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2017.06.30
【続 MHRA発GMP査察時の不備報告】ASTROM通信<125号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
今年もあっという間に折り返し地点まできてしまいましたが、
さて、今回も、前回に引き続き、
英国医薬品庁(MHRA : Medicines & Healthcare products Regulatory Agency)が2016年に
実施したGMP査察における不備の傾向をまとめたレポートについ
今回は、ガイドラインのAnnex部分をみていきます。
製剤関連のみの内容ではありますが、EU GMPガイドラインに基づいた不備の具体例が挙げられ
ているので、自社の自己点検等の参考にもできると思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
出典
https://www.gov.uk/government/
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英国医薬品庁による2016年実施GMP査察における不備の傾向
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●EU GMPガイドラインAnnex1(無菌医薬品の製造)の不備の例
■
・充填装置の入った袋(例:充填用針)は、繊維が装置/ライン、
リスクが存在するのに、破られて開放されていた。
・繊維がストッパー、その後、製品に移るリスクが存在するのに、
最内部のバッグが破損していた。
・
・衣服が触られ着用された後、手の消毒がされていなかった。
・Grade Bゾーンで、作業者が、屋外の服を無菌服の下に来ていた。
・更衣手順は、Grade D及びCエリアに入る時、靴を脱ぐことを作業者に要求していた。
使用されている足カバーの性質上、
起きることを防ぐことはできないだろう。
・Block Bのメインオフィスで、製造作業者は、
ことが認められていたことが見て取れる。
・製造エリア内での作業着を着ている間、
・消毒した手袋を着用しGrade Bエリアに入る前に、作業者が手袋の外側を何度か触っているのを
発見した。
・製造前、作業者が触れたり、
が、全ての表面の消毒が望ましい。
・ボトルやバッグをつるすためのフックは、作業者の手で握られ、
いて適切に清掃されていない。
・消毒用の拭き取り繊維は、
・数人の作業者は、フードとマスクの間の隙間があり、特に、
で作業する時に製品の汚染の可能性をもたらす顔の肌の露出があっ
・
定義された図面や図表が現在ない。
・調合が、
いなかった。また、アンプルは、閉じた環境ではなく、
・EU Grade Bエリアで、
・針の据付、充填、チューブへの接続の一連作業が、
連続作業で、何回か、RABS(Restricted Access Barrier System)の手袋の指の間や、針の露出した
先端と接触していた。
■培地充填作業に関する不備
・培地充填の試験の不合格は、時系列の記録に含まれず、
是正処置にも含まれなかった。
・汚染されたバッグのサンプルは保管されず、
・培地充填のバッチサイズは60バッグだったが、
特定できなかった。
・培地充填とプロセスバリデーションの研究では、
ため、製造工程をしっかりと類似させられず、
●EU GMPガイドラインAnnex2(生物学的製剤の製造)
■汚染のリスクと不十分な管理に関する不備
・接触面の消毒の回数がモニタされておらず、
によって定義されておらず、
・ビル管理システムの警報用ケーブルが、
外されていなかった。
・EU Grade Bの部屋で着用されている作業着は消毒されておらず、
いた。
・EU Grade Bエリアへ移送用ハッチに殺菌原料を入れる作業者は、
・屋外の服がEU Grade Bエリアで着用されていた。
設備はEU Grade A/B無菌工程作業に不適切であった。
・エアロックドアはインターロックされず、
・個々のエアの等級の切り替えロックがなかった。
・エアの供給の不具合を示す警報がEU Grade Bの部屋になかった。
●EU GMPガイドラインAnnex3(放射性医薬品の製造)
■洗浄、確認、バリデーションの管理に関する不備
・装置が清潔で再利用できることを確認するための、
記録が保管されていなかった。
・
関するリスク評価は、
課題に生かされていなかった。
・新しい装置は、その設計や構造、洗浄目的で必要な分解に関し、
いなかった。
・
・
・洗浄室で、洗浄済装置のドアの外側に、
大きな堆積があった。
要求される手順の違反を意味する。
