ASTROM通信バックナンバー

2020.01.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<185号>

 

~安全な医薬品の安定供給をご支援する~

明けましておめでとうございます。

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、今回も、FDA(米国食品医薬品局)の製造品質局から出されたウォーニングレター(2)

ついて見ていきたいと思います。

最後までお読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名です。

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WL:320-20-02

中国の製造所の査察(2019/5/72019/5/10)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反に

関する2019/10/3付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は、少なくともロットの使用期限経過後1年、特に医薬品のロットにかかわる製造、管理、

販売の文書化された記録を保持することを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は、W製造所のXXビルで医薬品を製造して、H製造所に移動し、H製造所は閉鎖した。貴社は、

W製造所で製造されたOTC医薬品XXの製造記録、原材料及び最終製品の試験記録、保管サンプル、

安定性試験用サンプル、その他のCGMPの記録の保持を怠った。H製造所での査察中、貴社は2018

5月のW製造所からH製造所への移転中に、CGMPの製造に関わる文書と医薬品のサンプルをなくしたと

述べた。

貴社は回答の中で、影響を受ける製品の範囲を評価するための調査を開始したこと、市場から

サンプルを集めることを試み、あらゆる強制的で義務的な手段をとるつもりであること、第三者の

コンサルタントを使った品質システムの評価を実施するつもりであることを述べた。しかし、貴社

は、既に市場にある医薬品の失われた記録やサンプルの紛失の影響について適切に取り組むことを

怠っているので、貴社の回答は不十分である。代表的な製品サンプルだけでなく、全ての製造及び

試験の記録を保持することは、貴社の製品が、それらの品質特性の要件を満たしていることを立証

するために重要である。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

・文書化手順が不十分な箇所を判断するための、貴社の製造と試験の作業を通して使用される文書

 システムの完全で独立したアセスメント

 貴社が作業を通して、帰属性、判読性、完全性、原本性、正確性、同時性を持った記録を保持して

 いることを保証するために、アセスメントには貴社の文書化手順を包括的に改善する詳細な是正

 処置・予防処置(CAPA)の計画を含めよ。

・調査や使用期限の日付を裏付けるための製造の記録や、保存もしくは安定性のサンプルのない、

 現在市場にある製品の詳細なリスクアセスメント

 リスクアセスメントに応じて貴社がとる予定の、顧客への通知や回収の開始などのアクションに

 ついて、タイムラインをつけて詳細に述べよ。

 

●指摘2

貴社は医薬品の各ロットについて、リリース前に、各有効成分の同一性、濃度を含む最終規格への

一致についての試験室の判断を怠った。

<指摘2詳細>

貴社は、各有効成分の同一性と濃度を試験せずに、アメリカ市場にOTC医薬品を出荷した。例えば、

貴社は、貴社製品XXの中の有効成分XXの試験を怠った。試験は、貴社が製造した医薬品が、要求

される化学的な属性に関して制定した規格を満たすことを保守するために不可欠である。

我々は、貴社が有効成分XXの分析方法が制定され、バリデートされ、検証されるまで、医薬品XX

製造と販売を中止すると約束したと認識している。しかし貴社は、流通している貴社のOTC医薬品

が規格を満たす立証に関する詳細情報の提出を怠ったので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で、ロットの処遇の判断の前に製品の各ロットを分析するのに使用される

試験方法を含む化学及び微生物学的な規格のリストを提供せよ。そのリストは以下の内容を含むべき

である。

・この文書が発行された日付において、使用期限内にあるアメリカ市場に販売された医薬品の全ての

 ロットの品質を判断するための保管サンプルの化学及び微生物試験の完全な実施についての

 アクションプランとタイムライン

・各ロットの保管サンプルの試験から得られた全ての試験結果のサマリ

 もし、それらの試験で、医薬品が基準を満たしていないということが明らかになった場合、顧客

 への通知や製品の回収などの迅速な是正処置をとること。

 

●指摘3

貴社の品質管理部門は、製造された製品がCGMPに従い、同一性、濃度、品質、純度に関して制定され

た規格を満たすことを保証するための責任を果たすことを怠った。

<指摘3詳細>

査察中、我々査察官は、貴社の品質部門が貴社のOTC医薬品の製造に関する適切な管理を行っていな

いことを発見した。例えば、貴社の品質部門は、以下のことを保証するのを怠った:

・ロットの出荷前に、医薬品の完全な試験とその結果のレビュが実施されること

・同一性試験のために使用する契約試験機関が貴社の文書化された手順に従い適格性評価をされて

 いること

・共用のタンクXXの洗浄バリデーションが、貴社の洗浄バリデーション手順に従ったワーストケース

 におけるサンプリング位置の正当性を含むこと

XXシステムのサンプリングと試験に関する文書化された手順が守られていること

GC(ガスクロマトグラフィ)、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)、IR(赤外線分光装置)TOC

 (全有機体炭素計)のシステムから生成される電子データのレビュの手順が文書化され、手順に

 従っていること

・製品を製造するために使用される全ての成分の入荷を追跡するために、ログを含む管理記録が

 保持されていること

・全ての規格外の結果が適切に調査され、各調査は、影響を受ける全てのロットに広げられている

 こと

貴社は回答の中で、キャッシュフローの問題により、“全ての製品が出荷される前に、完全に試験

され、予め定めた全ての規格に従うことを保証することはできない”と認めた。また、貴社は、

上で挙げられた品質部門の不履行の例に対処するための多数のCAPAを提出した。

貴社は、裏付け書類を提出することを怠ったので、貴社の回答は不十分で、完全に評価できない。

貴社は、欠陥を特定するために品質部門の包括的なレビュを実施することも怠った。貴社は、貴社

の医薬品製造工程の適切な管理を保証するような手順を実施してきたことを示すエビデンスを提出

しなかった。さらに貴社は、適切な品質の管理がなく製造された医薬品の品質問題に取り組む計画

を含めることを怠った。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

〇貴社の品質部門が効果的に機能するために権限とリソースを与えられていることを保証するため

 の包括的なアセスメントと改善計画

 アセスメントには、これに限定されないが以下のことを含めよ。

 ・貴社により使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断

 ・適切な手順の順守を評価するための、品質部門による貴社の作業全体の監督のための規定

 ・品質部門の出荷判定前の各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ

 ・品質部門による全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための調査の監督と承認と、

  その他の任務からの解放

 ・これに限定されないが、経営陣が、新たに発生した製造/品質の問題に積極的に取り組むため

  の継続的な管理状態を保証するために、タイムリーなリソースの提供を含む、品質保証と確実

  な作業をいかにサポートするかについて述べよ。

〇逸脱、矛盾、苦情、OOSの結果、不具合の調査に関する貴社の全体的なシステムの包括的で独立

 したアセスメント

 このシステムを改善するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプランに

 は、これに限定されないが、調査能力の大幅な向上、範囲の決定、根本原因の評価、CAPAの効果、

 品質保証の監督、文書化された手順を含めよ。調査の全てのフェーズが適切に実施されている

 ことを貴社がいかに保証するつもりかを述べよ。

CGMPである21 CFR part 210, 211の要件を満たすために、品質システムとリスクマネジメントアプ

ローチの実装の助けとして、FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。

 

●指摘4

貴社は、各苦情の文書化された記録を保持することを怠った。

<指摘4詳細>

貴社は、貴社の苦情調査の完全で正確な記録を保持することを怠った。貴社は、W製造所で製造され

たロットの不十分なXXに関する苦情に応えて、調査B-18002B19001を開始した。これらの調査に

おいて、貴社は、保管サンプルを評価し、不具合はみつからなかったと述べた。しかし、貴社は、

W製造所で製造されたロットに関し、全ての保管サンプルは紛失したと述べていて、保管サンプルは

評価のために利用できなかった。

貴社は回答の中で、H製造所で製造された保管サンプルで試験が実施されたと述べた。苦情のあった

ものと異なるロットの試験は、苦情のあったロットの潜在的な品質の不具合を特定するために必要な

ロット固有の情報を提供しないので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

・調査B-18002B19001で特定されたロットの状態

W製造所で製造されたロットに関する苦情を評価するための計画

・苦情が適切に調査できなかった場合に貴社がとる予定の手順

 顧客への通知や回収の開始を含む、貴社がとるつもりの是正処置を示せ。

 

●データ・インテグリティの改善

貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・

完全性を適切に保証していない。データ・インテグリティの手順に従ったCGMPを制定して遵守

するためのガイダンスとして、FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。

我々は、貴社が貴社の改善を助ける適格なコンサルタントを雇うことを強く勧める。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

