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2019.10.15
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<180号>
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<180号>
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~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
強烈な台風が通過していきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。
さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から製薬会社向けに出されたウォーニングレター(3件)について見ていきたいと思います。
最後までお読みいただければ幸いです。
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最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。
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■WL:320-19-35 中国の製造所の査察(2019/3/18~2019/3/22)でみつかった原薬製造における重大なCGMP違反に関する2019/8/12付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.原薬製造業者から受け取った品質または規制情報の顧客への伝達の不履行
貴社は、他の製造業者によって製造された原薬のラベルを貼り直して、他の製造所に販売した。貴社によ
り販売された原薬はアメリカに輸入された。貴社がラベルを貼り直した原薬について、貴社は、貴社が作
り貴社のレターヘッドがついた分析証明書(COA)上で、オリジナルの製造業者の名前と住所を削除した。
例えば、貴社は原薬XXのいくつかのロットの分析証明書において、XXに関する製造業者の情報を削除し
た。原薬XXは、調剤薬局に供給されXXの治療用に注射可能な医薬品として使用された。
規制当局と顧客は、医薬品の品質と供給源と医薬品の成分に関する正確な情報を提供するために、COAを
信頼する。COA(Certificate of Analysis)の情報の削除は、サプライ・チェインの信頼性とトレーサビ
リティを損ない、消費者を危険にさらすかもしれない。
原薬がサプライ・チェインを移動する時に、オリジナルの原薬製造業者を明確に識別するために、オリジ
ナルの製造業者、再包装業者、ラベルの貼り替え業者から得た原薬に、どのようにラベルを付けられるべ
きかに関するより多くの情報は、FDAの業界向けガイダンス“ICH Q7 Good Manufacturing Practice
Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients”を見よ。
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社が作成し発行したCOAが、オリジナルの製造業者に関する必要な情報を示すために、貴社が実践し
たCOAの作成に関する文書化された手順
・必要な情報の提供の不履行がどのように医薬品の品質に影響を与えたかもしれないかを判断するための
回顧的レビュ
・顧客への通知、医薬品の回収、ラベルに表示されたリテスト日付内にあるすべての医薬品に関して以前
に発行されたCOAの無効化のような、貴社がとったアクション、またはとろうとしているアクション
と、最近発行された必要な情報を含んだCOAとロットの試験成績書
2.品質を管理するための効果的なシステムの制定、文書化、実装の不履行
貴社は、適切な品質システムを制定することを怠り、文書の品質の監督が不足している。例えば、アメリ
カ市場に出荷した原薬XXのいくつかのロットに関し貴社が作成し発行したCOAには、品質部門の権限を
与えられた職員のサインと日付が不足していた。貴社は、オリジナルの原薬製造業者によって実施されて
いないし、貴社がそれを実施したというエビデンスが提出できない試験のパラメータと結果を盛り込ん
だ。さらに、貴社にはラベルの貼り直し作業、医薬品のリリース、文書の保管、管理に関する文書化され
た手順が不足していた。
貴社は、適切な組織構成を含む強固な品質システムを制定し実装することを怠り、出荷された原薬が品質
と純度の要求される規格を満たすという保証を損なった。
この文書への回答の中で品質を管理するための効果的なシステムを制定し文書化し実装するための計画を
提出せよ。CGMP関連の活動に関する文書化された手順と、監督の責任がある職員の役割を含めよ。品質
システムの実装を助け、CGMPの規制である 21CFRのPart210,211の要件と満たすためのリスクマネジメ
ントアプローチのために、FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP
Regulations”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した逸脱の性質に基づき、貴社が、CGMP要件を満たす手伝いをするために貴
社の作業を評価する適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、
CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、全ての不備とシステム
の欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●結論