さらに、洗浄室には大きな汚染が残されているべきでない。
●EU GMPガイドラインAnnex6(医療用ガスの製造)の不備の例
■バッチリリースと受領、保管に関する不備
バッチのリリースが、規格外の酸素含有量の記録と共に、
・
の結果が記録されていることに気付かず、
・ヒューマンエラーが根本原因とされたが、
・所轄官庁に(欠陥医薬品報告センタ経由で)
報告しなかった。
・医療用酸素の入った容器が、クリーンで、
カバーのついた状態で保管されていなかった。
・中身の入った容器に貼る発送用の製品ラベルは、
・現在のタンカーへの充填作業は、
いなかった。
・
バリデーション報告書が製造所で利用できず、
●EU GMPガイドラインAnnex8(原料及び包材のサンプリング)
■サンプリングと包材の受領の管理に関する不備
・印刷された包材の部品のサンプリング計画は、
・印刷された包材のサンプリング場所の指示がなかった。
サンプリングされている。
・印刷された包材の部品のサンプリングに、
・
●EU GMPガイドラインAnnex9(液剤、
■製造管理に関する不備
・製造室5のミキサーは、較正されておらず、
製造工程のバリデートが確認できなかった。
●EU GMPガイドラインAnnex11(コンピューター化システム)
■データバックアップに関する不備
・ソフトウエアのバックアップ後、オートクレーブ(加圧滅菌器)
失われた。バックアップは3ヶ月毎にだけ作られていたので、
・オートクレーブコントロールシステムのバックアップCD/
された環境には保管されていなかった。
・完全性試験で得られたデータはバックアップされていなかった。
・バックアップは、データの保管期間中、
年1回アクセス可能性についてレビュすることが求められていたが
・バックアップは、
ドライブの障害や破損後に、
■コンピュータ化システムの不十分な管理に関する不備
・
・ロックしたスクリーンに共有パスワードが使われていた。もし、
ユーザがソフトウエアにログインし、
ログインの状態で操作ができた。
・ユーザは、SOPで許可されている以上に、
・アクセスコントロールシステムは、
GMPを考慮していなかった。
実験室内のHPLCのソフトウエアはGMPに従って構成設定され
・ユーザ固有のパスワード管理が実施されていなかった。
・ユーザは、監査証跡の初期値を変更することが許されていた。
・ユーザは、“要求されるユーザコメント”
・ユーザは、
・ユーザは、注釈をつけるツールを使うことを許されていた。
●EU GMPガイドラインAnnex12(
■線量計の読み方に関する不備
・6%の変動が見られた場合、線量計が読み直され、
システムに入力されていた。これは、
・新しい濃度の読取に、
●EU GMPガイドラインAnnex13(治験薬の製造)の不備の例
■治験薬の輸入に関するQPの申告の管理に関する不備
・
・それぞれの技術的な取り決めの中の要件であるにもかかわらず、
申告と証明がされていなかった。
■製品規格ファイル(PSF: Product Specification File)に関する不備
・
不十分である。PSFと呼ばれている現在の“
という文書は適切ではない。
・治験薬の関連書類(IMPD:Investigational Medicinal Product Dossier))は、
F国のプラスチックのバイアルのみを使わなければならないと述べ
製造所のバイアルもまた使用されている。
・IMPDは、
●EU GMPガイドラインAnnex15(
■適格性評価及びバリデーションに関する不備
・現存の製造所、設備、原料の取得に関し、
L設備と対照的に、A設備にはユーザ要求仕様書(URS)
・L設備のURSは、例えば、製造用の容器の数や容量に関し、
・L設備の精製水システムの再適格性評価は、
これらの品目は、次のPQでは対象とされず、
製剤の品質システム(PQS: Pharmaceutical Quality System)にも記録されていなかった。
・バリデーションマスタープランは、
バリデーション、洗浄バリデーションを考慮していなかった。
・製造工程の定期的な再バリデーションが行われていなかった。
・
・
検知できない。
・例えば、
の範囲は、
・プロセスバリデーションの手順に、
があることを事前に定義する明確な表示がなかった。
●EU GMPガイドラインAnnex16(QP(
■輸入とバッチの保証に関する不備
・EUの品質試験のために、
技術的な正当性の理由も、
輸入品のサンプリングをする要件もなかった。
・空輸の温度モニタリングに関する取り決めは、
正当性を証明していなかった。
・手順上、平均運動温度(MKT: Mean Kinetic Temperature)を温度の逸脱の評価に使用すること
は許可されていたが、逸脱の原因の調査は定められていなかった。
