ASTROM通信バックナンバー

2022.02.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<235号>

こんにちは。

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

オミクロンの感染拡大が止まりませんが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 

今回は、FDAがアメリカ国内の製薬会社向けに出したウォーニングレター2件を取り上げ、

FDAがどのような点を指摘したかを確認していきたいと思います。

是非、お読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

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WL#615319

202153日~519日にミズーリ州の契約試験研究所を査察してみつかつた医薬品と原薬製造の

重大なCGMP違反について発した2021930日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげ

られています。

 

■最終製品の違反

●指摘1

貴社は、そのロットが既に出荷されたかどうかに関わらず、ロットや成分の規格との説明のつか

ない不一致や規格外(OOS)の結果を徹底的に調査することを怠った。

<指摘1詳細>

貴社は説明のつかない不一致や規格外(OOS)の結果を徹底的に調査することを怠った。更に、

調査は、適切な科学的に正当な理由もなく打ち切られた。例えば、

・製品XXのロットXXXXに分析試験で不合格になった。もともとの製剤のサンプルの再試験も

 不合格の結果になった。貴社の研究所の調査は、不合格の根本原因を特定しなかった。貴社は、

 科学的に正当な根本原因もなしに、もともとのOOSの結果を無効化するために、再サンプル・

 再試験を信頼した。

・貴社は、XXの記録の改竄を検知し、徹底的に調査することを怠った。実際のサイクルがXX

 場合、XXの期間中、XXがログブックに故意に記録された。

貴社は回答の中で、最新のOOSの調査報告を提出し、OOSの不具合は、最初の調査の結果に矛盾

する、不適切なサンプルといった、よく知られた試験のエラーによるものだったと述べた。

貴社の回答は不適切である。貴社には、OOSの結果の根本原因として試験のエラーという修正

された貴社の結論を裏付ける証拠が不足していた。

さらに貴社は、その期間中に生成されたXXの記録をレビュするための調査を最近開始したと

述べた。

貴社の回答は不適切である。貴社の調査は、加圧滅菌器の記録の改竄や、試験中に発生した

データ・インテグリティの他の違反の範囲の包括的なアセスメントが不足していた。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・現在アメリカ市場にあり、この文書の日付時点で使用期限内の製品に関する全ての無効に

 された (工程内及びリリース/安定性試験を含む) OOSの結果の回顧的な独立したレビュと、

 各OOSに関する以下のことを含む分析で発見した内容をまとめたレポート:

 〇無効化されたOOSの結果に関する科学的な正当化の理由やエビデンスが、決定的に、または、

  決定的ではなくても、原因となる試験のエラーを示しているかどうかを判断せよ。

 〇試験の根本原因を決定的に立証した調査について、論理的根拠を提出せよ。また、同じ

  または類似の根本原因に対して脆弱な他の試験方法が改善のために特定されていることを

  保証せよ。

 〇回顧的なレビュにより試験で決定的でない根本原因が特定されたかまたは根本原因が特定

  されていない全てのOOSの結果について顧客への通知の送付を盛り込め。

・現在アメリカ市場にあり、この文書の日付時点で使用期限内にある製品について、全てのXX

 記録と微生物試験の記録の回顧的で独立したレビュ、

 調査結果と適切な改善計画をまとめた報告を提出せよ。

 

●指摘2

貴社は、権限を与えられた職員のみが製造指図書原本またはその他の記録の変更を行うことを

保証するために、コンピュータまたは関連するシステムの適切な管理を実施することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社はXXのシステムに関する適切なセキュリティとアクセス管理をしなかった。例えば、XX

ソフトウエアと、ウインドウズのオペレーティングシステムのために、固有のユーザアカウント

と権限レベルが個々のユーザに割り当てられていなかった。分析者たちは、データを削除し

上書きする権限を持っていた。

我々査察官は、ゴミ箱内に36の削除されたファイルまたはフォルダを発見した。

さらに、貴社の分析者たちは、さまざまな医薬品の分析、不純物、含量均一性、溶解試験の計算

のために、個人的なバリデートされていなXXのスプレッドシートを使用した。

貴社は回答の中で、XXシステムをアップブレードすることを計画していると述べた。しかし、

貴社は、データやファイルの削除や変更の発生や再発を防ぐための暫定的な管理に関するCAPA

計画を提出しなかった。また、貴社は、“デスクトップ上の削除されたファイルは、オリジナル

のデータファイルを編集用にコピーしたものであった。オリジナルのデータファイルはまだ

データベースにあった。”と述べた。

貴社の回答は不適切である。貴社は、影響の可能性を評価するための回顧的なレビュを実施せず、

データ・インテグリティを保証しなかった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の試験の実務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したアセスメント

