ASTROM通信バックナンバー

2019.12.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<183号>

 ~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

こんにちは

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

だんだん冬らしい気候になってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から製薬会社向けに出された

ウォーニングレター(3)について見ていきたいと思います。

最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言です。

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WL:320-19-44

韓国の製造所の査察(2019/3/252019/3/29)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP

違反に関する2019/9/12付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、製品の承認・不承認

を行う責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。また、貴社は、

品質管理部門に適用する文書化された責任と手順を制定し、それに従うことを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は、OTC医薬品の受託製造業者である。貴社の品質部門は、十分な製品の品質試験が完了

した時のみ出荷することを保証するのを怠った。レビュした41ロットのうち、半分以上の

26ロットは、微生物試験が完了する前に出荷されていた。貴社は査察中、貴社の顧客がこの

手順に同意していたと述べた。全ての必要な試験が完了する前に医薬品を出荷することは

受け入れられないし、品質を満たさない医薬品が顧客に出荷されるリスクを増す。貴社の

医薬品XXのいくつかは、子供用としてラベル表示されていることに気を配ることが大切で

ある。

貴社は回答の中で、貴社の手順を改訂し、“協力の公式文書”のサインをもらっている

ところであると述べた。貴社の回答は不適切である。貴社の手順は既に全ての試験が完了

するまで製品を保管することを求めている。貴社の提案したアクションがいかに品質を示す

ための完全なデータがない状態で製品が出荷されることを防ぐか不明確である。さらに、

貴社は試験の完了前に出荷した過去のロットが全て品質を満たしているというエビデンスを

提出することを怠った。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

・全ての規格を満たしたこと保証するための、出荷された全てのロットの回顧的レビュ

・使用期限内の全ての製品の保存サンプルから得られた試験結果のサンプル

 貴社はこれに限定されないが、同一性、有効成分の濃度、微生物特性(総菌数、好ましく

 ない微生物を検知するためのバイオバーデンの確認)を含む全ての品質特性の試験をする

 べきである。もし、ロットの試験で規格外(OOS)の結果が得られたら、顧客への通知や

 回収の開始を含む貴社がとろうとする是正処置を示せ。

・貴社の品質部門がその機能を効果的に果たすために権限とリソースを与えられている

 ことを保証するための是正処置・予防処置(CAPA)を伴った包括的なアセスメント

 そのアセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含めよ。

 ○貴社で使用されている手順が安定していて適切であるかどうかの判断

 ○適切な手順の遵守を評価するための貴社の作業全体の品質部門による監督に関する規定

 ○品質部門の判断の前に実施する各ロットとその関連情報の完全で最終的な再レビュ

CGMPの要件を満たすために最新の品質システムとリスクマネジメントのアプローチを実装

する助けとして、

FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。

 

●指摘2

貴社は、医薬品の安定性を評価し適切な保管条件と使用期限を決定するために計画された

安定性試験の結果を使用するための文書化された試験プログラムを制定することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社の安定性プログラムは、使用期限内に貴社が製造した医薬品の品質を示すのに十分で

ない。安定性プログラムは安定性サンプルの分析試験を含んでいなかった。プログラムは、

医薬品の使用有効期間を通して、有効成分の量と、成分が制定された規格と予め決められた

全ての品質基準を満たすことを確認しなければならない。さらに、貴社は、各医薬品に

ついて、安定性プログラムに1ロットのみをセットし、継続的な安定性プログラムを持って

いなかった。

貴社は回答の中で、安定性の手順を改訂するつもりであると述べた。また、貴社は、顧客

からの次の注文時は、貴社が製造した各医薬品につき3ロットを安定性プログラムにセット

すると約束した。貴社は、各試験間隔で、新しい未開封の製品サンプルを使用して安定性

試験を行うとも述べた。貴社は、改訂された安定性プログラムについて述べていないし、

実施のタイムラインを提出していないので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で、安定性プログラムの適切性を保証するために包括的で独立した