・アメリカに販売された医薬品に関するデータレビュの結果を含む、データレコード及び報告の

 不正確の範囲の包括的な調査

 貴社のデータ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因の詳細な記述を含めよ。

・貴社の医薬品の品質に発見された不具合の潜在的な影響に関する現在のリスクアセスメント

 貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷により

 患者にもたらされるリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含める

 べきである。

・グローバルな是正処置・予防処置の計画の詳細を含む、貴社のマネジメント戦略

 是正処置の計画の詳細では、微生物及び分析のデータ、製造記録、FDAに提出されたデータを

 含む貴社により生成される全てのデータの信頼性と網羅性を貴社がいかに保証するつもりかを

 述べるべきである。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、

これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

FDA2019822日、貴社に輸入警告措置66-40をとった。

貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造

業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/bingbing-pharmaceutical-co-ltd-584327-10032019

 

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WL:320-20-05

インドの製造所の査察(2019/4/222019/5/3)でみつかった医薬品製造における重大なCGMP違反

に関する2019/10/29付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●指摘1

貴社は、公的又はその他の制定した要件を超えて製品の安全性、同一性、濃度、品質、純度を

変えうる誤動作や汚染を防ぐために、装置や器具を洗浄・維持し、医薬品の性質に応じて、適切

な間隔で消毒・殺菌することを怠った。

<指摘1詳細>

XXを含む非専用装置に関する貴社の洗浄手順は不十分である。我々査察官は、洗浄済と表示され、

他の製品のものと思われる残留物を含んだ、強力及び非強力な化合物の製造に使用される多数の

XXを発見した。

残留物は、製品切り替えの洗浄後にXXの裏面で発見された。貴社の装置のXXシステムは、製品が

加工される装置の内側に触れる。

重大な装置の不具合と洗浄の不備は、貴社の製品間の交叉汚染につながった。例えば、貴社はXX

後ろの部分の検査または洗浄に関する規定が不足していた。

我々の査察の後、貴社は、さらなる非専用装置で残留物を発見し、拭き取ったサンプルと製品が

接触する表面から収集された目に見える残留物XXから、それらが多数の有効成分であることを確認

した。

例えば:

・装置ID#XXXX有効成分XXが、拭き取ったサンプルと装置内で加工される製品XXから得られた

 残留物XXの中から発見された (同様の例が4件あり)

我々の査察の後、貴社もまた、交差汚染の可能性を評価するために、選んだロットの保管サンプル

を試験した。これだけでないが試験された多数のサンプル内に、製造された有効成分の存在を確認

した:

・錠剤XX内の有効成分XXの残留物 (同様の例が9件あり)

これらの発見の結果、貴社はXXで製造された多数のロットの回収を開始した。

貴社は回答の中で、洗浄手順の改訂、XXを防ぐための装置の機械的な変更、全ての加工装置の洗浄

バリデーション、先に製造された製品の潜在的なキャリーオーバーを数値化するためにXXを使用し

て製造されたロットの保管サンプルを分析するための更なる試験を含む、非専用装置の是正処置・

予防処置(CAPA)を約束した。

貴社のレビュは、貴社で確認された交叉汚染は患者へのリスクには当たらないと結論づけた。

貴社の回答は不十分である。

貴社は、XXに入り次の医薬品を汚染した潜在的な残留物は、XXの中でほとんど均一な分布となり、

XX工程は、キャリーオーバーの残留物の局在を最小化すると回答した。交差汚染が均一に分布

するとみなすことはできないので、貴社の論理的根拠は、科学的に妥当でない。

さらに、貴社は、XX内の残留物の蓄積の原因になったかもしれない装置の故障状態について述べ

た。しかしし、貴社は、多数の製品に関係する交叉汚染がいつ始まり、なぜ検知されなかったかの

説明を怠った。貴社は回答で、製品内の交叉汚染に関する試験は、全てのキャリーオーバーが検知

されるという保証を提供すると述べた。しかし、保管サンプルの試験のみでは、関連するリスクを

軽減するには不十分である。発見された交叉汚染の範囲は、製品が同一性、品質、純度、安全性に

関する適切な規格を満たすという保証に欠けていることを示している。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