 このレビュに基づき、貴社の試験システムを改善し、その効果を評価するための詳細な計画を

 提出せよ。

・全ての該当する電子の試験データシステムの、データやファイルの削除や変更の発生や再発を

 防ぐための暫定的な管理を述べた、タイムライン付きの貴社のアクションプラン

 

■原薬の逸脱

●指摘3

逸脱の文書化と説明及び全ての重大な逸脱に関する調査の不履行

<指摘3詳細>

貴社は、XXに関し、未確認の試験のエラーのせいにした最初のOOSXXの結果を得た。貴社はXX

新しいサンプルで分析をくりかえし、4つのサンプルで再びOOSの結果を得た。その後、XX人の

分析者により、新しいサンプルで、貴社の顧客のプロトコルに従って分析を繰り返し、規格値内

の結果を得た。貴社は、科学的に正当な根本原因もなしに、もともとのOOSの結果を無効化する

ために、再サンプル・再試験を信頼した。

貴社は回答の中で、改訂されたOOSの調査報告を提出し、OOSの不具合は、最初の調査の結果に

矛盾する、不適切なサンプルのようなよく知られた試験のエラーによるものだったと述べた。

貴社の回答は不適切である。貴社には、OOSの結果の根本原因として試験のエラーという修正

された貴社の結論を裏付ける証拠が不足していた。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・現在アメリカ市場にあり、この文書の日付時点で使用期限内の製品に関する全ての無効に

 された(工程内及びリリース/安定性試験を含む) OOSの結果の回顧的な独立したレビュと、

 各OOSに関する以下のことを含む分析で発見した内容をまとめたレポート:

 〇無効化されたOOSの結果に関する科学的な正当化の理由やエビデンスが、決定的に、

  または、決定的ではなくても、原因となる試験のエラーを示しているかどうかを判断せよ。

〇試験の根本原因を決定的に立証した調査について、論理的根拠を提出せよ。また、同じまたは

 類似の根本原因に対して脆弱な他の試験方法が改善のために特定されていることを保証せよ。

〇回顧的なレビュにより試験で決定的でない根本原因が特定されたかまたは根本原因が特定

 されていない全てのOOSの結果について顧客への通知の送付を盛り込め。

 

OOSの試験結果

試験の不合格、OOS、傾向外、その他の予期しない結果の取り扱い及び調査の文書化に関する

更なる情報について、

FDAのガイダンス文書Investigating Out-of-Specification (OOS) Test Results for Pharmaceutical Productionを見よ。

 

■データ・インテグリティの改善

貴社の品質システムは、貴社がテストした薬の安全性、効果、品質を裏付けるデータの正確性・

完全性を適切に保証していない。CGMPに従ったデータ・インテグリティの手順を制定して遵守

するためのガイダンスとして、

FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。

我々は、貴社が貴社の作業を監査し、FDAの要求を満たすことを助けるコンサルタントを雇って

いることを認識している。この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

A.データの記録と報告の不正確性の範囲の包括的な調査

  貴社の調査は以下のことを含むべきである:

・調査手順と方法論の詳細;アセスメントの対象となる全てのシステムの概要;貴社が除外を

 提案している作業の正当性を示す理由

・データの不完全性の性質・範囲・根本原因を特定するための現在及びかつての従業員の面接

 我々は、これらの面接が適格な第三者により実施されることを推奨する。

・貴社の施設におけるデータ・インテグリティの欠陥の範囲のアセスメント

 記録の省略、変更、削除、記録の破棄、非同時の記録の完成、その他の欠陥の特定をせよ。

 貴社が発見したデータ・インテグリティの欠落箇所について、貴社の施設の全ての操作を

 述べよ。

・試験データのインテグリティの欠陥の性質についての包括的な回顧的評価

 我々は、違反の可能性のある分野の特別な専門知識を持った適格な第三者が、すべての

 データ・インテグリティの欠陥について評価することを推奨する。

B.発見された不具合の貴社が試験した医薬品の品質への影響の可能性に関する現在のリスク

  アセスメント

  アセスメントにはデータ・インテグリティの欠落の影響を受けた薬の出荷により引き起こ

  された患者のリスクと、継続的な作業によるリスクの分析を含めるべきである。

C.全体的な是正処置及び予防処置の計画の詳細を含む貴社の管理の戦略

  貴社の戦略には下記のことを含めよ:

・分析データ、FDAに提出した全てのデータを含む貴社が生成した全てのデータの信頼性と

 網羅性を保証するために貴社がどのようにするつもりかを述べた詳細な是正処置計画

・現在のアクションプランの範囲と深さが、調査とリスクアセスメントで見つかったことに

 釣り合うことを示すエビデンスを含んだ、データ・インテグリティの欠落の根本原因の

 包括的な記述

 データ・インテグリティの欠落に責任のある個人が、貴社のCGMP関連または薬の申請データ

 に依然として影響を与えるかどうかを示すこと。

・顧客への通知、製品の回収、追加試験の実施、安定性を保証するための安定性プログラム

 へのロットの追加、医薬品の申請アクション、改善された苦情のモニタリングのような、

 患者を保護し、貴社が試験した薬の品質を保証するためにとられた処置、または、これから

 取ろうとしている処置を述べた暫定的な手段

・貴社のデータの完全性を保証するための、全ての改善の努力と、手順、工程、方法、管理、

 システム、経営者の管理、人的資源(例:訓練、職員の改善)の強化を述べた長期的手段

・上記活動が既に進行中または完了といったステイタスの報告

 

■品質部門の権限

この文書内の重大な調査結果は、貴社の品質部門がその権限・責任を完全に果たしていないこと

を示している。貴社は、その責任を果たし、医薬品の品質を一貫して保証するための、適切な

権限と十分なリソースを品質部門に提供しなければならない。

 

■契約試験研究所の責任

FDAは、受託業者を製造業者自身の製造所の延長とみなす。貴社のCGMPの不順守は、貴社の顧客

のために貴社が試験した医薬品の品質、安全性、効果に影響を与える可能性がある。CGMPを完全

に順守して作業をする責任を理解し、これらの医薬品の試験中に遭遇したOOSの結果や重大な

問題を全ての顧客に通知することが重要である。更なる情報については、

FDAのガイダンス:Contract Manufacturing Arrangements for Drugs : Quality Agreements

を参照せよ。

 

●結論

この文書で挙げた違反や逸脱は、貴社の施設に存在する違反や逸脱の包括的なリストでもない。

貴社には、違反や逸脱を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反や逸脱の発生を防止する

責任がある。

全ての違反や逸脱を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限の

ない差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつながる

かもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反や逸脱への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。

全ての違反や逸脱に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の

医薬品製造業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が

全ての違反や逸脱に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/missouri-analytical-laboratories-inc-615319-09302021

 

 

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CMS#616232

2021525日~63日のカリフォルニア州の製造所の査察でみつかった医薬品製造の重大な

CGMP違反について発した20211129日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげ

られています。

 

●指摘1

貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従っていることと、同一性、濃度、品質、

純度に関して制定された規格を満たすことを保証する責任を果たさなかった。

<指摘1詳細>

*不適切な調査/工程管理の不足

貴社は塩化ベンザルコニウムを含む手の除菌用ローションを含むOTC医薬品の製造を受託して

いる。手の除菌用ローションの複数のロットは、

数えきれない微生物の結果(Too Numerous to Count: TNTC)により、

総プレート数(Total Plate Count : TPC)の試験で不合格になった。貴社の品質部門(QU)は、

手の除菌用ローション内の微生物汚染を適切に調査して根本原因を特定することを怠った徹底的

な調査の実施と是正処置・予防処置を実施するかわりに、貴社のQUは:

・最初に微生物のTPC試験で不合格になったロットに抗菌性保存剤を加えることを承認し、貴社

 の顧客による販売のためにリリースした。

・合格の結果が出るように、まだ微生物のTPC試験を実施していないロットに抗菌性保存剤を

 加えることを承認し、貴社の顧客による販売のためにリリースした。

さらに、手の除菌用ローション(保存剤を加えていない既にリリースした製品)のロットの安定性

サンプルは、TNTCの結果により、微生物のTPCに関して3ヶ月の安定性試験で不合格になった。

貴社は、顧客に通知し、自発的な製品の回収を勧めたと述べた。貴社の顧客は、それを断り、

ロットは売られ消費されたと貴社に知らせた。更なるアクションはとられなかった。

貴社は回答の中で、貴社のコンサルタントとマネジメントレビュを実施し、貴社の手順は十分に

安定しておらず、詳細でないという判断をしたと述べた。貴社は、微生物の不具合の詳細な調査

結果を提出しなかったので、貴社の回答は一部が不適切である。また貴社は、コンサルタントの

レビュや是正処置の詳細を提出しなかった。さらに、貴社のQUは、根本原因の判断と適切は是正

処置の戦略を含む、今後の調査を徹底的にすることを保証するための職務と監督を実施しな

かった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の逸脱、不一致、苦情、規格外の結果、不具合の調査をするための全てのシステムの

 包括的で独立したアセスメント

 このシステムの改善のための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクションプラン

 は、これに限定されないが、調査能力、範囲の決定、根本原因の評価、是正処置・予防処置

 の効果、QUの監督、文書化された手順の大幅な改善を含むべきである。貴社が、調査の全て

 の段階が適切に実施されることをいかに保証するかについて検討せよ。

・好ましくない微生物の汚染の可能性がある、または、規格外の微生物試験の結果(後で無効

 にされたかどうかに関わらず)となった全てのロットの完全な調査

 調査は、汚染の根本原因に関する貴社の調査結果を詳細に述べるべきである。

・貴社のCAPAのプログラムの独立したアセスメントと改善計画

 プログラムが根本原因の効果的な分析を含み、CAPAの効果を保証し、調査の傾向を分析し、

 必要であればCAPAプログラムを改善し、最終的にQUが決定を実施し、それが経営陣により

 サポートされているかどうかを評価したレポートを提出せよ。

 

*適切なレビュ前の医薬品の出荷承認

貴社のQUは、完全な最終製品試験をせずに、医薬品の出荷承認をした。例えば貴社は、

202061日に手の除菌用ローションのロットXXを出荷した。しかし、分析結果は、

202063日以後に利用可能になり、微生物試験の結果は202068日に得られた。貴社のQU

は微生物試験結果を受け取る前で、ロットが顧客に出荷された後の202063日に分析証明書を

承認した。

貴社は回答の中で、貴社は、製品は貴社のQUにより承認されリリースされるまで州際通商で販売

されないという口頭の取り決めのもとで、リリースされていない製品を移動すると述べた。この

業務は受け入れられないし、品質特性を満たさない医薬品が顧客に出荷されるリスクを高める。

貴社が製造した医薬品が適切な規格を満たしているかどうかを判断するために、リリース前に

医薬品の各ロットの試験を完了することが必要とされている。

この文書への回答の中で、不合格でない製品が出荷されたことを所掌するために、貴社が製造

した全ての手の除菌用製品の独立した回顧的なレビュを提出せよ。もしレビュで品質基準を

満たさない医薬品が出荷されたことが明らかになった場合、顧客への通知や製品の回収といった

迅速な是正処置をとれ。

 