・いくつかの製品は、アメリカからEUに定期的に輸入され、
保管されていたが、輸出に際し、
・輸入されたバッチについて、
輸入後にサンプルの無作為の定期的な分析を行う定めがなかった。
■QPが職務を全うすることを怠ったことに関する不備
・会社は、出荷された製品に関する製造業許可について、
・会社は、
・QPの証明に関する手順や管理の詳細がなかった。
・出荷証明が、
また、相互認証協定(MRA: Mutual Recognition Agreement)の通りにバッチの保証の内容の詳細を
含んでいなかった。
・分析証明書の詳細がファイルに保管されていなかった。
・QPは、自身が会社の製剤の品質システム(
持っていることを保証しなかった。
●EU GMPガイドラインAnnex19(参考品及び保存サンプル)
■手順と管理に関する不備
保存サンプルに関する取り決めが完全には定義されていなかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
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3回にわたって、
したでしょうか。
EU GMPガイドラインの本文からAnnexまで非常に広範囲にわた
EU GMPガイドラインとPIC/S GMPガイドラインはほぼ同じ内容ですので、
でも、PIC/S GMPガイドラインに則った運用ルール構築のために参考にしてい
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、7/14(金)に配信させていただきます。
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おしらせ
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【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2017.06.15
【続 MHRA発GMP査察時の不備報告】ASTROM通信<124号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
梅雨らしくない天気が続いていますが、いかがお過ごしですか?
さて、今回は、前回に引き続き、
英国医薬品庁(MHRA : Medicines & Healthcare products Regulatory Agency)が2016年に
実施した、
レポートの中身がかなり多いので、今回は2章~9章、
いきたいと思います。
製剤関連のみの内容ではありますが、EU GMPガイドラインに基づいた不備の具体例が挙げられて
いるので、自社の自己点検等の参考にもできると思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
出典
https://www.gov.uk/government/
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英国医薬品庁による2016年実施GMP査察における不備の傾向
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●EU GMPガイドライン2章(人員)の不備の例
■従業員の訓練に関する不備
・製造担当者は、原材料の評価について、実際の教育評価なしに、
基づいて、教育済みとされていた。
・
懸濁液の製造の能力があるとされていた。
・手順の認識度評価フォームは、
されていなかった。
・
・
・製造オペレータの訓練記録は、無菌製造をするにも関わらず、
されたことが示されていなかった。
・分析者の教育と適格性をモニタする確固とした手順がなかった。
・あるクロマトグラフィシステムに適任とされた分析者が、
についても、
●EU GMPガイドライン3章(建物及び設備)の不備の例
■汚染や交差汚染のリスクを最小化することを怠った不備
・過酸化水素による消毒中、手袋と部品に、隠蔽面ができた。
-アイソレータ用手袋にしわがあった
-たくさんのプラスチックの結び目がきつく固定されていた。
-アイソレータ用手袋が製品バッグに接触しておかれていた。
-
これは、効果的な消毒を妨げる可能性がある。
・製造所で使われる微粒子の暴露限度または
PDE値(1 日に許容される摂取限度値:Permitted Daily Exposure)に基づく健康予測や、
製造施設内で要求される組織的で技術的な手段の評価がされていな
・利用可能な建物内の圧力のカスケードを示した図がなかった。
・製品が接触する設備の洗浄状態や、
評価がなかった。
・設備が、
■建物に関する不備
・倉庫は、取り違えのリスクを生じさせる、