アセスメントとCAPAの情報を提出せよ。貴社のCAPAには、これに限定されないが以下の

情報を含めるべきである。

・安定性プログラムについて述べた、改訂された標準操作手順書(SOP

・安定性を示す方法

・出荷許可前に容器密閉システムの各製品を保証する安定性の研究

・使用有効期間が妥当かどうかを判断するために、毎年、各製品の代表的なロットが

 プログラムに追加されるような継続的なプログラム

・各タイミングで、試験される特定の属性

 

●指摘3

貴社は医薬品の各成分の同一性を確認するために少なくとも1つの試験を実施することを

怠った。また貴社は、適切な間隔で、貴社の成分供給者の分析試験の信頼性をバリデート

し証明することを怠った。

<指摘3詳細>

貴社は、入荷した原材料と有効成分(例:XX)の同一性に関する試験を怠った。代わり

に、貴社は、適格性評価のされていない供給者の分析証明書(COA)を信頼した。同一性試験

は、医薬品製造に使用される前に、各成分のロットに求めれられていて、適切な間隔での

供給者の試験結果のバリデーションを通じてのみ、他の成分の属性に関するCOAを信頼する

ことができる。

さらに、XXは貴社が製造する多数の製品の成分である。貴社の供給者のCOAは、XXに関する

XXの限界試験のエビデンスを示しているが、貴社は、XXまたはXXが存在するかどうかを

判断するためにXXの全てのロットの全ての容器の試験をすることを怠った。

貴社は回答の中で、供給者の適格性評価と原材料の試験に関する手順を改訂するつもりで

あると述べた。

また、貴社は、貴社の顧客の次の注文時に原材料の同一性試験を実施することも約束した。

貴社は、貴社がいかに供給者の適格性評価を行い、供給者のCOAを確認するかの改訂された

手順や詳細を提出していないので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で、

・各成分のロットの同一性、濃度、品質、純度に関する全ての規格への一致をいかに試験

 するかを述べよ。もし貴社が各成分のロットの同一性、濃度、品質、純度の試験をする

 代わりに、供給者のCOAの試験結果を受け入れるつもりなら、最初のバリデーションと

 その後の定期的な再バリデーションで、これらの属性に関する供給者の試験結果の

 信頼性と一貫性をいかに確認するかを述べよ。さらに、入荷する成分の少なくとも1

 の同一性試験を実施し、試験方法を提出ることを約束せよ。

・各成分の製造業者のCOAの信頼性を評価するために、全ての成分の全ての試験から得ら

 れた試験結果をまとめよ。このCOAのバリデーションプログラムについて述べた貴社の

 SOPを含めよ。

XXに関し、全てのグリセリンの保管サンプルの試験をせよ。XXXXのロットに存在する

 かどうかを示せ。もし、貴社の試験でOOSOut-of-Specification)の結果があったら、

 顧客への通知や回収の開始を含む貴社がとろうとしている是正処置を示せ。

XXXXを含む医薬品を製造する場合のCGMP要件を満たす助けとして、FDAのガイダンス

文書Testing of XXを見よ。

 

●指摘4

貴社は、貴社が製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、濃度、品質、純度を持つ

ことを保証するために設計した製造と工程管理に関して文書化した手順を定めることを

怠った。

<指摘4詳細>

貴社は、OTC医薬品XXに関する製造工程をバリデートしていなかった。

プロセスバリデーションでは、工程が、一貫して品質のよい製品を供給する能力があると

いう科学的なエビデンスを作る。中間材料と製品のサンプリングと試験には、生産活動を

モニタし、医薬品の性質のばらつきの原因となりうる製造工程の性能をバリデートする

ための管理手順を必要である。サンプルは、ロットの代表で、統計的信頼を提供し、

予め定めた規格を満たさなければならない。

貴社は回答の中で、21 CFR 210, 211章に従い、バリデーションのマネジメント手順を

定めるつもりであると述べた。貴社は、医薬品XXの顧客の次の注文時、プロセスバリ

デーションを実施することを約束した。

貴社は、製品のライフサイクルを通じて、バリデートされた工程の維持を保守するため

の総合的なプログ

ラムの詳細を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。さらに、貴社は、バリデ

ーションを実施するための詳細なタイムラインを提出しなかった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