この文書で挙げた逸脱は、包括的なリストではない。貴社には、これらの逸脱を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の逸脱を防止する責任がある。
FDAは2019年8月1日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
■WL:320-19-36 中国の製造所の査察(2019/2/25~2019/2/28)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する2019/8/13付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
1.貴社は、出荷前に、医薬品の各ロットについて、各有効成分の同一性、濃度を含む医薬品の最終規格に一致するかの試験室での判断の実施と、好ましくない微生物を含んでいないことが求められる医薬品の各ロットの試験室での試験の実施を怠った。
貴社は、各有効成分の同一性の試験を含むOTC医薬品を適切な試験を実施せずに出荷した。例えば、貴社
は、出荷前に、ラベルに表示された有効成分の亜鉛ピリチオンとサリチル酸に関し、シャンプーと洗浄薬
の試験を実施しなかった。
また、貴社には重大な微生物特性(例:好ましくない微生物の存在しないこと)に関する試験が不足して
いた。貴社には、ロットの出荷判定をする前に製造した各ロットの微生物試験を適切に実施したことを裏
付けるエビデンスが不足していた。
適切な試験は、貴社が製造する医薬品が、それらが持つとうたわれている化学及び微生物的特性に関し、
制定した規格を満たすことを保証するために不可欠である。
貴社は回答で、OTC医薬品の試験は顧客の要求により委託研究所XXに送られたわずかなサンプルで実施
されたと述べた。また、貴社は今後、必要な出荷判定試験をし、貴社の顧客と価格調整の話し合いをする
つもりであると述べた。
貴社の回答は不十分である。貴社は製造所で作られたOTC医薬品の各ロットが承認された規格に従って分
析されたというエビデンスも、アメリカ市場に出荷された医薬品の保管サンプルの分析と微生物の分析
結果も提出しなかった。
この文書への回答で以下の情報を提供せよ。
・貴社の改訂された最終製品の出荷判定手順
貴社の手順には、出荷前に製造と製品品質のリリース試験の完了が含まれていなければならない。その
手順には、統計的に適切な間隔で抜き取られた最終製品のサンプルのリリース試験を明記しなければな
らない。
・アメリカ市場に出荷され、使用期限内にある全てのOTC医薬品の保管サンプルの試験から得られた試験結果のサマリ
サマリには、有効成分の同一性及び濃度の試験結果と、その他の化学的及び微生物的品質特性を含め
よ。
2.貴社は、製品の各成分の同一性を確認するために少なくとも1つの試験を実施することを怠った。
また、貴社は適切な間隔で、成分の供給者の分析試験の信頼性をバリデートして証明することも怠っ
た。
貴社は、有効成分及びその他の成分を含む入荷した原材料の、同一性、純度、濃度及び品質に関して適切に試験することを怠った。貴社は、有効成分を含む原材料を、外観と匂いを評価しただけで、医薬品の製造に使用した。
貴社は回答の中で、貴社のOTC医薬品を製造するために使用される各成分はテストされるべきであると認め、委託研究所と一緒に、試験の実現可能性について調査つもりであると述べた。
貴社の回答は、以下の点で不適切である。
・貴社は、医薬品の製造に使用する前に全ての入荷した原材料の同一性に関して試験することを約束しな
かった。
・貴社は1つの供給者の分析証明書を提出したが、その他の全ての供給者の分析の信頼性を適切なバリデーションを通じて証明しなかった。
・貴社は、サードパーティの委託研究所の適格性評価をいかに実施するかを述べなかった。
・貴社は、全ての入荷した原材料がアメリカ薬局方(USP)の試験要件を満たすことをいかに保証するかを
説明しなかった。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・入荷した成分の試験に関する貴社の手順
入荷したロット(有効成分も有効成分以外も)に関し、少なくとも1つの特定の同一性試験を実施する
ことを保守するための是正処置・予防処置(CAPA)を含めよ。
・入荷した成分の各ロットが純度、濃度、品質に関する全ての文書化された規格に一致することをどのよ
うに試験しようと計画しているかを詳細に述べよ。
・もし貴社が、純度、濃度、品質に関し、各成分のロットを試験する代わりに供給者のCOAを受け入れる
のであれば、定期的なバリデーションを通じてこれらの属性に関する供給者の信頼性を確認するために
貴社がどのように計画しているかを明記せよ。
・各供給者から得た全ての容器、蓋、成分が適切に評価されているかどうか、それらに使用期限またはリ
テスト日が適切に割り当てられているかどうか、不適切な容器、蓋、成分の使用を防ぐために入荷し
た原材料のロット管理が適切かどうかを判断するための、貴社の原材料システムの独立したレビュ
3.貴社は医薬品の安定性を評価するために計画された文書化された試験プログラムに従うことを怠った。
貴社は、貴社のOTC医薬品が、ラベルに表示された使用期間を通じて化学的及び微生物的特性の基準を満
たしていることを示すために適切な安定性試験プログラムを持っていなかった。貴社は、定められた有効
期限を裏付ける適切な安定性データを持っていない。
この文書への回答の中で、貴社の安定性プログラムの適格性を保証するために包括的なアセスメントと
CAPAの計画を提出せよ。
貴社のCAPAの計画には、これに限定されないが、以下のことを含めよ。
・貴社の安定性プログラムについて述べた改訂されたSOP
・安定性を示す方法
・各製品の容器密閉システムの安定性プログラム
・各工程で試験される特性
・有効期間の主張が正当であることを判断するために各医薬品の代表的なロットが毎年プログラムに追加
されるような継続的なプログラム