パレットを保管することが許されていた。
・原料の入出庫の間の覆いとなる張り出し屋根がなかった。
・製剤エリアに入るところに、清潔・不潔の間の境界がなかった。
・液体プールが、保全不良(漏れ)または清掃不足(こぼれ)
端にあった。
■設備に関する不備
・
されていた。バッグは、
の汚染の潜在的なリスクを生んでいた。
・
・コーティング機のドアの密封材に傷があり、
・装置は、
・
■温度制御された保管設備に関する不備
・
温度アラームは18度から26度に設定されていた。
状態だった。
・温度と相対湿度が、瞬間測定により、
温度と相対湿度の要件を満たすことを保証するための最大/
・会社は、分類されたエリア内のHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)フィルター
をテストするために請負業者が使用している方法を評価していなか
・倉庫の温度・湿度プローブ、
文書化された予め定められた基準がなかった。
・車両が医薬品/原料の輸送に適していることを保証するために、
要件がなかった。
●EU GMPガイドライン4章(文書化)の不備の例
■文書管理及び完了に関する不備
・文書の保存ポリシーに一貫性がない。例えば、
保存しなければならないと定めていたが、
・プラセボの製造中、実際に工程が完了する前に、
いるような非同時の記録があった。
・QCの予防保全記録とキャリブレーショントラッカーの記録に、
追加があった。
・ボトル包装ラインの外のごみ入れの中に、
コピーがあったが、これは、
容認できない行為のしるしである。
・各ワークステーションに、
なかった。
・セットアップの詳細やパスワードが書かれた生産技術ノート、
壁のカンニングペーパー、
されていない書類がいたるところにあった。
■データの完全性に関する不備
・データの完全性の評価がシステムコンプライアンスに集中し、
データのマニュアルの転送といったビジネス・プロセスについて、
考慮していない。
・
完全性の不具合に関する調査で、
・
完全性を保証するために感熱紙から不揮発性の媒体に移されなかっ
●EU GMPガイドライン5章(製造)の不備の例
■原料の管理とコントロールに関する不備
・供給者の適格性評価や監査の手順は、
・製品の容器にラベルが二重に貼られていて、
・倉庫の受入エリアは温度がモニタされていないため、
ことを立証できなかった。
・
のサンプルになっていなかった。
・インドの供給者から出荷された原薬は、
モニタリングや管理の対象とされていなかった。
・承認された供給者のリストにはメーカの住所が含まれていない。
正しい供給者及びメーカから受け取ったことを確認できない。
・
を確認する要件がなかった。
・精製水システムに追加された試薬より得られる
TSE(伝達性海綿状脳症。Transmissible Spongiform Encephalopathy)証明書がなかった。
・倉庫の入荷場所及び荷下し場所は、
■交差汚染を防ぐための不十分な管理に関する不備
・アイソレータの使用に関し、
・洗浄バリデーションをしないことの正当性の根拠は弱く、
おいてリスクを低減すると考えられたファクタは実際の業務に反映
・
なかった。
・
ぎっしりと詰められ、
・アイソレータの使用中に、
・ミストシャワーの配水の周りのビニルに亀裂があった。これは、
起こすかもしれないトラップポイントを作りうる。
・非常に効能がある原料の製造に使用された装置が、
であることが確認されなかった。
・
FMEA(故障モード影響解析。Failure Mode and Effect Analysis)のリスクアセスメントは
適切なリスク低減を証明することを怠っていた。
・健康に基づく曝露制限が実施されず、
ADE(交叉汚染限度値)レベルで装置内に保持される場合、
記録されることはなかった。
・
・
使用のルールの文書化された指示がなかった。
・洗浄方法をどのように開発すべきか(すなわち、
や、
定義する手順がなかった。
・
により知らされていたが、手順の中で要求しなかった。
■製造に関する不備
・包装場所のラベルの保管場所で、
同じ場所に保管されていた。
・カプセル殻は、倉庫内で製造者が推奨する湿度条件(35-
●EU GMPガイドライン6章(品質管理)の不備の例
■QC試験室の作業に関する不備
・QC試験室のサンプル受領ログブックは、
試験依頼を受領した時に完成されていた。そのため、
されず、データ入力は同時ではなかった。
・安定性チャンバーは、
・洗浄済ガラス器具は、
が定義されていなかった。
・Grade Bのガラス器具はGMP試験用に実験室で使用されていた。
・微生物実験室は、
微生物学的プレートリーダを持っていなかった。
・試薬の12ヶ月の有効期限の正当性の根拠がなかった。