・工程管理手順と、装置及び設備の適格性評価に関する文書化された手順を含む詳細な

 バリデーション計画

FDAがプロセスバリデーションの要素として考える一般原則とアプローチについて、

FDAのガイダンス文書Process Validation : General Principles and Practicesを見よ。

 

●指摘5

貴社は、装置の洗浄とメンテナンスに関する文書化された手順を定め、それに従うこと

を怠った。

<指摘5詳細>

貴社は、チューブ充填や封緘機などの非専用の製造装置の洗浄に関して使われる洗浄手順

をバリデートしていなかった。洗浄中の製造装置の製品の接触面の残留物の不十分な除去

は、非専用装置で次に製造される製品を汚染する可能性がある。貴社は、装置の洗浄活動

が行われた時に適切に記録することも怠った。

貴社は回答の中で、貴社の装置の洗浄手順をレビュして改訂し、装置の洗浄活動を記録した

装置のログブックの使用を取り入れると述べた。また、貴社は貴社の製造装置の洗浄バリデ

ーションを実施すると約束した。

貴社は、貴社の非専用装置の適切な洗浄を保証する手順をいかに改訂するかを述べなかった

ので、貴社の回答は不十分である。また貴社は、完了のタイムラインと一緒に洗浄バリデー

ションプログラムの詳細を提出しなかった。

この文書への回答の中で以下の情報を提出せよ。

2製品以上を製造するために使用される製造装置の洗浄手順、業務、バリデーションの

 適切性を評価するための包括的な計画

・貴社の洗浄手順が適切に評価されていることを保証するための貴社の洗浄バリデーション

 の戦略に関する科学的で論理的な根拠

・ワーストケースとして認識されてる状態をより組み込んだ、貴社の改訂された洗浄バリデ

 ーション手順のサマリ

 手順には、これに限定されないが、最高の毒性の医薬品、洗浄用の溶媒への溶解が最低

 の医薬品、洗浄を難しくする性質の医薬品、洗浄が最も難しい装置の場所の拭き取りを

 含めるべきである。

・新しい製品、工程、装置に関する洗浄手順の検証とバリデーションに関して適切なプロ

 グラムを保証するために改訂されたSOPのサマリ

・製造装置の微生物試験の頻度に関する科学的な論理的根拠

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々は、我々が貴社で確認した違反の性質に基づき、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをする

ために21 CFR 211.34に規定されている適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。

貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものでは

ない。貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を

保証する責任が残る。

 

●受託業者としての責任

医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者が、

製造設備、試験、包装、ラベル貼りのように、独立した受託業者を使用していることを知って

いる。

貴社と貴社の顧客XXは、医薬品の製造に関する品質協定を締結している。貴社はプロダクト

オーナーとの契約の有無に関わらず、貴社は受託製造所として、貴社が製造する医薬品の品質

に責任がある。貴社には、医薬品が安全性、同一性、濃度、品質、純度に関し、FD&C Act

501(a)(2)(B)に従って製造されていることを保証する必要がある。

FDAのガイダンス文書Contract Manufacturing Arrangementを見よ。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、

これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

FDA2019719日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。

貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品

製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/dermameal-co-ltd-582118-09122019

 

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WL:320-20-01

インドの製造所の査察(2019/4/152019/4/20)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP

違反に関する2019/10/3付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘

貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさない

ロットまたはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。

<指摘詳細>

貴社は、根本原因を特定するための調査を確実にすることを怠り、持続的な是正処置・予防

処置(CAPA)を実施することを怠った。

a. 貴社は、局所用クリームXXのざらつきについての多数の苦情を十分に調査することを

  怠った。

  201711月以来、貴社は20ロットを不合格し、製品に関し少なくとも38件の苦情を受け

  取った。製品のざらつきは、2010年以来、継続的な製剤の問題で、貴社の製造所の前回

  の査察で、不備が指摘されていた。貴社は当時、回答の中で、この処方の問題について、

  改善を提案した。一番最近の査察への貴社の回答では、201811月の製品の処方変更中

  に製品のざらつきの問題は改善されたと述べた。貴社は新しい処方の構造安定性を示す

  十分なデータを提供しなかったので、貴社の回答は不十分である。

  我々は20197月に、もともとの処方を使って製造された使用期限内の全てのロットを

  回収したことを知っている。しかし、処方変更と、マーケティング活動はタイムリーな

  方法で実施されていなかった。

 

b. 貴社は、貴社の製品の配送中に発生した複数の温度逸脱の適切な調査を怠った。貴社の

  温度逸脱の調査は、再発を防ぐためのタイムリーな活動を含んでいなかった。

  例えば、20185月、XX%米局方クリームXXのロットは、アメリカへの輸送中にXXから

  XXに至る温度の逸脱にさらされた。20187月には、XX%米局方XXのロットは、アメリカ

  への輸送中XXからXXにさらされた。製品XXは、XXの間で保管されなければならな

  い。これらのXXロットはアメリカ市場に出荷された。

  温度逸脱の不十分な調査は、継続的な問題であり、貴社の製造所の前回の査察で不備が

  挙げられていた。貴社はXX%米局方クリームXXにおける上昇した温度の影響を判断する

  ための検証を実施した。検証はXXでの製品の相分離を示した。

  貴社は回答の中で、長期の安定性試験と同様、追加の温度逸脱の検証を実施するつもり

  であると述べた。また貴社は、温度逸脱検証中に確認された全てのOOSについて調査し、

  FDAに通知するつもりであると述べた。

  貴社の回答は不十分である。貴社は、ラベルに表示された保管条件を超える温度にさら

  された出荷済ロットのリスクアセスメントを提出しなかった。また、貴社の回答は、

  温度逸脱から貴社の製品を守るための新しい出荷手順の実装に触れていたが、タイムリ

  ーな方法では実装されていない。

 

c. 貴社はXXのような重要な製品の属性に関する多数のOOSの試験結果を適切に調査してい

  ない。例えば20184XXのロットXXは、XXで不合格になった。更に、20192月、

  XX%米局方軟膏XXXXで不合格になった。これらのロットは最終的に不合格になった。

  しかし、これらの不具合に関する貴社の調査は根本原因を判断せず、効果的なCAPA

  保証しなかった。

  貴社は回答で、貴社の調査の品質を高めるためにコンサルタントを雇うことを計画して

  いると述べた。貴社は、製品品質への潜在的な影響を評価せず、可能性のある根本原因

  の確認を怠ったので、貴社の回答は不十分である。

 

d. 貴社は、これに限定されないが、XX%米局方軟膏XXXX%米局方クリームXXXX%米局方

  軟膏XXを含む様々な製品に関し、破裂、ひび割れ、XXの穴に関する70件以上の顧客の

  苦情を適切に調査することを怠った。貴社の調査は、影響範囲とこれらの重大な

  容器/密閉システムの欠陥の原因に対処し、苦情と類似の製品品質の問題を持つその他

  の製品や同じ供給者を使用している製品を評価することを怠った。

  貴社は回答の中で、苦情の根本原因は、顧客による、XXの不適切な折り畳みによる取扱い

  だと述べた。さらに貴社は、苦情率はささいなので出荷されたロットへのリスクはないと

  述べた。しかし、貴社は、同様の品質の不具合の再発を防止するためのCAPAを行わずに

  50件以上の苦情を終了させた。

 