4.貴社は、貴社が製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、濃度、品質、純度を保証するために
設計し文書化された手順と工程管理を制定することを怠った。
貴社は、貴社のOTC医薬品の製造工程をバリデートすることを怠った。我々査察官が販売された医薬品に
関するバリデーション文書についてたずねた時、貴社は、貴社の医薬品の製造工程がバリデートされた
というエビデンスを提供することが出来なかった。
貴社は回答の中で、貴社の手順は、OTC医薬品に関する製造工程管理の基準に合っていなかったことを認
めた。
商品流通の前に、良好な工程の適格性評価の調査が必要である。その後、貴社が製品のライフサイクルを
通じて安定した製造作業を維持していることを保証するために、継続的な工程の性能と製品品質の慎重な
監視が必要である。FDAの業界向けガイダンス“Process Validation : General Principles and
Practices”を見よ。
この文書への回答の中で、製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するためのバリデーション計画
を提出せよ。貴社の各医薬品に関し適切な工程性能の適格性評価を実施することに関するタイムラインを
含めよ。継続的な管理状態を保守するためにロット間のばらつきをモニタリングするための貴社のプログ
ラムについて述べよ。また、工程の操作手順と、装置及び設備の適格性評価の文書化された手順を含め
よ。
●品質部門の権限
この文書における重要な指摘事項は、貴社の品質部門がその権限及び/または責任を完全に果たせていな
いことを示している。貴社は、その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するために適切な権限と
十分なリソースを持った品質部門を備えなければならない。21 CFR Part 210,211のCGMPの要件を満た
すための品質システムとリスクマネジメントアプローチの実装の助けに、FDAのガイダンス文書
“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向けの医薬品の製造を再開
するつもりならば、貴社が、CGMP要件を満たす手伝いをするために、21 CFR 211.34に規定されている適
格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。また、我々は、貴社がFDAの求める状態を遵守しようとす
る前に、適格なコンサルタントが、貴社の全ての作業のCGMP順守について包括的な監査を実施し、貴社
の是正処置・予防処置の完了と効果を評価することを勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経
営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●虚偽表示の責任
リストアップした製品は、病気の診断、治療、緩和、手当、予防を意図している、かつ/または、体の構
造や機能に影響を与えることを意図しているので医薬品にあたり、そのような医薬品は、医薬品の要件に
従わないといけないが、貴社の製品はそれを満たしていない。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の逸脱を防止する責任がある。
FDAは2019年6月10日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
■WL:320-19-37 シンガポールの製造所の査察(2019/2/25~2019/3/1)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に関する2019/8/19付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。
●CGMP違反
1.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさないロッ
トまたはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
貴社は、原薬XX(ロットXXとXX)の規格外(OOS)の分析試験結果を無効化した。この原薬のロットXX
は、貴社のOTC医薬品のパッチXXの複数ロットを製造するために使用された。これらのOOSの原薬のロ
ットから製造されたOTC医薬品のいくつかのロットはXXの分析でもOOSの結果になった。さらに、貴社
の原薬の供給者は、XXの可能性と、粘度の変更を伝え、製造に使用する前に、追加の加工工程を実施す
ることを勧めていた。
貴社の最初の調査中に、貴社は、適切な原材料の混合がされなかったと判断した。製品の全てのサブロ
ットは不完全な混合工程から得られた原薬を使って製造されたが、貴社は、OOSのみつかったロットの一
部だけを不合格にした。貴社は、根本原因の適切な調査をせずにパッチXXの有効成分XXのXXに関する
OOSの分析試験結果も無効にし、出荷を許可した。さらに同じ製品に関し、貴社は、効果の不足が報告さ
れた顧客の苦情を適切に調査しなかった。貴社は、製品内の有効成分の量を確認するために、返却された
サンプルの試験を怠った。
貴社は回答の中で、原薬XXの不適切な混合が製品のOOSの結果につながったことを認めた。また、貴社
は、貴社の混合工程の均一性のエビデンスとして、2つの容器から得た1ロットのサンプリングデータも
提供した。
貴社の混合の検証は、貴社の工程が原材料の様々なレベルの品質において一貫して均一性を得られるかど
うかを判断するために、供給者から得た複数のロットを評価していないので、貴社の回答は不十分であ
る。貴社は、均一性を得るために原薬に求められる追加の混合パラメータの適切な調査の情報を提出しな