・開封された薬品の有効期限を設定する際、
・
・実験室の天秤は年次のキャリブレーションと、
リスクを最小化されていなかった。
・標準的な冷蔵庫の温度は、週に1回の確認だけで、
■OOS(Out of Specification)やOOT(Out of Trend)調査に関する不備
滴定法による水分分析で不合格になったバルク製品に関する実験室
によれば、最初のサンプルを再テストするか、
フェーズIIの試験の一部として再サンプリングをした。
約定の再テスト計画は、仮説検証の一部として、硬度と摩損度(
同等のサンプルの試験を含んでいた。H&
LIRには、再サンプルがどのように実施されたか記録されず、
が品質を代表するものではないことを示唆していた。
従って、全体的に見て、
原薬XYZのバッチ123実験室の未知の不純物による不合格に関
最初にオリジナルサンプルが汚染されていたかを判断するための適
フェーズIIの試験のために再サンプリングをした。
再サンプルによる試験は、LIRに含まれていなかった。また、
コメントがなかった。
・OOSの結果は、合格結果を作るために、
・再サンプルと再試験が実施され、
大きな影響を与えるものと考えられなかった。
・OOSの手順は、
・潜在的に原因となる要素を識別するために、
・調査は、再テスト前に、
・実験室のエラーと判断した調査には、将来、
予防処置をいつも含まなかった。
■安定性試験の管理に関する不備
・多数の安定性試験の不具合(有効期限前の終了を含む)
により正確に評価されず、
・
●EU GMPガイドライン7章(外部委託作業)の不備の例
※2016年12月22日に7章は「委託製造及び分析」から「
■外部委託作業の管理に関する不備
・重要なサービスの管理に関する手順が定められておらず、
モニタリングすることを可能にする仕組みがなかった。
・第三者の監査役により実施された監査レポートに、
・
・手順は、
■技術的な取り決めに関する不備
・A社とB社の間の技術的な取り決めが詳細でなかった。
A社の責任は述べていなかった。
・A社とC社の間の技術的な取り決めは、
・D社との技術的な取り決めは、
・E社との技術的な取り決めは、どの会社が委託者で、
さらに、
●EU GMPガイドライン8章(苦情及び製品回収)の不備の例
■苦情処理と調査に関する不備
・
・苦情に関係する製品を手に入れる要件がなかった。
・他のバッチが関係しているかどうかを検討する要件がなかった。
・苦情処理は、
・手順には、欠陥医薬品報告センタ(DMRC)
含んでいなかった。
・製造所で不十分な調査が実施された。例えば、
以外のバッチへのより大きな影響を考慮しなかった。
・製造所の調査の不足により、
かったりした。
■製品回収に関する不備
・回収手順において、
予定を定義しなかった。
・
・模擬回収はタイムリーに終わらず、
・
・模擬回収作業がサプライチェインで効果的に実施されず、
報告がなかった。
●EU GMPガイドライン9章(自己点検)の不備の例
■自己点検プログラムに関する不備
・2つの自己点検が実施されていたが、
・自己点検のスケジュールが定められていなかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
自社は大丈夫だったかなと気になる箇所もあったのではないでしょ
個人的には、4章(文書化)の不備は、
是非、自社の業務の見直しの参考にしていただければと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、6/30(金)に配信させていただきます。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
おしらせ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
弊社は、今年も、6月28日(水)~6月30日(金)
製造技術展インターフェックスジャパン(会場:
ブースは、東1ホールのITソリューションゾーン【E25-
お時間がおありの方は、
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【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2017.06.01
【MHRA発GMP査察時の不備報告 他 ヨーロッパ規制関連動向】ASTROM通信<123号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
一気に暑くなってきましたが、
さて、前回と前々回は、米国食品医薬品局(FDA)
きたので、今回は、
1.ATMP GMPガイドライン案の作成におけるECとPIC/Sの溝
2.英国のEU離脱について
3.