貴社の調査に関する品質システムは不十分で、安全で効果のある安定した製品を保証して

いない。貴社は繰り返し、根本原因の判断とこれらの深刻な製品品質の不具合の再発を防止

するためのCAPAを怠った。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

・貴社の逸脱、食い違い、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関するシステムの包括的で独立

 したアセスメント

 このシステムを改善するための詳細なアクションを提供せよ。貴社のアクションプランには、

 これに限定されないが、調査能力、範囲の決定、根本原因の評価、CAPAの効果、品質部門の

 監督、文書化された手順の大幅な改善を含むべきである。調査の全ての段階が適切に実施

 されることをいかに保証するかについても取り組め。

・貴社のCAPAプログラムの独立したアセスメントと改善

 貴社が、いかに効果的に、根本原因の分析、CAPAの効果の保証、調査の傾向の定期的な

 レビュ、職員の能力の向上、必要な場合CAPAプログラムの改善の実施、品質部門の判断権の

 保証を実施するつもりかということと、それが経営陣により完全にサポートされていること

 を要約せよ。

XX%米局方クリームXXの新しい処方の構造安定性の詳細なレビュ

 レビュには、これに限定されないが、全ての製造及び品質のデータを含めよ。(例:苦情、

 OOS、逸脱、不合格、安定性、新しい処方が安定しているかどうかを評価するためのデータ)

・成分、容器、蓋の全ての供給者が適格性を評価され、原材料には適切な使用期限とリテスト

 日付が付与されるかどうかを判断するための貴社の原材料システムの包括的で独立したレビュ

 レビュでは、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために入荷した原材料の管理が適切か

 どうかも判断せよ。

・貴社の工程の管理状態を判断するための、全ての工程の独立したレビュ

 貴社の製造工程の設計、バリデーション、維持、管理、継続的な管理状態を保証するための、

 ロット間、ロット内のばらつきの慎重な監視を含むモニタリングに関する詳細なプログラム

 も提出せよ。また、貴社の装置と設備に関する適格性評価プログラムも含めよ。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、

これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品

製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。

出典: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/glenmark-pharmaceuticals-limited-582701-10032019

 

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WL:320-20-03 

インドの製造所の査察(2019/4/82019/4/16)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP

違反に関する2019/10/8付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は、貴社が製造した医薬品が、それが持つとされる同一性、濃度、品質、純度を持つ

ことを保証するために設計した製造と工程管理に関する文書化した手順を定めることを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は、代替の原薬の適格性を評価するために、3つの連続するロットが品質特性を満たすこと