かった。貴社の製造工程がバリデートされていることを示すためのアプローチは科学的根拠に基づいてい
なければならない。
不合格、規格外(OOS)、傾向外(OOT)、その他の予期しない結果となった試験の取扱いと、調査の文書化
に関するより多くの情報に関しては、FDAのガイダンス文書”Investigating Out-of
Specification(OOS) Test Results for Pharmaceutical Production”を見よ。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・使用期限/リテスト日内のアメリカ市場向け製品で、全ての無効化したOOSの試験結果(工程内、原
材料及び最終製品のリリース試験)の回顧的レビュ
科学的な正当性とエビデンスが決定的なものかどうかを評価せよ。最終的に試験を根本的な原因とした調査に関し、その是正処置・予防処置(CAPA)の妥当性を判断し、同じように試験が不安定であることが根本原因とされた他の試験方法が改善のために確認されていることを保証せよ。結論が最終的でない、または、試験での根本原因が特定されていない全てのOOSについて、製造(例:バッチの製造記録、製造段階の適格性、原材料、工程の能力、逸脱の履歴、バッチの不合格の履歴)の徹底的なレビュを含めよ。
・各調査で製造に根本原因の可能性があるとされたもののCAPAの計画
必要に応じて工程の改善計画を含めよ。
貴社のCAPAの計画には、これに限定されないが、調査能力、根本原因の分析、文書化された手順、品質部門の監督の改善と、CAPAの効果の評価の手順も含めよ。
・逸脱の調査、標準に合致しない事象、OOSの結果、苦情や不具合を含む貴社の包括的な調査システムの独立した評価とCAPA
CAPAは、これに限定されないが、強化された調査能力、改善された手順、調査についての品質部門の監督の十分な改善を含めよ。
2.貴社は、成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、ラベル、製品が同一性、濃度、品質、純度に関する適切な標準に一致することを保証するために設計された、科学的に理にかない適切な規格、標準、サンプリング計画、試験手順を含む試験室の管理を行うことを怠った。
貴社はOTC医薬品の強制劣化試験を終えたが、そのデータを科学的な安定性の許容範囲を制定するために
使用しなかった。例えば、原薬のXX%未満の劣化のクロマトグラフのピークは、重要でないと判断され
た。さらに、貴社が使用した分析試験方法には、強制劣化試験から得られた全ての製品の不純物を定量化
できる保証はなかった。
例えば、パッチXXの原薬XXの主要なピークエリアは、酸化による劣化検証の後、およそ12%減少した
が、貴社のクロマトグラフの報告は、原薬の劣化に起因している不純物の記録を含まなかった。貴社は関
連する規格の制定をせず、劣化研究の間に確認した潜在的な不純物や製品の劣化に関する製品の監視をし
なかった。
貴社は回答の中で、強制劣化アプローチの再研究、許容範囲を含む手順の完成、不純物をモニタリングす
るための規格を含む試験手順の制定をするつもりであると述べた。
貴社は、市場に出荷された製品が適切な純度を持つことを保証するための暫定的なアクションプランを提
出しなかったので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・不純物を監視するために制定された製品の規格
許容範囲の研究と制定は科学的に正当であるべきである。
・医薬品の劣化手順と報告
その中には、これに限定されないが、製品のライフサイクルを通じてモニタされる不純物を含めるべき
である
・アメリカ市場向けに製造された各製品の不純物をモニタするために制定された貴社の分析試験方法が安
定していることを示す貴社の研究
これらの試験方法に関するバリデートされた手順と完成されたレポートも含めよ。
・全ての試験方法の独立したアセスメントと、それらの試験方法が適切な指図と方法の適合性の範囲を持
ち、意図した目的に合っているかどうかを判断するためのバリデーションを備えていることを保証する
ために貴社で使用されるデータレビュの手順
3.貴社は制定した規格や標準に合致することを保証するために必要な全ての試験から得られる完成したデータを含む試験の記録を保証することを怠った。
製品の安定性の分析のために使用されるガスクロマトグラフィ(GC)装置、原材料のリリース試験に使用さ
れるフーリエ変換赤外分光(FTIR)装置と紫外分光(UV)装置を含む分析機器の操作を管理するために貴社
が使用するコンピュータシステムは監査証跡の機能がない。
貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、有効性、品質を裏付けるためのデータの正確性
と完全性を適切に保証していない。CGMPのデータ・インテグリティの手順を制定して従うために、FDAの
ガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
貴社は回答の中で、GCの試験を、監査証跡機能を持った他の装置に移したと述べた。そして、2020年に
FTIRとUVの装置を監査証跡機能のついたものに置き換えるつもりで、その間に、ローデータを削除から
守るプログラムを起動するつもりであると述べた。
貴社は、改訂された装置の管理を実装するまで、貴社が生成した電子データの完全性をいかに保証するか
の詳細を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・貴社の全てのデータシステムの包括的で独立したレビュと、データ・記録・報告の不備の調査
CGMP情報が記録・保持されていない作業の全ての部分を述べよ。
・貴社の作業全体のデータの記録と、記録の保持手順を改善するための詳細なCAPAの計画
貴社のCAPAの計画には、これに限定されないが、ローデータのファイルを保持し、削除と変更を防ぐ