〇施設及び装置に関する定められた通りの慎重な作業の監督を実現するための貴社のCAPAの計画

 この計画は、装置、施設の性能の問題の迅速な検知、交換の効果的な実施、適切な予防保全スケ

 ジュールの順守、装置/設備のインフラのタイムリーな技術的アップグレード、継続的なマネジ

 メントレビュのための改善されたシステムを含むべきである。

〇交叉汚染の危険の範囲を評価するための貴社の洗浄の効果及び他のロットにも影響があるかを

 判断するために開始した回収に関する包括的で独立した回顧的アセスメント

 アセスメントには、これに限定されないが、以下のことを含めよ。

 ・2つ以上の製品を製造するために使用される製造装置の各部品の洗浄手順と活動の不備の特定

 ・残留物の特定に関する貴社の調査の改善、不適切に洗浄されている他の製造装置、さらに交叉

  汚染された製品が販売のために出荷されているかどうかのアセスメント

〇回顧的なアセスメントに基づく、貴社の洗浄手順と活動の適切な改善及び遂行に関するタイム

 ラインを含むCAPAの計画

 装置の洗浄のライフサイクルの管理に関する手順の脆弱性の詳細なサマリを提出せよ。

 洗浄効果の向上、全ての製品と装置に関する洗浄に関する改善された継続的な検証、その他全て

 の必要とされる改善を含む、貴社の洗浄プログラムの改善について述べよ。

〇貴社の医薬品製造作業においてワーストケースとして特定された状態に特別な重点を置いた、

 洗浄バリデーションプログラムの適切な改善

 改善には、これに限定されないが、全てのワーストケースの特定と評価を含めるべきである:

 *高い毒性を持つ医薬品

 *高い有効性を持つ医薬品

 *洗浄溶液の中でより低い溶解度の医薬品

 *洗浄を難しくする特性をもった医薬品

 *洗浄を最も難しくする部分に関する拭き取り場所

 *洗浄前の最大保留時間

 さらに、新しい製造装置または新しい製品の導入前の変更管理システムでとられるはずの

 ステップについて述べよ。

〇製品、工程、装置の洗浄手順の確認とバリデーションに関し、適切なプログラムが実施される

 ことを保証する改訂されたSOPのサマリ

 完了した時点の洗浄バリデーションレポートのコピーを含めよ。

 

●指摘2

貴社は、ロットが既に出荷されたかどうかに関わらず、説明のつかない矛盾や、ロットやその

成分の規格に対する不具合を徹底的に調査することを怠った。

<指摘2詳細>

XX周期の定期的な適格性評価中の不具合に関する貴社の調査は不適切である。例えば、XXml

バイアルへのXXmlXXの注入に使用されるXXの定期的な適格性評価における不具合に関する

調査DC/2018/381は、201869日に開始された。必要とされるF0が得られず、少なくともXX

著しいXXのばらつきがあった。貴社は、根本原因は不適切なXXであると結論づけた。影響のアセス

メントの一部として、貴社は、同じXXを利用する他の製品の適格性のレポートを評価し、他の製品

XXに影響はないと結論づけた。そのため、貴社は他の製品にCAPAを広げなかった。

しかし、20193月に、XXmlのバイアルへのXXmlXXXXの注入に使用される、同じXXの定期的な

適格性評価における別の不具合により、調査DC/2019/190DC/190/195を開始した。再び、いくつ

かのセンサは必要とされるF0を得られず、あるものは、XXの温度に達しなかった。さらに、培養の

終わりに、XX内の複数箇所の微生物の測定器は、微生物の増殖を示した。これは、XXの保証の欠陥

により、注射剤XX(XXmg/ml) のロットXXの回収となった。

この事例において、貴社はまた、根本原因は不適切なXXであると結論づけた。このXXを使用して

いる他の製品XXについての貴社のアセスメントが徹底的で、適切なCAPAが特定され実施されたと

いう保証はなかった。さらに、貴社の調査は、なぜ、もともとバリデートされたサイクルのパラ

メータが合わず、工程が管理状態からはずれたかについて十分取り組んでいなかった。

貴社は、2017年以来使用されているXXサイクルを管理するビルトインのXXの目盛りに偏りがあった

ということを回答に加えた。しかし、貴社が回答で認めた通り、見つかったばらつきは貴社が定め

た許容範囲内にあり、貴社の回答はXXの目盛りの基準の適性のアセスメントが欠けていた。また、

XXの目盛りは、貴社のもともとの調査の一部として確認されていた。

貴社の調査報告によれば過去2年で、このXXの定期的な適格性評価中にいくつかの逸脱があった。

再発する不具合は、貴社が根本原因を適切に特定せず、XXの保証が欠けていたことを示している。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

