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2022.03.15

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<238号>

 こんにちは。

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

一気に気温が上がり、最高気温が20度台になる日も出てきましたが、いかがお過ごしですか。

 

さて今回は、FDAがアメリカ国外の製薬会社向けに出したウォーニングレター1件と、国内の製薬

会社向けに出したウォーニングレター1件を、FDAがどのような点を指摘したかを確認していき

たいと思います。

是非、お読みいただければ幸いです。

 

 

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最近のウォーニングレターの概要

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

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Warning Letter 320-22-11

FDA202182日~87日にインドの原薬製造施設を査察してみつかつた原薬製造に関する重大な

CGMP違反について発した202222日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられて

います。

 

●指摘1

原薬に触れる装置表面が、公式またはそれ以外の制定された規格を超えて原薬の品質を変えない

ことを保証することの不履行

<指摘1詳細>

貴社は、原薬の製造に使用されている装置がその使用目的に合っていて、適切にメンテナンス

されていることを保証するのを怠った。例えば:

・さびのような残留物が、XXの管とホースを含む、清浄とラベル表示された製品と接触する装置

 表面で発見された。

・スクリューから出る黒い物質が原薬を汚染するのを防ぐためにテープがXXのへらに使用されて

 いた。

・装置の部品にXXを付けるためにXXが使用されていた。

・いくつかの穴がXXで発見された。

さらに、貴社には、製造及び品質管理のラボの装置の適格性を評価するための手順が欠けていた。

貴社は現在、適格性評価がされていない装置内で原薬XXを製造し試験している。

貴社は回答の中でさびのような残留物はさびの訳がないと述べた。貴社の回答は不適切である。

貴社はXXの管とホースの茶色がかった残留物の発生源を特定することを怠った。貴社の回答は、

貴社の原薬を汚染する異物のリスクを増加させる装置の不十分な状態や破損した状態に適切に

対処していない。特に貴社の原薬XXは、無菌注射剤XXの製造に使用されるものである。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・設備・装置の所定の慎重な作業の管理・監督を実施するための是正処置・予防処置(CAPA)

 計画

 この計画は、特に、装置/設備の性能の問題の迅速な検知、効果的な修理の実施、適切な

 予防保全の計画の順守、装置/設備のインフラのタイムリーな技術的更新、継続的なマネジ

 メントレビュのために改善されたシステムを保証すべきである。

・貴社の装置が適切な設計、適切なサイズ、その使用目的のために適切に設置されていること

 を保証するための計画を提出せよ。

 計画は、製品の接触面が中間体や原薬の品質を変えないことを保証するCAPAを含むべきである。

 

●指摘2

貴社の製造工程があらかじめ定められた品質特性を満たす原薬を再現可能な方法で製造できる

ことを示すことの不履行

<指摘2詳細>

貴社は、原薬XXのための製造工程をバリデートすることを怠った。貴社は、原薬XXのロットは

顧客の注文により製造されているので、原薬XXの製造工程はバリデートしていなかったと述べた。

貴社は、正当な理由や変更管理もなく、製造工程へのいくつかの変更を行った。例えば、貴社は、

追加する水とXXの量を変更した。

FDAのタイダンス文書Process Validation : General Principles and Practices for general principles and approaches that FDA considers to be appropriate elements of process validation

を見よ。

プロセスバリデーションは、そのライフサイクルを通して工程の設計の正常さと管理状態を評価

するものである。製造工程の各重要な段階は、原材料、中間材料、最終製品が意図された品質で

あることを保証するために設計され管理されていなければならない。

性能適格性評価は、初期の管理状態が確立されていることを判断する。上首尾の性能適格性評価は

商品流通の前に必要である。その後、工程性能と製品品質に影響を与えるばらつきの継続的で慎重

な管理は、貴社が製品のライフサイクルを通じて安定した製造作業を維持していることを保証する

ために必要である。

適切なプロセスバリデーション業務の不履行は、工程のばらつきの理解が不十分であったり、性能

の傾向の検知に失敗したりして、医薬品の品質の不備のリスクを増す可能性がある。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・全ての製品の製造のライフサイクルを通じて、継続的な管理を保証する改善計画

 工程のばらつきの原因を特定し、製造作業が適切なパラメータと品質基準を満たしていることを

 保証する、より、データ駆動型で科学的に理にかなったプログラムを提出せよ。プログラムは、

 これに限定されないが、装置の使用目的の適合性の評価、投入原材料の品質の保証、各製造工程

 のステップの能力と信頼性の判断とその管理、工程の性能と製品の品質の慎重で継続的なモニタ

 リングを含むべきである。

・関連する手順も併せて、製品のライフサイクルを通じて管理状態を保証するための貴社のバリデ

 ーションプログラムの詳細なサマリ

 工程の性能適格性評価と、継続的な管理状態を保証するためのロット内及びロット間のばらつき

 を継続的にモニタリングするための貴社のプログラムについて述べよ。

・販売されている貴社の各医薬品の工程の性能適格性評価を実施するためのタイムライン

・貴社の工程の性能適格性評価のプロトコルと、装置と設備の適格性評価に関する文書化された

 手順を含めよ。

・継続的な管理状態を保証するための、ロット内及びロット間のばらつきの慎重なモニタリングを

 含む、貴社の各製造工程の設計、バリデーション、維持、管理、モニタリングに関する詳細な

 プログラムを提出せよ。

・貴社の工程内の、ばらつきをもたらす可能性のある開始時の手順に重点を置いた、モニタリング、

 サンプリング作業の包括的で独立したアセスメント

 (1)工程内のばらつきの検知、(2)開始時の管理、(3)サンプリング計画 を改善するための貴社

 の改善計画を提出せよ。

・原薬XXの改訂された製造指図書原本を提出せよ。

・適切な評価をせずに貴社の製造工程になされた変更の影響を受けた可能性のある、販売されて

 いる貴社の原薬XXの独立したリスクアセスメントを提出せよ。

 

●指摘3

装置の洗浄及びメンテナンスに関する文書化された手順の適切なバリデートの不履行と、装置の

洗浄と、原薬の製造に使用するための装置のリリースに関する適切に文書化された手順の制定の

不履行

<指摘3詳細>

貴社は、貴社のバリデーションマスタプランで要求されている通りに、非専用製造装置の洗浄手順

を適切にバリデートすることを怠った。査察中、貴社は、管XXXXXXを含む非専用装置に関する

文書化された洗浄手順を提出しなかった。装置の作業者は、手順に従わずに装置を洗浄したと

述べた。貴社は、装置が他の製品からの交叉汚染を防ぐために適切に洗浄されていることを保証

することが欠けていた。

この文書への回答の中で、以下の情報を提出せよ:

・貴社の医薬品製造作業におけるワーストケースとして特定された条件を取り入れることに特に

 重点を置いた貴社の洗浄バリデーションプログラムへの適切な改善

 改善には、これに限定されないが、以下の全てのワーストケースの特定と評価を含むべきで

 ある:

 〇より高い毒性を持つ医薬品

 〇より高い有効性を持つ医薬品

 〇洗浄溶液の中でより低い溶解度の医薬品

 〇洗浄を難しくする特性を持った医薬品

 〇洗浄を最も難しくする拭き取り場所

 〇洗浄前の最大保持時間

それから、洗浄バリデーションと検証に関する手順、貴社の製造工程で使用される全ての製造

装置の今までに実施された全ての検証のステータスレポートを提出せよ。それぞれの装置に

ついて、多目的か専用かを述べよ。

さらに、新しい製造装置や新しい製品を導入する前に、貴社の変更管理システムでとられる

べき手順を述べよ。

・製品、工程、装置の洗浄手順の検証とバリデーションのための適切なプログラムが実施され

 ていることを保証する最新の標準操作手順のサマリ

・交叉汚染の範囲の評価をするための洗浄効果の包括的で独立したアセスメント

 残留物の確認、不完全に洗浄されていた可能性のあるその他の製造装置、交叉汚染された製品

 が販売のためにリリースされたかどうかのアセスメントを含めよ。アセスメントは、洗浄手順

 や業務の不十分さを確認すべきであり、2つ以上の製品に製造に使用される製造装置の部品も

 含むべきである。

・貴社の洗浄手順と業務の適切な改善と完了のためのタイムラインを含む、貴社の洗浄プログラム

 の回顧的なアセスメントを含むCAPAの計画

装置の洗浄のライフサイクル管理に関する貴社の手順の脆弱性のサマリを提供せよ。洗浄効果の

向上、全ての製品と装置のための適切な洗浄の実行の継続的な検証の改善、その他の必要な改善

を含む、貴社の洗浄プログラムの改善について述べよ。

 

●指摘4

原薬の安定性をモニタし、適切な保管条件や、リテストまたは使用期限を確認するために結果を

使用するよう文書化された継続的な安定性試験プログラムを設計することの不履行

<指摘4詳細>

貴社は、原薬XXに関する適切な安定性プログラムを実施することを怠った。例えば、貴社は、

適切な安定性プロトコルが欠けていた。貴社は、1つのロット(ロットXX)の保管サンプルの試験

から、原薬XXの最新のリテスト日を制定していた。このロットは2016年に製造され、湿度が管理

されていないサンプル室で保管されていた。このロットのリテスト日に関わらず、貴社はロット

XXに関するバッチレコードを破棄した。

さらに、このバッチレコードは、アメリカで販売されている状態で破棄された。貴社には、原薬

XXが保証された有効期間と保管状態を通して品質特性を維持することを保証するための科学的な

データに不足している。これは、貴社の顧客が貴社の原薬から製造した医薬品の品質に悪い影響

を及ぼす可能性がある。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の安定性プログラムの適格性を保証するための包括的で独立したアセスメントとCAPA

 計画

 改善された貴社のプログラムは、これに限定されないが以下の方法を含むべきである。

 〇安定性を示す方法

 〇販売が許可される前の、販売されている容器密閉システムにおける各医薬品の安定性の研究

 〇使用期間が妥当であるかどうかを判断するために、毎年各製品の代表的なロットが

  プログラムに追加されるような継続的なプログラム

 〇各段階(タイムポイント)で試験される特性の詳細な定義

・改善された安定性プログラムの、これら及びその他の要素を説明する全ての手順

 

●指摘5

製造から独立し、品質保証と品質管理の職務を遂行する品質部門を持つことの不履行

<指摘5詳細>

貴社の品質部門は、信頼できる作業を保証するための適切な責任と権限が不足していた。貴社の

品質部門は、以下に示す通り、貴社の設備の適切な文書化手順を保証することを怠った:

・ロットの製造記録のログブックは、数ページが破られているのが見つかった。

・”Controlled Copyというスタンプのない、複数のサイン済で、部分的に完了したバッチ

 レコードが、非公式の研究開発研究所でみつかった。

・アメリカで販売中にも関わらす、原薬XXロットXXの製造及び分析の記録を含むバッチレコード

 の破棄

 貴社はそのロットの保管サンプルも破棄した。

 貴社は、リテスト期間内の原薬について、適切な記録保管手順を制定し、それに従う責任が

 ある。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・貴社の品質部門が効果的に機能するために、権限とリソースを与えられていることを保証する

 ための包括的なアセスメントと改善計画

 アセスメントは、これに限定されないが以下のことを含むべきである:

 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するための、品質管理部門の作業全体の監督の規定

 〇品質部門のロットの出荷判定前に各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的なレビュ

 〇調査の監督と承認及び全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための品質部門の

  その他の職務からの解放

・これに限定されないが、新たに発生した製造/品質の問題に積極的に対応し、継続的な管理状態

 を保証するためのリソースのタイムリーな提供を含む、品質保証と信頼できる作業を、経営陣

 がサポートする方法

・文書化手順の不十分な場所を判断するための、貴社の製造及び試験の作業を通じて使用される

 文書化システムの完全なアセスメント

貴社が作業を通して、帰属可能で、判読可能で、完全で、原本性があり、正確で、同時性のある

記録を保持していることを保証するために、貴社の文書化手順を包括的に改善する詳細なCAPA

計画を含めよ。

貴社の品質システムは、貴社が製造した医薬品の安全性、有効性、品質を裏付けるデータの

正確性と完全性を適切に保証していない。

FDAのガイダンス文書Data Integrity and Compliance with Drug CGMP for guidance on establishing and following CGMP compliant data integrity practices

を見よ。

我々は、貴社の改善を支援する適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・アメリカに出荷された医薬品に関するデータレビュの結果を含むデータ記録と報告の不正確な

 範囲の包括的な調査

 貴社のデータ・インテグリティの欠落の範囲と根本原因の詳細な記述を含めよ。

・貴社の医薬品の品質で発見された不具合の潜在的な影響の現在のリスクアセスメント

 貴社のアセスメントには、データ・インテグリティの欠落の影響を受けた医薬品のリリースに

 より患者に引き起こされるリスクの分析と、継続的なオペレーションによって引き起こされる

 リスクの分析を含めるべきである。

・貴社のグローバルなCAPAの計画の詳細を含む経営戦略

 詳細な是正処置の計画は、微生物及び分析データ、製造記録、FDAに提出された全てのデータ

 を含む貴社により生成された全てのデータの信頼性と完全性を貴社がいかに保証しようとして

 いるかについて述べるべきである。

 