ための適切な管理を含めるべきである。
・不完全なデータが試験の結果と製品品質に与える影響のリスクアセスメントを要約したものを提出せ
よ。
4.貴社は、製品の製造・加工・包装・保管において、その意図した使用と洗浄・維持のために作業を円滑に進めるよう、適切な設計・サイズ・取り付けのされた装置を使用することを怠った。
貴社の医薬品を製造するためのXXを生成するために使用されるXXシステムは、意味のない脚を持ってい
た。この不適切なシステムの設計は、生物膜の成長を助長し、医薬品の製造に使用されるXXの汚染を招
く可能性がある。更に、XXの分析のためのサンプル収集前に、製造のサンプリングポイントで、システ
ムを洗い流すことは、貴社が製造中に使用するサンプルの方法に一致しない。この一致しないサンプル手
順は、XXの分析に関し、不正確な微生物試験の結果につながりかねない。
貴社は回答の中で、貴社の循環ラインXXを再設計したと述べた。
貴社は、貴社の微生物試験の結果が規格に従うことを保証するために製造で用いられる一貫したサンプル
手順を添えた全てのサンプリングポイントのデータと評価を提出しなかったので、貴社の回答は不十分で
ある。
この文書への回答の中で以下の情報を提出せよ。
・貴社のXXシステムのバリデーション手順と報告、及び、貴社のXXシステムの設計に行われた改善の概
要
・再設計されたXXシステムの定期的なモニタリングに関する手順と、システムの管理及びメンテナンス
の手順
手順には、これに限定されないが、試験方法、適切な微生物の限界(総数、好ましくない微生物)と、
XXの分析の頻度と、サンプリングポイントの位置を含めるべきである。
・消毒及びXXシステムのXX分析の頻度が、貴社のXXシステム内に生物膜が存在しないことを保証するために適切であるという正当性
・このシステムが貴社の各製品の使用目的に合ったXXを製造していることを保証するための、適切な微
生物の総数を示したデータ
・XXシステムの不具合が、使用期限内で現在アメリカに販売されている全ての製品のロットの品質に与
える可能性についての詳細のリスクアセスメント
リスクアセスメントに応じて貴社がとろうとしている、顧客への通知や製品の回収などのアクションを
明記せよ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社が、CGMP要件を満たす手伝いをするために、
21 CFR 211.34に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経
営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任が残る。
●虚偽表示の責任
貴社の製品は、病気の診断、治療、緩和、手当、予防を意図している、かつ/または、体の構造や機能に
影響を与えることを意図しているので医薬品にあたり、そのような医薬品は、医薬品の要件に従わないと
いけないが、貴社の製品はそれを満たしていない。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の逸脱を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まとめ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
今回の3件のウォーニングレターのうちの2件に、虚偽表示に関する指摘が含まれていました。
ちなみに、3件目は、昔お土産としてもらったことのある軟膏に関するものだったので、へーー!と思いながら読んでしまいました。
それはさておき、最近、アメリカに輸出をされようとしている会社様の話をよく聞きます。
ラベルの表示内容次第で、虚偽表示の指摘を受けるため、是非今回の指摘を参考にしてみていただければと思います。
☆次回は、11/1(金)に配信させていただきます。
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hashimoto@e-pros.co.jp
【発行責任者】
株式会社プロス
『ASTROM通信』担当 橋本奈央子
2019.10.01
【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<177号>
~安全な医薬品の安定供給をご支援する~
こんにちは
ASTROM通信担当の橋本奈央子です。
さしもの暑さも収まってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃ
さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から、製
について見ていきたいと思います。
ウォーニングレターに挙げられている指摘内容には、どこの会社様
アメリカへの輸出があるなしに関わらず、是非参考にして頂ければ
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
最近のウォーニングレターの概要
注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言
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■WL:320-19-28 インドの製造所の査察(2019/1/28~2019/2/5)
違反に関する2019/7/1付ウォーニングレターには、下記の
1.貴社は、すべての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材
ための責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠
貴社の品質部門には、適切な責任と医薬品の製造作業の管理が不足
CGMP文書と、管理されていない切り刻まれた文書のエビデンス