*不十分な安定性プログラム

貴社のQUには、貴社の安定性プログラムの適切な品質の監視が不足していた。例えば貴社は、

貴社のPackage Compatibility Test Programの手順に従うことを怠り、貴社のヒドロキノン

医薬品XXの製品と工程を示すために、安定性試験XXに各製品のXXをセットすることを怠った。

貴社は回答の中で、貴社のヒドロキノン医薬品XXに使用する製剤は、異なる製品XXの中に

包装され、それらの製品の全ては、最初に安定性プログラムにセットされていると述べた。

さらに貴社は、製剤、包装サイズ、構造材は製品XXと同じなので、貴社はXXの安定性試験の

実施にはブラケット法(両極端の検体の安定性により、中間の検体の安定性も示されると

いう方法)を使用していると言及した。

しかし、貴社の回答は、異なる容器密閉システムのデザインを示していた。したがって、

ブラケット法は科学的に正当であるように見えない。さらに、これらの製品に関する安定性

プログラムに対するブラケット法のアプローチに対する変更は、適切な変更管理をせずに実施

されていた。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の安定性プログラムの適格性を保証するための、包括的で独立したアセスメントと

 CAPAの計画

 貴社の改善されたプログラムは、これに限定されないが以下のことを含むべきである:

 〇出荷が許可される前に市販されている各医薬品の容器/施栓系内の安定性の研究

 〇安定性を示す方法

 〇宣伝されている使用期限が妥当かどうかを判断するために各製品の代表的なロットが毎年

  プログラムに追加されるような継続的な安定性プログラム

 〇各工程(タイムポイント)で試験される特定の特性の詳細な定義

・貴社の改善された安定性プログラムについて述べた全ての手順

・全ての医薬品についての、正当な理由を添えた使用期限のリスト(例:リアルタイムの3年の

 安定性データ)

 

*不適切な文書の品質の監督

貴社のヒドロキノン医薬品XXロットXXのバッチレコードのレビュ中、我々査察官は、製造活動

が同時に記録されていないことに気付いた。例えば、1人の職員が、容器の測定や、別の日に

バルクの照合などの複数の製造手順を実施したというバッチレコードを記録し、第二の職員が

それらの活動の確認を記録した。しかし、第二の職員(確認者)は、我々査察官に、これらの

手順が実施された記録された時に、彼らは仕事をしていないと述べた。貴社のQUは、製造記録

が正確で、製造が記録された通りに実施されたという適切な保証をしていない。

貴社は回答の中で、適切な文書管理手順が守られていなかったことを認めた。また貴社は全職員

の教育を実施したとも述べた。貴社の回答は不十分である。貴社の品質システムは、貴社が製造

する医薬品の安全性、効果、品質を裏付けるためのデータの正確性・完全性を適切に保証して

いなかった。正確な記録がなければ、貴社は、継続的な品質の保証に必須であるロットの

リリース、製品の安定性、その他の事の適切な判断を保証することができない。

この文書への回答の中で、文書化の手順が不十分である場所を判断するために、貴社の製造及び

試験の作業で使用されている文書システムの完全なアセスメントの情報を提出せよ。アセス

メントには、貴社の作業を通じて、帰属可能で、判読可能で、完全で、原本であり、正確で、

同時性のある記録を保持していることを保証するための文書化手順を包括的に改善する詳細な

CAPAの計画を含めよ。

上の例は、貴社のQUがその役割と責任を果たすにあたっての基本的な不備を示しているが、

工程管理の監督、調査の対応、ロットのレビュと処理の判断、データの適切な管理に限定される

ものではない。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

QUが効果的に機能するために権限とリソースが与えられていることを保証するための、

 包括的なアセスメントと改善の計画

 アセスメントには、これに限定されないが、以下のことも含むべきである。

 〇貴社で用いられている手順が安定していて適切であるかどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するための貴社の作業全体のQUの監督に関する規定

 〇QUがロットの処遇を判断する前の、各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ

・全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するためのQUの調査の監督・承認、及び、QU

 のその他の職務からの解放

 また、これに限定されないが、製造/品質の新たに発生した問題に積極的に対応し、継続的な

 管理状態を保証するためのタイムリーなリソースの提供をするために、貴社の経営陣が、

 いかに品質保証と信頼できる作業をサポートするかについて述べよ。

2021920日、FDAは、貴社と貴社のコンサルタントと一緒にテレビ会議を実施した。我々は、

この文書で言及した状態で製造された使用期限内の全ての手の除菌用医薬品の廃止を検討する

ことを勧めた。2021921日、貴社は手の除菌用医薬品の特定のロットを自発的に回収した。

2021922日、FDAは貴社の微生物汚染を防止する適切な管理の欠如について公表した。

CGMPの規制21 CFR parts210,211の要件を満たすための品質システムとリスクマネジメント

アプローチの実装の助けとして、

FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulationsを見よ。

 