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
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1.ATMP GMPガイドライン案の作成におけるECとPIC/Sの溝
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欧州委員会(EC: European Commission)が単独で作成した、
先端治療医薬品(ATMP: Advanced Therapy Medicinal Products)のGMPガイドライン案が、
下げ患者の健康リスクを増大させる点や、PIC/S GMPガイドラインとの調和がはかられていない点について、
PIC/
ECは2017年4月5日に、書簡にて、
ついてPIC/Sと約束をしました。
それに対し、PIC/Sは再度、2017年4月24日に、
の再確認と、ECとPIC/
書簡の中には、下記のことが書かれています。
・EUのPIC/
PIC/Sは共同ワーキンググループを提案したが、
・ECがPIC/Sとの協力の範囲を明確化してほしいこと
・最新のATMP GMPガイドラインのドラフトを送ってほしいこと
・このような状態で、
・不調和のリスクは、
この内容を見ると、4月5日のECからPIC/
ます。
ATMP GMPガイドライン案
http://ec.europa.eu/health//
2017年2月24日 PIC/S→ECへの文書
file:///C:/Users/hashimoto/
2017年4月24日 PIC/S→ECへの文書
file:///C:/Users/hashimoto/
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2.英国のEU離脱について
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欧州医薬品庁(EMA)は、2017年4月27日に、
会議を開き、
するかの議論を開始しました。
イギリスの離脱の期日の交渉はまだ公式に始まっていないし、
2019年3月30日以後にイギリスはEMA及びヨーロッパの医
シナリオに基づき、作業を開始する予定です。
作業負荷の配布に関する原則として以下のことを含みます。
・事業継続性を保証すること
・科学的アセスメントの品質と安定性を維持すること
・法的タイムラインに従うこと
・既存のナレッジを強化、または、ナレッジの移転により、
・容易な実施と、中長期の持続可能性を保証すること
2017年7月5日に次回の会議を開催します。
出典
http://www.ema.europa.eu/docs/
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3.
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英国医薬品庁(MHRA : Medicines & Healthcare products Regulatory Agency)が、2016年に実施したGMP査察
における不備の傾向をまとめたレポートを発表しました。
このレポートは、
ありますが、MHRAがEU GMPガイドラインをベースに不備の具体例が挙げられています。
2016年に取り上げられた不備のTOP10は下記の通りです。
1位【品質システム】 クリィティカル:38件 メジャー:449件 その他:772件
2位【滅菌保証】 クリィティカル:34件 メジャー:190件 その他:162件
3位【製造】 クリィティカル:20件 メジャー:191件 その他:543件
4位【苦情と回収】 クリィティカル:11件 メジャー: 80件 その他:110件
5位【適格性評価/バリデーション】クリィティカル:10件 メジャー:123件 その他:232件
6位【建物及び設備】 クリィティカル: 9件 メジャー:113件 その他:464件
7位【コンピュータ化システム】 クリィティカル: 9件 メジャー: 44件 その他:120件
8位【職員】 クリィティカル: 8件 メジャー: 42件 その他:150件
9位【文書】 クリィティカル: 2件 メジャー:166件 その他:646件
10位【品質管理】 クリィティカル: 2件 メジャー: 42件 その他:192件
このTOP10を2015年と比較すると下記の通りです。
2016年 ⇔2015年
1位【品質システム】 ⇔1位【品質システム】
2位【滅菌保証】 ⇔2位【苦情と回収】
3位【製造】 ⇔3位【文書】
4位【苦情と回収】 ⇔4位【品質管理】
5位【適格性評価/バリデーション】 ⇔5位【コンピュータ化システム】
6位【建物及び設備】 ⇔6位【製造】
7位【コンピュータ化システム】 ⇔7位【建物及び設備】
8位【職員】 ⇔8位【バリデーション】
9位【文書】 ⇔9位【職員】
10位【品質管理】 ⇔10位【原料の管理】
