternationalPrograms/FDABeyondOurBordersForeignOffices/EuropeanUnion/UCM378980.pdf


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まとめ
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日本では、ジェネリック医薬品が普及しない原因として、ジェネリック医薬品の先発医薬
品と比べた有効性や安全性が話題になることがありますが、今回のFDAとEMAの新しい取り組
みから、ジェネリック医薬品の普及が進んでいる欧米でも、生物学的同等性試験情報の共有
による査察工程の合理化が課題になっていることがわかります。
それはさておき、FDAとEMAの共同査察の試みをみていると、ジェネリック医薬品の承認審査
のグローバル化が進んでいくと思われます。
日本のジェネリック医薬品の承認審査にも、何らかの影響が出てくることが予想されます。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、来年2/14(金)に配信させていただきます。

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2014.01.14

【製薬会社様の原価管理について】ASTROM通信<42号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

明けましておめでとうございます。
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
2014年がはじまって既に2週間がたちましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
本年もよろしくお願いいたします。

さて本日は、薬価改定問題に関連し、日ごろ感じている製薬会社様の原価管理の必要性に
ついて取り上げたいと思います。


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1.薬価改定ついて
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ご存知の通り、今年は、2年に1度の診療報酬・薬価改定の年です。
昨年12月20日の閣僚折衝では、診療報酬・薬価を、全体で0.1%の引き上げ、薬価・医療材料
では、実質0.63%の引き下げを決定したそうです。

出典:
http://www.qlifepro.com/news/20131225/ministers-agreed-medical-cuts-increased-01-percent-and-the-drug-is-058-whole.html
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/46335/Default.aspx

注意しなければいけないのは、来年の10月に消費税が8%から10%に引き上げられる場合は、
変則的な薬価改定が行われることになっていて、また薬価が引き下げられる可能性があると
いうことです。

医療費削減のために、2018年3月末までに後発医薬品の数量シェア60%を目指していますので、
消費税の引き上げと相まって、薬価がどの程度まで引き下げられるのか気になるところです。


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2.原価管理の必要性
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薬価引き下げの影響を直接的に受けるのは、長期収載品を持つ製薬会社様です。薬の販売
開始後、早いうちから少しでも製造にかかる原価を下げ、研究開発にかけた費用を回収する
必要があります。

しかし、後発医薬品を作っている製薬会社様も、原価を下げて製造しなければいけないのは
同じです。後発医薬品は、安価で利幅が少ないにもかかわらず、1つの先発医薬品に対して
数十の後発医薬品が存在することもあり、いかに原価を下げて価格競争に勝つかが重要課題
です。

結局、先発医薬品・後発医薬品に関わらず、どの製薬会社様も、製品ごとに原価管理(それも
実際原価管理)をしっかり行い、製造原価を下げるしかないということになります。

しかし、製薬会社様にお邪魔してお話をうかがってみると、原価管理をしっかり行っている
会社様が非常に少ないように思います。

製薬会社様はGMP上、製造記録をしっかり残さなければいけないので、原材料の使用量、
収率、作業時間等のデータは、他の業界に比べてしっかり記録していらっしゃいます。
そのため、原価を管理しようと思えばいくらでも出来るはずなのですが、製品ごとの原価計算
は行っていなかったり、原価計算は行っても、材料費・直接労務費の直接原価だけで間接費は
対象外にしていたり、原価計算を行ってもその結果を改善活動に活用されていらっしゃら
かったりするケースがほとんどです。

理由をうかがってみると、こんな答えを頂くことがあります。
・製薬会社というものは、もともと研究開発に多額の費用を使っているので、製造原価を気に
 したところで仕方ない。
製薬会社は患者様のために利益を度外視しても安定供給しなければいけない薬があるので、
  原価を管理しても仕方ない。
・製薬業は、はじめに設備がなければ製造許可がおりないので、減価償却費を管理しても
  仕方ない。
・工場や倉庫を新設して多額の設備費がかかっている。その金額を製造原価にのせてしまう
 と、利益が全然出ていないことになってしまってまずいので、間接費の管理は行わない。

一般製造業に比べて製薬会社様が特殊なのは確かですし、原価がわかったところで、制約の
多い製薬会社様がドラスティックな改善活動を行えないこともよくわかります。

でも、一体どれくらい高いか、怖いもの見たさで、研究開発費や設備費も含めた製造原価を
ちょっと見てみたくはありませんか?

それは冗談としても、そもそも目標がどこで、現状がどうなのか、それもわからずに、
コスト削減と言われても一体何をしたらよいのかピンとこないと思います。
本来どれだけのコストで製造すべきところを、実際にはどこに、どれだけの費用がかかって
いるか、それを知ることこそ改善の第一歩になるはずです。

とはいえ、間接費を入れた原価を計算するのは、楽ではありません。
そもそも間接費は、どの製品の製造に使われたかわからない、場合によっては、どの部門が
負担すべきかわからない費用だからです。
そんな費用を自分の部署で作っている製品にのせられたら堪ったもんじゃない”という
ことで、間接費の分担(配賦ルール)を決める際は、社内で喧々諤々、面倒なことになる
ことはよくあります。

しかし、会社で発生する費用は、各部門で負担しあわなければ利益は出ないと言う意識を
持つことは重要です。
間接費も含めた原価管理を強くお勧めします。
当然、バリデーション費用も管理対象ですね。

それともう一つ。原価管理というのは、原価計算をするだけの作業ではありません。
計算結果をもとに、現場の改善活動に結び付けていかなければいけません。

原価計算を行うことで、現場のムリ・ムダ・ムラを見つけ出し、改善活動につなげていく
ことが今こそ必要。製薬会社様はよく、”自分たち製薬会社は特殊だから”とおっしゃい
ますが、いくら特殊だと言っても企業である以上、利益を追求しなければ、今後生き残って
いくことは難しいと思います。

エラそうに色々書いてしまいましたが、製薬会社様のお話をうかがいながら、時々こんな
ことを考えています。

最後にちょっと宣伝になりますが、弊社の生産管理システムASTROMは、生産管理だけでなく
原価管理機能も充実しています。
生産管理で蓄積したデータをフル活用し、面倒な原価計算を、正確かつ短時間ではじき出す
ことができるのが、ASTROMの原価管理です。
興味をお持ちの方は、是非お気軽にご連絡ください。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、1/31(金)に配信させていただきます。


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