●指摘2

貴社は、成分、製品の容器、蓋、中間材料、ラベル、医薬品が同一性、濃度、品質、純度の

適切な標準に従うことを保証するために設計された、科学的に妥当で適切な規格、標準、

サンプリング計画、テスト手順を含む試験の管理を制定することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社は、多数の再加工したロットと、製品の処方に追加された保存料の抗菌有効性の試験を

示すことなく新たに再処方化したロットをリリースし、販売した。特に、貴社の手の除菌用

医薬品は、TNTCの結果によりバルク段階のリリース試験中に微生物のTPCに関して不合格に

なっていた。貴社は、抗菌保存料を追加することでこのロットを再加工した。貴社の逸脱報告

では、保存料はベンザルコニウムの分析結果に影響を与えないように微生物の安定性を追加

したと述べていた。

貴社の回答は不十分である。貴社は契約試験機関から得た完全な試験データを提出しなかった。

アメリカ薬局方<51>の通り、抗菌保存料は、GMPのための代用品として使われたり、

非殺菌医薬品の生存している微生物数を減らすだけに使用されたりすべきではない。

この文書への回答において、以下の情報を提供せよ:

・全ての微生物の危険性の詳細で徹底的なレビュを添えた、貴社の製造作業の設計と管理包括

 的で独立したアセスメント

・好ましくない汚染の可能性がある販売された医薬品により引き起こされる危険に対応した

 詳細なリスクアセスメント

 リスクアセスメントの結果に基づき貴社がとろうとしている、顧客への通知や製品の回収

 といったアクションを明記せよ。

・各製品の適切な微生物のロットのリリース規格(即ち、微生物総数、好ましくない微生物

 を検討するためのバイオバーデンの確認)

・貴社の試験実務、手順、方法、装置、文書、分析者の能力の包括的で独立したアセスメント

 このレビュに基づき、貴社の試験システムの改善とその効果の評価のための詳細な計画を

 提出せよ。

・貴社の製造工程などのばらつきの全ての原因を特定し管理する、データ駆動型で科学的に

 妥当なプログラムが存在し、適切な規格と製造の標準を一貫して満たすことを保証するため

 の、各医薬品の製造手順のアセスメント

・製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するための貴社のバリデーションプログラム

 の、関連手順を添えた詳細なサマリ

 工程の性能適格性評価に関するプログラムと、継続的な管理状態を保証し、ロット内と

 ロット間のばらつきを継続的にモニタリングするためのプログラムについて述べよ。

・販売されている貴社の各医薬品に関する、適切な工程の性能適格性評価の実施に関する

 タイムライン

・貴社の工程性能のプロトコルと、装置や施設の適格性評価に関する文書化された手順

 

●指摘3

貴社は、権限を与えられた職員のみが製造指図書原本またはその他の記録の変更を行うことを

保証するために、コンピュータまたは関連するシステムの適切な管理を実施することを怠った。

<指摘3詳細>

貴社のフーリエ変換赤外(FTIR)分光コンピュータ化システムXXは、試験のローデータの削除

を防ぐための適切な管理をしていなかった。特に、このデータは、医薬品製造のために使用する

医薬品成分をリリースするための社内の分析証明書をつくるために使用されている。さらに、

貴社は、データへの未許可のアクセスを防ぐためのソフトウエアの適切なパスワード保護をして

いなかった。

貴社は回答の中で、FTIRシステムに関しては、パスワード保護をしており、化学者のみがデータ

にアクセスできると述べた。また貴社は、FTIRのデータは、外部のハードドライブに

バックアップされ、コピーが印刷され、原材料のテストデータのセットに含まれていると述べた。

FTIRの完全性の回顧的なレビュ、装置の監査証跡に関する詳細、コンピュータ化システムの変更

の影響の評価を提出しなかったので、貴社の回答は不十分である。

貴社の電子記録内の全ての追加、削除、情報の変更は承認され、適切に文書化されていることを

保証するために、CGMPの電子データの管理を厳格に維持することが重要である。完全で正確な

記録がなく、貴社がロットのリリース、安定性、その他の継続的に品質を保証するための基礎的

な要素について、適切な判断をすることはできない。

貴社の品質システムは、貴社が製造する医薬品の安全性、効果、品質を裏付けるためのデータの

正確性・完全性を適切に保証していない。CGMPに則ったデータ・インテグリティの手順を制定し、

それに従うためのガイダンスとして、

FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance With Drug CGMPを見よ。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・アメリカに出荷された医薬品のデータレビュの結果を含む、データの記録と報告の不正確の