●EU GMPガイドライン1章(医薬品の品質システム)
■事象の調査及び是正処置・予防処置(CAPA : Corrective Action and Preventive Action)の実施に関する不備
・逸脱報告書は、実施された調査や、
いなかった。
・あるケースでは正式なCAPAが実施されていなかった。また、
れる逸脱について、問題を解決するための、
・製造所が、
また、根本原因を判断し、
したり、
■
・バッチの逸脱の影響を確認するための要件がなかった。
・患者の安全への影響がある可能性のある問題の場合、
・根本原因を“人的ミス”と特定する前に、手順、
要件がなかった。
・手順の中に、“タイムリーな方法で”という文言以外に、
・記録された根本原因は、いつも、
・少なくとも8件の、
・2件の延び延びになっているCAPAは、
・
・
モニタリングが実施されていなかった。
・
マネジメントレビュは年に1回行われているだけで、
■製剤の品質システム(PQS : Pharmaceutical Quality System)の効果的な実施と継続的な改善に関する経営陣の
監督の不足に関する不備
・正式なマネジメントレビュの手順がなかった。
・多数の工程改善が会社のいたるところで確認されたが、
・
システムの実施を保証することを怠っていた。
・
がない。
・マネジメントチームは、品質システムの効果的な実施や、成分・
見いだすことを怠った。
・現在の品質測定の報告方法は、
いない。例えば、
・マネジメントレビュの会議で報告された目立った品質項目は、
いなかった。リスクアセスメントが実施されていないか、
患者の安全への影響や、
・マネジメントレビュの手順が不十分である。たとえば、
問題のある傾向が増加しているにも関わらず、
ないと書かれていた。
・月次の品質システム測定は、供給者監査のステイタスを含まず、
品質システムが管理された状態にあることを確認するための製造所
■変更管理に関する不備
・変更の性質と、
・
がなかった。
・変更管理活動の実施後の効果のレビュがなかった。
・変更が会社の変更管理手順の外で実施されていた。
・計画された変更の予測評価に関する手順と、
なかった。
・有効性確認の実施後に文書化をする要件がなかった。
■製品品質レビュ(PQR : Product Quality Review)に関する不備
・PQR手順は、全供給ルートや製造者(仲介業者を含む)
のレビュを要求していなかった。
・完了したPQRは、
・現在進行中の安定性調査において、
予想されるという確認がない。
・重大パラメータのレビュにおいて、
のコメントもない。
・システムが要求通りに機能していることを判断する際に、
・PQRがタイムリーな方法で完了されていなかった。
-9件のPQRは6ヶ月以上、
-完了したPQRのうち少なくとも29件は、
■規制の改訂をモニタせず、
・規制要件の変更を把握し、
・レビュ、評価、適切にEU GMPの改訂を実施するための正式なシステムがなかった。
・規制の改訂をレビュするための正式なシステムがなかった。
■製品の返品に関する不備
返品の手順に、返品された商品が、返品前、
求められていなかった。
出典
https://www.gov.uk/government/
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まとめ
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今回は、ヨーロッパの話題でしたが、いかがでしたでしょうか。
1つ目の記事。
に驚きました。これまで、EU GMP ガイドラインが改訂されると、少し時間をおいてPIC/S GMPガイドラインも
EU GMP ガイドラインにならうように改訂されてきましたが、
可能性があります。
ECの今後の進め方によっては、
のは気になるところです。
2つ目は、イギリスのEU離脱に関する内容でした。
で締結されている相互承認協定が適用されなくなった場合、
3つ目の英国医薬品庁による2016年実施GMP査察における不
かったです。不備の中には、
次号では、EU GMPガイドラインの2章以降と、
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
☆次回は、6/15(木)に配信させていただきます。
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おしらせ
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弊社は、今年も、6月28日(水)~6月30日(金)
インターフェックスジャパン(会場:東京ビックサイト)
ブースは、東1ホールのITソリューションゾーン【E25-
お時間がおありの方は、
よろしくお願いいたします。
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