●医薬品登録違反

省略

 

●追加の原薬のCGMPガイダンス

FDAは原薬がCGMPに則って製造されているかどうかを判断する際に、ICH Q7で概説されている

期待を考慮する。

FDAのガイダンス文書Q7 Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients for guidance regarding CGMP for the manufacture of API

を見よ。

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で発見した逸脱の性質に基づき、我々はCGMPの要件を満たすように貴社を支援する

ために貴社の作業を評価する適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社の

コンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の

経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する

責任が残る。

 

●結論

この文書で挙げた逸脱は、貴社の製造所に存在する逸脱の包括的なリストでもない。貴社には、

逸脱を調査し、原因を判断し、再発やその他の逸脱の発生を防止する責任がある。

FDA20211213日に輸入警告措置66-40をとった。

全ての逸脱を速やかに是正せよ。全ての逸脱に完全に対応され、我々が貴社のCGMPの遵守を確認

するまで、FDAは貴社の製造業者としての新薬の申請やリストの補完の承認を保留するだろう。

我々は、貴社が全ての逸脱の是正処置を完了したことを確認するために再査察をするかもしれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/indiana-chem-port-618173-02022022

 

 

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CMS#614058

2021112日~218日のイリノイ州の製造所の査察でみつかった医薬品製造の重大なCGMP違反

について発した20211221日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項があげられています。

 

●医薬品CGMP違反

●指摘1

貴社は、貴社が製造した医薬品が持つとされる、または、持つと表示されている同一性、濃度、

品質、純度を貴社の医薬品が持っていることを保証するために設計された適切に文書化された

製造の手順と工程管理を制定することを怠り、その文書化された製造及び工程管理の全ての手順

に従うことを怠った。

<指摘1詳細>

我々査察官は、XXシステムのバリデーションプロトコルの不備と実行中の逸脱を文書化した。

貴社の製薬用水システムの検証中に、システムの性能パラメータの逸脱が発生した。例えば:

・微生物の管理を継続するためのシステムの能力に影響を与えるXXの濃度が、システムの貯蔵

 タンク内のXXで記録された。20181月のXX日中XXXXの測定値がXXの限界値を下回った。

 これらの発生は、逸脱としてバリデーションレポート内に文書化されておらず、貴社が

 製薬用水システムはバリデートされているとみなす前にレビュされなかった。

・製薬用水システムのバリデーションでは、定期的なXXの消毒に加えて実施される化学的な

 消毒のタイプと頻度を裏付ける科学的なデータを提供できなかった。貴社のプロトコルも、

 貴社の製薬用水システムの消毒プログラムのこれらのパラメータを評価するための規定に

 欠けていた。貴社の現在の業務は化学的消毒XXを実施することである。

・そのプロトコルが許容可能と判断された場合、サンプリングと試験の削減を可能とするが、

 貴社は、何が許容可能の基準かを定義していなかった。貴社はXXで、XXと同じくらい高い

 結果を得たのだが、貴社はそれでもXXの頻度までサンプリングと試験を削減した。

貴社は貴社の製薬用水システムが、医薬品の製造に適し、少なくとも、アメリカ薬局方の

精製水のモノグラフと適切な微生物の限界値を満たす水を一貫して製造できることを示さな

かった。

使用目的に適した高純度の精製水を一貫して保証するために貴社の製薬用水システムを設計

することはが不可欠である。貴社の医薬品の成分として使用される水の中の高度のバイオ

バーデンまたは好ましくない

微生物は、消費者に重大なリスクをもたらす可能性がある。

貴社は回答の中で、再バリデーションに続いて貴社の製薬用水システムの再評価を実施する

と約束した。

また貴社は、貴社のバリデーションプログラムのギャップのアセスメントを実施することと、

全ての職員のためにCGMPと品質システムの包括的な教育を実施することを約束した。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の製薬用水システムの設計、管理、維持の包括的で独立したアセスメント及び付随する

 是正処置・予防処置(CAPA)

・適切な製薬用水システムを据え付け運用するための徹底的な改善計画

 改善されたシステムの設計または新しいシステムが一貫して、アメリカ薬局方のモノグラフ

 と、適切な微生物の限界値(総菌数、好ましくない微生物)を順守したXX水を一貫して製造

 することを保証するための、安定した継続的な管理、維持、モニタリングプログラムを含めよ。

・後者に関しては、貴社により製造される製品に使用することを考慮して、水の総菌数の限界値

 が適切であることを保証せよ。

 

●指摘2

貴社は、ロットが既に出荷されたどうかに関わらず、ロットやその成分がその規格を満たすため

に、説明のつかない不一致や不具合を徹底的に調査することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社の製薬用水システムはバリデーション以降、微生物汚染と動作パラメータからの多数の逸脱

にさらされた。これらの逸脱の多くは、調査もされず、CAPAの実施にもつながっていなかった。

202011日から2020630日の間に、貴社の製薬用水システムのポートXXとポートXXから

 採取された7つのサンプルの中のセパシア菌の汚染物質の確認に対応した調査が実施されなか

 った。セパシア菌の汚染物質は、貴社の手順または、貴社のXX水の規格において、好ましく

 ない微生物としては識別されなかった。貴社のXX製薬用水システム内の好ましくない微生物の

 存在は、貴社の医薬品の品質に悪影響を与える可能性がある。

・ポートXXとポートXXで採取された3つのサンプル内でのセパシア菌の発見により、貴社の製薬

 用水システムのバリデーション中に貴社はCAPAを開始した。これらのポートは製造用の水を

 供給する。CAPAの調査は、供給ポートXXからサンプルポートXXへのXXの根本原因の可能性を

 特定し、貴社はXXを提案した。しかしCAPAは、フィルタの追加や、是正処置がなぜ行われな

 かったかの説明もなく約1年半後に終了された。その後、貴社は2020年に複数回ポートXX

 セパシア菌を確認した。

・貴社の製薬用水システムのバリデーション中、サードパーティのサービス技術者は、水の

 タンクの内側にシミをみつけ、原因の調査をしていることを指摘した。貴社は原因の文書化

 またはサービス技術者の発見への対応に欠けていいた。

・消毒手順XXの逸脱は、貴社の逸脱手順に従って記録されていなかった。我々は、オゾン消毒中、

 保管タンクXXとループ供給でXXの最小レベルが満たされていない時に、動作パラメータに調査

 やCAPAの実施の不備のパタンを発見した。

貴社は回答の中で、第三者の専門家を雇うことと、調査の教育を実施することを約束した。また、

貴社は、全てのCAPA、規格外(OOS)、傾向外(OOT)のレビュを行うことを約束し、201911

から現在までの品質管理データを無効にした。また、貴社は、セパシア菌群(BCC)を好ましくない

微生物として含めるために、2021111日時点で貴社の精製水の規格も改訂した。

貴社は、いくつかのOOSOOTの結果、逸脱、予期しない不一致を正確に分類することを怠った

ので、貴社の回答は不十分である。

この文書への回答の中で以下の情報を提供せよ:

・最終的にアメリカに販売されたロットかどうかに関わらず、アメリカ向け製品に関し、全ての

 無効化したOOSの結果(工程内、リリース、安定性の試験を含む)の回顧的で独立したレビュと、

 各OOSに関し、以下のことを含む分析でみつかったことをまとめたレポート:

 〇無効化されたOOSの結果に関し、科学的に正当な理由やエビデンスが、最終的、または、

  非決定的に、試験のエラーを原因として示しているかどうかを判断せよ。

 〇最終的に試験が根本原因であると確認した調査に関し、論理的根拠を提供し、同じまたは

  同様の根本原因に対して脆弱な全てのその他の試験方法が改善のために特定されていること

  を保証せよ。

 〇回顧的レビュで、試験室が非決定的な根本原因と特定されたか、または、根本原因が特定

  されなかった全てのOOSの結果について、製造の徹底的なレビュ(例:バッチレコード、

  製造段階の適切性、装置/設備の適合性、原材料のばらつき、工程の能力、逸脱の履歴、

  苦情の履歴、ロットの不合格の履歴)を含めよ。各調査に関し、製造が潜在的な根本原因

  となっているもののサマリと、製造作業の改善を提出せよ。

・使用期限内にあり、販売された医薬品のロットに関連した全てのGMP文書の包括的で回顧的な

 レビュと、全てのOOSの結果、OOTの結果、逸脱、予期しない不一致が分類され、適切に調査

 されていることを保証するための、製造に使用される装置及びシステムの情報

・貴社の現在の設計において、製薬用水システムが再検討されたかどうか説明せよ。

 最近は微生物の減少の最良の手段を示しているが、貴社は現在XXシステムを持っている。

・発見された製薬用水システムの不具合の潜在的影響を受けた、現在アメリカに販売されている

 か、使用期限内の全ての医薬品のロットの品質についての詳細なリスクアセスメント

 リスクアセスメントに応じて、顧客への通知や製品の回収等、貴社がとろうとしているアク

 ションを明確に述べよ。

・この違反に対応するために割り出された全てのCAPAのタイムフレーム付きの詳細な記述

 

●指摘3

貴社は、成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、ラベル、医薬品が、同一性、濃度、品質、純度の

適切な基準に従っていることを保証するために設計された、科学的に妥当で適切な規格、基準、

サンプリング計画、テスト手順を含む試験の管理を制定することを怠った。

<指摘3詳細>

貴社は、販売前に、セパシア菌群を含む特定の好ましくない微生物の増殖を抑制するための

防腐剤システムの能力を評価するために、貴社の最終医薬品の中の抗菌有効性の十分な検証を

しなかった。

例えば、セパシア菌を用いた0.12%クロルヘキシジングルコン酸塩経口リンス(製品XX)に関する

検証は20207月まで行われなかった。特に、BBCは、有効期限内のいくつかのロットの製品内で、

数えきれない(TNTC)レベルを含む、過度のレベルまで急増していることがわかった。この製品の

多くのロットは、過度の微生物汚染により市場から回収された。製品XXは、貴社の委託製造業者

により製造されている。

貴社は回答の中で、製品固有の情報の規定と維持の適格性と、規制要件をみたしていることを

判断するために、「SAI製品に関する米国の規制情報」というタイトルの貴社の手順を評価する

ことを約束した。

貴社は、貴社で貴社のために製造された製品に関し、微生物試験にBCCを追加することを約束した。

貴社は、潜在的に好ましくない微生物に対応することを含む、管理の適切さを保証するために、

製造設備内で新しい微生物が特定された場合に行う措置を制定するための手順を開発し実装する

ことを約束した。

この文書への回答の中で新しい製品を支えるための適切な検証の実施を含んだ、貴社の製造及び

工程開発プログラムがいかに貴社製品の品質を形成するかを述べよ。

 

●指摘4

貴社は、全ての成分、医薬品の容器、蓋、中間材料、包装材料、ラベル、医薬品を承認または

拒否する責任と権限を持った適切な品質管理部門を制定することを怠った。

<指摘4詳細>

貴社は、貴社で貴社のために製造された全ての製品が、微生物上の品質と安全性を保証するため

に、適切な品質特性、抗菌性または防腐剤システムを持っていることを保証するための責任を

果たさなかった。例えば、貴社の非無菌の水性の医薬品の規格は、セパシア菌を含んでいな

かった。

貴社の医薬品はしばしばセパシア菌やそのほかの好ましくない微生物の感染症に非常に弱い

可能性のある患者がいる病院や臨床現場で使用される。貴社の医薬品の中の好ましくない

微生物の数やタイプを検知することはロットの処遇を判断するために重要である。

貴社と貴社の委託製造業者XXの間の契約は、貴社の医薬品の製造に関する貴社の責任を特に

明らかにしている。貴社の責任は、製品の製造に関し、XXへの技術的及び法的問題に関する

サポートの提供を含む。貴社には、貴社の製品の製造に関連する手順や記録のレビュを含む

仕組みを通して、貴社の委託製造業者のCGMPの遵守を監督する責任もある。

医薬品は、CGMPに従って製造されなければならない。FDAは、多くの製造業者が、製造施設、

試験機関、包装業者、ラベル貼付業者のような独立した委託業者を使用していることを認識

している。FDAは、委託業者も製造業者の延長とみなす。

我々は、好ましくない微生物の汚染または相当な汚染のリスクがあるために、2022630

から2022930日までの使用期限を持つ製品XXのロットを最初に回収したことを認識して

いる。我々は、FDAとの更なる議論の後、貴社が製品XXの影響を受けた可能性がある全ての

ロットを含むよう回収の拡大をしたことも認識している。また、我々は、好ましくない微生物

汚染の可能性により、その後、XXXXXX、医療機器の回収をしたことも認識している。

貴社は、それらを貴社が製造したか、貴社の代わりに委託製造施設で製造したかに関わらず、

貴社の医薬品の品質に責任がある。貴社には、安全性、同一性、濃度、品質、純度を保証する

ために、医薬品がFD&C Act 501(a)(2)(B)に従って製造されたことを保証することが求められて

いる。

この文書への回答の中で、貴社及び貴社の委託製造業者により実施された全ての活動が、適切

で、貴社の品質部門に承認されていることを保証する最新の手順を提供せよ。

 

●医療機器の品質システム違反

省略

 

