製薬会社様向け統合生産管理システムASTROMの導入手順
導入手順
システム導入期間や導入の流れは、システム化の範囲・カスタマイズの有無により異なりますが、
一般的には、生産管理システムで1年、在庫管理システムで4ヶ月程度を見ておいてください。
ここでは、生産管理システムの一般的な流れをご紹介します。
★作業負荷大★というコメントのついた作業は、お客様側の作業負荷もかなり発生しますので、
予め人員の補充等の対策を検討しておくことをお勧めします。
1.システム構想
①業務の問題点や改善点等を洗い出す
現状業務の問題点や、改善すべき点などを洗い出します。
②①の中で、何を、いつまでに、どれくらいの予算でシステム化するかを検討する
一度に全てをシステム化することは困難です。システム化の目的を明確にしたうえで、①に
優
③プロジェクトメンバを選定する
生産管理システムの導入は工場全体が協力して実施していく必要がありますが、システム導入
プロジェクトを円滑に進めるために、プロジェクトをけん引するメンバを選定します。
現場の業務をご存知であり、かつ、ある程度、仕様を決定する権限を持った方を選定されるこ
お勧めします。
2.サプライヤ選定
① システム構想を提案依頼書(RFP)にまとめ、サプライヤに配布する
注1:提案依頼書は、複数のサプライヤに配布することをお勧めします。
複数のサプライヤが競い合うことにより、製薬会社様にとってより有益な提案を引き出
すことができます。
注2:提案依頼書には、製薬会社様独自の製法、管理手法、取引先情報等が含まれる可能性が
ありますので、提案依頼書の配布と引き換えに機密保持契約を締結されることをお勧め
します。
② サプライヤの提案を受ける
サプライヤから提案書を受け取り、提案書の中味を吟味します。
また、必要に応じて、サプライヤにシステムのデモンストレーションやプレゼンテーションを
実施させます。
③ サプライヤの提案内容、提案額、アセスメント結果等からサプライヤを選定する
サプライヤの提案内容や提案額が、提案依頼内容にマッチしているかを吟味します。
また、生産管理システムの発注を行って問題がないサプライヤかどうかを評価します。
そのうえで、複数のサプライヤの中から、発注先のサプライヤを1社選定します。
3.開発
①サプライヤと一緒に、1のシステム構想を具体化し、要求仕様を決める ★作業負荷大★
サプライヤと打ち合わせ(要件定義)を実施し、システム構想を具体的な要求仕様として整理し
ます。
サプライヤに良いシステムを設計させるためには、サプライヤに工場見学をさせたり、運用
を提示したりして、業務をよく理解させることが重要です。
②サプライヤから再見積を受け、要求仕様の中で実際にシステム化する内容を絞りこむ
要求仕様が出つくしたところで、通常は、サプライヤに再度見積金額を提示させます。
というのも、提案依頼書をもとに算出した見積金額は、具体的な検討を開始する前に算出した
金額であるために、見積精度が低いためです。
通常、要求仕様確定後の見積もり金額は当初の予算をオーバーしてしまいます。その場合、当
システム化の目的に立ち戻り、まず何を実施すべきか、絞り込むことも必要です。
③機能仕様、設計仕様を決める
サプライヤが主体になって、要求仕様を実現するために、システムにはどのような機能・性能
必要なのかを検討し、システムの機能仕様、設計仕様を決めていきます。
製薬会社様は、サプライヤから提出された機能仕様、設計仕様をレビュし、承認します。
製薬会社様がシステム内部の仕様を把握することは難しいですが、外部仕様といわれる画面や
のレイアウトは、運用開始後、現場の方の使い勝手に関係することなので、十分に確認す
お勧めします。
④サプライヤがシステムを開発しテストする
注1:この時期に、可能であればサプライヤを訪問監査し、サプライヤが定められた品質管
に則ってシステムの開発・テストを行っていることを確認します。
4.バリデーション
システムを検証し、システム要求通りに作られ、動作することを確認する ★作業負荷大★
検証作業を製薬会社様だけで実施するのは非常に困難です。サプライヤをうまく活用して、検証作業
を進めていくことをお勧めします。
5.稼働前準備
①データ移行 ★作業負荷大★
新システムに、マスタデータや、システムを稼働させるのに必要な在庫データ等を登録します。
旧システムが存在する場合は、旧システムから新システムにデータを移行します。
マスタデータの準備作業が間に合わなくて、稼働開始が遅れるということが起きがちです。
サプライヤと共に早めに移行計画を立てて、前もって準備をすることをお勧めします。
②新システムを使ったSOPの作成 ★作業負荷大★
新システムを使ったSOPを作成します。
これは、性能適格性評価(PQ)のシナリオに使用したり、現場の担当者様への教育に使用し
するため、サプライヤの支援を受けながら早めに作成しておくことをお勧めします。
③教育訓練
新システムを習得するたに、現場の担当者様に教育を行います。
現場の担当者様には、日常使用している言葉を使って教育を行うほうが習得が早いため、教育
は、サプライヤ立会のもと、プロジェクトメンバが主体になって実施することをお勧めし
6.システム稼働
①並行稼働 ★作業負荷大★
通常は、一定期間、旧運用(または旧システム)と新システムの並行稼働を行い、新システム
使って業務がまわることが確認します。
この期間は、日常作業を2つの方法で行うため、作業負荷がかかることに対して覚悟が必要で
場合によっては、一時的に入力作業者の増員する検討も必要になるかもしれません。
②旧システムの廃棄旧運用(または旧システム)を止める
新システムで業務がまわることが確認できたら、旧システムに蓄積されたデータを保存したう
旧システムを廃棄します。