きたことを示している色分けのされた管理されていないCGMP文
ある査察官は、貴社の廃棄物置き場で、55ガロンのドラムの中に
医薬品に関する製造記録を含むCGMPの記録を含んだ青いバイン
査察の7日前である2019年1月21日の日付だった。貴社の品
をしなかった。
貴社の品質部門は、製造された医薬品の各ロットの完全に同時の記
文書管理を含む医薬品の製造作業の監督の責任がある。その記録は
されるものである。さらに、貴社の品質部門には、貴社の製造エリ
割り当てられた作業を理解していることを保証する責任がある。
CGMPの記録の管理されていない破棄や、適切な文書管理手順の
記録の完全性や正確性について疑問を起こさせる。
貴社は回答の中で、廃棄物置き場にあったCGMP文書のバインダ
その問題を調査していると述べた。また、貴社は、管理されていな
を使い、印刷を禁止すると約束した。さらに、正しい文書管理の手
授業を盛り込んだ教育プログラムを強化すると約束した。
貴社は、廃棄物置き場のCGMPの記録のバインダを認めたが、廃
販売された医薬品に貧弱な文書管理手順がいかに影響するか、また
を評価しなかったので、貴社の回答は不十分である。
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質シス
マネジメントのアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかな
その成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
貴社のOOS(Out-of-Specification)の結
例えば、貴社は、貴社の規格を超える未確認の不純物について、米
未確認の不純物を再生する能力がないにもかかわらず、貴社の調査
した。貴社は、その後、新しい試薬を使って新しいサンプルのリテ
品XXの製造に使用するために、合格の結果を使用した。貴社は、
評価しなかった。貴社の根本原因の判断と調査は科学的な正当性が
貴社は回答の中で、根本原因を特定するための調査の一環として、
根本原因は最終的に断定されていないことを認めた。貴社は、その
サンプルを分析し、それらが規格を満たしていることに気付いた。
に製造された製品の、以前に“無効とされた”全てのOOSの結果
貴社の回答は不十分である。貴社は、OOSの調査で確認された原
テストのデータを含めることを怠った。さらに、貴社は、根本原因
調査の中で、さらに9つのOOSの調査を発見した。貴社は、OO
保管サンプルを含めた調査まで拡大しなかった。
この文書への回答の中で
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されな
レビュを含めよ。(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原
の不合格の履歴)
根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置
・全ての保管サンプルの試験結果を提出せよ。結論が出ていない、
OOSの結果に関連する原薬を使用して製造されたロットを含む、
を含めよ。
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うこ
次の情報を提供せよ。
A.貴社の設備におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のア
省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不
データ・インテグリティの欠落がみつかった貴社の設備の作業の全
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を
起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリ
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社の
詳細な是正処置の計画では、微生物及び分析のデータ、製造記録、
含む、貴社で生成される全てのデータの信頼性と完全性を貴社がい
べきである。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、貴
調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認す
いかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspect
■WL:320-19-29 インドの製造所の査察(2019/1/17~2019/1/25
違反に関する2019/7/9付ウォーニングレターには、下記の
1.貴社は製造された医薬品の各ロットの製造と管理に関する完全
怠った。
アメリカ市場向けのXXmgの錠剤の製造中の圧縮機の工程管理値
の品質部門はこの医薬品のリリースの判断のために、これらの不完
XXmgの錠剤の複数の製造記録は、定期的に手書きされるプロセ
PLC(Programmable Logic Controller)で記録される値は、しばしば貴社の定めた
なっていた。例えばXXmgのロットXXは、圧縮力値が指図でX
限界値はXX)
しかし、PLCのデータは、同じ時期に、XX以上の値を記録して
自動重量制御(AWC)に関する手書きの値は、PLCデータの中
2018年3月にXXにより実施された査察では、圧縮力値の製造
いた。
貴社は回答で、製造記録の中の、行方不明のデータを含むデータの
の入力、その他の不一致を認めた。また、圧縮機のセットアップ及
調整の不適切な手順と、これらの重大な活動の文書化の不足を認め
貴社の回答は不十分である。圧縮作業を含む貴社の従業員の作業に
完全性に疑問を投げかける。貴社は、製造作業を通じてデータの完
を明言していなかった。また、貴社は、セットアップや1ロットの