●品質システム

貴社の品質システムは不十分である。GMPに従った品質システムを制定し維持するために、FDA

のガイダンスQ8(R2)Pharmaceutical Developmentを見よ。

 

CGMPコンサルタントの推奨

我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、我々は、CGMPの要件を満たすように貴社を支援

するために21 CFR 211.34に記載されている適格性のあるコンサルタントを雇うことを強く

勧める。貴社のコンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するもの

ではない。貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの

欠陥を解決する責任が残る。

 

●医薬品製造の一時停止

我々は貴社がこの製造施設での医薬品の製造を一時停止したことを認識している。

もし貴社が医薬品の製造を再開するつもりなら、作業を再開する前に通知せよ。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストでもない。貴社には、

違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。

全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない

差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつながる

かもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。全ての

違反に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の医薬品製造

業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、貴社が全ての違反

に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

 

出典: https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/sunstar-americas-inc-614058-12212021

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

2件目のレターで、委託製造業者の管理に関し、自社で製造したか、自社の代わりに委託

製造施設で製造したかに関わらず、医薬品の品質に責任がある。”という指摘がありました。

この指摘は、ウォーニングレターの中では比較的よく見かける指摘ではありますが、昨今、

新型コロナの影響で、どの会社も多かれ少なかれ委託製造業者の管理が手薄になっている

ということがあるのではないでしょうか。

ただでさえ、委託先の管理は難しいところもあると思いますので、コロナ下の今は特に

注意が必要かもしれません。

 

 

☆次回は、4/1(金)に配信させていただきます。

 

 

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【発行責任者】

株式会社プロス

ASTROM通信』担当 橋本奈央子

2022.03.01

【最近のウォーニングレター】ASTROM通信<237号>

こんにちは。

ASTROM通信担当の橋本奈央子です。

 

少しずつ春の訪れが感じられるようになってきましたが、いかがお過ごしでいらっしゃい

ますか。

 

今回は、FDAがアメリカ国内の製薬会社向けに出したウォーニングレター2件を取り上げ、

FDAがどのような点を指摘したかを確認していきたいと思います。

是非、お読みいただければ幸いです。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

最近のウォーニングレターの概要  

注:文中のXXはウォーニングレターでマスキングされている文言及び具体的な社名・品名等です。

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WL#614124

2021223日~31日にネバダ州の契約試験研究所を査察してみつかつた医薬品製造の

重大なCGMP違反について発した2021118日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項

があげられています。

 

●異物混入違反

手の除菌用ローションのエタノール含有量に関する指摘は省略

 

CGMP違反

査察中、我々査察官は、これに限定されないが以下の明白な違反を確認した。

●指摘1

貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、同一性、濃度、品質、純度に

関して制定された規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。

〇適切な品質部門制定の不履行

貴社には、品質部門の責任を記述した文書化された手順がなかった。そのうえ、貴社には、

品質の監督や、最終製品のロットの合格・不合格を判定するための製造及び試験の記録の

レビュに責任を持つ職員も不足していた。例えば、貴社の製造所で採取されたラベルが

未貼付/貼付済の手の除菌用ローションも、販売のためにリリースされた手の除菌用ロー

ションも、メタノール、ラベルに記載されているより薄いエタノール、高いレベルの

アセトアルデヒド/アセタール不純物で汚染されているのがみつかった。適切な品質部門

の不導入が、混ぜ物をした原材料の州際通商への導入を許した。

 

〇製造手順を承認する品質部門の不備

貴社は、貴社の製造所で行われた製造作業をサポートする手順、バッチレコード、または

その他の記録を提出することが出来なかった。そのうえ貴社は、固有のロット番号を付与

し追跡したり、ラベルを管理したりするためのシステムがなかった。例えば、手の除菌用

ローションのための未使用のラベルが、操業中でないラベル貼付機上でみつかった。

さらに、販売された医薬品にロット番号と使用期限の表示されたラベルが貼付されていな

かった。品質部門には、医薬品の同一性、濃度、品質、純度に影響を与える製造手順の

承認や、間違いが発生していなかったことを保証するための製造記録のレビュに責任が

ある。

 

〇リリースされた原材料の品質部門による適切な管理の不履行

貴社は、消費者向けサイズの最終の容器に充填され、アメリカ市場に出荷するためにラベル

が貼付された手の除菌用ローションのバルクを受領した。貴社はアメリカ市場に入れた製品

の販売ロットまたは数量に関するいかなる記録も提供できなかった。

自主回収を議論するための202156日の貴社との電話会議と、その後のFDAとのやりとり

において、貴社はアメリカ市場にある手の除菌用ローションXXの量をすぐに確認できなか

った。最終的に、貴社は回収の規模を拡大する必要があると判断した。

査察中及びその後の電話会議で、貴社は作業を中止していたと述べた。しかし貴社の医薬品

は現在市場に販売されているものに加え、まだ工場に保管されている。貴社はまだ

(販売されたかどうかに関わらず)貴社の医薬品の適切な処分に関する責任を負っている。

 

〇入荷した成分の品質部門による適切な管理の不履行

貴社は、入荷したバルク原材料の同一性試験を含む品質や、入荷した成分の容器の現物検査

に関する十分な文書を提供できなかった。さらに貴社は、貴社が供給者の品質や、供給者

から受領した分析結果の信頼性を評価したことを示すことができなかった。品質部門には、

成分のテストをし、合否の判断をし、医薬品の同一性、濃度、品質、純度に影響を与えうる

供給者の適格性評価等の全ての手順を承認するためのリソースを保証する責任がある。

要約すると、CGMPの規定は、入荷した原材料、工程内原料、製品の合格/不合格を判断する

こと、製造作業中に管理が実施され十分に達成されていることを保証すること、製造記録

をレビュし、説明のつかない不一致が調査することを含む責任を品質部門に与えている。

貴社はこれらの責任を行うことのできる品質部門を持っていることを示していない。

CGMP21 CFR part210,211の要件を満たすために品質システムとリスクマネジメント

アプローチを実装する助けとして

FDAのガイダンス文書Quality Systems Approach to Pharmaceutical CGMP Regulations

を見よ。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・成分、容器、蓋の全ての供給者が適格で、原材料には適切な使用期限またはリテストの

 日付が付与されているかどうかを判断するための、貴社の原材料システムの包括的で

 独立したレビュ

 レビュは、入荷した原材料の管理が、不適切な成分、容器、蓋の使用を防ぐために適切

 かどうかの判断も含めるべきである。

・効果的に機能するための権限とリソースが貴社の品質部門に与えられていることを保証

 するための包括的なアセスメントと改善計画

 アセスメントには、これに限定されないが、以下のことも含めるべきである:

 〇貴社で使用されている手順が安定していて適切かどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するための、品質部門による作業全体の監視の規定