〇アメリカ市場に出荷され使用期限内にあるXXの全てのバッチの包括的で回顧的で独立したレビュ

 このレビュには、これに限定されないが以下のことを含めるべきである:

 ・XXまたはそれ以上のレベルのXXの保証を確実にするための、時間とXXの設定を含む貴社のXX

  パラメータのレビュ

 ・F値とZ値のデータと関連する前提のレビュ;XXD値の判断と、各微生物測定ロットに関する

  母集団の計数;貴社の製品に使用されるXXサイクルが完全で適切だったかを判断するための

  商用ロットのデータ

〇逸脱、不具合を調査するための貴社のシステムの包括的で独立したアセスメント

 貴社のCAPAの計画は、これに限定されないが、調査、根本原因の分析、文書化された手順、職員

 の教育(例:可能性のある根本原因の評価)、品質部門の監督に関する改善を含めるべきである。

 また、CAPA計画の効果を評価するための貴社の手順を含めよ。

 

●指摘3

貴社は、無菌をうたう製品の微生物の汚染を防ぐために設計され、無菌及び滅菌工程のバリデー

ションを含む全ての文書化された手順に従うことを怠った。

<指摘3詳細>

〇不十分な無菌作業

作業者は、無菌のセットアップ及び充填作業中に、不十分な無菌作業を見せた。例えば、

・作業者は滅菌された留め具の開いたバッグに身を乗り出した。これらのバッグは、その後に、

 シュートに入れられる。また、作業者の手は、無菌のシュートの上や、シュートに既に加えられ

 た無菌の留め具の上を通った。とりわけ、貴社の手順は、製品や滅菌された容器や蓋の上に身を

 乗り出すことを特に禁止している。

・作業者は、無菌の鉗子を取り上げたり、落ちたバイアルを取り除いたりするために、アクセス

 制限バリアシステム(RABSXXを使用した。作業者の介入中、バイアルをクリアせずに、開いた

 バイアルの上にXXを広げている。貴社の手順によれば、RABSXXのみ滅菌されている。

〇不適切なクリーンルームの設計と煙の検証の不備

 貴社のストッパシュートは、充填作業中に充填ラインのXに傾き、それにより乱流を作る。

 この不適切な設計に加え、XXエリアで実施された煙の検証は、無菌製造作業中に発生する複数の

 重要な介入のシミュレーションが不足していた。

 徹底的な煙の検証は、一方向流の介入の影響を評価し、必要な場所の設計変更を確実に行うため

 に不可欠である。

XXエリアは、無菌製品がむき出しにされるために汚染に脆弱で重要である。貴社の無菌充填工程は、

貴社の無菌製品への汚染の危険を防ぐために設計され、作業が実行されるべきである。充填ライン

の不備のある設計と無菌作業の実施は、充填エリアへの汚染の流入を促進していた。

貴社は、不十分な状態で製造された全てのロットの徹底的な評価結果を提出していないので、貴社

の回答は、不十分である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ。

〇これに限定されないが、以下の独立したアセスメントを含む貴社の無菌工程、装置、設備に関す

 る全ての汚染の危険のリスクアセスメント

 ・XXエリア内の全ての人の介入

 ・装置の配置と人間工学

 ・XXエリアとその周辺の空気の品質

 ・設備のレイアウト

 ・職員の移動と原材料の移動(無菌作業を実施し支えるために使用される全ての部屋全体)

〇アメリカ市場にある使用期限内の全てのロットに関する、貴社のリスクアセスメントから得られ

 た危険に関する知識を組み込んだ包括的で独立した回顧的レビュ

 回顧的レビュにより始めようとしている追加のアクションを含めよ。

 