を求める文書化され承認されたプロセスバリデーション(PV)の手順に従わなかった。貴社の手順

に従わずに、新しい代替原薬を使って、錠剤XX50mgと錠剤XX 100mgのいくつかのPVロットが製造

された。

特に、最初の3つのPVロットで溶解、分析、XXで不合格になった後、貴社は文書化された手順は

別として、4つ目のロットを追加した。多数のOOSの調査が開始され、品質部門は4つのPVロット

を不合格にした。

貴社は、代替原薬を商用に使用することを正当化するための新しい内部手順を作り、新しい代替

原薬を使用して貴社の工程が品質のよい原材料を製造することはできないと示すデータを持って

いるのにもかかわらず、オリジナルの手順を回避した。多数の錠剤XX50mgと錠剤XX 100mgの商用

ロットは、この新しい代替原薬を使って製造され、PVは不合格にもかかわらず、アメリカ市場に

出荷された。さらに、XXの多数のロットは、ニトロソアミンの不純物の許容できない量により

回収された。

貴社の回答は、貴社が文書化され承認されたバリデーション手順に従わなかったことを認めて

いた。また貴社は原薬の変更は、製造工程と最終製品の品質に影響を与えなかったと述べた。

貴社は、最初のPVロットの不具合に関する根本原因の提供を怠ったので、貴社の回答は不十分

である。また、貴社は、PVで不合格の代替原薬の承認を裏付けるプロセスバリデーションの手順

の正当化の理由を提出することを怠った。

プロセスバリデーションは、ライフサイクルを通じて、工程の設計と管理状態の安定性を評価

するものである。製造工程の重要なステップは、適切に設計され、入荷した原材料、中間材料、

最終製品の品質を保証しなければならない。工程の適格性評価の検証は、初期の管理状態が定着

したかを判断するものである。

正しい工程の適格性評価の検証が、医薬品の商用の販売の開始前に必要である。その後、製品の

ライフサイクルを通じて貴社が安定した製造作業を維持していることを保証するために、工程の

性能と製品品質の継続的で慎重な管理が必要である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

・製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するための、関連手順も含めた貴社のバリデー

 ションプログラムの詳細なサマリ

 工程の性能適格性評価と、管理状態の継続を保証するためのロット間及びロット内のばらつき

 の継続的なモニタリング関する貴社のプログラムを述べよ。

・貴社が販売している各製品に関する適切な工程の適格性評価(PPQ)を実施するためのタイムラ

 イン

・商業的に出荷された医薬品に関する貴社のプロセスバリデーションを裏付ける全てのデータの 

 レビュ

FDAがプロセスバリデーションの基礎と考える一般的な原則とアプローチに関するFDAのガイダン

ス文書Process Validation : General Principles and Practicesを見よ。

 

●指摘2

貴社は、ロットが既に出荷されたかに関わらず、説明のつかない食い違いや規格を満たさない

ロットまたはその成分の徹底的な調査を行うことを怠った。

<指摘2詳細>

貴社のOOSの試験結果の調査は不十分である。分析、XX, 溶解に関する多数のOOSの調査は、理由

となりそうな根本原因の特定もなしに、または、根本原因の科学的な正当性に欠けた状態で、

完了された。不適切なOOSの調査にもかかわらず、貴社は、最初のOOSの結果を無視し、リテスト

の結果をもとにロットをリリースした。

例えば、XXの分析値の高さにより、ロット番号BP02D026の錠剤XXXXに関するOOS

調査OOS/IN/F/FP/17/238201774日に開始された。その結果はXXXX%の規格に対してXX%

ものすごく強力だった。このOOSの結果は、根本原因の特定がない状態で、貴社のフェーズ1のラボ

の調査中に確認された。貴社のフェーズ2の調査中、製造及び試験室のエラーは最終的に確認され

なかった。可能性のある根本原因が見つからないまま、最初の高いOOSの結果は無効化され、XX

リテストされた保存サンプルの結果に基づきリリースされた。その結果、最終製品のロットは

アメリカ市場に出荷された。

他の医薬品でも、最初の不合格のOOSの結果の不適切な無効化に関する複数の例がみつかった。

20171月から20193月の間に、貴社が最初のOOSの試験結果が無効化する率は60%~70%と高か

った。

貴社の回答は、適切な調査もせずに無効化されたOOSの試験結果の率の高さを認識していることを

示していた。貴社は、20171月~20193月の間に、貴社はOOSの無効化を77%から41%に低下

させたと述べた。主な原因は、ヒューマンエラー、機器/カラムのエラー、方法のエラーとされた。

貴社は、根本原因を適切に特定しているか、OOSの結果を正しく報告しているか、適切な是正処置

・予防処置(CAPA)を実装しているかを判断するために、全ての医薬品の回顧的なレビュの結果

 を提出することを怠ったので、貴社の回答は不十分である。

 これはFDAの貴社の製造所における2017417日~28日の査察からの繰り返しの所見である。

 FDA2019311日~19日の貴社の別の製造所での不適切な調査に関する同様のCGMPの所見を

 挙げている。

 複数の製造所での繰り返される不具合は、貴社の経営陣の医薬品製造の監督と管理が不十分で

 あることを示している。

 貴社の経営陣には、全ての不備を完全に解決し、継続的なCGMP遵守を保証する責任がある。

 貴社は、システム、工程、製造された製品がFDAの要件に従っていることを保証するために、

 貴社の製造作業の全体をすぐに包括的に評価しなければならない。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