 〇品質部門が出荷判定をする前の各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的な

  レビュ

 〇全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための品質部門の調査の監督・

  承認及び品質部門のその他の職務からの解放

・文書化手順が不十分かどうかを判断するための、貴社の製造及び試験作業を通して使用

 されている文書化システムの完全なアセスメント

 貴社が作業を通して、帰属可能で、判読可能で、完全で、原本性があり、正確で、同時性

 のある記録を保持していることを保証するために、貴社の文書化手順を包括的に改善する

 詳細な是正処置・予防処置の計画を含めよ。

 

●未承認の新薬と不正商標表示違反

省略

 

●医薬品製造の中止

我々は、貴社がこの製造所で医薬品の製造を中止すると約束したと認識している。この

文書への回答の中で、貴社がこの製造所または他の製造所で、今後、医薬品の製造を再開

するつもりかどうか明確にせよ。

もし、貴社が医薬品の製造を再開するつもりなら、適切な是正処置が実施されていること

を保証し、作業を再開する前に会議を予定するために連絡せよ。

我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、もし貴社がアメリカ市場向け医薬品の製造を

再開するつもりなら、CGMPの要件を満たすために貴社を手伝うために、21 CFR 211.34

記載されているコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社のコンサルタントの使用は、

CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。貴社の経営陣には、継続的な

CGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を解決する責任が残る。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストでもない。貴社

には、違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任がある。

全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない

差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつな

がるかもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行、貴社の医薬品製造業者としての新しい

申請やリストの補完の承認の差し控えにもつながるかもしれない。我々は、貴社が全ての

違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかもしれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/global-sanitizers-llc-614124-11082021

 

 

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CMS#614450

202131日~326日のオハイオ州の製造所の査察でみつかった医薬品製造の重大な

CGMP違反について発した20211215日付ウォーニングレターには、下記の指摘事項が

あげられています。

 

CGMP違反

●指摘1

貴社は、貴社が製造した医薬品が持つとされる、または、持つと表示されている同一性、

濃度、品質、純度を持っていることを保証するために文書化された適切な手順を制定し、

工程管理を設計することを怠った。また、貴社の品質管理部門は、変更を含むそれらの

手順をレビュし承認しなかった。

<指摘1詳細>

貴社の、医薬品製造作業のための水を提供するために使用されているシステムは、その

意図した使用目的について、適切にバリデートされていなかった。貴社は製薬用水システム

の据付時適格性評価は完了したが、システムの性能適格性評価の実施を怠った。それにも

かかわらず、貴社はこのシステムからの水を、貴社の水性の医薬品の製造に使用した。

さらに、貴社のシステムにより製造された水の品質を評価するための長期のモニタリング

データが不足していた。貴社は、20207月まで水の品質をテストするための所定の

プログラムを開始せず、貴社の水性の医薬品の製造で使用されている水の適格性の保証は、

最終製品のテストで提供されると思い込んでいた。この手順は、貴社の製薬用水システム

により製造された水の品質を直接モニタすることを怠っているので不適切である。貴社の

製薬用水システムが管理状態にあるかどうかをモニタするために製品試験を信頼すること

は受け入れられない。

モニタリングプログラムの開始後、貴社の製造用水システム内で、微生物のアクション

リミットからの重大な逸脱が確認された。

2016年に実施されたFDAの前の査察中、我々は、貴社のもともとの製薬用水システムが

その意図した使用目的に関し、適切にバリデートされていないことを発見した。これは

査察の終わりに貴社の経営陣と一緒に話し合われた。

貴社の製薬用水システムの継続的な管理状態を保証することは、医薬品の製造を支える

ために不可欠である。医薬品の製造のために使用する水は、その使用目的に適合し、

いかなる性能の低下も迅速に検知するために定期的に試験されなければならない。

貴社は回答の中で、貴社は貴社の製薬用水システムに大幅な変更を行い、XXによる

システムのXXを完了する予定であると述べた。しかし貴社の回答は、2016年に実施された

前回のFDAの査察中に安定したバリデートされたシステムが検討されたのに、貴社の

製薬用水システムが適切に設計されバリデートされていなかった理由の説明をすることを

怠った。さらに貴社の回答は今後のより慎重でタイムリーな作業の監視を保証するために

行う予防処置を含めなかった。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・全ての医薬品の製造ライフサイクルを通じた、よりよい継続的な管理監督を保証する

 改善計画

 工程のばらつきの原因を特定し、製造作業が適切なパラメータと品質基準を満たすこと

 を保証する、よりデータ駆動型で科学的に理にかなったプログラムを提供せよ。

 プログラムは、これに限定されないが、装置の使用目的への適合性の評価、投入原料の

 品質の保証、各製造工程の手順とその管理の能力と

 信頼性の判断、工程の性能と製品品質の慎重で継続的なモニタリングを含む。

・貴社の製薬用水システムの設計、管理、維持の包括的で独立したアセスメント

・適切な製薬用水システムを据え付け、運転するための徹底的な改善計画

 改善されたシステムの設計がアメリカ薬局方モノグラフの精製水の規格と適切な微生物

 限度を順守した水を一貫して精製することを保証するための安定して継続的な管理、

 維持とモニタリングプログラムを含めよ。

・後者に関し、貴社の水の総菌数の上限が貴社で製造される製品への意図した使用を考慮

 して適切であることを保証せよ。

・同様の違反の再発を防ぐための、システマティックで包括的な是正処置・予防処置(CAPA)

 の取り組みについて説明せよ。

 

●指摘2

貴社は、そのロットが既に出荷されたかどうかに関わらず、規格を満たすために、ロット

やその成分の全ての説明のつかない不一致や不具合を徹底的に調査することを怠った。

<指摘2詳細>

貴社の不合格の結果の調査は不十分だった。貴社の調査は、不合格の結果の根本原因を

特定せず、不合格の結果の出荷済ロットへの影響の評価に欠け、適切なCAPAを含んでいな

かった。

例えば:

2020915日、貴社は、貴社で製造された手の除菌用ローションの複数のロットに

 おける微生物の計数の不合格に対して調査(CAR09152020QCU)を開始した。これらの

 不具合の調査は、以下の点で不適切だった:

 〇これらのロットのいくつかは微生物の特定のために貴社の契約試験機関に送られ、

  セパシア菌の存在が明らかになった。貴社は、製品がセパシア菌に汚染されていて、

  酵母菌とかびが許容できないレベルであることを知りながら、関連する調査では、

  好ましくない微生物への個別の対応をせず、不具合の根本原因の適切な判断をしな

  かった。

 〇貴社の医薬品への好ましくない微生物の汚染の再発を防ぐための不十分なアクション

  が確認された。

  ・2020921日以降、製薬用水システムのモニタリング中、医薬品の製造で使用

   される分注用の口で微生物限度を超える不具合の再発が発見されたが、貴社は

   これらの不具合の結果を規定通りに調査していなかった。

  ・是正処置を規定する貴社の手順(SOP.002.011.001是正処置手順)は、根本原因の

   判断や効果の確認の規定に欠けていた。また、予防処置に関する適切な手順が

   欠けていた。

貴社は回答の中で、貴社の製薬用水システムの試験の上限に関する説明をし、関連する

手順と記入用紙を改訂していると述べた。しかし貴社の回答は、製薬用水システムの

不合格の結果に対してなぜ調査を開始しなかったに触れていなかった。また、予防手段

を割り出すために過去の調査のミスをより理解するための回顧的な分析と、システマ

ティックな改善を提案していない。さらに、貴社の回答は、調査が根本原因を特定し、

全ての範囲と影響を評価し、不具合・悪化傾向・その他の逸脱や不一致に対して適切

CAPAを実施することを確実にするための、貴社の品質システムの実質的な改善に

欠けている。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ。

・逸脱、不一致、苦情、規格外(OOS)の結果、不具合を調査するための貴社の総合的な

 システムの包括的で独立したアセスメント

 このシステムを改善するための詳細なアクションプランを提出せよ。貴社のアクション

 プランは、これに限定されないが、調査能力、範囲の決定、根本原因の評価、CAPA

 効果、品質保証部門の監督、文書化手順の大幅な改善も含むべきである。調査の全て

 の段階が適切に実施されていることを貴社がいかに保証するかについても述べよ。

・貴社のCAPAプログラムの独立したアセスメントと改善計画

 適切な調査能力を持った職員が根本原因の分析を効果的に実施していて、CAPAの効果

 を保証し、調査の傾向を定期的にレビュし、必要に応じてCAPAプログラムの改善を実施

 し、品質保証の判断の権限を保証し、それが経営陣により完全にサポートされているか

 を評価したレポートを提出せよ。

OOSの結果の調査システムに関する包括的なレビュと改善計画

 CAPAはこれに限定されないが以下のことへの取り組みを含むべきである:

 〇試験の調査の品質保証部門による監督

 〇品質管理の悪化傾向の特定

 〇試験のばらつきの原因の解決

 〇最終的に試験の原因が特定できないか場合はいつでも製造の原因の可能性の徹底的な

  調査の開始

 〇各調査の適切な範囲の決定とそのCAPA

 〇これらやそれ以外の改善を含むOOSの調査の改訂された手順

 

●指摘3

貴社の品質管理部門は、製造された医薬品がCGMPに従い、同一性、濃度、品質、純度に

関して制定された規格を満たすことを保証する責任を果たすことを怠った。

<指摘3詳細>

査察中、我々査察官は、貴社の品質部門が医薬品の製造に関する適切な監視を行わず、

医薬品の濃度、品質、純度を保証するための文書化された手順を制定し順守することを

怠ったことを確認した。例えば:

・貴社には、変更管理を監督するための適切な手順と組織的なシステムが欠けていた。

 貴社は、貴社の医薬品製造所、システム、装置、工程に影響を与えるかもしれない、

 提案された変更を評価するための効果的な仕組みや文書化された手順を持っていなかっ

 た。

・貴社は、2010322日に制定された、医薬品のXXのレビュを規定した手順を持って

 いる。しかし、この手順の開始以来、貴社は製造した全ての医薬品のXXのレビュを

 実施したことがない。

・査察中、貴社の従業員のXXに関する教育記録がレビュされ、これらの記録は、全ての

 XXの従業員は完全な教育を受けていないことを示していた。

・貴社は、2020921日に、契約試験機関を使って工程内の水と製品について生菌数の

 試験を開始した。貴社はXXを用いたTAMCTYMCの試験に関し、適合性とバリデーション

 を指示した。

・貴社は、クロロキシレノールを含む医薬品に関し、抗菌有効性試験(AET)を実施しなかっ

 た。

研究で、セパシア菌群(Bcc)バクテリアが、塩化ベンザルコニウム医薬品を含んだ、

環境ストレス要因に対処するための戦略をとっていることを明らかにした。これらの条件

のもとで、細胞は生存可能で、最初に培養されることができなくても、その完全性と

病原性を維持できる。Bccは最初の試験中に正常な状態に戻らなかったという事実にも

拘らず、条件に順応し保存されている医薬品の中で急増するかもしれない。初期の

リリース試験の結果は重要な品質管理の情報を提供していたが、それらの試験結果は、

所定のロットの微生物の品質の完全な理解や安定性の予測をもたらさなかった可能性が

ある。一例として、手の除菌用ローションのロット538756に関するリリース試験で合格の

結果を得たが、20231月の使用期限の後期の、貴社の契約試験機関とFDAの両方の試験で

Bccと総菌数で不合格を示した。

貴社の回答は、ある程度、貴社が違反に関連する手順を作成または改訂し、貴社のメンテ

ナンスプログラムを向上させ、教育プログラムを向上させ、特定された試験の不備に対処

していることを示している。しかし、貴社はこの不具合をもたらした品質管理部門内の

根本的な不備に対応することを怠っているので貴社の回答は不適切である。さらに、貴社

の不完全な品質部門がこの査察で確認されなかった製造作業に影響を与えたかどうかの

評価がされていない。貴社は、品質部門の不備の範囲をレビュせず、貴社の製造作業の

安定した監督と管理を保証するために貴社がシステム上の手順を踏んだというエビデンス

の提供を怠った。

この文書内の重大な指摘事項は、貴社の品質部門がその権限と責任を果たしていなことを

示している。貴社はその責任を果たし医薬品の品質を一貫して保証するために、品質部門

に適切な権限と十分なリソースを提供しなければならない。

この文書への回答の中で、以下の情報を提供せよ:

・貴社の品質部門が効果的に機能するために、品質部門に権限とリソースを与えられている

 ことを保証するための包括的なアセスメントと改善プラン

 これらのアセスメントは、これに限定されないが以下のことを含むべきである:

 〇貴社でとられた手順が安定していて適切かどうかの判断

 〇適切な手順の順守を評価するための、品質管理部門の貴社の作業全体の監督の規定

 〇品質部門のロットの出荷判定前に各ロットとそれに関連する情報の完全で最終的な

  レビュ

 〇調査の監督と承認及び全ての製品の同一性、濃度、品質、純度を保証するための品質

  部門のその他の職務からの解放

  ●貴社の医薬品製造作業におけるワーストケースとして特定された条件を取り入れる

   ことと、許容可能な製造のための衛生システムを保証することに特に重点を置いた

   適切な洗浄バリデーションプログラムの実施

   それには、これに限定されないが、以下の全てのワーストケースの特定と評価を

   含むべきである:

  〇より高い毒性を持つ医薬品、より高い有効性を持つ医薬品、洗浄溶液の中でより

   低い溶解度の医薬品

  〇洗浄を難しくする特性を持った医薬品

  〇洗浄を最も難しくする拭き取り場所

  〇装置と洗浄手順に関連した微生物のリスクと、洗浄前の最大保持時間

  〇新しい製品や装置が適切に管理されていることを保証する変更管理の規定

それから、洗浄バリデーションと検証に関する手順、貴社の製造工程で使用される全ての

製造装置の今までに実施された全ての検証のステータスレポートを提出せよ。それぞれの

装置について、多目的か専用かを述べよ。

・貴社の変更管理システムの包括的で独立したアセスメント

 このアセスメントは、これに限定されないが、変更が正当化され、レビュされ、品質

 部門に承認されていることを保証する貴社の手順を含めよ。

 貴社の変更管理プログラムは変更の効果を判断するための規定も含めるべきである。

・開発から保存されている製品のロットの使用有効期間の終わりの間で、アメリカ薬局方

 <51>を利用した貴社の医薬品がAETを実施する約束(ICH Q1Aを見よ)

 試験は、製品の処方に含まれていない成分は追加せず、保存濃度(ラベルに表示された

 最低保存濃度またはそれ以下)の範囲で実施されるべきである。さらに、貴社の医薬品

 の製剤の中で生き残るためにゆっくり増殖し、製品の有効期間の後半で急増する微生物

 の能力を評価せよ。

 

●微生物の汚染

貴社の査察の途中で、FDAの査察官は手の除菌用ローション(ロット538756、使用期限2023

1)1ガロン内の3つの補助サンプルからなるFDAサンプル1148361を含む製品サンプルを

収集した。FDAの試験の分析で、このロット内にセパシア菌群を確認した。さらに、3つの

補助サンプル全ての微生物が好気性微生物総数(TAMC)と酵母のカビの総数(TYMC)試験

からハイレベルの微生物がみつかった。これらの結果は、最終製品のXXのコロニー形成

単位の規格を著しく超えていた。貴社は我々査察官と同様の結果を得た契約試験機関と

協力してサンプルを収集した。これらのサンプルの結果は、FDCA501(a)(2)(A)章の

もとで、貴社の製造所で製造された製品は、汚染の原因になる不衛生な状態で製造された

ことを示している。

我々は、貴社が2021329日に製品の8バッチの回収を開始したことを知っている。

しかし、FDAは、貴社が提案した回収の範囲に同意しなかった。2021512日、FDAは、

貴社と電話会議を開催し、使用期限内にある全ての水性の医薬品の回収を勧めた。貴社は

2021524日に回収の範囲を広げた。

さらに貴社は、いくつかの製品がセパシア菌群に汚染されていることが貴社の契約試験

施設で発見された後の202071日に、製品の10ロットを回収していた。202083日、

FDAは貴社の手の除菌用ローションの微生物汚染を公表した。

非無菌の水性製品内のセパシア菌群の汚染は、消費者を重大な危険にさらす可能性がある。

 

●未承認の新薬と不正商標表示違反

省略

 

●役に立たない品質システム

これらの違反は、医薬品の製造の適切な監督と管理を実施するための経営陣の管理の

不履行を示している。貴社は、システム、工程、最終的には製品がFDAの要件に一致して

いることを保証するために、貴社の製造作業をすぐに包括的に評価すべきである。

貴社は回答の中で、これに限定されないが、新たに発生した製造や品質の問題に積極的

に対応し、継続的な管理状態を保証するための、タイムリーなリソースの提供を含む、

品質保証と信頼できる作業を経営陣がいかにサポートするかについて述べよ。

 

●医薬品製造の停止

我々は、貴社がこの製造所で医薬品の製造を一時的に中止すると約束したと認識している。

もし、貴社が医薬品の製造作業を再開するつもりなら、貴社の作業を再開する前に、貴社

の改善状態を論じるための会議を予定するために連絡せよ。貴社の会議の要求には、全て

の改善の文書化された確認書と、貴社のシステムのSGMPの是正を裏付ける詳細な文書を

含むべきである。

 

CGMP

我々が貴社で発見した違反の性質に基づき、CGMPの要件を満たすために貴社を手伝うため

に、21 CFR 211.34に記載されているコンサルタントを雇うことを強く勧める。貴社の

コンサルタントの使用は、CGMPを順守するための貴社の義務を軽減するものではない。

貴社の経営陣には、継続的なCGMP順守を保証するために、全ての不備とシステムの欠陥を

解決する責任が残る。

 

●結論

この文書で挙げた違反は、貴社の製造所に存在する違反の包括的なリストでもない。

貴社には、違反を調査し、原因を判断し、再発やその他の違反の発生を防止する責任が

ある。

全ての違反を速やかに是正せよ。この問題への即座の適切な対処の不履行は、制限のない

差し押さえ、強制命令を含む、さらなる通知のない制限または法的なアクションにつなが

るかもしれない。未解決の違反は、他の連邦機関の契約授与も妨げるかもしれない。

違反への対処の不履行は、FDAの輸出証明の発行の差し控えにもつながるかもしれない。

全ての違反に完全に対応がされ、我々が貴社のCGMPの遵守を確認するまで、FDAは貴社の

医薬品製造業者としての新しい申請やリストの補完の承認を保留するだろう。我々は、

貴社が全ての違反に対する是正処置を完了したことを確認するために再査察を行うかも

しれない。

 

出典:https://www.fda.gov/inspections-compliance-enforcement-and-criminal-investigations/warning-letters/spartan-chemical-company-inc-614450-12152021

 

 

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まとめ

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いかがでしたでしょうか。

 

どちらのウォーニングレターにも、品質部門がその責任を十分に果たせていないことに

関する指摘を含んでいました。

指摘にもある通り、品質部門が効果的に機能するためには、品質部門のリソースの確保

はもちろんですが、品質部門が独立して製造作業を監視・監督することを可能にする規定

の整備も必要で、これは、会社の品質に対する姿勢が問われる部分ではないでしょうか。

FDAがアメリカ国内の製薬会社に対して行った指摘ではありますが、国を問わず、どの

会社も意識しなければいけない内容だと思いました。

 

☆次回は、3/15(火)に配信させていただきます。

 

 

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インターフェックスWeek大阪のご案内

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新型コロナの状況次第ではありますが、202239日~11日に、インターフェックス

Week大阪(インテックス大阪)への出展を予定しております。

ご来場される方は、是非、弊社ブース【4号館 2-53】にもお立ち寄りいただければ

幸いです。