手順を提供することにより、圧縮作業中にAWCが一貫して維持さ
関連する全てのパラメータをいかに管理するかということに適切に
工程の変化に迅速に対処するために適切で継続的な工程管理を行う
防ぐことは不可欠である。更に、貴社は、製造記録に錠剤XXの含
この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。
・貴社の圧縮作業において制定したAWC及びその他の管理手順
そこには、これに限定されないが、AWCのセットアップ及びその
影響を与えうるすべてのパラメータの特定、全てのロットの製造活
・各製造作業を完全に文書化した、貴社の改訂された製造指図記録
いちばん最近に製造された錠剤医薬品XXの各含量の全ての印刷物
・範囲、セットアップパラメータ、貴社の工程の変化を検出するた
保証するための、調剤XXの製造に関する全てのプロセスパラメー
・製造と包装工程が適切な製造の基準とパラメータを一貫して満た
特定し管理するデータ主導の科学的に合理的なプログラム
そこには、これに限定されないが、装置の使用目的への適合性、投
工程の手順と管理の能力と信頼性の判断が含まれる。
・この文書の下の“データ・インテグリティの改善”の章で要求さ
の計画
包括的なCAPAの一つの観点として、独立したレビュ者は、20
徹底的な回顧的アセスメントを提出すべきであり、製造スタッフ(
インタビュを実施すべきである。
このアセスメントは、貴社が実施した内部調査に拡大すべきであり
工程内チェックXXの完全性の独立したレビュと、行方不明の圧縮
回顧的アセスメントでは、この工程内試験のデータの情報のギャッ
によるものか)、スタッフがいない時間の職員の署名、この製品及
が信頼できるかを判断すべきである。
2.貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかな
またはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。
XXmgの錠剤の製造記録でみつかった食い違いについての貴社の
特に、文書DEV-G1-18-033は、XXmgの製造記録に
データの食い違いに関する複数のロットの製造記録の調査の詳細情
しているので、貴社の調査は不十分である:
・その他の食い違いが発生していたかどうかを判断するための、手
記録された全ての工程管理値の電子データの比較によるデータの完
・貴社の設備で製造されたXXの他のロットと他の製品までの、調
・錠剤XXの製造中の圧縮機の工程管理値の著しいばらつきに関す
・このばらつきの根本原因を解決するためのCAPAの計画
貴社は回答の中で、逸脱は、値が圧縮作業を継続する許容範囲にあ
な特性が規格内にある場合の異常な装置の管理値(例:圧縮値、注
述べた。
貴社の回答は、貴社の元々の調査は、限定的で全体的でなかったの
ティの問題の範囲と、その原因を十分に判断しなかったことを認め
工程パラメータの大きなばらつきの根本原因と、なぜこれらの値が
示されたより厳しい管理と不一致だったかの理由を提出しなかった
ロットの品質において、普通でない値の影響について適切に対処し
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・アメリカ市場向けに製造されたXXロットについて、製造記録内
PLC内に電子的に記録された値を比較する回顧的で独立した評価
例えば、この評価では、AWCが“OFF”の位置にセットされて
期間に製造された錠剤の品質について対応すべきである。
・これらの不完全な製造状態の記録のもとで圧縮された、アメリカ
アセスメント
リスクアセスメントに基づき、適切な是正処置を実施せよ。
・逸脱、異常な出来事、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関す
アセスメント
貴社のCAPAには、これに限定されないが、調査能力の向上、根
の監督を含むべきである。また、CAPAの効果を評価する手順も
3.貴社は、試験室の記録が、制定した規格や基準に一致すること
れる完全なデータを含むことを確実にすることを怠った。
いくつかのケースにおいて、貴社は、最初のOOSの試験結果を得
は、カール・フィッシャー滴定装置による水分量の試験と、自動滴
これらの装置の電子データをレビュし、分析記録の報告されていな
合格の結果のみが、ロットのレビュと処理の判断のために提出され
更に、貴社の試験室は、多くの場合、基本的な試験のローデータ(
オリジナルのクロマトグラム、機器の使用ログ、オリジナルの重量
例えば、原薬XXロットXXに関する自動滴定装置を使った最初の
その最初の結果はXX%でOOSだった (規格はXX%)。公式なリリース判定に使用された分析試験のデ
12月29日15:00のXX%で規格内として報告された。この
いなかった。調査は実施されなかった。
貴社は回答の中で、査察中に見つかった9件に加え、報告されてい
示した。また、貴社は、最初の結果がOOSではないが、追加の分
23の事例を発見した。
査察中に見つかったこれらのOOSの結果により影響を受けたロッ
回答は不十分である。
この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。
・2016年6月1日以降の全ての製品に関する全ての無効とされ
したレビュ
無効とされたOOSの各結果の科学的な正当性とエビデンスは決定
された調査に関し、貴社が、改善のために、同じ根本原因に対して
・結論が出ていない、または、試験室の中で根本原因が特定されな
なレビュ(例:ロットの製造記録、製造手順の適切性、原材料、工
の履歴)
根本原因を特定し、意味のある改善を明記した是正処置と予防処置
・OOSの結果が得られた、使用期限内にあるアメリカ市場の全て
もし薬の品質に影響がありうるなら、顧客への通知や回収を含む適
・OOSの結果の調査に関する貴社のシステムのレビュと改善
OOSの対処を改善するためのCAPA計画を提出せよ。貴社のC