 範囲の包括的な調査

 貴社のデータ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因の詳細な記述を含めよ。

・貴社の医薬品の品質で見つかった不具合の影響の可能性についての現在のリスクアセスメント

 貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品の出荷による

 患者へのリスクの分析と、継続的な作業により引き起こされるリスクの分析を含めるべきで

 ある。

・全社的な是正処置・予防処置の計画を含む貴社の管理の戦略

 是正処置の計画には、貴社がどのように、微生物及び分析データ、製造記録、FDAに提出

 された全てのデータを含む、貴社により生成された全てのデータの信頼性と網羅性を保証する

 つもりかの記述を含めるべきである。

 

●未承認の新薬の違反

省略

 

●虚偽表示の違反

省略

 

●虚偽表示違反の登録・リスト表示

省略

 

●効果のない品質システム

貴社の経営陣の医薬品の製造に関する監督と管理は不適切である。貴社の経営陣には、全ての

不備を完全に解決し、継続的なCGMPの順守を保証する責任がある。貴社は、システム、工程、

製造された製品がFDAの要件に従っていることを保証するために、貴社の製造作業をすぐに

包括的に評価するべきである。

 

●受託業者としての責任

医薬品はCGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多数の医薬品製造業者は、製造設備、

試験機関、包装業者、ラベル貼付業者のような独立した受託業者を使用していることを認識して

いる。FDAは、受託業者を製造業者の延長とみなす。プロダクトオーナーとの契約に関わらず、

貴社は貴社の医薬品の品質に責任がある。貴社は、安全性、同一性、濃度、品質、純度を保証

するために、医薬品がFD&C Act 501(a)(2)(B)に従って製造されていることを保証する必要が

ある。

FDAのガイダンス文書:Contract Manufacturing Arrangements for Drugs : Quality Agreements

を見よ。

 

CGMPコンサルタントの推奨

2021624日付の貴社の回答の中で、貴社が医薬品、医療機器、化粧品、栄養補助食品の

CGMP問題に知識と経験のあるコンサルタントを雇ったという記述を認識している。しかしながら、

我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、CGMPの要件を満たすために貴社を手伝うために、

少なくとも品質リスクマネジメント、データ・インテグリティ、調査の全般でCGMPの知識を

持ったCGMP21 CFR 211.34に記載されているコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社の

コンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の

経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任

が残る。

 

●結論

全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない

差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつながるかも

しれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。全ての

違反に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造

業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が全ての違反

に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sanitor-corporation-616232-11292021

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

1件目は、OOSの不十分な調査、データ・インテグリティの不備、コンピュータ化システムの

アクセス制限の不備、バリデートされていないスプレッドシートの使用という、身近な問題

の指摘でした。

2件目は、微生物試験で不合格になった手の除菌用ローションに抗菌性の保存剤を追加して

しまったというすごい指摘もありましたが、データ・インテグリティの不備、コンピュータ化

システムのアクセス制限の不備、不十分な安定性試験といった身近な内容もありました。

 

これらは、FDAがアメリカ国内の製薬会社に対して行った指摘ではありますが、社内の手順の

見直しの際に参考にしていただけるかと思いますので、ご確認いただければと思います。

 

☆次回は、2/15(火)に配信させていただきます。

 

 

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インターフェックスWeek大阪のご案内

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新型コロナの状況次第ではありますが、202239日~11日に、インターフェックスWeek

大阪(インテックス大阪)への出展を予定しております。

ご来場される方は、是非、弊社ブース【4号館 2-53】にもお立ち寄りいただければ幸いです。