●指摘4

貴社は無菌工程エリア内の環境の状態をモニタリングするための適切なシステムを制定することを

怠った。

<指摘4詳細>

貴社の環境と職員のモニタリングプログラムは不十分である。例えば、貴社の手順は、職員の無菌

への介入を許していた。査察中、貴社の役員は、貴社は、XXを介入と考えず、作業者は、ISO 7

制限のみを守っていると述べた。

貴社の作業のXXステップは無菌への介入で、それは手動に集中している。我々の査察で、この介入

の作業中に重大な無菌手法が破られていることに気付いた。

貴社の回答は不十分である。我々は、貴社が、エリアの分類や作業の重要性に基づいて、実行可能

なモニタリングの限界の妥当性を評価するための、手順ベースのアセスメントを実施すると約束

したと認識している。しかし、貴社の回答は、ISO 7の制限を守ってXXエリア内で実施された作業の

実例や、XXの制限を超えたかどうかを特定するための職員のモニタリングデータの回顧的なレビュ

を含めなかった。XXエリア内で実施された職員の活動からとられたXXのサンプル上でみつかった

増殖は、少なくとも傾向分析とアセスメントにつながり、更なるアクションと調査を引き起こす

べきであった。

この文書への回答の中で、アメリカ市場にある使用有効期限内の製品に関する以下の情報を提供

せよ。

・これに限定されないが、有害な傾向または緊急の調査結果、販売された製品への潜在的な影響

 の確認を含む、20174月以降の職員及び環境のモニタリングデータのリスクアセスメント

 クリーンルームの設備の一連の監視における環境管理の喪失を示す有害な傾向だけでなく、

 無菌処理室から得られるデータに重点を置くこと。

・実施されたCAPAの最新の詳細な情報と、アメリカ市場へ提供する注射剤の製造ラインを永久に

 閉じるという貴社の判断を考慮した現在の状況

・この製造所から販売する他の全ての製品に関する継続した説明義務と責任を貴社がいかに保証

 するかを述べよ(例:苦情評価、安定性試験、保管サンプルの取扱い、市販後の報告活動、

 OOSの調査と文書の保管)。全ての販売された製品に関し発生するであろうこれらの義務と手順

 を誰が実施するかを述べよ。

 

●アメリカ市場向けの無菌医薬品の製造中止

2019102日の連絡で、貴社はFDAにアメリカ向け注射剤の製造を永久に停止するつもりである

と知らせた。貴社がこの製造所で注射剤の製造を再開すると決めた場合、査察であげられたCGMP

違反に関する全ての改善に留意することが重要であり、または、注射剤の製造を継承する会社は、

今後製造所の作業の責任を負うことになる。この文書への回答の中で、別の製造所への貴社の

注射剤の譲渡に関する貴社のアクションプランを含めよ。今後、貴社が貴社の決定を再考し、

アメリカ向けの注射剤の製造を再開すると決めた場合は、文書で通知せよ。

 

●無菌工程の追加のガイダンス

無菌工程で無菌医薬品を製造する場合、CGMP要件を満たす手伝いとしてFDAのガイダンス文書

Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing Current Good Manufacturing

 Practiceを見よ。

 

●製造所の繰り返しの違反

以前発行したウォーニングレター(WL320-11-015WL320-16-05)で、FDAは同様CGMP違反を指摘

した。貴社は、回答の中で、これらの違反に関する明確な改善を提案した。繰り返しの不備は、

医薬品の製造における経営陣の監督と管理が不十分であることを示している。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストではない。貴社には、

これらの違反を調査し、原因を判断し、再発を防止し、その他の違反を防止する責任がある。

貴社が全ての違反を完全に解決し、我々がCGMPの遵守を確認するまで、FDAは、貴社の医薬品製造

業者としてのいかなる新しい申請やリストの補完の承認を保留する。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/cadila-healthcare-limited-584856-10292019

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

製造所が移転した際に記録や保管サンプルを紛失したという指摘はさておき、

・リリース前に有効成分の試験を行っていない

・品管が品質を保証する責任を果たしていない

・苦情の記録を保持していない

・装置や設備の洗浄が不十分である

・不具合の調査を十分に行っていない

・無菌工程の管理が不十分である

・環境モニタリングが不十分である

といった内容は、自社の状況をチェックするうえで参考になる指摘だと思います。

 

特に、装置や設備の洗浄が不十分であるという指摘は、非専用設備の交叉汚染に関わるもので、

前回のアメリカ企業向けのウォーニングレターでもあがっていた指摘です。

是非参考にして頂ければと思います。

 

今年はGMP省令や薬機法の改正等、慌ただしい年になりそうですが、本年もどうぞよろしくお願い

いたします。

 

☆次回は、1/15(水)に配信させていただきます。

 

 

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