に以下のことを含むことを保証すべきである:
○試験の調査に関して改善された品質部門の監督
○試験管理における有害な傾向の特定
○試験のばらつきの原因の解決
○試験の原因が最終的に特定できなかった場合の、製造の原因の可
・品管の訓練、手順、方法、装置、分析者の能力の包括的で独立し
このレビュに基づき、貴社の試験システムを改善するための詳細な
実施されたCAPAの計画の効果を評価するために貴社が使用する
●データ・インテグリティの改善
貴社の品質システムは、貴社が製造した薬の安全性、効果、品質を
保証していない。CGMPを遵守したデータ・インテグリティの手
FDAのガイダンス文書“Data Integrity and Compliance With Drug CGMP”を見よ。
我々は、貴社の改善を助ける適格性のあるコンサルタントを雇うこ
おいて、次の情報を提供せよ。
A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査
貴社の調査には、以下のことを含めるべきである。
・調査の手順と方法論の詳細
アセスメントでカバーされる全ての試験室・製造作業・システムの
としている作業の正当性
・データの不正確さの性質、範囲、根本原因を特定するための、現
我々はこれらのインタビュが、適格性のあるサードパーティによっ
・貴社の製造所におけるデータ・インテグリティの不備の範囲のア
省略、変更、削除、記録の破壊、非同時の記録の完成、その他の不
データ・インテグリティの欠落している貴社の製造所の全ての作業
・試験に関するデータ・インテグリティの欠落の性質の包括的で回
我々は、潜在的な不履行が確認された分野の専門知識を持った適格
のデータ・インテグリティの欠落を評価することを勧める。
B.貴社の医薬品の品質において発見された不具合の潜在的な影響
貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を
引き起こされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされ
C.グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社の
貴社の戦略には以下のことを含めるべきである。
・分析データ、製造記録、FDAに提出される全てのデータを含む
性と網羅性を、貴社がどのように保証するかを述べた詳細な是正処
・現在のアクション・プランの範囲と深さが、調査とリスクアセス
エビデンスを含むデータ・インテグリティの欠落の根本原因の包括
データ・インテグリティの欠落の責任がある個人が、貴社でCGM
に影響を与えることができる状態のままかどうかを示せ。
・顧客への通知や製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証する
の追加、製品の申請アクション、強化した苦情モニタリングなど、
を保証するために、貴社がとった、または、とろうとしているアク
・貴社のデータの完全性を保証するための、手順、工程、方法、管
(例:教育、職員の改善)に対する改善努力と強化を述べた長期の
・既に進行中または完了した上記の全ての活動に関する状況報告
●工程管理
貴社は、安定した製造作業と一貫した医薬品の品質を保証するため
な継続的プログラムを持っていない。FDAが考える一般的な原則
“Process Validation : General Principles and Practices”を見よ。
●CGMPコンサルタントの推奨
我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社が21 CFR 211.34に規定されているCGMP要件
を満たす手伝いをするために、21 CFR 211.34章に規定されているデータ・インテグリティに非常に
コンサルタントを雇うことを強く勧める。
貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の
には、全ての不備と不具合を解決し、継続的なCGMP順守を保証
●品質システム
貴社の品質システムは不十分である。21 CFR のPart210,211のCGMP要件を満たすための品質シス
マネジメントアプローチを実装するための手助けとして、
FDAのガイダンス文書“Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations”を見よ。
●結論
この文書で挙げた違反は、包括的なリストではない。貴社には、こ
を防止し、その他の違反を防止する責任がある。
貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認す
のいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。
出典:https://www.fda.gov/inspect
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まとめ
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いかがでしたでしょうか。
今回は2件とも、データ・インテグリティの欠如と、OOS(Ou
に対する指摘が含まれていました。
GMP文書をゴミ箱に捨ててしまうのは論外ですが、
・書き間違いによる手書きの記録と電子記録の食い違い
・OOSの結果が出て、あれっ、何か間違えたかな?と再度試験を
結果を無効にしてしまうこと
は、結構、身近で起きやすいことなのではないでしょうか。
今回の指摘内容を参考に、自社の記録や手順をチェックしてみるの
☆次回は、9/15(日)に配信させていただきます。
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『ASTROM通信』担当 橋本奈央子