・全ての無効化されたOOS(工程内及びリリース/安定性試験を含む)の回顧的でサード・

 パーティによるレビュ

 この文書の日付時点で使用期限内にありアメリカ市場にある製品の結果

 以下のOOSを含む、分析で見つかったことをまとめたレポート、

 〇無効にされたOOSの結果に関する科学的な正当的理由とエビデンスは最終的なものか、

  それとも、結論に到達せずに試験室のエラーを原因として示したのかを判断せよ。

 〇結論に到達せずに試験室を根本原因とした調査に関し、論理的な根拠を提出し、改善

  のために、同じまたは類似の根本原因に対して脆弱な他の全ての試験方法が特定されて

  いることを保証せよ。

 〇回顧的なレビュにより発見され、試験室での根本原因が決定的でない、または、特定されて

  いない全てのOOSの結果について、製造の徹底的なレビュを含めよ。(例:バッチの製造記録、

  製造ステップの適格性、装置/設備の適合性、原材料のばらつき、工程の性能、逸脱の履歴、

  苦情の履歴、ロットの不合格の履歴)

  個々の調査に関し、製造の潜在的な根本原因と、製造作業の改善をまとめよ。

 〇OOSの結果の調査システムに関する包括的なレビュと改善プラン

  CAPAはこれに限定されないが、以下のことを含むべきである。

  ・試験室の調査の品質部門の監督

  ・試験室の管理の悪い傾向の識別

  ・試験室のばらつきの原因の解明

  ・試験室の原因が最終的であると特定できない場合はいつでも製造の潜在的な原因の徹底的

   な調査の開始

  ・各調査とそのCAPAの適切な範囲の決定

  ・これらとその他の改善と一緒となった、OOSの改訂された調査手順

不合格、OOSOOTまたはその他の予期しない結果や、調査の文書の取扱いに関するより多くの

情報については、

FDAのガイダンス文書Investigating Out-of-Specification(OOS) Test Resultsfor Pharmaceutical Production

を見よ。

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々は、貴社がコンサルタントを雇ったことを知っている。貴社の不十分な調査による貴社の

コンプライアンス状態の履歴により、我々は、貴社がCGMP要件を満たす手伝いをするために

21 CFR 211.34に規定

されている適格なコンサルタントを雇うことを勧める。貴社のコンサルタントの監査の後、

その報告のサマリを提出せよ。

貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。

貴社の経営陣には、全ての不備とシステムの欠陥を解決し、継続的なCGMP順守を保証する責任

が残る。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、

これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品

製造業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/torrent-pharmaceuticals-limited-585255-10082019

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

今回のウォーニングレターでも、逸脱の管理、安定性モニタリング、供給者の管理、外部委託

業者の管理に関する指摘がみられました。

逸脱の管理は、PIC/Sガイドラインでも、1章にて、根本原因の特定や是正処置・予防処置(CAPA

の実施を求めています。

また、安定性モニタリングは、PIC/Sガイドライン6章、供給者の管理は5章、外部委託業者は7

にうたわれていて、今年度内に発出が予定されている改正GMP省令にも盛り込まれる予定となって

います。

是非、参考にしてみていただければと思います。

 

それから、2つ目のウォーニングレターに、配送中に発生した温度の逸脱に関する指摘がみられ

ました。これまでウォーニングレターの中でGDPに関わる指摘を目にした記憶がなかったので、

興味深かったです。医薬品の品質という観点からすると、製造だけでなく配送も重要であること

をあらためて感じました。

 

☆次回は、12/15(日)に配信させていただきます。